« スペイン・カタルーニャ州、闘牛を禁止 | トップページ | 全国学力テスト結果 »

2010年7月30日 (金)

千葉法相 死刑立ち会い

 毎日新聞(7/28)29の『社説』から、
 千葉景子法相が民主党政権になって初めての死刑執行を命じ、2人が東京拘置所で執行された。かつて、「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーだった千葉法相の執行命令について、関係者からいぶかる声が出ている。だが、法相として初めて執行に立ち会った千葉法相は「死刑に関する根本からの議論が必要だと改めて感じた」と会見で述べた。

 執行されたのは尾形英紀(33)、篠沢一男(59)=いずれも東京拘置所収容=の2死刑囚。確定判決などによると、尾形死刑囚は03年8月、交際していた当時16歳の無職少女を巡ってトラブルになった飲食店従業員の男性(当時28歳)を刺殺。様子を見に来た同じアパートの住人(同21歳)も絞殺し、他の2人にも重傷を負わせた。

 篠沢死刑囚は借金苦から強盗殺人を計画。00年6月、宇都宮市の宝石店を訪れ宝石を用意させ、6人を縛って休憩室に押し込み、ガソリンを撒いて放火。全員を殺害し、指輪など293点(時価合計1億4025万円相当)を奪った。

 死刑確定から執行までの期間は尾形死刑囚が3年、篠沢死刑囚が3年4カ月。

 秘密のベール*に包まれた執行の現場はどうだったのか。直接見た実態について、千葉法相が国民に率直に語るのが議論の出発点である。

 《* -- 映画でしか知ることはないが、アメリカでは死刑の執行には死刑囚の家族の立ち会いも許されているようだが、日本の死刑の特徴として、秘密主義が上げられる。マスコミや被害者の家族などを死刑の執行に立ち会わせることはない。死刑の執行予定が公表されないことに加え、従来は執行後も死刑確定者の氏名や罪状等、多くの情報が公表されなかった。最近国会議員に刑場見学が許可されるまでは、国会議員や学者による要請であっても刑場の見学等は一律に許可されていなかった。
 2007年12月7日、臨時国会開会中に死刑が執行され、ここで日本国憲法下の法務大臣の命令によるものとしては初めて死刑被執行者の名前、犯罪事実、執行場所が公表された。》

 仙谷由人官房長官は28日午前の記者会見で、法相が死刑囚2人の死刑執行命令を下したことについて「千葉法相が法治主義の下で自らの職責を全うした。これ以上でも以下でもない」と述べた。また、同日夜、菅直人首相は首相官邸で「まさに法令に沿って適正な判断をされたと認識している」と述べた。

 「立ち会いは執行命令を下したものの責務」と述べた千葉法相に関して、自民党の大島理森寛恕長は「異常だ。どういう心境で何のために行ったのか問いただしたい」と述べた。

《従来の法相の中には、個人的には死刑反対論者であったとしても、法治国の法相として、職責としての死刑執行を命じられなかった人たちが多くいる。法相の職務にてらせば職務怠慢と言われても仕方なかろう。》

 千葉法相は、死刑制度の存廃を含めて議論する勉強会の設置や、東京拘置所の刑場の報道機関への公開も法務省に指示した。

 民主党は、昨年公開した政策集で「死刑の存廃問題だけでなく当面の執行停止や死刑の告知、執行方法などをも含めて国会内外で幅広く議論を継続する」と、うたった。千葉法相の方針は、党の方向性とも合致する。ただし、勉強会は、法務官僚だけで構成するのではなく、外部の第三者も加えて、幅広く議論する機会を作るべきである。

 死刑の執行命令は、法相の任務だが、千葉法相の就任後1年近く執行がなく、持論を貫いて執行せずに退任するとの憶測も出ていた。また、参院選で落選し、25日で参院議員の任期が切れていた。執行命令書へのサインは24日だが、野党からは「国民からノーといわれた人が執行のサインをした」との批判がでている。

 なぜ、この時期に執行したのかについても、疑問の声がある。30日召集の臨時国会では、野党の追及も予想される。千葉法相には、今回決断した理由について説明責任を果たしてもらいたい。

 世界の3分お2を超える国が法律上、または事実上の死刑廃止国だ。先進国で死刑を存置しているのは、日本と米国である。

 07年12月の国連総会で、欧州連合(EU)などが提出した死刑執行の一時停止(モラトリアム)を求める決議案が104カ国の賛成で初めて採択された。決議は拘束力がなく、自民党中心の政権下では、厳罰化の流れに沿う形で執行を続けてきた。08年にも、国際人権規約委員会が、人道的見地から死刑確定社の処遇を見直したり、精神的苦痛を軽減するため死刑囚に執行日時を事前に告知するよう日本政府に勧告した。

《死刑囚に情けをかける必要などない。精神的苦痛とは言うが、被害者に家族がいれば、その人たちへの苦痛に比べれば斟酌することなどさらさらない。》

 司法制度や刑罰は、それぞれの国が決めるのは言うまでもない。だが、国際社会の声に全く耳をかさないという姿勢は通るまい。実態がほとんど明らかにされていない死刑囚の処遇や執行の実態について公の場で議論を始めるのは当然である。

《国際社会の声に耳をかすことは、死刑制度を廃止したり、死刑囚を甘やかすことではない。議論に議論を重ね、現状より一層厳しい制度になることだってあり得ないことではない。私は死刑制度は存続させるべき、と考えるものだ。》

|

« スペイン・カタルーニャ州、闘牛を禁止 | トップページ | 全国学力テスト結果 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107998/49007804

この記事へのトラックバック一覧です: 千葉法相 死刑立ち会い:

« スペイン・カタルーニャ州、闘牛を禁止 | トップページ | 全国学力テスト結果 »