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2010年6月13日 (日)

常用漢字

 毎日新聞(6/8)から、要約と 《 》内は私見。
 一般社会で使用する漢字の「目安」となる常用漢字が29年ぶりに見直されることになった。文化審議会は7日、これまでの常用漢字に196字を追加し、5字を削除したうえで計2136字とする改定常用漢字表を答申した。

 『なるほドリ』欄から、
 そもそも常用漢字って何なんだろう。簡単に言えば、義務教育が終了するまでに読め、高校卒業までに書けるようになることが望ましい漢字で、公用文書や新聞、雑誌などでそれを使う際の「目安」」にもなる。ただし、強制ではなく、新聞や雑誌各社はそれぞれの判断で、常用漢字以外の漢字も使用している。

 Q 何故増やすのか

 A 終戦直後の1946年に告示された「当用漢字」1850字に95字を追加して、現行の常用漢字1945字になったのが81年。それ以来29年間、一度も改めないままだったが、この間の社会の変化で使用頻度が高くなった漢字も多く、国は見直しが必要と判断したからだ

 Q 戦前には漢字使用の「目安」はなかったのか

 A いいや。1923(大正12)年には文部省臨時国語調査会が常用漢字を1962字と決めた。31年に1858字に減った後、42年には「標準漢字」の名称で2528字にまで増えた。今回の改定で常用漢字は2136字にまで増えるが、2000字を越えるのは、2度目ということになる

 Q 子どもに付けられる名前も増えそうだ

 A 実はそうでもない。追加される196字のうち、130字は既に「人名用漢字」として認められていたものだ。差し引きすると66字が新たに人名用として使えるようになるが、「顎」(あご)や「淫」(いん、みだら)など、人名向けとは言えそうにない漢字がほとんどだ

 《また、憂鬱の「鬱」(うつ)や、語彙の「彙」(い)など、簡単には書けない漢字もかなり含まれている。語彙などは最近では横文字で言うことが多くなり、ボキャブラリーで通じることの方が多いのでないか。これらは、パソコンや携帯電話などの情報機器の普及で、手書きはできなくても「変換」はできる漢字が増えたことを反映している。驚くことに、答申でさえ「すべての漢字を手書きできる必要はない」として、これから漢字を学ぼうという子どもたちの学習意欲を削ぐような但し書きを付記しているのだ。》

 その一方では、「情報機器の利用が今後、更に日常化しても小中学校では書き取りの練習を行うことが必要」と一層子どもたちや教育の現場を惑わすようなことを言っているのだ。

《増える196文字を見て、私なりに気になる点が幾つか目についた。先ず「遜」、「謎」の「しんにゅう」は今では「にてんしんにょう(にゅう)」というようだが、昭和一桁は1点、2点の区別がなく、すべて字劃も同じで「しんにゅう」で学んだ。次いで、「賭」、「箸」の右辺、者の日の上に「テン」が打たれているが、私が学んだ頃は、「者」、「署」にもテンを打ち、この字を使用するすべてにはテンを打った。また、追加される「読み」に「臭」(にお)がある。自の下が大だが、増える漢字「嗅」にはテンがある。これも昔はどちらの漢字も下は「犬」だった。同じようにテンがなくなった漢字に「涙」、「戻」があり、旧漢字では最後はテンを打って犬を書いた。》

 先立つ5月19日の答申案の決定を受けて、早速22日には現場の困惑が取り上げられた。

 東京都昭島市にある小中高一貫校の私立啓明学園。国語教育に力を入れる学園では、週に1回、漢字テストを実施している。正答率が8割に届くまで放課後などに最テストを繰り返す。高校卒業までに現在の常用漢字1945字を完全に読み書きできるようにするのが目標だ。国語科主任の藤井教授(39)は「漢字はリポートや作文を書く時などの基本だが、現行の1945字でも指導に苦慮する中で新たに196字が加わることに、学校現場からは早くも不安の声が上がっている。

《毎週の漢字テストは私のブログでも何度か取り上げた。私の通った小学校では低学年から6年生までを対象に、小学校卒業までに習う漢字を対象に、全学年生徒に10階級(だった)に分けられ、同一問題の漢字書き取り,読みが出題され、1テン1劃、止め、ハネの間違いも許されなかった。当然全問正解が求められ、一問の間違いでも進級できなかった。漢字好きには格好のチャレンジが許されていた。2年上に姉がいたが、私が4年になった時には姉を抜いて6年生までに学ぶ漢字の読み書きはマスターしていた。啓明学園のように8割ができただけで良しとするなどお笑いだ。毎回のテストで8割では、書けない漢字、読めない漢字があるのが当然だ。大雑把に言えば、現行1945字の2割が読めず書けないことになる。》

 主に小学校の教員らでつくる「漢字指導法研究会」は昨年12月、常用漢字追加に反対する意見書を文化庁に送り、「情報機器の普及によって進んだのは、瞬時に漢字変換できるようになっただけであって、語彙が豊かになったわけでも漢字の理解が進んだわけでもない」と指摘。「1945字の現在でも過重な学習負担であるが、いっそう困難になる」と訴えた。

 同研究会の紺屋委員長(64)=東京都町田市=は、憂鬱の「鬱」や傲慢の「傲」など、追加される幾つかの漢字を挙げて、「どうせできるわけがないと指導も学習も放棄する学校・生徒と、どんどん学習していく学校・生徒に分かれ、漢字をきっかけに学力格差が拡大する恐れがある」と懸念を示す。

《教育の宿命だろう。全員に同じことを教えても、全員が同じ理解をし、同じレベルに育つことは全てにおいて不可能事だ。中高大学と(8〜10年間)学んで英語が不自由なく話せる人間はほんの一握りだろう。これを教える側の責任だと思うのは思い上がりだ。時間がたっぷりあって教えれば、全員漏れなく秀才にできる、と言っているようなものだろう。だからといって、文句を言えばクラス全員が白雪姫になり、王子様になれることとは訳が違うのだ。やればでき、やらねばできないのは先生や学校のせいではない。》

 さらに「淫」や「妖」など「イメージの良くない言葉をどのように教えればよいのか」、「しんにゅう」《前出》と「しょくへん」について、現行との混在について「指導する際に混乱する」と戸惑いを見せる。

《しょくへんの「餌」(えさ)は、新聞では良の下がハネにテンではなく、第2水準漢字(シフトJIS)の横2本棒になっているが、パソコンの変換ではATOK、ことえり ともに他の当用漢字のしょくへんと同じでハネにテンになっている。小学生の時のせんせいの話の記憶では、しょくへんのハネと横2本棒の違いは、活字の鋳造技術か印刷字体の違いの問題で、書く時はハネで良い、と教えられたように思う。活字と筆記体との違いであると解釈すればいいものだ。》

 文化審議会の国語分科会が5月19日に決定した改定常用漢字表の答申案でも「情報機器の使用が一般化している現在の文字生活の実態を踏まえるならば、全ての漢字を手書きできる必要はなく、それを求めるものでもない」と一定の配慮をした。これに対し、啓明学園の藤井教授は「あまり使わない漢字も多く含まれているが、教える側からすれば常用漢字すべてを書けるようにするという前提で指導することになる」と話した。

《小学生のときにしっかり身につけた漢字の基礎の力は、長じてからの国語力に自身が持て、これまでの人生で漢字で苦労したことはほとんどない。》

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