夜更かしする子どもたち
毎日新聞(7/11)から、要約と、《 》内は私見。
朝、ぼーっとしていて先生の話が聞けない小学生。「疲れてる」。外へ遊びに誘っても断る保育園児。そんな寝不足気味の子どもたちが、問題になっている。夜更かしする子どもたちの実態と、早寝早起き運動を進めている保育園などでの取り組みを探った。
《夜更かしの問題は、小1プロブレムの問題と重なっていることだ。共稼ぎの家庭では両親が子どもたちと家庭で生活をともにし、共に食事をすることが無くなってきている。朝の出勤途中に一時預かりの託児所なり保育園に子どもを放り込み、帰宅時に受け取りに顔を出す。当然ながら子どもが起きて親と過ごす時間は夜に限られる。遅い夕食を食べさせた後、一日中顔を会わさずに過ごした子どもたちに、「さあ、風呂に入って早く寝なさい」とは言いづらい。日中の出来事を子どもは親に聴いてもらいたい、一緒に遊びたい。親は日中一緒にいられなかったことの心苦しさから、子どもの少々の我が侭を聞いてやることになる。子どもは親の顔を見ながら徐々に我が侭を膨らませて行く。諭(さと)し叱ることのできない親たちは、子どもが言うことを聞かない困った状態になって行くのを黙って見ているだけになる。このような子の増長が小1プロブレムとなって学級崩壊をもたらすようになる。》
「きのうはワールドカップ(W杯)見ちゃって疲れ気味です」。東京都内のある保育園で先月、幼児を連れて登園してきた母親が笑顔で保育士に語りかけた。この日、サッカーのW杯で日本代表が戦いを終えたのは未明の午前1時半過ぎ。あっけらかんと語る母親に、保育士はぎこちない笑みを返すしかなかった。
《子どもの母親は、そのまま勤めに出かけたのだろうか。ろくな仕事は出来ないだろうに。また、おそらくこのバカ母親と同じような母、父親も切りがないほどいただろう。興味のない私にはとても想像できないできごとだ。子どもの成長に何よりも大事なのが、十分な睡眠を取ることであることを知らないで、子育てなどおこがましい話だ。》
夜更かしの原因の一つはテレビだ。午後10時過ぎのお笑い番組や連続ドラマを、「親と一緒になんとなく見てしまう子は珍しくない。親ごさんも注意しない」(小学校の養護教諭)。携帯型ゲーム機の普及も大きい。 都内のある小学校の校医は「午前中から保健室でぐうぐう寝るのはゲーム三昧の証拠。床についてもベッドの中で遊んでいて、就寝時間は午前0時を回る子もいる」と話す。
《親が、躾ができないことの責任をテレビやゲーム機に転嫁するなどもってのほかだ。家族団欒との思いかも知れないが、とんだ間違いだ。小学生でも夜の10時には就寝させるのが、翌日の学習のためにも必要な睡眠時間なのだ。親の育児責任の放棄、としか言いようがない。》
早寝早起きの大切さを各地の保育園で説く鈴木みゆき和洋女子大教授は「ファミコンの普及とコンビニの登場で、就寝時間が遅くなり始めたのが80年代終わり。暗くて怖かった夜が明るく楽しくなり、生活時間がずれ込んだ」と指摘する。
《ファミコンもコンビニも子どもには何の影響もない。親が家庭生活の中できっちりと時間を守らせるだけの家庭内教育や躾けを施しておれば、遊び道具や夜が明るくなったことを原因にすることもないだろう。》
外食産業の深夜営業や24時間営業のコンビニエンスストアの増加などで、午後10時を過ぎても街に幼児の姿を見かけることは珍しくない。日本小児保健協会の調べでは、午後10時以降に寝る4歳児は80年に13%だったが、00年は39%と3倍になった。
鈴木教授が幼稚園の教諭らに聞き取りしたところ、遅く寝る子には一定の傾向があった。「無表情で自分の気持ちを表さず、遊びに乗ってくることができない。夜きちんと眠るかどうかが、その子の昼間を決めるのです」。
《親が大人の時間感覚で幼児を夜間連れ回すことは、百害あっても万に一つの利はない。情緒不安定な子になることを請け合ってもいいくらいだ。そんな親に育てられた子どもたちを預かることになる小学校の先生は、小1プロブレムの防衛に、教師本来の仕事の他に、本来子どもたちの親が、親の義務として教育を受けさせるためにしておかなければならなかった行儀作法の第一歩から、教えなければならないという、余分な仕事をする羽目になる。》
-------- つづく --------
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