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2010年6月22日 (火)

富士登山に入山料が必要になるかも

 《どこの国も例外がないようだが、観光客が増えれば増えるほど、それに比例するように目立ってくるのがゴミの発生だ。観光立国のスイスでさえ、表通りから裏へ回ると家々の塀には落書き、道路にはゴミが散乱、昔は保養地としても有名だったレマン湖のほとりのトイレの凄まじいほどの汚れぶりはブログでも取り上げた。また、先年、イタリアでは日本人観光客の世界遺産への落書きも話題になった。その国の人がどれだけ心を配ろうと、マナーの悪い観光客が押し寄せればひとたまりもない。》

 《日本国内でも、そのことが問題視されて、世界遺産の登録も叶わない富士山の荒れようは以前から問題になっている。登山家野口氏が富士清掃登山を志して10年になるが、公式サイトによると、最初の呼び掛けに集まったのは年間で100人そこそこだったのが、昨年は全国から6800人もの人たちが富士山を綺麗にしようと集まったという。それだけの人たちの手で集めるのはゴミだが、10年間拾い続けると言うことは、次々に捨てて歩くマナーの悪い人間がいるということだ。年間およそ30万人が登るという富士山、ゴミの他に糞尿の問題もある。私のブログでも書いたことがあるが、登山料の徴収なり、1日の登山者数の制限規を設けなければいつまで経っても世界遺産になど公認されないだろう、と。》

 毎日新聞(6/22)山梨日々新聞・論説委員、保坂真吾、要約と《 》内は私見。
 富士山に登るのに「入山料が必要だ」と言われたら、ためらう人もいるだろう。山梨県側の山麓6市町村が、環境保全協力金を登山者から任意で徴収することを検討している。登山者増加で環境破壊や事故への懸念が増していることから、その対策に充てるためだ。日本のシンボルをどう守っていくのか。観光業界には影響を心配する声もあるが、登山ブームの中で受益者負担を考える契機としたい。

《入山料を任意の徴収とするのは、善意に過ぎる。必ず徴収することを提案する。なぜか、過去において、山頂のトイレの使用料を任意にしたことがあったが、文字通りの垂れ流しの不届きものがほとんどだったことを踏まえ,不特定多数の集まるところでは、人の善意は届かないもの、と思った方がいい、と思うからだ。》

 富士山は7,8月が登山シーズンで、昨年の登山者は約37万人。うち65%の約24万人が山梨側の吉田口からだ。登山道はびっしりと人の列が続き、ごみが増え、バイオトイレは処理の許容範囲を超える。わずか2カ月間にこれだけの人が殺到する状況は、環境への大きな負荷となっている。保全の経費を登山者にも負担してもらおう、との発想は、それほど無理のあるものではないだろう。

 ただ残念なのは、この議論が山梨側だけで進んでいることだ。協力金を提唱した富士吉田市の堀内茂市長は「静岡県の自治体にも話はしているが、機運醸成を待てば時間がかかる」とし、「登山者の多い山梨側は緊急の課題が多い」と先行導入の考えを示す。

 富士山の環境保全に関して両県は、12年前に共同で「富士山憲章」を制定。現在は世界文化遺産登録を目指す取り組みを一緒に進めている。富士山全体で環境保全の意識を高めていくために、協力金についても本来は両県が連携して議論すべきだろう。

 また山梨側では、5合目に通じる富士山有料道路(富士スバルライン)の料金との関係も詰める必要がある。この道路は5年前に建設費を償還し終えた後も県道路公社が維持管理の料金(普通車往復2000円)を徴収し、一部を沿道の環境保全に充てている。協力金は有料道路代と切り離して検討されているが、二重取りの印象を与えないよう一体で議論を進める方がいい。

【富士山環境保全協力金】
 富士吉田市など山梨県側6市町村と観光関係団体などが4月末に協議会をつくり、徴収方法や額の検討を始めた。同市によると、山梨側ではトイレの維持管理やごみ処理、救護所の運営などで年間約3500万円の事業費がかかっている。これを6市町村と国、県、山小屋など関係団体が負担しているが、人件費を考えればさらに膨らむ。協力金が導入されれば、ごみ処理経費や下山道へのトイレ新設、8合目救護所の医師らへの人件費への充当が想定される。堀内富士吉田市長は来年7月からの導入を目指す考えを示している。

 環境保全を重視するならマイカー規制拡大も必要だ。今年は8月に12日間だけ実施するが、夏山期間の恒常的な渋滞と排ガスによる悪影響を考えれば、シーズンを通した規制を検討するべきではないか。

 山梨県内では南アルプスに通じる道路で通年(冬期は閉鎖)のマイカー規制が定着しており、任意で片道100円の協力金を募っている。富士山でもできないはずがない。

 5合目にいたる道路は、静岡側にも富士山スカイラインなどがある。両県とも標高200メートル超までマイカーで安易に行ける状況を見直すべき時に来ていると思う。こうした道路のあり方も含め、両県が総合的に富士山の環境負荷を減らす方策を考えるべきだ。

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