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2010年8月 5日 (木)

高齢者の所在不明

 毎日新聞(8/5)『社説』から、《 》内は私見。
 《いきなり社説らしからぬ嘆き節から始まる。「いつからこんな国になったのだろうか」と。原因は遠く第二次大戦の敗北から始まっているのだ。敗戦までは軍国少年の頭に、教育勅語を叩き込み、「一旦緩急あれば義勇公に奉じ」と戦争で天皇陛下のために死ぬことを男子の本懐と教えた。そして具体的には個人主義の国アメリカを自分さえ良ければ他はどうでもいい、と考える国であるとし、こんな国は地球上から抹殺しなければならないんだ、と。》

 《しかし、日本は戦争で完膚なきまでに敗北を喫した。敗れた日本はどうしたか。知識人までもが過去の歴史を、神を、教育勅語を、家族制度までもを全否定した。それに代わってそれまで敵国であった国々の「民主主義」と呼ばれるものを採用することになった。子どもたちには個人主義として悪であると教えたものだったが、そのために採用した民主主義は自由主義とも呼ばれ、その認識は、教師たちが自分さえ良ければいい、と教えた程度の理解でしかなかったのだった。自由は責任を伴うが故に自由であることを、知識人や教師や大人たちも教えて来なかったことが、それ以降、現在でも自由が責任と同義語であることを理解できてない人間がほとんどの国になってしまったのが日本の現状だろう。》

 《親を尊敬し、或いは長上を敬う美風は、隣国韓国では生きて残っているようだが、悲しいかな日本では失われてしまった。今回の高齢者の所在不明は、そのような家族制度の崩壊から発生したものであることに疑いはない。「家つき カーつき ババア抜き」でスタートした復興期の婚姻は、先ず嫁は夫に親を捨てさせることから始め、そのためには薄給には無理でも家を持つ必要に迫られ、新生活から苦しい日々を迎えることになる。やがて子どもが生まれ、小遣いを欲しがるようになって年に1〜2度、ジジ、ババを思い出す。現在の、日本の家族のつながりはこれ以上のものではない。》

 《子どもは成長して自分で収入が得られるようになると、ジジ、ババは必要なくなり、繋がりは疎遠になり、次第に消滅して行く。何十年か経過してジジ、ババの生存すら気にかけなくなって行く。今、政府や自治体が慌てふためいて追跡調査に走り回っているようだが、決して彼らの責任ではない。現在所在不明になっている人たちは、持っていれば便利な携帯電話もその存在すら知らないか、使えない世代の人たちだ。所在不明の人たちは、生きていれば丁度私の父母の世代の人たちだが、私の両親(どちらも小学校しか出ていないが)は、ひらがなの多いものだったが、私からのものの何倍も、頼りはよこしてくれたり、長男の成長に合わせて祝いなども届いた。家族の関係が密な時代では家族同士の書簡のやり取りは当たり前に行われていたものだ。まして家族が離ればなれになっても、家族でなければ親類縁者が情報を把握しており、途絶えることなど決してなかった。(ただ、敗戦後、中国から引き上げてきた憲兵だった叔父が、かの地での悪行(?)を恐れ、帰国後行方をくらまして行方不明になったことはブログでも触れた。)今現在の、これほどの家族制度の崩壊がなければ、現在起きているような不幸な所在不明は発生していなかったであろう。将に現代の『姥捨て』だ。》

《あとは、政府、自治体の動きを監視することと、現在の、こうなった本当の原因を追及してほしい。最近の行き過ぎたプライバシー保護が余計に調査を難しくしているのだろうが、戸籍謄本などを参考に、何らかの家族を結びつける方法を探し出して、所在や生存確認をすることができるのではないだろうか。》

【閑話休題】
 東京都足立区で死後30年ほど経過した男性の白骨死体が見つかった。111歳で都内の男性で最高齢と思われていた人だった。その後、杉並区でも113歳の女性の所在が不明になっていることが分かった。家族らは数十年前から女性と連絡を取っていなかったという。これが世界の先端をいく長寿国かと思うと寒々しくなる。

 全国の自治体は100歳以上の人の確認を始めたが、所在不明者が続々と明らかになっている。100歳未満にまで対象を広げればさらに増えるのは間違いない。厚生労働省は110歳以上で年金を受給している人はすべて面会して所在を確かめる方針だ。対象者は数十人で市町村議員が訪ね、確認が難しければ年金事務所の職員が出向くという。

 100歳以上でまったく医療や介護が必要ない人はいるだろうか。所在不明の高齢者の生命や健康が心配される。また、足立区の男性の場合、6年前に死亡した妻の年金が今年6月まで支給され続け、計945万円に上っていた。その一部が預金口座から引き下ろされており、警察が詐欺容疑で捜査している。

 最近は、お年寄りが死亡しても家族が届けを出さず、本人が生きているように装って年金を不正受給していたケースが相次いで摘発されている。

《生きている間は、年長者を敬いもせず、死して尚、足蹴にするような行為は許されるものではない。》

 年金受給者は現在約4000万人。生存確率は年1回行われているが、死亡届が出ていなければ生存扱いとされる。不正を防止するためにも実効性のある安否確認の方法を考える必要がある。

 これまで高齢者の安否確認といえば独居や高齢夫婦の世帯が対象で、家族と同居している人が所在不明になることは想定されていなかった。100歳になった人には厚労省が毎年、都道府県に戸籍などの書面調査や生存確認を求め、調査結果に基づいて記念品を贈っている。

 敬老祝い金などを贈っている市町村も多く、足立区の男性宅には民生委員が年に1回シルバーパスを渡すために訪れていた。いずれも生存確認に厳密な規定はなく、家族が面会を拒否すればそれ以上の確認は難しいのが実情だ。過度な個人情報保護の風潮が生存確認をますます難しくしているとの指摘もある。

 100歳以上は昨年9月時点で4万399人だが、今後は増加の勢いが強まり、30年には27万人、55年には63万人になると推定されている。対策を急がねばならない。せめて年金受給者の所在不明が疑われた場合、すぐに介護保険や医療保護の使用状況をチェックし、利用実績がなければ面会に出向くなどして安否確認を徹底すべきではないか。

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