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2010年7月22日 (木)

日本の保護者はインターネット上の子どもを世界で最も放ったらかしにしている

 毎日新聞(7/20)から、要約と、《 》内は私見。
 欧米では「子どものネット利用は親が管理すべきだ」として、ルールを決めている家庭が多いという。ケータイだけでなく、パソコンもネットトラブルのもとになり、子どもがサイバー犯罪にさらされるケースが増えている。夏休み、パソコンの使い方について、親子で話し合ってみよう。

《当たり前のことが出来ていないのが日本の現実だ。》

 セキュリティーソフト大手の米シマンテックが今年2月に親子調査をした。世界14カ国(豪、ブラジル、カナダ,中、仏、独、印、伊、日、ニュージーランド、スペイン、スウェーデン、英,米)の大人7066人(うち1669人は8〜17歳の子どもの親)と、8〜17歳の子ども2805人にインターネットの使い方を聞いた。

 そこで、親の姿勢の違いがくっきりと表れた。
 「保護者は基本的には子どもにネット探索の自由を与え、何か不審なことが起きたり、リスクがある場合だけ、子どものオンライン活動を調べればよい」と考える保護者が、日本は51%と、14カ国中で最も多い。14カ国の平均は29%だった。

 逆に、「保護者は子どものオンライン活動を完全に管理し、すべての活動に注意すべきだ」と考える保護者は、米・カナダが最多で、61%だった。日本は25%で中国に次いで少なく、日本では子どものネット利用をほとんど管理していない。

 保護者によるネット上のトラブル防止策も日本は際立って少なく、項目の半数で14カ国中最低の実施率だった。

《日本の子どもが自己管理能力に優れているからではない。保護者たちが、子どもの育児責任とは何かに考えをいたす能力が欠除しているからに他ならない。親たちは口々に「子どもを信じていますから」「うちの子は大丈夫です」と、言う。体のいい放任をカムフラージュする言葉でしかない。それに輪をかけて、国も「子どもは社会が育てる」など、モンスターペアレンツが喜んで食いつくキャッチフレーズで、親の責任を、社会の誰が代わって取るのかしらないが、その責任の所在も曖昧な呼びかけを始めた。国にしても、ネット上のトラブルの責任は他でもない親にあることの自覚がなさ過ぎる、少なくとも世界の親、保護者たちは、育児責任の自覚を持ち合わせているようだ。少しは日本の保護者も目を覚ましてもよい頃だ。》

 「家庭内のルール作り」は38%(平均66%)
 「ネットの安全な使い方について話すは35%(同71%)
 「どんなウェブサイトを見たのかチェックするは
                   16%(同47%)
 「どんなソシャルネットワークサイト(会員制のネット上の
   コミュニティー。日本ではミクシィなど。以下SNS)を
   見たのかチェックするは3%(同34%)などだ。

《日本の保護者が如何に子どもに無関心かが分かろうというものだ。どのように育って欲しいのか、それには親はどう子どもに向き合えばいいのか、タイトルにもあるように、これでは全くの放ったらかしとしか言いようがない。常々、私は子どもが親の保護下にある間は、「自由はない」と言い続けている。勿論プライベートなど存在しない。それは、自由とは責任と同義語だが、子どもには社会的責任を問われることがないからだ。責任が伴わない自由は存在しない。そのために、親は子どもの責任に代わって子どもの監督責任が負わされることになている。その間、子どもが社会に巣立つ準備をし、成長を見守ってやるのだ。世界の親はそれを知り、実践しているようだ。》

 では、親は何をしたらいいのか。シマンテックのインターネットセーフティー推進担当、マリアン・メリットは「米国でもネットいじめはあり、なりすましなどの手口は日本と同じ」と言う。ネットトラブルを防ぐためには、子どもが親にすぐに相談できる環境づくりが大切だと強調する。「米国ではネットいじめで少女が2人自殺し、子どものネット利用に関心が高まった。少女2人は親に言えなかった」。

 まずは、親子でオンラインゲームをするのがいいと言う。「批判をしないで、子どもの行動に興味を示し、親を仲間と思わせる。そのうえで、パソコン使用のルールを決めることを勧める。たとえば、メリットの家庭では子どもの年齢に応じて対応を変えている。

「8歳の次女には、見ていいサイトや知らない子とは話をしないなど約束事を決めている。14歳の長男には時間制限を重視している。毎年親子で話しあって内容を変え、16歳の長女はそうした制限を解いている」。

 ネット上は現実社会と同じで、悪意を持った人もいる。だから、子どもにネット上を自分たち専用の場だと思い込ませないことがポイントだという。「子どもがSNSを始める前に親が会員になり、時々サイトに顔を出して見守るといい」と言う。

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