原爆投下 米で肯定6割
毎日新聞(8/4)から、《 》内は私見。
広島・長崎への原爆投下の是非について、米国民を対象にした昨年の世論調査では6割の「正しかった」と回答し、依然、肯定派が多数を占めている。
世論調査は09年7〜8月、全米の有権者2409人を対象に米コネティカット州のキニピアック大学が実施した。原爆投下に賛成は全体の61%で、反対の22%を大きく上回った。年齢別だと、55歳以上で賛成が73%に上る一方、18〜34歳の若年層では50%だった。
また、カナダの研究機関が07年に行ったインターネット世論調査によると、米英仏の各国で「戦時における核兵器使用の是非」を質問したところ、「正当化される」と答えたのは米国が25%で、英国(17%)、フランス(15%)を上回った。
《原爆の投下は今から65年前のことだ。当時の世界は戦火の中にあってお互い「敵殲滅」を合い言葉に、より強力な武器の開発に邁進していた。勿論日本も原爆の開発には著名な科学者が集められ、敵に遅れを取るまいと取り組んでいた。今にして思えば幸か不幸か、資金力、頭脳に勝るアメリカの科学者が一歩先んじて完成させた。ヨーロッパの戦線で、南方やアジアの戦いで、多くの戦死者を出していたアメリカが、自国の被害を抑え、敵国への被害を甚大なものにするのに躊躇なく日本に原爆を落とすことを選んだとしても、何の不思議もなかった。》
《このことを反対側から見れば、同じように日本の原爆開発がアメリカを越していれば、日本がアメリカに向けて原爆を落とすのに何も躊躇する必要もなかったであろうし、落としたであろうと確信を持って言い切れる。そして、現時点で同じ世論調査を行えば、日本人もアメリカ人と同様の回答「正しかった」とするだろう。戦争とはそういうものであって勝つためには当然のことなのだ。第1次世界大戦後の反省から、毒ガスや細菌の使用は国際的に禁止とされていた。だが、毒ガスはナチスがユダヤ人の大量殺人で使用したし、細菌は日本軍(七三一部隊)が中国で使用したことは明白になっている。私は米国民のように原爆を投下したことが正しかったとは思わないが、現時点でも「やむを得なかった」と思うものだ。》
《しかし、65年が経過した今日、この原爆投下を評価すれば、時の流れは今後、決して原爆投下を許さないという結論になることも当然のことだ。65年前の世界の価値観と、65年後の秩序を取り戻した現在のそれは、違って当たり前のことだ。アメリカに今でも正しいと思う6割の人間がいるということは、投下国の後ろめたい影の反映だろう。現在、原爆反対、核なき世界を念じて運動を続けることは世界中の願いでもあるのだ。》
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コメント
広島や長崎の無防備な非戦闘員の一般市民に対への原爆投下を肯定視(正当化)するアメリカの国民が、もし、今後に於いて、仮想の敵国からアメリカ全土に原爆などの核兵器が使用され投下された時に、仮想敵国の国民から核兵器の使用を肯定されたら、アメリカの国民はどのように考えるのでしょうね。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」の諺(コトワザ)があるように、敗戦国の日本の国民は核兵器使用を正当化するような発言をしているアメリカの国民に対して文句のひとつも言えない日本人に成り下がってしまったことが残念で仕方がありません。
これも「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び」の精神なのでしょうね!。
投稿: 間吊田和志輿為 | 2012年1月18日 (水) 03時16分
教育などその考えに至った背景は様々だろうが、平和的に解決というのが人類の先進的思考であるのに対し、アメリカの大半は時代に対し逆行的な考えを持っていることについて、無自覚で無知な人が多いことにもう少し敏感になるべきだと思う。アメリカ人イコール世界の破滅者と呼ばれる前に。
投稿: 通りすがり | 2012年10月12日 (金) 00時17分