電子書籍 人気の秘密は
毎日新聞(7/21、20)から、要約と 《 》内は私見。
シャープは20日、年内に国内で電子書籍事業に本格参入すると発表した。新たな専用端末を発表する一方、関連企業と連携して電子書籍の製作支援、配信サービスも始める。端末は新開発の電子書籍規格「次世代XMDF」に沿って設計。従来規格による縦書きやルビなど日本語特有の表現に対応できる強みを生かしつつ新機能を加え、先行するアップルの新型携帯端末「iPad(アイパッド)」などに対抗する。
端末はカラー液晶画面を指で触れて操作するタッチパネル方式。この日の会見では5・5型と10・8型の2種類の試作機を披露した。価格を含めた仕様の詳細は未定。
米国でも通信大手ベライゾン・ワイヤレスと組んで新端末を発売する方向で協議を進めているという。
配信するコンテンツは毎日新聞社、日本経済新聞社、ダイヤモンド社、登用経済新報社などが提供する予定。コンテンツの電子書籍化を支援する事業を展開する大日本印刷や凸版印刷も、シャープの配信サービスなどに協力する。
シャープが携帯情報端末「ザウルス」向けに01年に電子書籍事業を始めた際に開発した電子書籍規格「XMDF」は国際標準となり、現在では国内の携帯電話を中心に7000万台以上の端末が対応している。著作権保護に対応し、容易に挿絵画像などが組み込めるのが特徴だ。
新開発の次世代規格では動画や音声を盛り込める機能を加え、「コンテンツ作成の可能性がこれまでより広がる」として、幅広い端末への採用を呼びかける。
電子書籍に対応した主な端末
特徴 価格など
シャープ ・多機能型 ・年内に発売
端末 ・カラー液晶画面 ・価格未定
iPad ・多機能型 ・販売中
(米アップル)・カラー液晶画面 ・4万8800〜
リーダー ・電子書籍専用 ・欧米で販売中
(ソニー) ・白黒の電子ペー ・149ドル〜
パー画面
ライフタッチ ・多機能型 ・年内に発売
(NEC) ・カラー液晶画面 ・価格未定
キンドル ・電子書籍専用 ・米国中心に販売中
(米アマゾン・コム) ・白黒の電子ペー ・189ドル〜
パー画面
《書籍を購入する楽しみには、新しい紙とインクの匂いも加わった。読んだ後には徐々に隙間が少なくなって行く書架に並ぶ本を眺める楽しみも加わった。本の背表紙は色々な顔を持ち、デザイナーの苦労を読むのもまた、楽しみでもあった。狭い我が家に徐々に増えて占める書架の数を数え、次の書架はどこにどの位置に置こうか、と苦労するのも楽しみでもあった。遂には書物の重みで床を抜いたこともあり、再建した読書部屋の床は、加重を支えるための床下のネダを通常の倍の数入れてもらった。子どもの頃から活字が好きだったこともあって、通勤の電車の中と、書物の匂いに取り囲まれる部屋で過ごす時間は我を忘れさせてくれる憩いの場だった。》
《私の年齢になってくると、目の衰えを考えなければならなくなる。小さい字は指先で簡単に拡大して読めると言うことだが、その分1ページで読める内容は縦横2倍に拡大すると、1ページ分の内容は4分の1の量になってしまう。これで100×4ページは読む気にならないだろう。400、500ページは尚更だ。》
20日、『ナルホどり』欄から
最近電子書籍に関する情報が多くなったきた。専用端末などにダウンロードして本を読む新しいスタイルや紙の本に比べて安い値段などで関心が高まっている。米国ではアマゾンが専用端末「キンドル」向けに新刊やベストセラーを紙の本の半額以下(10ドル程度)で配信し、電子書籍人口が急拡大しているようだ。日本でも米アップル社の新型端末「iPad(アイパッド)」発売(5月)を機に関心が急速に高まった。電子書籍を目玉に7月8〜11日に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた東京国際ブックフェアには約9万人が訪れ、過去最高を記録した。
Q 端末も続々発表されている。
A 上の「表」参照。日本メーカーも年内に相次いで端末を投入する計画で、アイパッドよりも値段が安く,軽い端末の登場でユーザーの選択肢が広がりそうだ。
Q 購入や電子書籍を取り込むのが面倒では
A 電子書籍の利用には、インターネットで販売サイトに接続しクレジットカードなどを使って、作品を購入する必要がある。多くの端末はタッチパネルを指でなぞればネット上の電子書籍に接続できる。初回はカード番号の登録など多少手間がかかるが、2回目以降は作品を選び、購入ボタンをクリックするだけだ。本1冊分のダウンロードにかかる時間は1分程度だ。端末のメモリーに購入した1000冊分以上の電子書籍を保存でき、読みたい本がいつでも取り出せる利点もある。画面の文字を大きくする機能は、年配の人に役立ちそうだ。《拡大できるのも“諸刃の剣”で、操作は却って煩雑になるのは欠点だ。》
Q 紙の本に取って代わるだろうか
A 人気作家の新作が紙の本と同時に電子書籍化されるなどコンテンツが充実し始めており、調査会社インプレスR&Dは、日本の電子書籍事情(新聞・雑誌は含まない)が14年度に09年度の2倍以上の1300億円になると予想している。すぐに紙の本がなくなってしまうわけではないが、安価で便利な電子書籍需要が拡大するのは間違いないだろう。
《写真の世界のフィルムカメラや『銀塩』、音楽の世界の『アナログレコード』やプレヤーなどのように決して消えはしないだろうが、パイが小さくなることは間違いないだろう。しかし、将来、東京・神保町の古書店が軒並み消える姿を想像すると、これからの書籍文化はどのような形のものになるのか想像するのが難しい。》
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