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2010年8月22日 (日)

山小屋のトイレに国の補助が

 昔は「男の世界」の代名詞であった「山男」に取って代わるように、山登りを楽しむ20〜30代の女性が急増している。週末や連休の北アルプス、八ヶ岳連峰などは、華やいだ「山女」でいっぱいだという。そこで気になるのが栄養補給、水分補給で体に入れ、汗になって体外に出るものほかに、糞尿となって体外排出しなければならない場所と、その処理が必要になってくる。爆発的に増えた富士登山で、垂れ流しが世界遺産登録の願いさえ届かなかったことで問題化したこともあった。

 50〜60年前、私の若い頃の人数も多くなかった時代の登山では、山小屋のトイレは急峻な崖に張り出した造りになったところが結構な数あり、糞尿は下を流れるせせらぎに向かって落としていた。川には自浄作用があってさほど問題になることはなかった。それから半世紀以上が経過した。

 毎日新聞(8/22)『なるほドリ』欄から、 要約と 《 》内は私見。
 「山小屋トイレ整備の補助続けます」という報道があったが、登山者が利用する山小屋に、浄化施設を備えた新型トイレを新設したり、旧式の「垂れ流し」トイレから新型へ改修する場合、環境省が補助金支出を継続するということだ。同省の政策を見直す行政事業レビューでは「廃止」判定だったが、再検討の結果、5〜10年の時限措置で支出を続けることになった。

 Q 山小屋はほとんど民間の運営なのに、そのトイレになぜ国の支援が必要なのだろうか。

 A レビューでも「受益者・汚染者負担の原則から、登山者の利用料で整備すべきだ」という議論があった。本来、山岳地帯には、国が公衆トイレを設置するのが基本だ。民間の山小屋トイレには代替の役割があるといえるが、ヘリコプターで機材を運ぶなど整備の初期費用が高く、利用料のみで改修するのは困難だ。零細で経営が厳しい山小屋も多く、補助なしに設置は進まない。野放図な「垂れ流し」を続ければ、山の貴重な植生に影響したり、河川が大腸菌で汚染される懸念もある。

 Q つまり、山の生態系保護のために補助を続けるということか

 A そうだ。環境省は山小屋トイレには、良好な自然環境を守る公共性があると強調している。以前、政府が富士山の世界自然遺産への推薦を断念した一因に、トイレ整備が十分でなく、排泄物や処理に使ったトイレットペーパーが景観を乱したことも挙げられた。

 Q やっぱり登山者が意識しなきゃいけないことだね

 A その通り。レビューの指摘は「環境保全は必要だが、費用負担のあり方を見直せ」ということだった。環境省も今後は、整備後の維持・管理について利用者負担の原則を明確にする。
 従来は中高年が登山ブームを支えていたが、最近は「山女」(山ガール)と呼ばれる若い女性も増えている。「きれいなトイレ」が増えれば、登山愛好家の層は広がるだろう。利用料の支払いには気持ちよく応じ、携帯トイレを持参するなど、一人一人に山を汚さない努力が求められる。

《とは言っても、海外の観光国にあるように、トイレには使用料を受け取る係員を配置する制度でも設けなければ、モラルなどどこ吹く風の今風日本人からは、取り損ねも多くなるだろう。》

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