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2010年8月31日 (火)

鯨肉窃盗裁判

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サギソウ




 毎日新聞(8/30)から、要約と、 《 》内は私見。
 《2年前の事件の報道から。参照 盗人にも三分の理 08/06
 盗人の理屈がどこまで通用するのか、それとも勘案の余地があるのか。》

 調査捕鯨船での鯨肉横領疑惑を調べていた国際環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」(東京都新宿区)のメンバー2人が「証拠品」となる鯨肉を確保して告発したところ、逆に窃盗などの罪で起訴された裁判の判決が9月6日、青森地裁(小川賢司裁判長)で言い渡される。被告側はNGO(非政府組織)の調査活動もジャーナリストの取材活動と同様の保護を受けるべきだとして無罪を主張している。表現の自由の観点から裁判までの経緯、論点を整理した。

 「船員が大量の高級鯨肉を勝手に持ち出し、一部を売り捌いている」。08年1月、グリーンピース・ジャパンにこんな情報が届いた。通報したのは捕鯨船「日新丸」の50歳代の元船員男性だった。元船員は「捕鯨の是非の立場は違うがグリーンピースなら社会問題化してくれると思った」と明かした。

 GPは同年4月15日、帰港した日新丸から降ろされる船員の私物の入った段ボールの荷物を追跡。西濃運輸青森支店の配送所で、疑いのある荷物を無断で持ち帰った。「ダンボール」とあった箱の中には、鯨ベーコンの原料となるウネスと呼ばれる高級鯨肉が計10本(約23キロ)入っていた。GPは「横領の証拠品」として5月15日に東京都内で記者会見し、鯨肉の解体・加工に従事する船員12人を業務上横領の疑いで東京地検に告発した。

 ところが西濃運輸の被害届を受けた青森県警は6月20日、荷物を持ち出したGPメンバーの2容疑者(佐藤潤一 33、鈴木徹 43)を窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕した。同日公共地検は当該鯨肉は共同船舶が鯨研からI取った土産と判断、不起訴(容疑なし)とした。東京第1検察審査会も今年4月22日付で不起訴相当と議決した。2人は起訴され、青森地検は6月、懲役1年6月を求刑。弁護側は「船員らの鯨肉横領を告発するための正当な行為」と無罪を主張している。

 裁判で最大の焦点は、違法な手段で情報収集する行為が、公共の利益を図る目的であれば正当化(違法性の阻却)され、それがNGOの調査活動にも認められるかどうかだ。裁判所が報道機関などの取材行為によって損なわれる利益と社会が得られる利益を比較して判断するのは珍しくない。

 内部告発を巡る裁判では、正当行為と認めて違法性を退ける判決も出始めている。取引先への不正請求の内部文書を複写して内部告発した従業員の行為について、東京地裁は「形式的は違法とされる可能性のある行為であるとしても、真実であることを示すために必要な行為。正当行為として違法性は阻却される」と判決(07年)している。

 一方、2人の逮捕を巡っては、国連人権理事会の「恣意的拘禁に関する作業グループ」が09年9月、「国際人権規約に違反する」との意見書を採択し、日本政府に国際基準にかなう手続きを求めた。

 公判では、ベルギー・ヘント大学のデレク・フォルホーフ教授(国際人権法)は被告側証人として、今年3月に青森地裁で「裁判所は、表現の自由を保障する自由権規約と刑法に矛盾がある場合は規約を優先すべきだ」と証言した。公判後の取材で教授は「欧州人権裁判所は、公共の利益に関する活動をしているNGOには報道機関と同様の権利が保障されるべきだとしており、守秘義務違反や文書持ち出しといった軽微な犯罪であれば許容している。2人の行為は公共の利益に寄与するものであり、青森地裁はこうした国際的な水準に照らして判断すべきだ」と指摘した。

 東京、徳島地裁などでは自由権規約の解釈に当り、欧州人権裁判所の判例を解釈基準として肯定する判断も出始めている。

 これに対し、青森地裁は6月の論告で「自由権規約で保障されるのは、『情報及び考え』であり、運送会社に侵入したうえ、荷物を窃取する行為は保障されていない」と反論した。

《私の判断は2年前と変わらない。「仲間への裏切りは万死に値する」。ましてその裏切りのために建造物への侵入を行い、窃盗行為にまで及ぶことは目的の如何を問わず犯罪以外の何者でもない。》

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2010年8月28日 (土)

日韓基本条約

 毎日新聞(8/28)|なるほドリ」から、
 日本と韓国の国交正常化にあたって1965年に締結された条約。
 1、両国間の外交関係樹立
 2、1910年に結ばれた日韓併合条約の無効確認
 3、韓国を朝鮮半島になる唯一の合法政府と確認
 4、貿易や交通などの協定交渉を開始
 などが決められた。

 Q この条約が、なぜ45年も経った今、注目されるのか

 A 日韓併合条約の効力を巡る解釈について両国の意見が異なっているのだ。日本は「併合条約は合法的に締結された」と主張し、韓国は「強制的に締結された条約は当初から向こう」との立場をとってきた。基本条約の交渉時にも議論になったが、結論が出なかったため、「もはや無効」という曖昧な表現が使われた。今月10日に菅直人首相が発表した日韓併合100年をめぐる首相談話は「韓国の人々は、意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけられました」と強制性を認めたが、韓国では「併合条約の不法制を認めるべきだ」という声が上がった。

 Q 文化財返還とか戦後補償という言葉もよく聞くが

 A これは基本条約と同時に締結された請求権・経済協力協定の問題だ。国交樹立の際、植民地支配の間に生じた財産請求権をどう清算するかが問題になった。05年1月に韓国政府が公開した「日韓条約関連文書」によると協定を結ぶ過程で日本側の経済協力と引き換えに韓国側は対日請求権を放棄することを決めた。

 Q 放棄したはずの問題が再発するんはなぜか

 A 90年代に元従軍慰安婦が名乗りを上げたのを契機に韓国で日本政府に謝罪と補償を求める声が起きた。この時、日本政府は「協定で解決済み」との立場を取った。しかし韓国では「協定締結時に知られていなかった問題についてまで請求権を放棄したわけではない」「人権問題は条約に優先して解決されるべきだ」との主張が出た。

《(協定締結時に知られていなかった・・・)わけではないだろう。日本側からは暴かれたくない恥部を敢えてさらけ出すよりは、そのままそっとしておきたかっただろうし、韓国側の元従軍慰安婦当人たちも、忘れたい過去を白日の下に曝される恥辱を避けたかったものと考える方が人間的ではないか。元従軍慰安婦の人たちが、忘れようにも消し得ない辱めは何年経っても忘れられるものではないだろう。》

 文化財についても同様だ。国交正常化の過程で宮内庁所蔵書籍を含む1432点が返還され、国際法上決着した問題とされてきた。しかし日韓併合100年を機に「不当・不法な方法で日本に持ち出された文化財に請求権放棄の効果は及ばない」との立場から、韓国の市民団体などが、日本に流出した多くの文化財返還運動を開始した。

 Q 首相談話で、宮内庁が保管していた文書が韓国に戻されることになったが

 A 談話は「返還」ではなく「お渡ししたい」という言葉を使った。他の戦後補償問題への影響を避けるためだったとみられる。今年1月、朝鮮半島から日本に6万1409点の文化財が流出したと発表した韓国文化財庁も「すべての流出文化財の返還実現は困難」との立場だが、韓国からの文化財返還を求める声は、今後さらに大きくなることだろう。

 参照 「朝鮮王朝実録」寄贈か返還か 06/06

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2010年8月27日 (金)

予約型奨学金 返済不要

 毎日新聞(8/24)から、
 大学受験生を対象に合格決定前に奨学金の内定を出す予約採用給付奨学金制度を新設する大学が相次いでいるという。お茶の水女子大(東京都文京区)は国立大で初めて導入、11年度入試に向けて今月から募集を始めた。経済的理由で進学を諦めざるを得ない生徒を支援しようとする取り組みだが、一方で、少子化で受験者数が減少傾向にある大学側にとっては優秀な人材を引きつけようという狙いもあるようだ。

 予約採用給付奨学金は受験前に入学後の受給者を内定する制度。入試に合格して、実際に入学すれば授業料免除や奨学金支給が受けられる。返済は不要。

 制度を新設した大学は、いずれも高校の成績や保護者の年収などの条件付きで募集。国立大で初めて導入したお茶の水女子大は「奨学金を受給できると事前に知らせることで受験の機会が失われないようにしたい」と説明。創価大(東京都八王子市)は「切実な経済事情にありながらも大学で学びたいという生徒は志が高い。入学後に他の学生にもいい刺激になる」と大学側のメリットを強調する。愛知大(愛知県豊橋市)は「私立大学に行けないと思っている生徒に使って欲しい」と話す。

 既に09年の入学生から予約採用を始めている早稲田大(東京都新宿区)は高校の評定平均値3・5以上、保護者の年収が700万円未満ーーなどを条件に、500人の学生に40万円を4年間給付している。

【予約採用給付奨学金を新設した主な大学】
大学名    金額    枠   高校の成績
                 保護者の年収など条件
お茶の水 30万円×2年  25人  成績評価A以上
女子大               700万円未満

創価大  4年間の授業料  200人  評定平均値3・0以上
     半額免除など       400万円未満

愛知大  50万円×4年   50人  評定平均値3・5以上
                  600万円未満
                  東海4県以外の出身者

 奨学金問題に詳しい東京大学大学総合教育研究センターの小林雅之教授(教育社会学)は「事前に受給できる見通しが立つので、経済力のない家庭の生徒に進学を促せる。貸与では借金と同じで、卒業後に安定した就職先が見つかるとは限らない状況下ではためらってしまう」と話している。

《貸与しても返済するとは限らない荒れ果てた現在の世の中だ。だったら最初から、リスクとして予算計上しておけば大学経営も何とかなるのだろう。専門家でさえも、不況下の日本経済をエクスキューズの要因として認めているのだ。とにもかくにも大人たちは若者をひ弱にひ弱に育てることに腐心しているようだ。 参照 奨学金延滞問題 09/11  》

 東京大学大学経営・政策研究センターが05,06年に行った調査では、4年制大学への進学率は年収1000万円超の家庭では62・4%に上るが、400万円以下の家庭では31・4%だった。奨学金の貸与制度を実施している独立行政法人・日本学生支援機構によると、貸与総数は98年度の約50万人から08年度には約122万人に倍増している。予約採用奨学金も前身の日本育英会が発足した1943年から導入しているが、原則返済が必要な貸与型だ。返済時の負担が少なくなるよう必要な金額だけ借りる制度もある。

 貸与型では借金として後に生活を圧迫する。大学関係者によると、借金をためらい合格後に入学を諦めたり、学費や生活費を捻出するためアルバイトに明け暮れ、学業に専念できない学生もいるという。奨学金返還の滞納も問題化し、機構が訴訟を起こすケースも増えている。

 各大学の予約採用給付奨学金は事前に受給の可否が分かり、返済も必要ないことから、金銭的負担や将来への不安を軽減できる。

 一方大学側には、少子化が進む中でより多くの受験者を「囲い込み」したいとの思惑もある。文部科学省の調査では10年度の進学者数は約58万人で、10年前より約2万人減少している。大学側は「不況の中、どんな奨学金制度があるかは、受験生にとって大学選びのポイントの一つとなる」ととらえている。

 
 

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2010年8月26日 (木)

セ・パ 来期から「飛ばない」球に統一

 毎日新聞(8/25)から、
 日本野球機構(NPB)は23日、来期からプロ野球の一軍の公式戦で12球団が揃って使用する統一球を発表した。ミズノ社製で、同社の従来品より低反発のいわゆる「飛ばないボール」。2年契約で、今季の秋季キャンプから使うことになる。

 統一球は球の中心にあるコルク芯を覆う2層のゴム材に新開発の低反発素材を使用する。ミズノによると、球速144キロ、スイング速度126キロで飛び出し角度を27度とした場合、飛距離は約109・4メートルで、同社が05年に発表した低反発球より約1メートル飛距離が短くなるという。

 縫い目は米大リーグの使用球に感触を近づけるため、幅を1ミリ広げて8ミリとし、高さは0・2ミリ低い0・9ミリに変更。牛革の使用範囲も背中側の部位だけから、脇や腹の一部に拡大。量産体制のため、中国に生産拠点を移し、牛革や毛糸を国産から中国産に変えた。

 現在、一軍では4社が使用登録されており、球団が個別にメーカーと契約。複数の社のボールを使うチームもある。メーカーによって「飛ぶ」「飛ばない」の違いを訴える声があり、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の使用球との感触の相違も議論となっていた。そこで、加藤良三コミッショナーが今年1月に統一球の導入を提案し、6月の実行委員会で合意となった。各球団の使用状況や各メーカーの生産体制などを調べた結果、ミズノ社製に統一することを決めた。

 加藤コミッショナーは「今のボールは飛びすぎると言う声もあったが、(統一球で)飛距離は落ちる。国際試合での選手の違和感も少なくなることが期待できる」と話した。

《「飛ぶ」「飛ばない」で影響があるのは投げるよりも打つ側だろう。「あと1メートル飛距離が出ていたらホームランだったのに」「外野手のグラブの上を抜けていたのに」「去年までの球だったら」など、シリーズの最中に饒舌な解説者の無駄なコメントが聞こえてくるようだ。》

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2010年8月25日 (水)

続・「大学は出たけれど」

 毎日新聞(8/24)「社説」から、要約と《 》内は私見。
 参照 「大学は出たけれど」 10/03/

 大学は出たけれど——。昔のはやり言葉ではなく、現実の問題として社会に突きつけられている。

《社説の書き出しはこのようなものだが、「大学は出たけれど」は単なるはやり言葉ではなく、当時の日本は現在以上に厳しい社会情勢にあったことも知らずに書いている。先のブログに書いたように、1929年に小津安二郎の同名の映画が作られた当時、日本の経済は、ニューヨーク・ウォール街に始まった大恐慌のあおりを受け、ほぼ同時期に行った金解禁の影響に直撃され、アメリカに頼っていた生糸の輸出が急激に落ち込み、危機的状況に落ち込んでいたのだ。株の暴落により都市部では会社の倒産が続出し、失業者が大量にあふれたのだ。追い討ちをかけるように冷害で凶作となり、農村の疲弊は困窮を極め、娘を花街に売らねばならなかったり、児童の欠食が急増していた時代だった。小津の映画はこのような時代を背景につくられたもので、コメディタッチではあるが、決してはやり言葉などではない現実を表す言葉だったのだ。当時の日本には最高学府の帝国大学が国内に7、朝鮮に1、台湾に1校だけ。ほかには文理大、商科大、商業大、工業大、医科大など国内に13校ほどしかなかった。それらの大学で学んだ卒業生たち(ほとんどは男性)の就職率がわずかに30%程度だったのだ。現在のように有り余るほどの大学から大量生産されて出てくる卒業生たち(男女)の就職率とは比較すべくもないのだ。》

 今春の全大学卒業生の就職率は60・8%と、昨春より7・6ポイントも落ちた。この下げ幅は、戦後間もない1948(昭和23)年の調査開始以来最大という。就職も進学もせず進路未定というのは16・1%で約8万7000人、これも前年より4ポイント増えている。

《敗戦間もない頃の大学卒は、大半は男性のみの数だ。女性の大卒は大した数ではなかった。まして全体の大学の数そのものが極く少なかった。それを最近の大学数と、女性比率の高くなったパイとの単純比較では真実は見えて来ない。そこに「大学は出たけれど」を単なるはやり言葉としか認識できない社説の甘さがあるのだ。》

 文部科学省は一昨年秋以来のリーマン・ショックなどによる雇用悪化が反映したとしている。だが、景気の良し悪しだけで左右される問題ではない。高まる大学進学率と、卒業して社会へ出る若者たちの能力、適性が生かされた就職を、どう噛み合わせ実現して行くか。教育界も企業も行政も、それが問われている。

《大卒といいながら、高卒、中卒と大差ないレベルで卒業してくる。彼らの能力や、適性をどう生かすかを判断するのは容易なことではないだろう。》

 日本学術会議は先週、大卒者の就職が極めて厳しい状況を改善するため、大卒者を最低3年間は「新卒者」扱いすることなどを求めた提言書を文科省に出した。また提言は、就職活動に必要な宿泊費や交通費補助、就職できなかった場合の職業訓練の機会、その間の生活費支給なども対策に挙げた。

 「新卒一括採用」は長く日本の産業界で慣行化し、既卒者はその枠外とされることが多い。提言によると、既卒者を新卒者と同じ枠で採用対象にした企業は2割強、採用対象にしなかったところが4割強、中途採用枠にしたところが3割という調査データもある。多くの若者が一発勝負のような就職活動を強いられ、多様な選択や朝鮮の機会を奪われるのは「試練だ」ですむことではない。若者が未来に希望が持てない国に将来はない。

《参照の3月のブログでも問題を指摘したが、社説が言う「新既卒の枠を取り払」ったところで、企業の採用は優秀な人材から選ぶことになる。既卒以上に新卒に優秀な人材が豊富なら、そちらから選ぶのが当然だろう。既卒者の糞詰まりが起きるのは容易に想像がつく。彼らの最悪3年間の就職活動のための諸経費や生活費の原資はどう捻出するのだろうか。》

 だが、まず企業側が意識と方法を転換させる必要がある。就活支援があっても採用が消極的でチャンスが絞られたものでは実効性がない。

《企業にとって最大の経費が人件費であることは誰も否定できない。現在先行投資で見込み人員を抱えることができるほどの余裕を持って経営できる企業はそう多くあるわけではない。》

 技術や独創性の絶えまない継承、向上こそ新人材採用の目的であり、そのためには可能な限りのチャンスを用意すべきだ。今は若い人材確保にむしろ投資する時と、新卒既卒の枠を取り払うだけでなく、積極的に通年採用も検討すべきではないか。

《第1次(1973年)第2次(1979年)オイルショック当時、やはり多くの企業が人員の採用を躊躇し、見送った。経営が苦しくなると真っ先に人員整理は企業の常套手段だ。当然企業内の世代別構成に後々断絶が起きるほどの影響を生んだことは事実だ。技術の継承にも問題が起る。企業としては学んだはずのことだが、やはりリーマンショック後の企業の向かう先も労働者、人、ということのようだ。》

 一方、大学教育も転換を迫られる。求人情報提供のような就職支援だけでなく、来年度から教育課程に「キャリアガイダンス」が本格導入される。適性や選択を自ら考え、自立した職業人意識なども養おうと企図されているが、こうしたキャリア教育*のプログラムや概念自体、まだ成熟していない。

《少子化も手伝って、大学進学が容易になり、ただ世間の波に乗って進学率だけは高くなる。自己の研鑽などより男女交遊の場としてのキャンバス色が濃く、心太(ところてん)のように量産されて卒業してくる。大学が企図する自立、職業人意識などは、自己を深く見つめて初めて生まれてくるものだ。プログラムや概念を云々する段階にはまだない。》

 情報公開をし、地域産業界などの提言や参加も促しながら進めたい。また、小学校から将来の職業観や勤労観に関心を向け、考える総合的なキャリア教育の組み立ても必要だ。

 《* ‥ 「キャリア」とは、一生における一連の職業上の活動や行為
     「キャリア教育」とは、 児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てる教育》

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2010年8月22日 (日)

山小屋のトイレに国の補助が

 昔は「男の世界」の代名詞であった「山男」に取って代わるように、山登りを楽しむ20〜30代の女性が急増している。週末や連休の北アルプス、八ヶ岳連峰などは、華やいだ「山女」でいっぱいだという。そこで気になるのが栄養補給、水分補給で体に入れ、汗になって体外に出るものほかに、糞尿となって体外排出しなければならない場所と、その処理が必要になってくる。爆発的に増えた富士登山で、垂れ流しが世界遺産登録の願いさえ届かなかったことで問題化したこともあった。

 50〜60年前、私の若い頃の人数も多くなかった時代の登山では、山小屋のトイレは急峻な崖に張り出した造りになったところが結構な数あり、糞尿は下を流れるせせらぎに向かって落としていた。川には自浄作用があってさほど問題になることはなかった。それから半世紀以上が経過した。

 毎日新聞(8/22)『なるほドリ』欄から、 要約と 《 》内は私見。
 「山小屋トイレ整備の補助続けます」という報道があったが、登山者が利用する山小屋に、浄化施設を備えた新型トイレを新設したり、旧式の「垂れ流し」トイレから新型へ改修する場合、環境省が補助金支出を継続するということだ。同省の政策を見直す行政事業レビューでは「廃止」判定だったが、再検討の結果、5〜10年の時限措置で支出を続けることになった。

 Q 山小屋はほとんど民間の運営なのに、そのトイレになぜ国の支援が必要なのだろうか。

 A レビューでも「受益者・汚染者負担の原則から、登山者の利用料で整備すべきだ」という議論があった。本来、山岳地帯には、国が公衆トイレを設置するのが基本だ。民間の山小屋トイレには代替の役割があるといえるが、ヘリコプターで機材を運ぶなど整備の初期費用が高く、利用料のみで改修するのは困難だ。零細で経営が厳しい山小屋も多く、補助なしに設置は進まない。野放図な「垂れ流し」を続ければ、山の貴重な植生に影響したり、河川が大腸菌で汚染される懸念もある。

 Q つまり、山の生態系保護のために補助を続けるということか

 A そうだ。環境省は山小屋トイレには、良好な自然環境を守る公共性があると強調している。以前、政府が富士山の世界自然遺産への推薦を断念した一因に、トイレ整備が十分でなく、排泄物や処理に使ったトイレットペーパーが景観を乱したことも挙げられた。

 Q やっぱり登山者が意識しなきゃいけないことだね

 A その通り。レビューの指摘は「環境保全は必要だが、費用負担のあり方を見直せ」ということだった。環境省も今後は、整備後の維持・管理について利用者負担の原則を明確にする。
 従来は中高年が登山ブームを支えていたが、最近は「山女」(山ガール)と呼ばれる若い女性も増えている。「きれいなトイレ」が増えれば、登山愛好家の層は広がるだろう。利用料の支払いには気持ちよく応じ、携帯トイレを持参するなど、一人一人に山を汚さない努力が求められる。

《とは言っても、海外の観光国にあるように、トイレには使用料を受け取る係員を配置する制度でも設けなければ、モラルなどどこ吹く風の今風日本人からは、取り損ねも多くなるだろう。》

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2010年8月21日 (土)

歩行者との事故、過失相殺認めず 自転車側に高額賠償

 毎日新聞(8/21)から、要約と 《 》内は私見。
 自転車の車道走行ルールを厳格化するため道路交通法が改正された07年以降、自転車で歩行者を跳ねて重傷を負わせた場合、民事訴訟で数百万〜5000万円超の高額賠償を命じる判決が相次いでいることが分かった。これと並行して東京や大阪など主要4地裁の交通事故専門の裁判官は今年3月、「歩道上の事故は原則、歩行者に過失はない」とする「新基準」を提示した。高額賠償判決がさらに広がるのは必至の情勢となる一方、車道走行ルールが浸透していない現状もあり、今後議論を呼びそうだ。

《街なかを歩いていて目につく道交法無視の1番手は歩いている人間だ。次いで大いのが自転車利用者。「舗道上の事故は原則、歩行者に過失はない」とするが、日本の道路で自転車専用道路が整備されているのはごく一部でしかない。大都会の街路樹が植えられているような大道路では、自転車は車道の左側を走ることも可能だが、自動車がやっとすれ違いで走行可能な程度の道幅では、道行く人たちでさえ右側通行を守る人はほとんどいないのが実態だ。この中を同じように逆走する自転車は数えれば切りがないほど目にする。上のように、「歩道上の事故は・・・」が拡大解釈されて運用されることになれば、混乱を招くことになるが、そうならないためにも、自転車専用道の整備と啓蒙、道交法の一段と明確な基準づくりが必要になるだろう。》

 <事故件数は10年で3・7倍に>
 社団法人「自転車協会」の調べでは、全国の自転車保有台数は08年3月時点で約6910万台。最近10年で約398万台増えた。警察庁によると、09年の自転車関連事故は15万6373件で、交通事故全体の21・2%を占める。自転車事故の増減はこの10年はほぼ横這いで、8割以上は対自動車だが、対歩行者事故に限ると、99年の801件から09年は2934件。10年間で3・7倍に激増した。自転車同士の事故も09年は3909件で、10年前の4・4倍に増えている。

 自転車側が過失の大きい「第1当事者」となった2万4627件のうち、未成年の占める割合は39・6%。訴訟では13歳前後から賠償責任を負うとの判断が多く、未成年が高額な賠償を求められかねない実情が浮かぶ。これらを含め、自転車側に法令違反があったのは、自転車事故全体の3分の2に及んだ。

 <過失相殺>
 損害賠償訴訟で被害者にも責任や過失があった場合、その程度に応じ裁判所が賠償額を減らす仕組みで、民法に規定されている。例えば交通事故被害者の損害額が2000万円だったとしても、被害者に周囲の安全を確認しなかったなどの過失があり、賠償額から差し引くべき割合が20%と判断されれば、賠償命令額は1600万円になる。一般の訴訟では裁判官が事案に応じ自由に過失相殺の割合を決められる。

 それではいったい自転車は歩道が走れないのか、走れるのか。
 『なるほドリ』欄から、
 歩道を自転車で走っていて警察官に注意されることがあるが、それは、道路交通法で自転車は「軽車両」に分類され、車輛の一種とされているので、原則として車道の左側を走らなければならないからだ。違反したら3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金という前例もある。以前から自転車の歩道走行は原則禁止とされていたが、07年6月成立の改正道路交通法(08年6月施行)で、例外的に歩道を走ってもいいケースを明確化した。でも、その際の国会審議で、当時の国家公安委員長が「私自身も『ルール上は車道を通るんだ』という認識がなかったんだ」と答弁したくらいだから、一般の人に浸透していないのも無理はない。

 Q 例外って、どんな時なら歩道を走れるのか

 A 改正前でも、道路標識などで許可された場合は走行できたが、改正で、13歳未満か70歳以上、あるいは体が不自由な人が運転する場合、路上駐車があるなど車道や交通の状況からやむを得ない場合、等に走行可能になった。原則禁止にも拘わらず歩道を走る自転車が耐えなかったので、実態に即してより守り易い法律に変えた。07年には自転車安全利用五則も定められた。

♦自転車安全利用五則♦
 1、自転車は車道が原則、歩道は例外
 2、車道は左側を通行
 3、歩道は歩行者優先で、自転車は車道寄りを徐行
 4、飲酒運転・2人乗り・並進の禁止。夜間は例と点灯。交差点での信号厳守と一時停止・安全確認
 5、子どもはヘルメットを着用

 Q でも、車道を自転車で走るのは怖いことだ

 A たしかに、日本では自転車専用レーンの整備がまだまだ不十分という問題もある。でも、自転車が歩道をビュンビュン走っていると、歩行者は安心して歩けない。歩道走行を許可されているところでも、自転車は車道寄りを徐行する必要がある。歩行者の通行を妨げてしまう時は、一時停止するように決められている。

 Q 自転車が車の一種なら、酒に酔って乗るのもだめなの?

 A そうだ。酒気帯び運転をしたら、自動車と同じように5年以下の懲役または100万円以下の罰金を科されることがある。2人乗りや自転車が並んで走るのも原則禁止だし、夜間にライトを点けなかったり、むやみにベルを鳴らしたり、傘をさしたり携帯電話を使用しながら乗るのも法律や公安委員会規則で禁じられている。信号無視や一時停止違反を含め、いずれも罰則が定められている。自転車は手軽な乗物だが、人を死なせる危険性もあるということを念頭において、安全運転を心掛けることだ。

《歩きながらの携帯がなくならないのと同様、自転車を走らせながら携帯を眺め、耳に当て、甚だしいのはキー操作までやっているのもいる。また、郊外では、友達同士で狭い道を大声でしゃべりながら、2台3台がスピードを上げて並走するのを見るのは珍しくもない。》

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2010年8月20日 (金)

学級崩壊55校60学級(埼玉県)

 毎日新聞(8/12)から、《 》内は私見。
 《長兄の死で落ち着かず、取り上げるのが遅くなった。
 学級崩壊のテーマはもう何年になるか。相変わらず記事は数を数えてデータを集めるだけだ。なぜ、このような学級崩壊が起るのか、根本のところを探ることもせず、起った結果をおろおろと見ているだけだ。辛うじて監視体制を強化して、大人の力で子どもたちをこけ脅かしのように取り囲み、ただ押さえつけているだけだ。》

 児童の行動によって授業が成立しない「学級崩壊」は09年度、県内公立小学校(国立は除く)55校60学級で報告されたことが、県教育局生徒指導課のまとめで分かった。前年度に比べ、学校数は2校増、学級数は2減。学級崩壊のクラスが112と最も多かった05年度から減少傾向が続いている。

《どんな対策を講じた結果なのか、何故減少しているのかは何も把握していない。ただ追いかけた数字がそうなった、というだけのことだ。これまで何度も取り上げてきたが、原因は親、保護者にあることを繰り返し述べてきた。参照:“学級崩壊”は親の責任 06/06

 同課によると、調査対象は818校の1万2697学級。児童が教室内で勝手な行動をして、授業が成立しないなどの状況が2〜3週間以上継続した場合を「学級がうまく機能しない状況」として、99年度から調査を開始した。

 学級崩壊状態は6カ月以下で解消した学級が半分以上だが、10カ月以上継続した学級も8あった。同課は「規模が小さい学校では教員数が少なく、解決のために複数教員での指導できず時間がかかるケースがある」としている。

 学級がうまく機能しなくなるようになった理由(複数回答)としては「自己中心的な言動をする子どもがいた」と挙げた学級が52と最も多かった。次いで「教師の学級経営が柔軟性を欠いた」としているのが43だった。

 最も多い19学級が解決に効果があったとしているのは、複数教員による指導だった。県は学級崩壊状態の予防に力を入れ、09年度は機能しなくなる危険性のある41学級に非常勤講師を配置した。

《原因の把握もできないままに、データだけを取り、減った増えたで一喜一憂する。これが教育現場の問題解決の取り組み方かと思うと、余りに情けない。》

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2010年8月19日 (木)

「健全」認定7サイトで児童被害

 毎日新聞(8/19)から、
 09年度に児童が犯罪被害に遭うきっかけとなった非出会い系サイト上位10サイトのうち7サイトが、一般社団法人「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(EMA、東京都港区)から「健全な運用管理体制の基準の合致している」と認定されていたことが警察当局の調べで分かった。被害児童の44%がこのサイトを通じて被害に遭っていた。認定サイトは有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングの対象外になっており、EMAの認定基準や運用監視のあり方が問われそうだ。

 EMAは健全なモバイルコンテンツの発展などを目的に携帯電話サイト運営会社などが08年4月に結成した。現認定サイトは33サイト。認定制限が始まった08年7月〜今年3月の認定サイトは45サイト、その総会員数は約8758万人に上る。

 EMAによると、認定審査は学識経験者で構成する委員会が、サイバーパトロール態勢、投稿ログの保存、利用者の年齢管理など、22項目をチェックする。EMAに認定されると、有害サイトへのアクセスを制限するブラックリスト方式によるフィルタリングの対象外となる。

 捜査関係者によると、09年に非出会い系サイトを通じて青少年保護育成条例違反や児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの被害に遭った18歳未満の児童は1136人(08年比43・4%増)。被害者数が多かった上位10サイトが716人で、全体の63%を占めた。

 このうち グリー
      ミクシィ
      モバゲータウン
      大集合NEO
      ハンゲーム
      スローライフ(旧プチゲーフレンズ)
      モバレボー
 の7サイトはEMAに「健全」と認定されていた。7サイトを通じて被害に遭った児童は計500人、全体の44%を占めた。

 【非出会い系サイト】
 交流サイトや自己紹介サイト、掲示板サイトなどを指す。出会い系が公安委員会に事業者としての届け出をしなければならないのに対し、非出会い系はその必要はない。非出会い系に異性交際を求める書き込みが目立ったため、警視庁は09年、大手交流サイト運営会社に書き込み削除を要請した。

 EMAは「会員の絶対数が多いからではないか。罪を犯しているのは利用者であって、サイト側は被害防止に努めている」と話した。

 インターネット協会の国分明男副理事長は「交流サイトにどんな書き込みがされるか予測するのは困難で、EMAの認定を受ければ「健全サイト」ととらえるのは誤解を招く。利用者も犯罪に巻き込まれる危険性を十分に認識しなくていけない」と語った。

《基本的には子どもには与える必要もない携帯を、与えっ放しにしているだけの、親や保護者の育児監督の無責任さが、EMAが言う、罪を罪と自覚しないで使う子どもたち利用者の被害を広げる原因となっているのだ。メディアは「被害児童」と児童は被害者であるとするが、私に言わせれば、自ら渦中に飛び込むのは児童そのものの側にあるのだ。問題は今に始まったことではない。ケータイの危険性について、何も教えず、管理しない親など保護者は、わが子が犯罪に巻き込まれるのを知っていて携帯を与えているのと違わないことになるのだ。そしてその携帯を持たせる理由が、「子どもの居場所が確認できるから」というこれまた親の監督義務をケータイ任せにした放任だ。》

 今年上半期(1〜6月)、犯罪被害に遭った子ども(18歳未満)は601人で、昨年同期を56人(10・3%)上回ったことが警視庁のまとめで分かった。

 被害児童のうち577人は女子で、男子は24人。罪種別では、子どもとの淫らな行為を禁じる青少年保護育成条例違反が378人と最も多く、児童買春107人が続く。強姦(5人)や略取融解(1人)など凶悪事件もあった。年齢別では16歳が154人で最多。14歳以下は184人で全体の3割を占めた。被害は殆どが携帯電話でサイトを利用したケースだ。

 規制が厳しくなった出会い系サイトは、昨年同期より124人減った141人。被害は06年をピークにして減少傾向が続いている。対照的に増えたのが非出会い系サイトだ。

〖解説〗
 非出会い系サイトは主にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトとプロフィル(プロフ)サイトがある。SNSは利用者同士でやりとりする「ミニメール」や、顔写真やキャラクターを張りつける「プロフィル」など各種のコミュニケーション機能を提供。「性別」や「年齢」などから利用者を検索できる機能もある。

 捜査関係者のよると、SNSを悪用して子どもを誘い出す手口の1例はこうだ。先ず、利用者検索機能で目当ての年ごろの子どもを検索し、プロフィル機能で居住地域や通学先などの「属性」を閲覧する。目を付けた子どもにミニメールを送信。返事がくればメールのやりとりを続け、「ドライブに行こう」などと持ちかける。

《このような誘いに乗っかる方がどうかしていると思うのが普通だが、被害者に圧倒的に多い女の子たちは、そのようなチャンスを期待して携帯を携えていると見られる。飛んで火にいる夏の虫状態だ。》

 携帯電話で最大規模の利用者を持つSNSは、ゲームサイトの事業者が運営し、アクセスするための画面はゲームなどと同じだ。捜査関係者は「多くの保護者は子どもがSNSを利用していることに気づかず、ゲームで遊んでいるだけだと認識している」と指摘する。

《このような保護者に限って、いざわが子が犯罪に巻き込まれた時、己の育児放棄を棚上げに、出会い系、非出会い系サイトや取締りの緩さを攻撃してくるのだ。》

 一方、プロフサイトは、プロフィルの交換を主な目的とし、ミニメール機能はない。しかし、外部リンクを貼付けることで他のサイトに誘導すれば、メールのやりとりを始めることができるという「抜け道」がある。

 犯罪防止を目的に、主なSNSには大人による子どもの検索を制限するシステムが導入されている。だが、オンラインで利用者情報を登録するため、利用者が年齢を偽った場合、チェックすることは難しい。このため確実な年齢認証の導入が課題になっている。

 検討されている方策の一つが、携帯電話事業者が持つ年齢情報を活用する仕組みだ。携帯電話事業者の情報をSNSの運営に活用するには利用者への配慮が必要だが、総務省の有識者研究会の提言も「青少年保護のために民間が協調することは望ましい」と評価している。

《親は子どもが可愛いのなら、犯罪に巻き込まれないために何をするべきか、携帯を使用する子どもと正面から向き合って話し合い、親の監督責任を理解させて携帯の使用に関する管理を委ねさせるよう分からせることだ。親が子どもの携帯の使い方に無関心の間は、どこがどう動こうと、規制しようと、親に自覚が生まれない限り、決して改善することはないだろう。》

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2010年8月18日 (水)

ハーグ条約 来年にも批准か

 毎日新聞(8/14)から、

 昨年のブログから、「ハーグ条約」日本は締結すべきか 10/09

 政府は14日、国際結婚が破綻した夫婦の子どもの扱いを定めた「ハーグ条約」を来年にも批准する方針を固めた。離婚後も子どもが元にいた国の司法制度に基づいて面会交流、子どもの引き渡しの可否などを判断できるよう国内の手続き法を整える方向だ。国際結婚、離婚の増加で子どもの親権を巡るトラブルが後を絶たず、日本は欧米各国から早期加盟を求められていた。

《昨年のブログで私は、基本的に、可及的速やかな締結が望ましい、との賛成の考えを述べたが、これでやっと国際的レベルで離婚後の親権手続きが整備されそうだ。》

 政府筋が明らかにした。長期間この問題を放置すれば、日本の国際的な信頼低下につながりかねないとの判断だ。ただ、国内法整備には時間がかかる見通しで、具体的な時期までは定まっていない。

 ハーグ条約は、国際離婚した夫婦の一方が無断で自国に連れ帰った子どもを元の国に戻す手続きや
ルールを規定している。子どもの迅速な返還や、面会交流(面接交渉)の権利保護の手続きを整備するよう加盟各国に求めている。

 日本は離婚後、片方の親が親権者となる単独親権制度を取っており、親による子どもの「連れ去り」が事実上容認され、夫婦が別れた後の親子の交流に関する規定も整備されていない。市民団体などは欧米各国と同じように共同親権を認める民法改正を求めているが、今回は見送る方針だという。

 今年2月には当時の鳩山由起夫首相が前向きに検討する考えを表明した。昨年12月には外務省がこの問題を巡る「子の親権問題担当室」を設置した。

 ハーグ条約は欧米を中心に80カ国以上が調印しており、主要国(G8)首脳会議のメンバーで日本とロシアだけが未加盟となっている。

 国際結婚した夫婦の一方が離婚後に子どもを日本から連れ出した場合、日本人の親は政府を通じての面会請求ができない。一方、日本人の親が日本に子どもを連れ帰った場合、海外に住む親は子ども居場所を捜してもらう協力を日本政府から得られない。ハーグ条約に加盟していないためだ。条約は、離婚などによる国境を越えた移動自体が、子どもの利益に反するとの考えにより定められている。

 このため、日本人の親が高額な弁護士費用を支払って自力で子どもを日本に連れ戻すケースも目立っている。一方で、09年9月には米国人男性が、元妻の住む福岡県で通学途中の長男と長女を連れ戻そうと車に乗せたとして、未成年者略取容疑で逮捕された。男性は日本政府に面会を求め、条約に加盟していれば男性の主張が認められるとして、米国人による日本政府への抗議行動も起きた。

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2010年8月17日 (火)

中高年中心 山岳遭難時の出動救助ヘリ、すべて税金

 毎日新聞(8/17)から、
 中高年を中心に登山者の遭難事故が止まらない。上空や地上から大がかりな捜索・救助が行われると、経費も高額になる。費用はどれだけかかるのか、誰が負担するのか?

《アンチエージングなる流行が広まって、表づらは化粧や整形・形成などでどうにでもなるのだろうが、それに伴う体の老化現象まではいくら薬を飲んだところでストップをかけることは期待しても不可能だ。昔の50歳、60歳も今の50歳、60歳も同じ老人だ。骨は弱くなり、体毛も白くなる。世界一の長寿は、老年になってからが長くなったというだけだ。それを体も若返ったような気分になって浮き浮きと、沢へ,山へと老体の自覚もなく出かける。遭難してもおかしくはないのだ。》

 埼玉県秩父市で7月、同県防災ヘリが墜落し5人が死亡した惨事は、遭難した女性の救助に向かう途中だった。中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳(2956メートル)では今月2日、年配の男性が持病で動けなくなり、民間ヘリで搬送された。八ヶ岳連峰の赤岳(2899メートル)では先月、60歳前後の女性が足首をひねり、救助ヘリが出動する遭難事故が2件起きた。

 警察庁によると、09年の全国の山岳遭難は1676件、遭難者は2085人(うち死者・行方不明者317人)。ともに統計を取り始めた1961年以降で最多で、40歳以上の遭難者が77%を占めている。

 警察ヘリは警察法、防災ヘリは消防組織法に基づき、人名救助にあたる。ともに費用は遭難者に請求せず、運行経費や人権費などを税金でまかなう。公共ヘリが出払っている場合などは民間ヘリが活用されるが有料だ。

《警察や消防ヘリの出動経費が遭難者に請求されないとは意外なことだ。これではまるで他県に遊びにきておいて不注意で事故を招き、迷惑をかけておきながらの税金泥棒と同じことだ。富士山登山でのゴミの捲き散らし、糞尿の垂れ流しと底辺では変わらない。民間に限らずかかった費用は当然、迷惑をかけた遭難者に全額支払わせるべきだ。不注意の事故など放っておいてもいいことだが、救助隊は生命に関わることとして、いやでも出動することになる。》

 長野県では毎年、ヘリによる山岳遭難救助が公共、民間を合わせ100〜200回に上る。04年に、当時の田中康夫知事が救助ヘリの有料化(本人負担)に向けて検討を指示したが、隣県との連携体制などの問題があり、建ち消えになっている。県危機管理防災課は現在「税金がかかるとはいえ人命を放っておけない」と語る。

《「人命」をいう県側の判断は勝手ではないのか。税金は県民から集めて県民のために使うためのものだ。現在の救助ヘリの出動経費を遭難者本人に負担させないことに県民の了解を得ているのだろうか。》

 日本山岳協会によると、民間ヘリの平均費用は「稼働1分あたり1万円」。遭難者本人や家族に請求される。離陸後2時間かかれば120万円になる。
 山岳ガイドや山小屋経営者が加盟する各地の「山岳遭難防止対策協会(または協議会)」(遭対協)が動員されると、捜索費はさらに膨らむ。遭対協が遭難者らに請求する「日当」は夏山で捜索者1人当たり平均3万円、冬山で同10万円。警察は原則、家族らの了承を得てから捜対協に捜索を要請するが、緊急時は事後承諾となる。

 登山歴25年の中村雅昭(57)=東京都多摩市=は20年前、群馬県側の尾瀬・至仏山(2228メートル)で道に迷った。遭難5日目に自力で下山したが、出動した対策協に200万円を支払った。当時は救助費の保健が普及しておらず、中村は「体力を過信していた自分の責任だから、きちんと払った。今は山仲間に保険への加入を勧めている」と話す。

《自由(とは責任なり、とは常に言ってきた)な自分の行動の意味を自覚する人は、その行動の責任の取り方も心得ているものだ。》

 保険会社や登山業界は年々、山岳保険に注力している。登山ツアーの客に、保険加入を義務づける旅行会社も増えてきた。登山具メーカー「モンベル」(大阪市)は3年前からネットで注文できる山岳保険を始めた。年間8010円の掛け金で、最大で救援者費などの補償500万円、遭難捜索費100万円が受け取れるものからある。また、掛け金が年額3000円の山岳共済制度もある。

 日本山岳ガイド協会の磯野剛太専務理事は「ヘリが『有料』と聞いて要請を取りやめた登山者もいたと聞くが、危険を感じたら迷わず、救助を求めてほしい。山は観光地の延長ではない。リーダーやガイドに依存し過ぎず、基本は自己責任だと自覚して登ってほしい」と話す。

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2010年8月16日 (月)

空襲被害者が全国組織

 毎日新聞(8/15、16)から、
 65回目の終戦記念日となる15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれ、天皇,皇后両陛下や遺族ら約6000人が参列、全国で約310万人の戦没者の冥福を祈った。

 一方、前日の14日、空襲を受けた東京や大阪など約25都市の被害者らでつくる全国組織「全国空襲被害者連絡協議会」が発足し、東京都台東区で結成集会が開かれた。各地の遺族会など約20団体が参加し、被害を補償する「空襲被害者等援護法」の制定や被害実態調査の実施を政府や国会議員に働きかけていく。戦時中、全国100以上の都市が米軍の空襲を受け、死者は原爆を含み50万人を超えるとされている。

 協議会に参加を表明したのは、東京や大阪のほか、青森、横浜、名古屋,岡山、高知、長崎・佐世保、沖縄などの遺族会や市民団体。和歌山や山口などからは約10人が個人参加した。

 この日、集会には計約300人が出席。共同代表5人の一人で、国に損害賠償と謝罪を求める東京大空襲訴訟の弁護団長、中山武敏(66)が「軍人・軍属は救済される一方、民間の空襲被害者を救済する制度はなく、苦しみは今も続く。救済法を実現する必要性をそれぞれが訴えてほしい」と挨拶した。

 名古屋空襲で左目を失った全国戦災負傷者連絡会長の杉山千佐子(94)は「40年前から救済法制定を国会に訴えてきたが、叶わなかった。今はほとんど寝たきりだが、法制化されるまで死ねない」と訴えた。

《無差別、非人道的と人類初という話題性の高い原子爆弾による被災者には、「原爆病」として手厚い救済がされているが、空襲とて無差別爆撃という非人道的行為による被災者であることに何ら違いはない。飛行機からの機銃掃射や焼夷弾であろうと、或いは爆弾であろうと、原子爆弾だろうと戦争による被害者であることに違いはない。木造家屋は火がつけばよく燃えるから、と爆撃による延焼を防ぐため、立派に建っている家まで次々に壊されるのを見ているほかなく、爆撃により2重に被害を被った人たちも多くいるのだ。》

 空襲の経験はないが、昨年11月に戦争証言集「千葉市大空襲とアジア・太平洋戦争*の記録 100人の証言」を出版した元千葉県職員、伊藤章夫(68)も運営委員として参加。「早速地元の市民に協力を訴え、救済法制定への署名活動を進めたい」と話していた。

 * ‥ 従来、「大東亜戦争」や「太平洋戦争」の名で使われていた呼称が、広い範囲をさす「アジア・太平洋戦争」の名で使用されることが定着しつつあるように聞く。

 参照 東京大空襲 提訴問題 07/03

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2010年8月15日 (日)

ひきこもり

 両親と7人いたきょうだいが、12日の大阪在住の長兄の死で末弟とわたしの2人きりになった。生あるものには必ず訪れる定めの死ではあるが、やはり寂しい。祭壇の和やかな顔をしたカラオケ好きだった兄のうた声はもう聞けない。

 毎日新聞(8/13)『なるほドリ』欄から、
 内閣府が先月発表したひきこもりに関する実態調査で、全国の15〜39歳のうち、自宅に閉じこもってほとんど外出しない人は推計で69万6000人いるという結果だった。

 Q そもそも、ひきこもりの定義って何だ

 A 厚生労働省が5月に公表したガイドラインでは「社会的参加を回避し、6カ月以上にわたって家庭にとどまり続けている状態(他者とまじわらない形で外出するケースを除く)」としている

 Q 内閣府の調査結果と随分数が違うようだが

 A 内閣府の調査では、家から出ない人と近所のコンビニなどには出かける人を合わせた「狭義のひきこもり」の推計数を23万6000人としており、厚労省の調査結果にほぼ相当する。一方、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する「準ひきこもり」の推計数が46万人で、合計数を「広義のひきこもり」としている

 Q 「広義のひきこもり」とはどういう人たちのことか

 A 年齢別だと、35〜39歳が23・7%、30〜34歳が22・0%、20〜24歳が20・3%で、男性が66・1%と3分の2を占めている

 Q ひきこもりは増えている?

 A 内閣府、厚労省とも今回が初めての調査なので、それを示す客観的なデータはない。ただ、内閣府の調査に参加した心理学者は、現代社会は人間関係をうまく構築できなかったり、きちんと言葉で意思表示ができないと放逐されかねない傾向にあり、ひきこもり化する若者には生きにくい社会になっていると分析している

 Q こうした人たちへのサポート体制はどうなっているのか

 A 厚労省は昨年度から、「ひきこもり地域支援センター」の設置を進めている。福祉機関や教育機関、NPO団体などとの地域ネットワークの構築を担っていて、現在、全国に26カ所ある。各自治体でも相談機関を設置する動きがあり、例えば東京都が開設した「ひきこもりサポートネット」(小金井市)では、心理学やカウンセリングの知識や経験を持つスタッフ約20人が、電話とメールで相談に応じており、年間約4000件の相談が寄せられ、コミュニケーションの練習や他の支援機関への橋渡しを行っている。

《私たち世代からひきこもりを表す言葉を探せばそれは、無気力、怠惰、甘えの3拍子が揃った人間でしかない。しかし、引きこもりが長期化することで、現代社会の周りは至れり尽くせりで病気の仲間に入れようとする。そして、精神保健福祉の対象である、とする。》

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2010年8月11日 (水)

出産一時金の新制度

 毎日新聞(8/11)から、
 出産育児一時金の支払い方法が議論を呼んでいるようだ。妊婦が出産して退院時に窓口で出産費用を支払い、その後健康保険などから一時金が支給されていた従来の制度に代わり、昨年10月から、退院の1〜2カ月後に産科施設に一時金が直接振り込まれる「直接支払制度」が始まった。妊婦は窓口で高額の現金を用意する必要がなくなったが、従来より入金が遅れることで資金繰りの悪化を懸念する産科施設側が反発している。全医療機関を対象にした全面導入はこれまでに2度延期された経緯がある。来年度からどのような制度にするのか、模索が続く。

 「新制度が始まってから、毎月自転車操業になってしまった」。年間50件以上のお産を扱う川崎市中原区のウパウパハウス岡本助産院の岡本登美子院長はため息をつく。昨年10月に直接支払制度を取り入れてから2カ月間連続して現金収入が大きく減った。それでも、納税やスタッフの給料の支払は続く。貯蓄で対応してきたが、今年の春の納税を済ませてから、厳しい経営状態が続いているという。

 厚生労働者は4月から、これまで最大56日間認められていた退院から医療機関への支払の期間を、最大46日間に短縮し、支払を月2回とした。岡本院長は「月2回になったのは嬉しいが、それでも支払まで1カ月半かかる。せめて2週間程度まで短縮してほしい」と訴える。

 影響が出ているのは助産院だけではない。準備が間に合わない産科施設は導入の猶予が認められているが、開業医で作る「産科中小施設研究会」の池下久弥によると、制度を取り入れていない施設は妊婦に避けられる傾向にあり、お産の取り扱い数が半減して経営の危機に直面している施設もあるという。

 「直接支払制度」は一時金の4万円の値上げ(現行42万円)とともに、来年3月末までの暫定措置とされている。その後の支払方法はどうするのか。先月14日に行われた社会保障審議会の医療保険部会では、産科施設側の代表者から早期支払や制度そのものの廃止を求める声が相次いだ。

 日本助産師会の毛利多恵子副会長は全国のお産を扱う助産所425カ所に対して今年2月に行ったアンケート結果を公表(249カ所が回答)した。42・2%が「現金収入が2カ月なくて困る」と回答、7・6%が運転資金がなくなり親族や銀行から融資を受けていた。さらに、困った点として半数以上の助産所が事務手続きの複雑さをあげた。毛利副会長は「ただでさえお産の件数は減少している。経営に配慮して欲しい」と訴えた。

 また、勤務医や開業医らで作る日本産婦人科医会お寺尾俊彦会長も「2カ月の無収入が尾を引いて、現在まで借金に悩む産科施設は多い。経営が困難になって産科施設が減少すれば、結果的に妊婦の負担になることを認識しべきだ」と、制度の抜本的な改正を求めた。

《来年3月末までの暫定措置とはいいながら、どうしてこのようなみっともない状態が起きているんだろう。おそらく調査も行ったであろうが、いつものようなただ集まった数字を動かすだけで、その数字が意味する内容まで酌み取り、分析をすることをしていなのだろう。今起きてるような懸念は助産所からも、産科中小施設からは提起されていたであろう。》

《だが、それ以前の問題として、夫も妊婦もお産が健康保険の適用外であることは承知しているはずだ。まず、夫婦の誰もは結婚したときから、いや子どもをもうけたいと思ったときから、或いは妊娠を知ったときから、出産に伴う出費は当然計画の中にあって準備するのが当然だ。出費はあっても贅沢品や遊興費のように消費するわけではない。必ず出産一時金で戻ってくるのだ。持ち出しがあっても膨大な金額にはならない額だ。本来なら従来のように退院の際の支払いで、法まで改正することもなかったとも思われるものだ。》

 一方、部会に出席した健康保険組合などの代表からは、直接支払制度の継続を望む声が相次いだ。全国1459の健保組合で構成される健康保険組合連合会(健保連)の白川修二専務理事は「すべての組合で直接支払制度ぼシステムが完成しており、制度変更は現場が混乱するするのでやめてほしい」と訴えた。

《健保連は、「暫定措置」の意味が理解できず、調査データの生半可な分析で、独断専行しただけだろう。過ちを改むるに憚る事なかれだ。》

 白川理事によると、各組合は制度導入のため、全体の会計システムを変更したり、加入者への手続きを告知するなど、大変な手間と経費をかけたという。「もともとは妊婦さんの利便性と、お産費用の未払いに悩む産科施設に協力しようと止むなく始めた。それを今更施設の都合で廃止しろとは」と語気を強める。

《驚いたなーもう。未払いは託児所から、学校給食費、授業料、奨学金から国保、家賃など、ないものがないほど広がっていたんだ。子どもを産み落としてドロンとは。》

 妊婦側は直接支払制度をどう受け止めているか。先月20日に男女を出産した横浜市の今井愛(23)は「制度に助けられた」と話す。「貯蓄がなくて、高額の出産費用に本当に困っていた。今回は一時金のほか10万円くらい用意しただけで済んだ」と笑顔を見せる。また同23日に女児を出産した東京都国分寺の村木良子(29)も「前もって大きない金を用意しておく必要がなく楽でした」と話した。

《夫婦なら、出産費用は妊婦だけが準備するのもではなかろう。夫の意見も反映させるべきではないのか。》

 厚労省によると、部会は9月中旬までにもう一度開催され、年末までに来年度以降の制度について方針を決める予定だという。

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2010年8月 9日 (月)

大学生 8人に1人中退

 毎日新聞(8/5)から、要約と、《 》内は私見。
 大学や専門学校など高等教育機関からの中退が深刻化している。NPO法人が調べたところ、大学生の8人に1人が中退していることが分かった。人間関係のつまずきなどから卒業資格を得られなくなり、社会に出て不安定雇用を余儀なくされる若者も後を絶たない。NPOは「中退を社会問題ととらえる時期にきている」と訴えている。

 調査をしたのはニート・フリーターの若者を支援する「NEWVERY](ニューベリー、東京都豊島区)。中退者の101人にインタビューし、今年6月「中退白書2010」にまとめた。

 「あのままだったら、ずっと家に引きこもって命も絶っていたかもしれない」。インタビューを受けた千葉県の会社員(24)は振り返る。彼は高校卒業後、東京都内の私立大の工学部に進んだ。浪人していたので合格できることを最優先して志望校を決め、学校の内容を詳しく調べることもしなかった。

 入学直後「雰囲気に馴染めない」と気づいた。自分は活発で外向的だが、おとなしいタイプの学生ばかり。サークルに入っても友だちはできなかった。授業も難しくてついて行けず、キャンパスからは足が遠のいた。誰かに相談したり先を考えることもないまま、その年の7月に退学した。「何をしたいのか自分でも分からなかった」。アルバイトもやめて部屋にこもり、誰とも口をきかない日が続くうちに、自殺を考えるようになった。「誰かが本気になって止めてくれたら、やめずに済んだかもしれない」と彼は言う。経験を基に「ただ『大学が合わないから』では、やめてから苦労する。卒業して悪いことは一つもない。まず誰かと話し、気持ちを整理しては」とアドバイスする。

P8090253_2 《ここまで読んできて、若者の甘えと無気力には言葉も出ない。表の中退の理由を見ても、そのほとんどは大学へ行くことの意味を理解できていない。勉強もそれなりにしておけば誰でも入れる大学が増え、日本人の好きな『皆が』行くから俺も私も、で門をくぐる。どうせ最初から知的向上心など持ち合わせていない。中には妊娠してやめて行くのも混じっている。》

《何を学びたいのかも分からずに漠然と大学に行き、これまた漠然とした不安を抱いてやめてみる。そして、誰かが本気で止めてくれたら、やめずに済んだかも、と余りに自分勝手な泣き言をいう。自分が本気で接した相手でなければ、誰が好き好んでノホホンと大学に来ている奴に意見なんかしてくれるものか。真剣に悩みを相談してこそ相手もその真剣さに応えてくれるのだ。自殺も本気で考えていたら、彼は今ごろはこの世にはいないだろう。流行のような自殺を口にすることで自分は苦しんだんだ、と周りの共感をあてにしているだけだ。》

 彼はその後「このままではだめになる」と一念発起し、今度は志望校を入念に調べた上で別の私立大に合格した。だがこうした例は多くない。

 労働政策研究・研修機構の06年の調査によると、中退直後、約6割の人が非正規雇用に、約15%が失業・無職状態にある。さらに最終学歴が「高等教育中退」の人の約5割が中退直後から継続して非正規雇用となっている。また、日本生産性本部の07年の調査では、全国に63万人(厚生労働省推計)いるニートのうち3割が高校、大学などの中退者とされた。

 ニューベリーの山本繁代表は「ニートになってから支援する対症療法ではなく、どうすればニートになるのを防げるか考えたかった。中退者の増加は納税できない人や生活保護受給者を増やすことになりかねず、本人にも社会にも大きなリスクにつながる」と、語る。

 国は高等教育機関全体の退学者数を把握していない。そこで山本らが文部科学省や日本私立学校振興・共済事業団などの調査を基に試算した結果、毎年約11万人が退学、大学では入学からの4年間で8人に1人が中退している計算になった。

 中退経験者101人へのアンケートでは、中退の3大理由は
 1、学習意欲の喪失
 2、人間関係
 3、関心の移行(グラフ参照)
一つの理由でやめるやめる例は少なく「授業がつまらない」「友人がいない」などが複数重なった退学者が多い。経済的理由は一割程度で、奨学金制度などを知らずに退学している例もあった。

《もともと青雲の志を持ち、将来に何かを志して大学に行くのではない。小さい頃から親が敷いてくれるレールの上を転がってきた若者たちだ。自らが志向する力も育まれていない。奨学金制度など高校生でも知っていておかしくない知識だ。貧乏人の子沢山の家庭に生まれた私は親に黙って担任と話し合い、60数年前になるが奨学金の世話になっている。高校生でもそれくらいの知恵はあるものだ。》

 山本は「多くが誰にも相談せず、何とかなるだろうと安易に中退を決めている。大学中退者は高校の新卒者より就職が厳しい。本人も周囲もリスクを理解した上で、やめるかどうか判断して」と呼びかける。同時に学校側にも「授業や学校生活の充実と、相談機能の整備を進めるべきだ」と注文している。

《相談する働きかけもできない。何とかなるだろう、となる先で待っているのがニートだ。このような無気力が、今、社会の中にも企業の中にも充満してきている。》

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2010年8月 8日 (日)

国民年金 未納率4割超す

P8050212_2P8080236 松葉牡丹
(別名)
爪切り草、
日照り草
など

 毎日新聞(8/6)から、
 日本年金機構は5日、09年度の国民年金保険料の未能率が40・02%(08年度37・9%)となり、過去最悪になったと発表した。納付率は59・98%で初めて6割を割った。未能率の悪化は4年連続。年金機構は悪化理由を「年金記録問題への対応に人出を割かれた」と説明するが、未能率悪化に歯止めが掛からないだけでなく、「ねじれ国会」の下、民主党の主張する制度改革の行方も不透明で、無年金・定年金者増大の懸念は強まるばかりだ。

《悪化の理由は、民主党政権に至るまでの前政権の、やはりかけ声ばかりの不明朗な対応があったものに、上のような要因が加わり、加速させたようなものだ。また、ねじれ国会は今に始まったことではない。メディアは何かと流行語のように使いたがるが、これでは分析が甘過ぎるだろう。》

 年金機構は納付率が高い団塊の世代のうち49年生まれが60歳に達し、受給者側に回ったことも悪化の原因に挙げる。未能率を世代別に見ると、25〜29歳は52・9%と最も高く、最低の55〜59歳(26・7%)の倍近い。若い世代を中心に年金制度への不信が高まっているのに加え、非正規雇用労働者が増え、定額保険料(10年度は月1万5100円)を払えない人が急増していることも影響している。

 こうした自体を踏まえ、民主党は所得に応じた払いやすい保険料とし、国民年金の代わりに全額税による最低保障年金を創設するとしている。しかし依然具体性に欠け、国民の不信解消には結びついていない。同党は年金機構と国税庁を統合した歳入庁をつくり、徴税ノウハウを用いて未納を減らすともいう。だが、徴税していない課税最低限より低い所得の人から保険料を集める能力があるのかどうかも未知数だ。

 国民年金保険の未能率は92年度の14・3%を底に年々上昇し、02年度に当時過去最悪の37・2%にまで悪化した。年金機構の前身、旧社会保険庁は「納付率80%」の目標を設定し、一時は回復に向かったものの、07年度に年金記録問題が発覚、納付担当職員の6割を記録問題に充てたことが響き、毎年約2ポイントずつ低下している。

 年金機構は当面の納付率目標を「現状維持」とする意向だが、年金記録問題を重視することが、制度の劣化を招くという皮肉な状況に陥っている。

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2010年8月 5日 (木)

高齢者の所在不明

 毎日新聞(8/5)『社説』から、《 》内は私見。
 《いきなり社説らしからぬ嘆き節から始まる。「いつからこんな国になったのだろうか」と。原因は遠く第二次大戦の敗北から始まっているのだ。敗戦までは軍国少年の頭に、教育勅語を叩き込み、「一旦緩急あれば義勇公に奉じ」と戦争で天皇陛下のために死ぬことを男子の本懐と教えた。そして具体的には個人主義の国アメリカを自分さえ良ければ他はどうでもいい、と考える国であるとし、こんな国は地球上から抹殺しなければならないんだ、と。》

 《しかし、日本は戦争で完膚なきまでに敗北を喫した。敗れた日本はどうしたか。知識人までもが過去の歴史を、神を、教育勅語を、家族制度までもを全否定した。それに代わってそれまで敵国であった国々の「民主主義」と呼ばれるものを採用することになった。子どもたちには個人主義として悪であると教えたものだったが、そのために採用した民主主義は自由主義とも呼ばれ、その認識は、教師たちが自分さえ良ければいい、と教えた程度の理解でしかなかったのだった。自由は責任を伴うが故に自由であることを、知識人や教師や大人たちも教えて来なかったことが、それ以降、現在でも自由が責任と同義語であることを理解できてない人間がほとんどの国になってしまったのが日本の現状だろう。》

 《親を尊敬し、或いは長上を敬う美風は、隣国韓国では生きて残っているようだが、悲しいかな日本では失われてしまった。今回の高齢者の所在不明は、そのような家族制度の崩壊から発生したものであることに疑いはない。「家つき カーつき ババア抜き」でスタートした復興期の婚姻は、先ず嫁は夫に親を捨てさせることから始め、そのためには薄給には無理でも家を持つ必要に迫られ、新生活から苦しい日々を迎えることになる。やがて子どもが生まれ、小遣いを欲しがるようになって年に1〜2度、ジジ、ババを思い出す。現在の、日本の家族のつながりはこれ以上のものではない。》

 《子どもは成長して自分で収入が得られるようになると、ジジ、ババは必要なくなり、繋がりは疎遠になり、次第に消滅して行く。何十年か経過してジジ、ババの生存すら気にかけなくなって行く。今、政府や自治体が慌てふためいて追跡調査に走り回っているようだが、決して彼らの責任ではない。現在所在不明になっている人たちは、持っていれば便利な携帯電話もその存在すら知らないか、使えない世代の人たちだ。所在不明の人たちは、生きていれば丁度私の父母の世代の人たちだが、私の両親(どちらも小学校しか出ていないが)は、ひらがなの多いものだったが、私からのものの何倍も、頼りはよこしてくれたり、長男の成長に合わせて祝いなども届いた。家族の関係が密な時代では家族同士の書簡のやり取りは当たり前に行われていたものだ。まして家族が離ればなれになっても、家族でなければ親類縁者が情報を把握しており、途絶えることなど決してなかった。(ただ、敗戦後、中国から引き上げてきた憲兵だった叔父が、かの地での悪行(?)を恐れ、帰国後行方をくらまして行方不明になったことはブログでも触れた。)今現在の、これほどの家族制度の崩壊がなければ、現在起きているような不幸な所在不明は発生していなかったであろう。将に現代の『姥捨て』だ。》

《あとは、政府、自治体の動きを監視することと、現在の、こうなった本当の原因を追及してほしい。最近の行き過ぎたプライバシー保護が余計に調査を難しくしているのだろうが、戸籍謄本などを参考に、何らかの家族を結びつける方法を探し出して、所在や生存確認をすることができるのではないだろうか。》

【閑話休題】
 東京都足立区で死後30年ほど経過した男性の白骨死体が見つかった。111歳で都内の男性で最高齢と思われていた人だった。その後、杉並区でも113歳の女性の所在が不明になっていることが分かった。家族らは数十年前から女性と連絡を取っていなかったという。これが世界の先端をいく長寿国かと思うと寒々しくなる。

 全国の自治体は100歳以上の人の確認を始めたが、所在不明者が続々と明らかになっている。100歳未満にまで対象を広げればさらに増えるのは間違いない。厚生労働省は110歳以上で年金を受給している人はすべて面会して所在を確かめる方針だ。対象者は数十人で市町村議員が訪ね、確認が難しければ年金事務所の職員が出向くという。

 100歳以上でまったく医療や介護が必要ない人はいるだろうか。所在不明の高齢者の生命や健康が心配される。また、足立区の男性の場合、6年前に死亡した妻の年金が今年6月まで支給され続け、計945万円に上っていた。その一部が預金口座から引き下ろされており、警察が詐欺容疑で捜査している。

 最近は、お年寄りが死亡しても家族が届けを出さず、本人が生きているように装って年金を不正受給していたケースが相次いで摘発されている。

《生きている間は、年長者を敬いもせず、死して尚、足蹴にするような行為は許されるものではない。》

 年金受給者は現在約4000万人。生存確率は年1回行われているが、死亡届が出ていなければ生存扱いとされる。不正を防止するためにも実効性のある安否確認の方法を考える必要がある。

 これまで高齢者の安否確認といえば独居や高齢夫婦の世帯が対象で、家族と同居している人が所在不明になることは想定されていなかった。100歳になった人には厚労省が毎年、都道府県に戸籍などの書面調査や生存確認を求め、調査結果に基づいて記念品を贈っている。

 敬老祝い金などを贈っている市町村も多く、足立区の男性宅には民生委員が年に1回シルバーパスを渡すために訪れていた。いずれも生存確認に厳密な規定はなく、家族が面会を拒否すればそれ以上の確認は難しいのが実情だ。過度な個人情報保護の風潮が生存確認をますます難しくしているとの指摘もある。

 100歳以上は昨年9月時点で4万399人だが、今後は増加の勢いが強まり、30年には27万人、55年には63万人になると推定されている。対策を急がねばならない。せめて年金受給者の所在不明が疑われた場合、すぐに介護保険や医療保護の使用状況をチェックし、利用実績がなければ面会に出向くなどして安否確認を徹底すべきではないか。

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2010年8月 4日 (水)

原爆投下 米で肯定6割

 毎日新聞(8/4)から、《 》内は私見。
 広島・長崎への原爆投下の是非について、米国民を対象にした昨年の世論調査では6割の「正しかった」と回答し、依然、肯定派が多数を占めている。

 世論調査は09年7〜8月、全米の有権者2409人を対象に米コネティカット州のキニピアック大学が実施した。原爆投下に賛成は全体の61%で、反対の22%を大きく上回った。年齢別だと、55歳以上で賛成が73%に上る一方、18〜34歳の若年層では50%だった。

 また、カナダの研究機関が07年に行ったインターネット世論調査によると、米英仏の各国で「戦時における核兵器使用の是非」を質問したところ、「正当化される」と答えたのは米国が25%で、英国(17%)、フランス(15%)を上回った。

《原爆の投下は今から65年前のことだ。当時の世界は戦火の中にあってお互い「敵殲滅」を合い言葉に、より強力な武器の開発に邁進していた。勿論日本も原爆の開発には著名な科学者が集められ、敵に遅れを取るまいと取り組んでいた。今にして思えば幸か不幸か、資金力、頭脳に勝るアメリカの科学者が一歩先んじて完成させた。ヨーロッパの戦線で、南方やアジアの戦いで、多くの戦死者を出していたアメリカが、自国の被害を抑え、敵国への被害を甚大なものにするのに躊躇なく日本に原爆を落とすことを選んだとしても、何の不思議もなかった。》

《このことを反対側から見れば、同じように日本の原爆開発がアメリカを越していれば、日本がアメリカに向けて原爆を落とすのに何も躊躇する必要もなかったであろうし、落としたであろうと確信を持って言い切れる。そして、現時点で同じ世論調査を行えば、日本人もアメリカ人と同様の回答「正しかった」とするだろう。戦争とはそういうものであって勝つためには当然のことなのだ。第1次世界大戦後の反省から、毒ガスや細菌の使用は国際的に禁止とされていた。だが、毒ガスはナチスがユダヤ人の大量殺人で使用したし、細菌は日本軍(七三一部隊)が中国で使用したことは明白になっている。私は米国民のように原爆を投下したことが正しかったとは思わないが、現時点でも「やむを得なかった」と思うものだ。》

《しかし、65年が経過した今日、この原爆投下を評価すれば、時の流れは今後、決して原爆投下を許さないという結論になることも当然のことだ。65年前の世界の価値観と、65年後の秩序を取り戻した現在のそれは、違って当たり前のことだ。アメリカに今でも正しいと思う6割の人間がいるということは、投下国の後ろめたい影の反映だろう。現在、原爆反対、核なき世界を念じて運動を続けることは世界中の願いでもあるのだ。》

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2010年8月 3日 (火)

育児放棄死

参照 2歳児の育児放棄母に懲役6年の実刑 08/09

 毎日新聞(8/3)「社説」から、要約と、《 》内は私見。
 「ママー、ママー」と泣き叫ぶ声が昼夜を問わず漏れたという。大阪市西区で3歳と1歳の子が裸で寄り添うように死んでいるのが見つかった。3〜4カ月前から近所の住人はその声を聞いていた。冷蔵庫には飲み物もなく、死亡する数日前から何も食べていなかったらしい。風俗店に勤めていた母親(23)は友人宅を転々としていたという。

《子ども2人を引き取り、大阪に出、今年1月、市内ミナミの風俗店で働くようになった前後から、ホストクラブに通い始め複数のホストと交際していたという。死体遺棄容疑で逮捕された母親(下村早苗容疑者、2006年12月結婚〜09年5月離婚)は、大阪府警の取り調べに「ホストクラブで遊ぶのが楽しくて育児が面倒になった。もっと遊びたくて家を出た」と供述している。》

 母親の無責任さにはあぜんとするばかりだが、児童相談所は3回通報を受け、5回訪問していた。だが、いずれも呼び鈴に応答がなく、連絡先を書いた不在表を置いて帰ったという。扉の向こう側で2人の子どもが衰弱していたのにである。

《31日、大阪府警の現場検証では、部屋に閉じ込めた子どもたちが出られないように、部屋のドアの縁には粘着テープが貼られた跡があったという。また、テレビでは外から部屋のベランダ部分を撮影しているが、足の踏み場もないほどのゴミが散乱している様子が写し出されている。》

 救えた命だったのではないか。次号虐待防止法が10年前にできてから現場の児童福祉司は増員を続け、序同相談所の権限も強化されてきた。しかし、相談件数はそれ以上に増え、難しいケースには複数の職員が24時間の対応を求められるようになった。体制整備が追いつかないのだ。むしろ、体制が弱いまま、権限と責任を委ねても事務量が多くなるばかりで、現場が十分機能できない状況を生み出しているのかもしれない。

 07年に児童相談所運営指針が改正され、虐待を疑われる通告には48時以内に目視による安全確認をすることが義務づけられた。迅速な対応を促すためだが、事案の内容を分析する余裕がなく形式的な家庭訪問にとどまっているケースが多いといわれる。07年の児童虐待防止法改正では、児童相談所に強制立ち入り調査(臨検)の権限が付与された。しかし、09年度の相談件数は過去最多の4万4210件に上ったが、臨検はわずか1件だった。親が出頭や任意の立ち入り調査を繰り返し拒否した場合にのみ認められ、親子の氏名や生年月日を記して裁判所に申し立てなければならないからだ。

 親子関係の修復が児童虐待対策の最終的な目標とよくいわれるが、困難なケースでも修復に執着するあまり踏み込みが甘くなっている面はないだろうか。制度だけでなく、現場職員の力量を高め、生きた活動を促す研究や取り組みがもっと必要だ。

《作文ではなく、「甘くなっている面」「制度」「現場の力量」「生きた活動」とはそれぞれ、具体的に何がどのように甘く、不足し、足りないのか、どうすれば力量が高められるのか、書くのもジャーナリズムの責任だろう。》

 「育児が嫌になった。子どもなんかいなければいいと思うようになった」。2児を部屋に置き去りにした母親はそう供述したという。貧困や孤立と並んで親の未成熟が虐待の主要因に挙げられる。かつては未成熟な親をバックアップする親族や地域社会が存在したが、それらが希薄化している今、里親やファミリーホームなどを整備し、未成熟な親に代わって虐待された子を育てられる場を充実させることが必要だ。民主党政権のいう「社会全体で子どもを育てる」とはそういう意味ではないか。

《「子どもは国の宝」「子に罪はない」とはいえ、己が遊ぶために虐待し、見捨てた母親の子どもまでは、拾い上げ育てる博愛精神も義理も勇気もない。だからこそ、一層可哀そうだが、こんな母親の子に生まれた運命を恨み、成仏するしかないだろう。》

《ここ数日、国や自治体がざわめき始めた100歳を過ぎた老婆、老爺の生きているのか死んだのかも分からないような、崩壊を続ける現在の家族制度の方が、もっと日本の国の将来に暗い影を投げかけているような気がする。》

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2010年8月 2日 (月)

続・職場のいじめ

 職場のいじめ 08/07

 毎日新聞(8/1)から、要約と、《 》内は私見。
 《上は丁度2年前、毎日新聞に掲載された記事からの要約だ。読み返してみて、今日の記事の内容は、2年前と何も変わっていない。個別の労働局・神奈川労働局(厚生労働省の出先機関、横浜市)が独自調査を行い、公表するのは慰霊のことだというが、やってることは2年前と同じことだ。相変わらず数字を弄っているだけで進歩の跡が見られない。いじめがあるのなら、幼稚園じゃあるまい、小学生でもあるまい大人の世界のことだ、なくするために社員は問題を提起し、企業と具体的な対処をどのように進めてきたのか来なかったのか、追究してこそ調査の意味があるのだが、その根本的な事には触れず、『相談者が訴えた内容について職場などに確認はしていない、相談者に悪影響があってはならないからだ』と逃げている。年ごとに、データだけ拾い集めて数字を並べるだけでは何も解決はしない。ただ、同局は10月に県と共催の労務担当者向けセミナーを開き、今回の結果資料を配布し、注意を促す予定のようだ。》

 労働省によると、全国の「いじめ・嫌がらせ」の相談は08年度に約3万2000件と5年前の2・8倍になった。神奈川県では03年度の668件から、08年度は3倍超の2249件に急増した。いじめの実態を把握するため、神奈川県労働局は昨年5〜6月に調査を行い、県内14カ所の労働相談コーナーに訪れた111人から回答を得た。

 衣料品販売店のパート女性は「店長が自分だけをを執拗に注意し、担当外の仕事も押し付けてきた」と相談を寄せた。店長からは「お前は気が強く、何かあったらすぐ言い返す。言われた通りにすればいいんだ」などと怒鳴られ、精神的に不調になったという。

《店長の言い分を聞かずには判断は難しい。ほかの人間も相談者には見えないところで執拗に注意されているかも知れず、また、「一つことだけをやっていればいい」との条件で採用されたのかどうかも分からない。時には、咄嗟にほかの仕事も複合的にこなさなければならない状況も発生することがあっても普通のことだ。「精神的な不調」は反抗的なこの女性の働きぶりに、店長にも同じように精神的な不調を抱え込ませているかも知れないのだ。》

 また、社会福祉法人の正規職員の女性は「上司が業務をきちんと理解しておらず、自分の方が専門知識があるため煙たがられ、いじめられる」という。

《他人が評価して、上司と相談者の女性との専門知識の優劣をどのように見るのか、本人の思い上がりと言うこともある、対峠してみなければ分からないことだ。しかし、それ以上に上司を蔑むこの女性の姿勢や態度は、必ず回りに悪影響を及ぼしていることだろう。そしてその姿は、上司にもはっきりと映っているものだ。》

 相談者は女性が68人(61%)と多く、年齢別では36〜45歳の働き盛りが目立った。職種では正社員が57人と過半数を占めた。同局は「職場で立場が弱いとされるパート・アルバイト、期間契約社員、派遣労働者からの相談が多いと予測していたが、正社員が多数を占め意外だった」と話す。

 「加害者」(複数解答)は、上司が99人、同僚20人、部下2人。取引先や派遣先も1人。被害内容(同)では、「ののしる・怒鳴る・威嚇する」が59人と突出。次いで「誹謗・中傷」40人、「侮辱」28人。「無視・仲間はずれ」24人などだった。

 いじめについて「会社に相談しない」と答えた人は63人で、その理由(複数回答)は「いじめを行っているのが経営者のため相談できない」(24人)、「相談をしても会社は何もしてくれないから」(17人)が多く、経営陣の意識が変わらないと解決が難しい様子がうかがえる。また、会社にいじめの相談窓口があるのは30人にとどまる。

 同労働局は「経営陣や上司は『自分のやっていることがいじめになっていないか』と考えてみて欲しい。今回の調査が、そのきっかけになれば」と反している。

《まとめも2年前と同じことをいうだけだ。》

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2010年8月 1日 (日)

まつ毛エクステのトラブルが増加

 来客の準備のため、ケーキ屋に行った。おいしそうなケーキが並ぶショウウインドーを眺め、決まった品を注文しようと顔を上げた。目の前に化け物のような顔をした幼な顔の女性と目が合った。髪の毛は顔が隠れるほどのボリュームで、鳥の巣のように散らばり、幼顔の顔は大きな目ばかりがウニの針のようなまつ毛で強調され、鼻も口も目に入らない。「うっ」と欲しいケーキを注文しようとしたが声が出ない。いつかテレビで海藻のヒジキをまつ毛の強調に貼り付ける話題の女が紹介されたことがあったのを、たまたま見ていた。思わず喉元にこみ上げるものを感じて女店員の前から逃げた。ほかの年配の女店員を見つけ、ケーキを購入して用を済ませた。いくら大きい目で長いまつ毛が可愛く見えるからって、頭全体や顔のバランスも考えず、化け物然とした姿で客と対応するなど常識がなさ過ぎることだ。ほかには4,5人の同性の店員がいたが、誰もが見て見ぬ振りでもしていたのだろうか。それとも本当に可愛いとでも思っていたのだろうか。これほど酷いのにはあまりお目にかからないが、不自然に長過ぎるまつ毛のマスカラや人工毛のまつ毛には、テレビ画面でも街なかでも数多くぶつかる。若い頃の和田アキ子が、付けまつ毛で歌う姿が時々面白半分に紹介されることがあり、会場では爆笑の渦が巻き起こることがあるが、現在のまつ毛はそれ以上にお笑いの化粧になっている。

【閑話休題】
 毎日新聞(7/29)から、
 人工毛を接着剤で自分のまつ毛に付ける「まつ毛エクステンション」(エクステ)が原因で、目や皮膚を負傷するトラブルが増えている。美容行為のため人口毛を付けるには美容師免許が必要だが無免許の業者も少なくなく、今春にはエクステ業者が書類送検された。国民生活センターは「薬品による皮膚の化学ヤケドなどの危険が伴うため、利用は十分注意してほしい」と呼びかけている。

 エクステは、シルクや化学繊維などの人口毛を、強力な専用接着剤で地毛に付け、まつ毛を長く、濃くし、目をぱっちりした印象にする行為。人口毛の本数や長さ、色などを選べ、長いものは1センチを越える。美容室だけでなく、エステティックサロンやネイルサロン、最近はまつ毛エクステ専門サロンでも行われている。一旦着けても地毛が成長すると、人口毛の重さに耐えられなくなることなどから3〜4週間で着け直すのが一般的という。

 センターによると、まつ毛エクステの危害・危険情報は04年度から今年7月15日まで235件。04年度は2件だけだったが、09年度は99件に増加。今年度も既に30件に上る。相談者はすべて女性で、235件のうち半数近い103件が20代。50〜70代もいた。被害は目や目元に集中しており、治療1週間未満が51件で、1カ月以上も10件あった。

 埼玉県内の20代女性会社員は、まつ毛エクステの途中から目が痛んで開けられなくなった。翌日眼科に行くと「角膜に傷が付き、結膜炎にもなっている」と診断された。コンタクトレンズも使っているため「エクステが原因とは断言できないが、可能性はある」と指摘されたため、店に伝えるとクレーマー扱いされたという。

 負傷の原因は接着剤関連が目立つ。センターによると主成分が瞬間接着剤と同じものもあった。接着速度が早く、皮膚に付着すると化学ヤケドの危険もある。同センターは「目やまつ毛の知識や、高度な技術と細心の注意が必要だ」というが、美容師資格を持っていない人が施術していると思われるケースが少なくないという。

 今年5月には、東京都内の店舗で美容師免許のない従業員にエクステの美容行為をさせていたとして、高輪署がエクステ会社と女性社長(28)ら計3人を美容師法違反(無免許、無届け営業)容疑で東京地裁に書類送検したケースがあった。同店でエクステの美容行為を受け、目のかゆみがとまらなくなった女性からの相談が端緒だったという。

 東京都内の眼科医は「小さな傷でも放置すると細菌などが入り、角膜潰瘍になる場合がある。治療が遅れると資力が低下する恐れもある」と警告する。

 厚生労働省は今年2月、都道府県などに対し、「美容師法違反の恐れがある事案への指導・監督の徹底」や、「悪質な事例に対しては告発も視野に入れた対応」などを文書で要望している。

《このところ、コンタクトレンズ使用者に増える角膜感染症など、目に関するトラブルが頻繁に話題になる。いすれにしても、健全な目があってこその美容や、おしゃれだ。傷を負ったり、失明するようでは何のためのおしゃれか分からなくなる。》

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