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2010年6月29日 (火)

消費税の逆進性って?

           アガパンサス
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 通常見向きもしなかったキャスターや女性アナウンサーたちまでが、ホンダだの、ブブゼラだの日本中がサッカーファンででもあるかのようにはしゃぎ回っている。サッカーが始まったころ、たまたま汚らしい長髪の男どもが走り回る実況放送がテレビに写った。あの喧噪とアナウンサーの気違いじみた絶叫、足の競技で手は使わないと聞いていたのにその手は、反則をするためだけにあるかのように好き放題使っているのを見た。アナウンサーの絶叫に反して、フットボールの逞しさもなく、見るに耐えられずそそくさと画面を代えた。それ以来全く興味のないスポーツの部類に入る。メディアがはしゃいでいるほども勝とうが負けようが興味を持っていない日本人もいるのだ。あまり浮かれないでほしいものだ。

 バッシングともとれるような大相撲いじめが繰り返されている。片方で暴力団が噂されているにも拘わらず、矛先は関取衆に向けて一斉攻撃だ。公然と行われている宝くじや競輪、競馬などの賭博とプロ野球賭博との違いは、国や自治体が関わっているかいないかだけだ。プロ野球も賭博の対象に含め、総務省か文科省、或いは自治体辺りが胴元になり、暴力団の介入を封じれば、立派に競馬(天皇の名前も使われている)や競輪、宝くじなどと同列の娯楽になる。そのためには現在の相撲協会の古い体質、組織を改革することも必要にはなるだろう。毎日新聞が27、28日に実施した世論調査でも、来、名古屋場所開催を期待するファンが31%もいるのだ。

 宝くじを始め、欲の皮がつっ張り、あぶく銭に群がる賭博好きは日本中にワンサといる。今回粛正したつもりでも、時が過ぎれば何度でも繰り返すことになるだろう。

 毎日新聞(6/29)いつもの『なるほドリ』欄から
 民主、自民両党が揃って消費税率を10%に引き上げると言っているが、なぜか? 財政危機が深刻化しているからだ。国と地方自治体の借金は10年度末で862兆円程度と国内総生産の1・8倍に達する見通しだ。このまま借金が増えれば、元本と利息払いの費用が膨らみ、社会保障など必要な政策に金を回すのが難しくなる。欧州諸国の消費税率(10%台後半から20%台)に比べ、日本は5%と低く引き上げの余地があることや、所得税や法人税に比べ、好不況に左右されず安定した税収を上げられることも政府にとっての利点だ。

 Q 社会保障がなくなったら困る。すぐにでも上げればいい。

 A ところが、消費税には「逆進性」という問題点があるんだ。

 Q 逆進性って?

 A 所得が多くても少なくても、食料品など生きるために必要なものは買うよ。一律の税率で課税する今の消費税では、低所得者ほど所得に占める税負担学の割合が高くなってしまう。税率が上がれば逆進性は更に強まることになるんだ。10%への引き上げ議論が具体化するほど、逆進性対策の必要性も高まる。

 Q それでは、どうすればいいんだ。

 A 欧州諸国が採用しているのが、生活必需品の税率を低くする「軽減税率」だ。標準税率19%のドイツは食料品、新聞、雑誌などを7%にしている。

 Q これなら低所得者も安心して生活必需品を買えるよ。

 A 問題は、何を軽減税率に選ぶかが難しい。フランスでは工業製品扱いのマーガリンは標準税率、酪農品のバターは軽減税率だ。農業を保護する政府の方針が、税率の線引きに反映されたものだという。日本でも軽減税率が導入されたら、業界団体と政治家を巻き込んだ陳情合戦が起りかねない。

 Q 他に方法はないの

 A 生活必需品の消費税額分を、所得税を納めていれば減税で、納めていない低所得者には現金で返す「給付付き税額控除」がある。ただし、国民一人一人に番号を割り振って各世帯の所得を正確に把握しなければならない。番号制度は国民の多くの情報を国が一括管理することになるのでプライバシー保護が課題になる。

《前政権から続くバラまきは、国の借金を膨らませるだけで生活は一向に楽になった気配もない。北欧や欧州諸国の高福祉国の福祉政策の背景、日本と異なる経済、財政基盤を国民には教えてこないまま、良いとこ取りのうわべだけでも並ぼうとして、無理を続けた結果がこれだ。いまになって、ずっと口にして来なかったことだが、実は東欧やヨーロッパの高福祉国の人々は、これだけ高い税率の消費税を負担しているんだよ。日本人よ、お前たちも「あれも欲しい」「これも欲しい」「あれも無料に」「これも無料に」が言いたいのなら、そして高福祉の恩恵を受けたいのなら、やはり消費税率は高くなることを認めることだよ、と言い始めたのだ。》

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2010年6月27日 (日)

公務員の飲酒運転に「懲戒免職」緩和の動き

 喉元過ぎれば熱さ忘れる。日本が、これほど酒飲み公務員に甘い規律のない国だとは信じられない。これからは、少々の酒では免職にはならないですむ。最高裁のお偉方も、よほど心当たりのある面々が揃っているようだ。事故に遭った遺族や巷では、一口でも酒が入っていれば公務員に限らない、厳罰を望む声が圧倒的だ。このような悲痛な叫びもお歴々には届かないのだろうか。一般庶民以上に公務員は法を遵守することが求められているはずだ。法は破るためにあるのではないのに、昨今の風潮として、法を破っておいて、法があるからいけない、とでもいうような道理を弁えない盗人(ぬすっと)猛々しく逆ねじ喰らわすような無法が罷り通っている。

 毎日新聞(6/27)から、要約と《 》内は私見。
 「飲酒運転した公務員の「原則懲戒免職」を自治体側が見直し始めたのは、司法が「原則」ではなく、事故の有無や飲酒の量などケース・バイ・ケースで免職の適否を判断していることが背景にある。06年8月に福岡市職員の飲酒運転で幼児3人が死亡した事故をきっかけに処分の厳罰化が広がったが、09年以降、「過酷すぎる」として免職を取り消した判決が最高裁で相次いで確定。厳罰化の流れに変化が生じている。アンケートでは、大半の自治体が「原則免職という基準に抑止効果がある」と答える一方、免職は重すぎるとした一連の司法判断を受け、処分のあり方に悩む姿も浮かぶ。かけがえのない人を失った遺族らは複雑な思いを隠さず、専門家は明確な判断基準の必要性を指摘した。

 基準が厳罰化された後、職員側が免職の取り消しを求めて各地で提訴していた。09年9月に兵庫県加西市の上告が棄却され、自治体敗訴が最高裁で初めて確定。その後、神戸市、佐賀県、三重県の敗訴が確定した。

 この4県市と、都道府県、政令指定市のうち、「原則懲戒免職」基準がある25府県市に司法判断の影響をアンケートした。回答によると、基準を「免職または停職」と緩やかに改めたのは、大阪府と、最高裁で敗訴した加西市。大阪府は「飲酒運転には厳正に対処すべきだが、最高裁の判断は尊重すべきだ」と指摘する。

 神戸市は検挙のみの場合などは「停職」とする新たな適用方針を定めた。市人事委員会は一連の司法判断を踏まえ、飲酒運転で横転事故を起こすなどした2人の懲戒免職を停職6ヶ月に軽減した。

 見直しを検討しているのは茨城、三重、滋賀県と、さいたま、岡山市の5県市。京都、長崎の2府県は見直すかどうかも含め検討中。さいたま市は「今後は、より一層慎重な判断が必要となる」とした。長崎県は「処分の取り消しについて国民の理解を得られるか今後の司法判断を注視したい」との姿勢を示した。

 一方、見直しの予定がないとしたのは19県市。福島県は「社会的非難が依然として高く、引き続き厳格に対処する必要がある」とする。福岡市は「変更が必要とは考えていないが、他都市の裁判例を注視していく」。佐賀県は「飲酒運転には厳罰で臨む姿勢に変わりはない」としている。

 「飲酒」の実態は一様ではない。自治体が敗訴した4件の訴訟をみても、2件は十分な時間を置かずに運転していたが、残る2件は前夜のアルコールが朝に検知された「二日酔い」だった。

《飲酒の実態が一様でないことは、誰でも理解している。それは酒を飲んだ時間帯が直前であろうが、昨夜の残りであろうが、検査時には間違いなく呼気中にはアルコールが抜け切れず、飲酒運転となる計測値が示されたのだ。この両者に道交法で定める飲酒運転としての違いをいう必要はない。》

 「原則懲戒免職」の基準が普及後、自治体敗訴が確定した兵庫県加西市の課長のケースでは、1,2審判決によると、課長は07年5月の休日、自宅近くの飲食店で酒を飲んだ後、車を運転したとして、罰金20万円の略式命令を受けた。飲食店ではビール中ジョッキ1杯と日本酒1合を飲み、運転したのはその30〜40分後だった。

 2審の大阪高裁判決(09年4月)は市の基準に合理性を認めながらも「仕事と関係ない運転で距離も短く、事故を起こしていない。アルコール検知量は最低水準。まじめに勤務した」などと情状面を指摘。「免職処分は過酷で裁量権を逸脱している」と結論づけた。

《仕事中でなければ飲酒運転は許され、走行距離が短かければまた、許される。真面目な人間がたまに飲んで運転するのは「たまにはあることだ」としてくれる。検知量が少々規則を超えていても事故を起こさなければ、それもまたいい。「この程度のことで免職は酷いじゃないか」と市を叱ってくれる。ここまで大目に見てくれるザル法では、酒飲みが酒やめられないのは道理だ。酒飲みにはますます弾みがつこうというものだ。》

 佐賀県が敗訴した教諭のケースは、06年7月の夜にホテルやスナックでビールや日本酒を午後11時ごろまで飲み、約30分仮眠するなどして翌日未明に運転。他の車と信号待ちを巡りトラブルになった。交番に呼び出された午前8時ごろアルコール検査を受け、検出データは酒気帯び運転となる呼気1リットル中0・15ミリグラムを下回る0・07ミリグラム。訴訟で県側は「運転時は基準を超えていた」と主張したが、1、2審判決とも「証拠がない」と退けた。

《ひき逃げが横行するはずだ。酔いを醒まして出頭すれば、証拠不十分で済ましてくれるんだ。一方、速やかに救護すれば刑が軽くなる仕組みが必要だ、と述べるのは、06年の福岡の3児死亡事故の遺族の代理人、羽田野節夫弁護士だ。》

 「二日酔い」は、三重県職員と、大型トラックに追突した神戸市消防局員の2件。それそれ飲酒終了から8〜10時間後の運転で「悪質な事情はない」と判断された。

《二日酔いのぼんやり頭で危険運転していても、「悪質ではない」と解釈してくれる。酒飲みには至ってお優しい天国のような国だ。》

 一方、宮崎県都城市職員が免職取り消しを求めた裁判では2月、自治体勝訴が最高裁で初めて確定した。職員は事故を起こしていないが、焼酎のロック6杯を飲んで30分後に運転。宮崎地裁判決(09年2月)は「検知量は多量で、情状酌量の余地はない」と断じた。

 同様に厳罰化が進んだ企業は、処分基準見直しの流れをどう見るのか。企業の法令遵守に詳しい山口利昭弁護士は「企業は社員が飲酒運転した場合の風評リスクが大きいので、今のところ見直しの動きは聞かない。厳罰化は社会の要請を受けた動きだ」と指摘する。

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2010年6月26日 (土)

共同親権 導入の是非

 毎日新聞(6/26)から、要約と、《 》内は私見。
 日本は離婚後、一方の親だけに親権を認める単独親権制だ。両親に親権を認め、養育に関わる「共同親権」を導入すべきだとの声は強いが、虐待やドメスティックバイオレンス(DV)があった場合などの課題も指摘されている。

《理論においても何かにつけて、女性の側の切り札になるのが「DV」だ。この言葉が女性の側から口にされると「痴漢」と同じで、大抵の男は腰が引ける。反対に、女性にとっては勝ち名乗りに等しい。労働争議が華やかだった頃、労働者側が振りかざした「人間性の無視」同様の錦の御旗となる。DVの研究(年齢や世代別、職業別、収入別、学歴別、家族構成、性格、浮気の有無、そして原因など)が、どの程度されているのか分からないが、愛を誓って、或いは愛し合って、同居,同棲生活を始めた男女の間で、わけもなく無抵抗の女に対して暴力を振るう男がいるなどとは考えることは不可能だ。》

 参照 離婚と親権 10/05

 記事(争論)は女性の立会人(板橋希美)のもと、棚村政行(57)・早稲田大教授と吉田容子(54)・弁護士の間の対話から。

 棚村 離婚すると夫婦は他人に戻るが、親子の関係は変わらない。共同親権は離婚後も、できる限り両親が協力し、共同で養育責任を果たすべきだという理念であり原則だ。離婚や親の別居で、一方の親との関係を絶たれた子どもは喪失感を経験する。交流できるのであれば交流し、親子の絆をつなげるべきだ。
 共同親権をとる国でも、ほとんどの子どもはどちらかの親の家に住んでいる。別居親は子と週末や長期休暇の時に面会交流する。日常的なことは同居親が決定するが、学校教育、宗教、医療など重要事項は両親で決める。
 ただ、共同親権を法制化すれば、すべての問題が解決するというわけではない。養育上必要な意思疎通が両親の間で取れないほど対立が激しいなど、例外的に単独親権の行使で対応せざるを得ない場合もある。単独親権で対応すべきケースの基準を事前にしっかりと法で定め、当事者間でトラブルが起こった時にサポートする仕組みや、面会交流を援助する施設などの環境整備も必要だ。

 吉田 私は共同親権の導入には、極めて慎重な立場をとっている。親には子どもを育てる義務があり、その責任を明確にするために法を変えるという方向であれば異論はない。しかし、昨今の議論は、面会交流する権利のみが強調されていて危惧を覚えている。親と子の面会交流は必要だが、本来子どもにとってプラスになる場合のみ認められる権利であるべきだ。
 婚姻中にDVや虐待があったり、両親がきちんと育児に関与していなかったケースは多々ある。離婚と同時に、夫婦だった男女が平等に子育てできるようにはならない。共同親権を導入したら、養育を巡る話し合いは対等な力関係が前提になるべきだが、離婚後の男女には、所得格差が厳然としてある。共同親権を法制化するよりも、男女平等社会の実現やDV被害者へのケアなどを先行して行くべきだ。

《弁護士として女性を庇護する立場での発言が先行する。「面会交流する権利のみが先行する」ことがいけないのなら、それをいうだけでなく、本人もいうように、子どもにとってのプラスになる権利条件を提案、提示することができる話し合いの場を持てばいい。反対するだけでは進歩も歩み寄りもない。また、「男女平等社会の実現」などという幻想を持ち出しては話し合いもできない。これを待っていてはよしんば可能性があるとしても何百年も先のことになるだろう。》

 棚村 米国ではDVや虐待があると、共同親権を認めない場合が多い。だが、子に危害が及ばない場合は、監視付きの施設で安全を確保したうえで親と子の面会交流を認めている。DVについては、保護命令を出す機関と面会交流の可否を決める機関が同じ家庭裁判所内で連携し、元配偶者の暴力の危険性について情報を共有するなど、総合的な対策も進んでいる。
 日本ではそういった対策が十分とはいえないが、福祉面の環境整備には財源も必要で時間がかかる。どの国も長年かけて社会的支援を充実させながら、少しずつ制度を変えてきた。改革は、法整備と同時進行で進めていくべきだ。親権を一方に決めなければならない現在の制度は「親権を失えば親でなくなる」などと誤解され、激しい親権争いの原因になる弊害がある。

《吉田が議論を停滞させて先へ進めないのを棚村が引っぱる形だ。》

 吉田 共同親権を認めた場合、どんな弊害を生むかが不安だ。面会交流権が法で定められていない現状でも、問題のある親との面会を拒否するためには、子どもにとってマイナスであることを裁判所に証明しなければならない。児童虐待防止法では、子どもが両親のDVを目撃するのも虐待とされている。しかし、私の実感では、そのような場合でも面会が認められる場合が多い。
 精神的虐待も証明が難しい。裁判所は離婚した男女の最低限の信頼関係を築くケアもしない。母親が怯えながら面会を始めた結果、子も不安定になって結局長続きしないケースもある。共同親権になれば、面会を求める親の権利だけがより強くなるのではないか。面会交流の可否は、子どもの視点から判断する仕組みであるべきだ。

《「面会交流」にこだわっているのは吉田自身のようだ。面会のマイナス面を列挙してみせるだけだ。》

 棚村 親の権利といっても、当然行使できるものと、子どもから見て利益にならないと行使できないものがある。子どもの学校での様子や住んでいる場所などを知る「情報アクセス権」は、普通の親なら当然行使できる権利だと思うが、それすら日本では定められていない。
 また、海外でも、合う時に相手の悪口を言わないなどの基本的なルールを守り、親としての義務を果たす人にしか、面会交流は認められない。米国では離婚する時に、三年分ぐらいの面会のスケジュールや、トラブルが起こった場合の対処法などを合意条項で取り決めている。

《小説や映画やドラマのように、好きで別れる話は現実には希なことだ。お互いに憎しみ合うようになった末の離別だろう。日本の場合親権は母親になる場合が多い。パソコンなどでの相談の殆どは子の父親に会わせたくない相談だ。子と父親との問題以前に、「憎いあの男になんか会わせるものか」の心理だろう。日本での面会交流の難しさの根本問題だ。》

 立会人 日本では裁判所を経ない協議離婚が全体の9割を占める。面会交流や養育費の取り決めがないまま離婚する人も多い。

 吉田 子どものことを何も決めずに離婚できてしまうのは確かに問題だと思う。ただ、本当に配偶者から逃げるために少しでも早く離婚したいという人もいる。
 内閣府の調査では、配偶者からDVを受けたことのある女性は約3割にのぼる。元夫婦間に力関係の格差がある現状では、強者ではなく弱者に立った制度が必要ではないだろうか。共同親権の法制化を先行し、徐々に社会環境を変えていくという考え方を仮にとった場合、その間に救われない人たちが出てくることが心配だ。

 棚村 共同親権を導入した場合、DV、虐待などが原因で元夫婦が激しく対立するケースは3分の1ぐらいと推測している。当事者だけで話し合いができるケース、専門家が助言すると合意できるケースは3分の2だ。どんな制度でも権利の乱用はあるし、それを防ぐための手だても必要だが、まずは多数のところに焦点を当てるべきではないだろうか。

《少々強引な手法になるが、共同親権導入是非の議題にはなるだろう。》

 立会人 日本では、米国などでは一般的な「離婚後の両親との交流は子の成長に良い」という認識が浸透していない。どんな場合の交流が子どもの利益になり、どんな場合がならないのか、実務家や研究者からの情報発信も必要だ。
 親が離婚した子どもは08年で24万人。面会交流、養育費支払いを支える環境整備を進めつつ、親権を巡る議論を深めたい。

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2010年6月25日 (金)

その後の女子プロ野球

 関西の放送状況がよく分からないが,関東エリアでは今年発足した女子プロ野球の試合を見たり、結果を活字で読む機会はないと思う(少なくとも私の目には全く触れなかった)。尤も従来の男たちがやる日本プロ野球さえ、関東でもスポーツ紙以外はほとんどおざなり記事で済ましているから(海の向こうの大リーグ以下の扱いだ)、女の子のやるお遊戯程度にしか見ていないのだろう。3月に取り上げてからぱったり途絶えていた情報が久しぶりに“順調な船出”と、記事になった。

 参照 女子プロ野球 10/03

 毎日新聞(6/25)大阪編集制作センター:水津聡子、要約と 《 》内は私見。
 (前略)ナックルボールという「必殺技」を携えて男子のプロリーグに単身乗り込んだ吉田えり投手(18)=米独立リーグ「チコ・アウトローズ」所属=と、国内で約60年ぶりの女子プロ野球設立。二つは、似ているようで全く違う。他のスポーツと同様、女子同士で対戦してこそ引き出される魅力がある。

 GPBL(日本女子プロ野球機構)のリーグ戦は4月23日、京都アストドリームスと兵庫スイングスマイリーズの2チーム制で開幕した。

背景には、近年の女子野球への注目度の高まりがある。08年に松山市で開かれた女子野球ワールドカップで日本が初の世界一に。昨年、関西独立リーグの神戸9(ナイン)クルーズに吉田投手が所属。野球をする女の子が「えりちゃんみたいになりた」と口にするようになった。ただし女子のトップレベルでもパワーは男子の中学生程度であり、男子に伍して活躍する吉田は特殊なケース。「女子としては野球がうまい」選手にとって、協議継続すら困難なのが現実だ。

 現在、女子硬式野球部があるのは6校。大学、クラブチームと会わせても全国に30チームしかない。野球のために親元を離れたり、転職せざるを得なかった選手の話をたくさん聞いた。男子に混じってプレーする道も険しく、途中で諦めるケースは珍しくない。

《自分の希望を満たそうとすれば、親元を離れたり、転職などの条件は、男子とて何も変わらない。それに男子に混じってのプレーなど考えることからしておかしい。性差は歴然として存在する。これを男女差別ととらえる人がいるとすれば、とらえる方の頭がおかしい。》

 京都の藤沢美和選手(23)は、女子ばかりのチームで男子リーグに参戦した愛知・中京女子大(現・至学館大)野球部の初代主将。練習に励んだが、5部リーグで卒業まで一勝もできなかった。専門学校へ進学後は男子チームでプレー。「ずっと一人で・・・・つらくて。でも野球がしたくて。プロに入った子は、ほとんどがそういう経験を積んでいるんです」と振り返る。

《当然の帰結で、性差を考えないことが最初から変なことだ。男子チームにとっては女子が混じっていることは、面と向かっては差別発言とも取られ、言いにくく迷惑でさえあったことと思う。》

 大半の選手が、犠牲を払わなければプレーを続けられない。それが競技としてあるべき姿なのか。硬式の競技人口は6000人とされるが、条件さえ整えばやりたい人は多いはずだ。GBPLの狙いもそこにある。

《水津がいう犠牲とは何をさしているのか。上に書いた記事のどこに犠牲があるのだろうか。ただ、女であることを強調しているだけにしか聞こえないが。》

 「先ず頂点を示して、裾野を広げようと考えた」と片瀬代表(34)。昨年のトライアウトは硬式野球経験のない受験者が目立ち、元槍投げ選手の萩原麻子投手(18)も合格した。少年野球の女子チームも増えたと聞く。特殊ケースではない頂点が見えたことで、諦めた選手が戻ってきたのだ。

 GPBLは人件費や移動費用などの制約から2チーム、各15選手でスタートした。「観客が集まるのか」という不安もあったが、平均1500人近くが観戦する順調な滑り出し。約600人収容の神戸市の球場で予定していた全9試合は、「観客の安全が確保できない」との理由でキャンセル。その分は、元々女子野球が盛んな関東エリアから要望もあり、西武ドーム(埼玉)などでの試合を新たに組み込んだ。

 GPBLは、健康食品会社のわかさ生活(本社・京都市)から資本金3億円の拠出を受け、運営している。新興団体としては恵まれた条件だ。これを生かし、地道にファン定着を目指す。入場料(前売り1000円、当日1500円)は中学生以下と65歳以上などに加え、女性は18歳以下が無料。選手は試合後のスタンド清掃とサイン会を欠かさず、ファンとの密着感を高めている。

《和気あいあいのプロ野球、これでは女による女のための野球だ。》

 さらに、引退後は地元に帰って指導者になる道を開こうと、全選手が柔道整復師の資格が取得できる学校に通う。あとは、どこまで魅力をアピールできるかだ。

《引退後のことは男子のプロ野球選手にとっても考えるところだ。引退後、野球に関係のある仕事で生活できる人は多くはない。人生設計をするのは当たり前のことだ。》

 運動部の記者としてバレーボールを取材し、男女の違いを感じた。スピード感あるスパイクで勝負が決まる男子に対し、女子はつないでつないで得点、それぞれの面白さがある。野球はどうか、男子は速球や豪快なホームラン。GPBLは攻守ともに「仲間につなぐ」という強い意志が、試合に熱気を与える。何より、楽しそうにプレーする姿に、声援を送りたくなる。打ち上げ花火ではなく、女子選手を照らす消えない火を、女子プロ野球が燃やし続けることを期待している。

《これまでにも米国で、日本で、資金難で消滅していった女子野球。その轍を踏まないためにも同じような球技、ソフトボールの厳しさ以上の厳しさや激しさを身につけなければ、楽しさだけでは珍味に飽きれば直ぐにファンはそっぽを向くだろう。》

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2010年6月23日 (水)

沖縄 「慰霊の日」

 メディアも挙って平和ぼけになり、地球の裏側のサッカーに浮かれ興じている本日、沖縄では65年前の今日、一般住民9万人以上を犠牲にした日本軍が、文字通り壊滅的な惨状に陥り、組織的戦闘が終結を迎えた日だ。この日から1カ月少々を経た8月6日、広島、9日の長崎への原爆投下で日本は無条件降伏をした。人類初の原子爆弾の被災地広島や長崎は、メディアも大々的に取り上げるが、住民を巻き込んだ地上戦の犠牲者を弔う沖縄の今日の「慰霊の日」の行事は、菅総理こそ参列したが、今年も辛うじてサッカー記事の数分の1の紙面を割いて、或いはテレビ画面を割いておざなりに報じるだけだ。この「特別な1日」については以前も取り上げたから繰り返しては書かない。

 沖縄戦 1945年3月26日の慶良間列島上陸に続き、米軍は4月1日に沖縄本島中部西海岸に上陸。日本軍は持久戦法をとり、多くの住民が巻き込まれた。日本軍による住民虐殺や住民の集団自決も起きた。犠牲者は一般住民9万4000人、日本軍9万4136人(軍属含む)、米軍1万2520人。県民の死者数は推計で12万〜16万人との見方もある。

 参照「特別な1日」 06/06

 毎日新聞(6/22)から
 《違った切り口で沖縄を取り上げた記事が目についた。》
 沖縄市のシンガー・ソングライター、コザのロック歌手、内間満(46)は、経営するバーに沖縄県内に展開する米国のファストフードチェーンの看板商品の炭酸飲料を置いている。記者(斉藤良太)は勧められたが、慣れない味に手が伸びない。内藤はうまそうにあおった。

 「僕らは小さいときから米国文化を受け入れてきたから、舌も米国の味に慣れている。本土の人は慣れていないから戸惑う。米軍基地も一緒だ」と話す。

 内間は、米空軍嘉手納基地がある沖縄市で生まれ育った。生家は黒人兵向け繁華街に近く、酔った米兵の喧嘩が絶えなかった。女性が米兵にレイプされるのを見たこともある。事件を起こす米兵は、ガムやチョコレートをくれる存在でもあった。中学でバンド活動を始めたのも、彼らのラジカセから流れるロックにひかれたからだ。基地を巡る内間の感情は複雑だ。

 一旦音楽から離れたが、再開直後の95年9月、米兵による少女暴行事件が起きた。
 <また軍人の犯罪さ なくならねえ そして基地へ逃げ込んで ちかまらねえ つかまらねえ>

 怒りをライブにぶつけた。普天間移設を皮肉った歌もつくった。
 <さぁ引き金を引くんだ 運がよけりゃ弾は出ないのさ オキナワンルーレット 基地を回せ>

 沖縄で続いてきた県民大会には懐疑的だ。「感情だけで動いても続かないし、問題は解決しない」。移設に揺れた14年。内間の目には、県民は怒り、冷める、その繰り返しだったように映る。

「『基地はいらない』という理想はよく分かるが、中国艦船が沖縄の海にもやってくる。軍備なしにどうやって沖縄を守るのか。50年後、100年後まで計算して考えないと、基地撤去は夢物語になる」。県外に行き先がない普天間は一時的に県内移設を受け入れ、まず、基地内に逃げ込めば県警も逮捕できない地位協定改正を実現させるべきだと考える。

 25〜27日、15年ぶりに東京でのライブに出る。「今の沖縄の音楽は青い空とかいいことしか歌ってない。僕は沖縄の叫びを歌いたい」と話した。 

《最後は最近話題の「抑止力」について考えさせられる話だが、「仮想敵」をどのように判断するかが争点となる問題でもある。》

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2010年6月22日 (火)

富士登山に入山料が必要になるかも

 《どこの国も例外がないようだが、観光客が増えれば増えるほど、それに比例するように目立ってくるのがゴミの発生だ。観光立国のスイスでさえ、表通りから裏へ回ると家々の塀には落書き、道路にはゴミが散乱、昔は保養地としても有名だったレマン湖のほとりのトイレの凄まじいほどの汚れぶりはブログでも取り上げた。また、先年、イタリアでは日本人観光客の世界遺産への落書きも話題になった。その国の人がどれだけ心を配ろうと、マナーの悪い観光客が押し寄せればひとたまりもない。》

 《日本国内でも、そのことが問題視されて、世界遺産の登録も叶わない富士山の荒れようは以前から問題になっている。登山家野口氏が富士清掃登山を志して10年になるが、公式サイトによると、最初の呼び掛けに集まったのは年間で100人そこそこだったのが、昨年は全国から6800人もの人たちが富士山を綺麗にしようと集まったという。それだけの人たちの手で集めるのはゴミだが、10年間拾い続けると言うことは、次々に捨てて歩くマナーの悪い人間がいるということだ。年間およそ30万人が登るという富士山、ゴミの他に糞尿の問題もある。私のブログでも書いたことがあるが、登山料の徴収なり、1日の登山者数の制限規を設けなければいつまで経っても世界遺産になど公認されないだろう、と。》

 毎日新聞(6/22)山梨日々新聞・論説委員、保坂真吾、要約と《 》内は私見。
 富士山に登るのに「入山料が必要だ」と言われたら、ためらう人もいるだろう。山梨県側の山麓6市町村が、環境保全協力金を登山者から任意で徴収することを検討している。登山者増加で環境破壊や事故への懸念が増していることから、その対策に充てるためだ。日本のシンボルをどう守っていくのか。観光業界には影響を心配する声もあるが、登山ブームの中で受益者負担を考える契機としたい。

《入山料を任意の徴収とするのは、善意に過ぎる。必ず徴収することを提案する。なぜか、過去において、山頂のトイレの使用料を任意にしたことがあったが、文字通りの垂れ流しの不届きものがほとんどだったことを踏まえ,不特定多数の集まるところでは、人の善意は届かないもの、と思った方がいい、と思うからだ。》

 富士山は7,8月が登山シーズンで、昨年の登山者は約37万人。うち65%の約24万人が山梨側の吉田口からだ。登山道はびっしりと人の列が続き、ごみが増え、バイオトイレは処理の許容範囲を超える。わずか2カ月間にこれだけの人が殺到する状況は、環境への大きな負荷となっている。保全の経費を登山者にも負担してもらおう、との発想は、それほど無理のあるものではないだろう。

 ただ残念なのは、この議論が山梨側だけで進んでいることだ。協力金を提唱した富士吉田市の堀内茂市長は「静岡県の自治体にも話はしているが、機運醸成を待てば時間がかかる」とし、「登山者の多い山梨側は緊急の課題が多い」と先行導入の考えを示す。

 富士山の環境保全に関して両県は、12年前に共同で「富士山憲章」を制定。現在は世界文化遺産登録を目指す取り組みを一緒に進めている。富士山全体で環境保全の意識を高めていくために、協力金についても本来は両県が連携して議論すべきだろう。

 また山梨側では、5合目に通じる富士山有料道路(富士スバルライン)の料金との関係も詰める必要がある。この道路は5年前に建設費を償還し終えた後も県道路公社が維持管理の料金(普通車往復2000円)を徴収し、一部を沿道の環境保全に充てている。協力金は有料道路代と切り離して検討されているが、二重取りの印象を与えないよう一体で議論を進める方がいい。

【富士山環境保全協力金】
 富士吉田市など山梨県側6市町村と観光関係団体などが4月末に協議会をつくり、徴収方法や額の検討を始めた。同市によると、山梨側ではトイレの維持管理やごみ処理、救護所の運営などで年間約3500万円の事業費がかかっている。これを6市町村と国、県、山小屋など関係団体が負担しているが、人件費を考えればさらに膨らむ。協力金が導入されれば、ごみ処理経費や下山道へのトイレ新設、8合目救護所の医師らへの人件費への充当が想定される。堀内富士吉田市長は来年7月からの導入を目指す考えを示している。

 環境保全を重視するならマイカー規制拡大も必要だ。今年は8月に12日間だけ実施するが、夏山期間の恒常的な渋滞と排ガスによる悪影響を考えれば、シーズンを通した規制を検討するべきではないか。

 山梨県内では南アルプスに通じる道路で通年(冬期は閉鎖)のマイカー規制が定着しており、任意で片道100円の協力金を募っている。富士山でもできないはずがない。

 5合目にいたる道路は、静岡側にも富士山スカイラインなどがある。両県とも標高200メートル超までマイカーで安易に行ける状況を見直すべき時に来ていると思う。こうした道路のあり方も含め、両県が総合的に富士山の環境負荷を減らす方策を考えるべきだ。

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2010年6月21日 (月)

野球賭博がなぜいけなの

 あぶく銭を手にすることの嫌いな私は宝くじを買ったこともない。ただ年賀状だけは籤付きも混じるが、当たっても自分のものにはならない。

 このところ頻りにメディアを賑わす相撲界の野球賭博、私には何故いけないことなのか、よく理解できない。宝籤も、サッカー籤(文科省がらみ)も、競馬(年に2回の天皇の名を冠した賞さえあるが)、競輪、競艇、オートレース、パチンコもみな同じ賭博(ギャンブル)ではないのか。なぜ、やっていい賭博といけない賭博があるのか。

【賭博】とは金銭や品物などの財物を賭けて偶然性の要素が含まれる勝負を行い、その勝負の結果によって賭けた財物のやり取りを行う行為。また、技術や道具や錯誤などを用い、見かけの確率、期待値を変えることなく、相手に気づかれないよう有利に実際の確率、期待値を変えて行う賭け事、勝負事をいかさま賭博といい、それらを行う者をいかさま師、ゴト師という。(Wikipedia)

  この解釈からすれば、上に上げた種々の籤なども含めて全て偶然性の結果が賭けの対象になっており、正真正銘の賭博に違いない。なのに、何が違うのだろうか、国レベル(監督官庁:農林水産省、国土交通省、経済産業相、文部科学省、総務省)、自治体レベルでいろいろと法(身分、年齢など)を作ってそれらしく屁理屈をくっつけているが、賭け事としての実態、中身には何の違いもない。

 今でこそ新聞種になることは少なくなったが、賭け事から抜け出せず、自殺や一家離散は珍しくもなかった。ギャンブルなしでは生きていけなくなった人間たちは、酒飲みの酒のようなものだが、依存症に陥ればそこから抜け出すことはほぼ不可能だ。代表的なものでは、電車に乗れば必ずといえるほど、赤エンピツをなめなめ競馬新聞にチェックをいれる男たちを見かける。
 
 一方、7月11日から始まる大相撲名古屋場所、野球賭博への関与を申告した26人、その他の賭博への関与を申告した36人、計65人のうち出場辞退を申し出た大関・琴光喜以外の名前を公表されていない。大相撲では度々問題が起る金銭がらみの八百長相撲があるが、野球賭博には八百長のような後ろめたいものはない。問題があるとされるのは、暴力団が絡んでいるとみられることだけだ。しかしこれも暴力団の絡みがあるとすれば、追究するべきは暴力団であって力士ではなかろう。

 メディアも鬼の首でも取ったように大騒ぎするが、暴力団の殲滅にもっと社を挙げてのキャンペーンでも張った方が良い。そして、力士もあまり卑屈になることはない。

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2010年6月19日 (土)

改正貸金業法とは?

 毎日新聞(6/19)から、《 》内は私見。
 《借りた金が返せなくて、複数の業者から次々に借金を繰り返す多重債務によるトラブルが後を絶たない、田舎にいるころは知らないですんでいたが、上京したての若い頃は低利率の公営質屋があって、家からの仕送りが一切ない苦学生には質屋は貧乏人の味方とも思い、しばしば世話になったものだ。質屋のおやじの言では「もっと貸せるよ」とは言ってくれるが、こちらにはそんなに借りれば返せる当てはない。「これだけでいい」、当座の食い扶持を手にするだけでいいから間違いなく返せる金額だけしか借りない。質草を流せば次に換金できる質草になるほどのものを幾つも持っているわけではない。苦心して生活を切り詰め、2〜3週間後小銭を手になけなしの質草を取りに行く。この繰り返しだったが、幸いにして質草を流したことは一度もない。》

 「なるほドリ」欄から
  18日から、お金を借りるルールが厳しくなった。消費者金融など貸金業者への規制を大幅に強化する改正貸金業法が施行される。まず、個人がお金を借りる場合、年収の3分の1を超える借り入れができない「総量規制」が始まる。年収300万円なら、100万円までしか借りられない。複数の会社から借り入れをしている場合、借り入れの合計が年収の3分の1に制限される。また、金利の上限が現在の年利29・2%から、15〜20%に下がった、上限は借入額によって異なるが、最高でも20%。ただし、住宅ローンや銀行からの借り入れは対象外だ。

 Q 何故、改正するのか

 A 複数の業者から多額の借金をして返済不能になる「多重債務問題」を解決するためだ。約30年前、消費者金融が過剰融資や過酷な取り立てを行い、社会問題になった。当時は上限金利は109・5%で、自殺に追い込まれてしまうケースもあった。上限金利は何度か引き下げが行われ、取り立て方法への規制も強化されてきたが、多重債務問題はなかなか解決できなかった。抜本的な解決を目指した今回の改正法は、06年末の国会で全会一致で成立した。段階的に制度の見直しが進められ、18日で完全施行になる。

 Q 総量規制で、借りられなくなると、困る人もいるんじゃないか

 A 総量規制を超える金額を、すぐに返す必要はないが、新規の融資を受けることができない。特に、収入がない専業主婦(主夫)が、これまで通り借り続けることは難しくなりそうだ。制度上は、配偶者の同意書や収入証明書などを提出すれば、融資を受けられることにはなっている。しかし、「離婚する可能性もあるし、夫婦の借り入れ残高を管理するのは手間がかかる」などと、多くの業者は専業主婦への貸し出しを行わない意向のようだ。このため、借りられない人が違法なヤミ金に流れることを懸念する声も上がっている。

 Q それは大変だ、方策はあるのか

 A 完全施行に向けて、自治体や市民団体などが、相談窓口や緊急貸し付け制度を整備しているようだ。困ったときはヤミ金など違法業者に頼らず、自治体や消費生活センター、サラ金被害者連絡協議会、法テラス・コールセンターなどに相談することだ。

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2010年6月18日 (金)

臓器提供の意思表示は

 毎日新聞(6/18)から、
 7月17日に全面施行される改正臓器移植法は、本人の意思が不明でも家族の承諾があれば、脳死状態での臓器提供が可能になる。しかし、施行まで1カ月を切った今でも、そのことを知る人は少ないようだ。自分や家族の意思に反することがないよう、臓器提供について考え、家庭で話し合い、きちんとした意思表示をしておくことが大切だ。

 臓器移植に関する啓発活動をするため、学会や支援団体などでつくる「Gift of Lifeプロジェクト委員会」(委員長=寺岡慧日本移植学会理事長)が今年4月、インターネットで全国の20〜69歳の男女1000人に臓器移植に対する意識と実態の調査を実施した。

 その結果、法改正について知っているかを問う質問では「改正内容を含めて知っている」と回答したのはわずか3・8%。また、臓器提供について自分の意志を持っていると答えたのは全体の26・6%で、そのうち家族に自分の意志を伝えているのは54・9%(全体の14・6%)だった。

 臓器提供意思表示カード(ドナーカード)など、意思表示の方法を知っていると答えたのは88%。そのうち約4分の1がドナーカードを含め何らなかの形で意思表示をするものを所有するなどしていたが、その4割強が記入をしていなかった。

 臓器提供の意思表示は、ドナーカード、運転免許証、健康保険証、インターネットでの登録、の四つの方法がある。
 • ドナーカードは改正法施行に伴い様式が変わる。
  ①脳死後と心停止後のいずれでも臓器提供をする
  ②心停止後に限り臓器提供をする
  ③臓器を提供しない
を選ぶ項目がある。また、注意しなくてはならないのが、臓器を選ぶ欄だ。これまでは提供したい臓器に「○」をつける方式だったのが、新様式では、心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球の中で提供したくない臓器に「×」をつける方式になる。

 特記欄には今年1月から施行された、配偶者か親子に優先的に臓器を提供したい「親族優先」の意思などを記入する。また、自筆による本人署名は必須で、未記入の場合は意思不明として取り扱われる。

 • 運転免許証と健康保険証の裏面には、ドナーカードと同じ様式の意思表示記入欄が儲けられる。共に、全面施行の7月17日以降に発行されるものに新様式が導入される。

 • インターネットによる意思表示は日本臓器移植ネットワークのホームペジ《省略》から登録できる。

 現在何らかの方法で意思表示をしている場合、その内容は有効だが、厚生労働省は「新しい様式に切り替えるのと同時に、もう一度臓器移植について考える機会にしてほしい」としている。

 記載に不備があった場合に、どのように取り扱われるのか。厚働省の臓器移植委員会は、記載内容に矛盾があった場合は「意思不明」として扱い、矛盾がない場合は記載内容を有効なものとして扱うことを決めた。

 意思不明として扱われるのは、▽「臓器提供の意思」と「拒否の意思」の両方に○がつけられている、▽意思を問う項目には○がつけられていないが、「提供したくない臓器」にのみ×がつけられている——など。この場合は家族によって脳死状態で臓器を摘出するかどうか判断される。

 日本臓器移植ネットワークの雁瀬美佐広報・普及啓発部長は「間違えて記入すると、本人の意思が不明となり、せっかくの意思表示が意味のないものになる。また、家族も判断に困るかもしれない。正しく記入することは勿論だが、家族ときちんと話し合い、自分の意思表示を伝えておくことも大切」と話している。

 《これまで私は臓器移植については、家族以外には髪の毛1本譲る気のないことを表明してきた。死んだ後とはいえ、我が身を切り刻んで与える、それほど奥ゆかしい博愛精神の持ち主ではないからだ。反面、逆の立場になろうとも、誰からも何一つ欲しがらない。日本人男性の平均寿命がすぐそこまで近づいているからではない。若い頃からだが、黄泉の国で待っている父や母から、敢えて損ない破らなかった身体髪膚を見て欲しいからだ。私たち世代にはそれが何よりの親孝行だと考えているからだ。》

《例えば、配偶者か親子に限定では、親が先に他界し(或いは親に捨てられ)、姉か兄の面倒で生きている弟や妹が、誰よりも世話になる愛する兄や姉に移植できないことになる。そこまで例外を考えなくても、私の家族自身、共に両親はすでに他界しているが、子どものほかに弟や妹たちは生存している。もしもの時に彼ら彼女らに優先的に移植できないものを、赤の他人に移植して例え片目だけでも失った体では、死後の世界を信じない私でも、天国で両親に合わせる顔がない。》

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2010年6月17日 (木)

もみじマーク代替案

 毎日新聞(6/17)から、要約と 《 》内は私見。

Photo なんともお粗末なデザインを考え
 たものだ。これじゃ、現行のもみ
 じマークの方が余程優れている。
 世間が嫌うほど悪いデザインとは
 思わない。私の車には現在も
 もみじマークがしっかりついてい
 る。色褪せたため100円ショップ
 で買い替えて2代目だ。

 左は<デザイン候補>
 ①四つ葉のクローバーを
 モチーフにシニアの「S」を図案化

《色使いは若葉マークともみじマークの単なる組み合わせだ。それに「S」はシニアとも、シルバーとも、セーフティとも解釈は可能。説明されないと「S」には見えない。シニアにこじつけは不要だろう。》

 ②色とりどりの線がさまざまな人生を表現

《やはり基本的には若葉ともみじの色使いだが、何せ線が細すぎて印象が薄い。説明もこじつけに近い。白っぽいボディの車では遠目・夜目には判別不可能だろう。》

 ③高齢ドライバーを稲穂の実とハートを支える手のひらに例えて図案化

《やはりここでも枯れ葉色に拘っているようだ。くどくどと説明が必要なものは図案ではない。》

 ④鳥にハートと手のモチーフを組み合わせて図案化

《私のような昭和一桁には、子どもの頃頬張った一粒○○メートルのグリコキャラメルそっくりに見える。全体の図案としては手の印象はどこにもない。どちらかといえば可愛いヒヨコだ。色を新鮮な感じのものにすれば若葉マークにこそ似つかわしい。(よちよち歩きのヒヨっ子か、と今度は若者から反発を食いそうだが・・)》

《結論は、現行のものがデザインとして一番優れている。》

 現行もみじマークも含めた5点からアンケートなどを実施して、今秋にも決めるという。もみじマークを巡っては「枯れ葉を連想させる」などデザインの見直し論が高まり、変更を含めて検討してきた。

 4点は、公募で集まった1万4573点から同庁の検討委員会が選んだ。警察庁のホームページ(HP)で公開し、メール、ファクスまたは郵送で1カ月間、一般から意見を募集する。また、運転免許の更新手続きに訪れるドライバー3000人と日本グラフィックデザイナー協会会員約2500人を対象にしたアンケートも実施する。

 意見募集とアンケートの結果を参考に、検討委が1点に絞る。四つの代替え案のいずれかが選ばれた場合は、国家公安委員会の決定を経て採用する。もみじマークの支持が最も高い場合、変更を見送る可能性もある。

《どう比べても、代替え案のどれもが新鮮みに薄れ、出来ばえは見劣りする。》

 もみじマークは、97年の道路交通法改正で75歳以上を対象に導入された。01年に対象年齢を70歳以上に拡大した。子の時点では表示は努力義務だったが、07年の法改正で75歳以上の表示を罰則付きの義務とした。これに対し「高齢者いじめ」との反発があり、09年の法改正で努力義務に戻した。

 義務化論議とともに、デザインも「枯れ葉」や「涙」を連想させるといった意見が上がった。警察庁が09年4月に行ったドライバーへのアンケートでは、もみじマークが「気に入っている」が51%、「気に入らない」が46%だった。

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2010年6月14日 (月)

友だちって本当に必要?

 毎日新聞(6/12)から、要約と 《 》内は私見。
 《海外も含め、小説を読まなくなって久しい。数年前、たまたま新聞記事で目にしたが、若い女性の妙にエロチックな題名の「蛇にピアス」(金原ひとみ)が芥川賞を受賞したことだけは知っていた。ただそれだけのことで読むこともなく終わっていた。その彼女の写真入りでタイトルの内容でのインタビュー記事が載った。》

 ▼東京都文京区の公園で今年5月、中学3年の女子生徒が自ら命を絶った。自宅には「友人がいない」と書かれたノートが残されていたという。友だちをうまくつくれない。そんな悩みを抱え込んだ子どもたちへのメッセージを、不登校を経験した芥川作家の金原ひとみ(26)に語ってもらった。

 私《金原》は小学校の途中から中学を卒業するまで学校に行きませんでした。時間に縛られるのが嫌で、学校自体あまり肌に合わなかったので。中2の時、もしかしたら中学校は面白いかも、と思って4日くらい登校しましたが、やっぱり合わないと思いました。

 毎日同じ時間に同じところに行って、同じ人と肩を並べて皆と同じことをして、っていうのがとても憂鬱なことに思えました。でも、不登校は一般に否定されていることなので、自信たっぷりに私は行かない、と言い張っていたわけではなかったです。

 母は「学校に行かなきゃ仕事に就けない、ロクな人生送れない」と言っていましたが、私は割と楽観的に「そんなことないんじゃない?」と思っていましたね。世間的に褒められるような人生は送れないにしても、自分的に面白い人生は送れるんじゃないかと思っていました。確かに、今の私を見ても、母親はロクな人生をおくっていないという感想を抱くと思います。

 反対に父は「行きたくないなら行かなくていい」と言っていました。「学校に行け」という父だったら行かないという道を選ぶのは難しかったと思います。世間の一般論と家庭内のそれが一致してしまったら、子どもには居場所がなくなってしまう。もちろ親は子どもに対してある種の強制力を持つべきだと思いますが、行きたくない気持ちをはなから否定されるのは、子どもには耐え難いことです。

《子どもの側からの意見はそれでもいいのだろうが、日本国民として、親は子どもに小・中学教育は受けさせる義務を負っているのだ。身体的に、或いは精神発達上、また、苛めや暴力によるなどの理由があれば不登校も選択肢としてあり得るだろうが、子どもの勝手では理由にならない。金原本人も分かっているようだが、私もこれまで機会があれば書いてきた。保護下にある子どもへの親の強制力は必要なものだ。たまたま金原は芥川賞をも受けるほどの大人にはなったが、まだまだ人生はこれからの青二才だ。》

 友だちをつくらなきゃいけない、たくさんいないといけない、というのは一般論です。一般論に身を委ねると生きやすくなるときもありますが、生きづらくなることも多いと思います。身を委ねるかどうかの選択肢は全ての人に与えられるべきだと思いますが、プレッシャーの中で選択肢を見失うこともあります。

《金原の言う一般論とは、それこそ一般的には「常識」というやつだ。その代表が昔からある言葉「竹馬の友」という友だち関係だ。26年生きてきた金原の、友だちがたくさんいることで将来生きづらくなることが多いこと、とはどのようなことを想像してのことだろうか。そして、子どもたちには何を伝えたいのだろうか。》

 私も選択肢を見失って思い詰め、手首をざくざく切っていたときがありました。一般的に自傷行為は悪いこととされていますが、私にとっては思い詰めたときに飲む薬のようなものでした。今思えば、自傷で自分を救っていたのかもしれません。

《私は、自傷行為を悪い以上に莫迦な行為だと思う。金原の言うように、手首を「ざくざく」切れば出血多量で今頃はこの世にいなかったに違いない。事を大げさに表現してみせて同情を呼ぶ魂胆がありありだ。「そんなに辛いことがあったの」「可哀そうに死ぬほど辛かったのね」と。》

 学校に行かなきゃいけない、友だちをつくらなきゃいけない、いい成績を取らなきゃいけない、いい大学に入らなきゃいけない、家族とは仲良くしなきゃいけない、それらはすべて外から押し付けられるルールだと私は思います。

《彼女が列記する・・・しなきゃいけない、でルールなのは最初の『学校(小・中学)に行かなきゃいけない』(親が行かせなきゃいけないのだ)ただ一つだけだ。あとはルールではなく誰も押し付けてもいない、その個人、その本人の選択肢の範疇にあるものだ。これこそ日本人の好きな「皆がするから、言うから」の強迫観念に過ぎないものだ。》

《私が友だちを作る必要を認めないのは金原以上だ。学生時代を通じて友だちと呼べる人間は敢えて持たなかった。軍国少年であった小・中学生時代には既に死について思いを巡らせ、生きるということと死について思索することの多い少年だった。敗戦で一転して価値観を変えさせられ、信ずるもののすべてを見失っていた。同時に信ずるものを失った代わりに疑うことを教えられた。生徒たちに名誉の戦死を教えていた教師は、同じ口で戦勝国の民主主義を説いた。「同期の桜」の友情を学ぶ前のことだった。これ以上の疑うことのないことを学び、それからは、何事をも疑うことで生きることを貫いている。「われ疑う、ゆえにわれあり」と。これが私のブログの立脚点でもある。その後の一生も、友だちを持たないことで不自由したことは何もない。》

 自分にとって重要なことが、本当に学校に行って友だちを作って勉強をして円満な家庭の中で生きていくことなのか、なぜ彼らがそうすべきだと言うのか、彼らは本当に自分のためを思ってそう言っているのか、一度疑ってみることは需要だと思います。過剰に押し付けられるルールは、大抵の場合押しつける側にとって都合のいいルールであるものです、と。

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2010年6月13日 (日)

常用漢字

 毎日新聞(6/8)から、要約と 《 》内は私見。
 一般社会で使用する漢字の「目安」となる常用漢字が29年ぶりに見直されることになった。文化審議会は7日、これまでの常用漢字に196字を追加し、5字を削除したうえで計2136字とする改定常用漢字表を答申した。

 『なるほドリ』欄から、
 そもそも常用漢字って何なんだろう。簡単に言えば、義務教育が終了するまでに読め、高校卒業までに書けるようになることが望ましい漢字で、公用文書や新聞、雑誌などでそれを使う際の「目安」」にもなる。ただし、強制ではなく、新聞や雑誌各社はそれぞれの判断で、常用漢字以外の漢字も使用している。

 Q 何故増やすのか

 A 終戦直後の1946年に告示された「当用漢字」1850字に95字を追加して、現行の常用漢字1945字になったのが81年。それ以来29年間、一度も改めないままだったが、この間の社会の変化で使用頻度が高くなった漢字も多く、国は見直しが必要と判断したからだ

 Q 戦前には漢字使用の「目安」はなかったのか

 A いいや。1923(大正12)年には文部省臨時国語調査会が常用漢字を1962字と決めた。31年に1858字に減った後、42年には「標準漢字」の名称で2528字にまで増えた。今回の改定で常用漢字は2136字にまで増えるが、2000字を越えるのは、2度目ということになる

 Q 子どもに付けられる名前も増えそうだ

 A 実はそうでもない。追加される196字のうち、130字は既に「人名用漢字」として認められていたものだ。差し引きすると66字が新たに人名用として使えるようになるが、「顎」(あご)や「淫」(いん、みだら)など、人名向けとは言えそうにない漢字がほとんどだ

 《また、憂鬱の「鬱」(うつ)や、語彙の「彙」(い)など、簡単には書けない漢字もかなり含まれている。語彙などは最近では横文字で言うことが多くなり、ボキャブラリーで通じることの方が多いのでないか。これらは、パソコンや携帯電話などの情報機器の普及で、手書きはできなくても「変換」はできる漢字が増えたことを反映している。驚くことに、答申でさえ「すべての漢字を手書きできる必要はない」として、これから漢字を学ぼうという子どもたちの学習意欲を削ぐような但し書きを付記しているのだ。》

 その一方では、「情報機器の利用が今後、更に日常化しても小中学校では書き取りの練習を行うことが必要」と一層子どもたちや教育の現場を惑わすようなことを言っているのだ。

《増える196文字を見て、私なりに気になる点が幾つか目についた。先ず「遜」、「謎」の「しんにゅう」は今では「にてんしんにょう(にゅう)」というようだが、昭和一桁は1点、2点の区別がなく、すべて字劃も同じで「しんにゅう」で学んだ。次いで、「賭」、「箸」の右辺、者の日の上に「テン」が打たれているが、私が学んだ頃は、「者」、「署」にもテンを打ち、この字を使用するすべてにはテンを打った。また、追加される「読み」に「臭」(にお)がある。自の下が大だが、増える漢字「嗅」にはテンがある。これも昔はどちらの漢字も下は「犬」だった。同じようにテンがなくなった漢字に「涙」、「戻」があり、旧漢字では最後はテンを打って犬を書いた。》

 先立つ5月19日の答申案の決定を受けて、早速22日には現場の困惑が取り上げられた。

 東京都昭島市にある小中高一貫校の私立啓明学園。国語教育に力を入れる学園では、週に1回、漢字テストを実施している。正答率が8割に届くまで放課後などに最テストを繰り返す。高校卒業までに現在の常用漢字1945字を完全に読み書きできるようにするのが目標だ。国語科主任の藤井教授(39)は「漢字はリポートや作文を書く時などの基本だが、現行の1945字でも指導に苦慮する中で新たに196字が加わることに、学校現場からは早くも不安の声が上がっている。

《毎週の漢字テストは私のブログでも何度か取り上げた。私の通った小学校では低学年から6年生までを対象に、小学校卒業までに習う漢字を対象に、全学年生徒に10階級(だった)に分けられ、同一問題の漢字書き取り,読みが出題され、1テン1劃、止め、ハネの間違いも許されなかった。当然全問正解が求められ、一問の間違いでも進級できなかった。漢字好きには格好のチャレンジが許されていた。2年上に姉がいたが、私が4年になった時には姉を抜いて6年生までに学ぶ漢字の読み書きはマスターしていた。啓明学園のように8割ができただけで良しとするなどお笑いだ。毎回のテストで8割では、書けない漢字、読めない漢字があるのが当然だ。大雑把に言えば、現行1945字の2割が読めず書けないことになる。》

 主に小学校の教員らでつくる「漢字指導法研究会」は昨年12月、常用漢字追加に反対する意見書を文化庁に送り、「情報機器の普及によって進んだのは、瞬時に漢字変換できるようになっただけであって、語彙が豊かになったわけでも漢字の理解が進んだわけでもない」と指摘。「1945字の現在でも過重な学習負担であるが、いっそう困難になる」と訴えた。

 同研究会の紺屋委員長(64)=東京都町田市=は、憂鬱の「鬱」や傲慢の「傲」など、追加される幾つかの漢字を挙げて、「どうせできるわけがないと指導も学習も放棄する学校・生徒と、どんどん学習していく学校・生徒に分かれ、漢字をきっかけに学力格差が拡大する恐れがある」と懸念を示す。

《教育の宿命だろう。全員に同じことを教えても、全員が同じ理解をし、同じレベルに育つことは全てにおいて不可能事だ。中高大学と(8〜10年間)学んで英語が不自由なく話せる人間はほんの一握りだろう。これを教える側の責任だと思うのは思い上がりだ。時間がたっぷりあって教えれば、全員漏れなく秀才にできる、と言っているようなものだろう。だからといって、文句を言えばクラス全員が白雪姫になり、王子様になれることとは訳が違うのだ。やればでき、やらねばできないのは先生や学校のせいではない。》

 さらに「淫」や「妖」など「イメージの良くない言葉をどのように教えればよいのか」、「しんにゅう」《前出》と「しょくへん」について、現行との混在について「指導する際に混乱する」と戸惑いを見せる。

《しょくへんの「餌」(えさ)は、新聞では良の下がハネにテンではなく、第2水準漢字(シフトJIS)の横2本棒になっているが、パソコンの変換ではATOK、ことえり ともに他の当用漢字のしょくへんと同じでハネにテンになっている。小学生の時のせんせいの話の記憶では、しょくへんのハネと横2本棒の違いは、活字の鋳造技術か印刷字体の違いの問題で、書く時はハネで良い、と教えられたように思う。活字と筆記体との違いであると解釈すればいいものだ。》

 文化審議会の国語分科会が5月19日に決定した改定常用漢字表の答申案でも「情報機器の使用が一般化している現在の文字生活の実態を踏まえるならば、全ての漢字を手書きできる必要はなく、それを求めるものでもない」と一定の配慮をした。これに対し、啓明学園の藤井教授は「あまり使わない漢字も多く含まれているが、教える側からすれば常用漢字すべてを書けるようにするという前提で指導することになる」と話した。

《小学生のときにしっかり身につけた漢字の基礎の力は、長じてからの国語力に自身が持て、これまでの人生で漢字で苦労したことはほとんどない。》

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2010年6月10日 (木)

温暖化

Kilimanjaro2_12 温暖化の「象徴」にも
 なったとされるキリマン
 ジャロ山の氷帽の縮小
 (NASA)Wikipediaから

 <温暖化の影響:海水面
 の上昇>
 気温の上昇により氷床・
 氷河の融解が加速された
 り海水が膨張すると、
 海面上昇が発生する。
 ・ 1993〜2003年の間に
   観測された海面上昇
   は、熱膨張による寄
   与が最も大きい。
   次いで氷河と氷帽、
   グリーンランド氷床、南極氷床と続く。

 <地球規模の気温上昇に伴い、
  海水温も上昇する>
 これにより
 ・ 生態系の変化
 ・ 水温の変動幅拡大に伴う異常水温現象の増加。
   太平洋熱帯域でのエルニーニョ現象の増加。
 ・ 海流の大規模な変化、
   深層循環の停止。及びこれらに伴う気候の
   大幅な変化などが懸念される。

 毎日新聞(6/9)から、
 「太平洋の島々は成長を続けており、海面が上昇しても沈むことはない」。そう主張する研究論文が英科学誌「ニュー・サイエンティスト」に掲載され、論議を呼んでいる。

《どのような分野であろうと異論を挟む科学者は必ず出てくる。お互いにあらゆるデータを駆使し、己が主張の正しさを主張する。しかし、この論議の正しさが証明されるには、何百年、或いは年千年の月日が必要だろう。ひょっとすると、その間にはまた氷河期などが訪れることだってないことではない。》
 
 ツバルやキリバス、ミクロネシア連邦など南太平洋の島々は温暖化による計面上昇の影響で、将来的には地図上から消える「沈む島」と呼ばれてきた。

 論文のタイトルは「変形する島々が海面上昇を否定」。過去60年間に撮影された航空写真と高解像度の衛星写真を使い、ツバルやキリバスなど太平洋諸島の27島の陸地表面の変化を調査したという。

 その結果、海面は60年前よりも12センチ上昇しているにもかかわらず、表面積が縮小しているのは4島のみ。23島は同じか逆に面積が拡大していることが明らかになった。ツバルでは九つの島のうち7島が3%以上拡大し、うち1島は約30%大きくなったという。

 拡大は「浸食されたサンゴのかけらが風や波によって陸地に押し上げられ、積み重なった結果」であり、「サンゴは生きており、材料を継続的に供給している」と説明。1972年にハリケーンに襲われたツバルで、140ヘクタールにわたってサンゴのかけらが堆積し、島の面積が10%拡大した事例を紹介している。

 研究に参加したオークランド大学のポール・ケンチ准教授は「島々が海面上昇に対する回復力を備えていることを示す」と指摘し、「さらなる上昇にも適応する」と予測する。一方、海面上昇が農業など島民生活に影響を与えることは避けられないとして、「どのような地下水面や作物が温暖化に適応できるか調べる必要がある」としている。

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2010年6月 9日 (水)

携帯電話の無料オンラインゲーム

 毎日新聞(6/9)から、要約と 《 》内は私見。
 《子どもに人気の携帯電話の無料オンラインゲームで、アイテム購入でトラブルが急増中だという。親が子どもに持たせ、それがあるから使う、必要もない無闇なメールやゲーム。子どもにとっての携帯電話とはその程度のものだ。》

 携帯電話をインターネットに接続して遊ぶ「無料オンラインゲーム」を巡るトラブルが相次いでいる。ゲーム自体は無料だが、子どもがゲームで使う有料アイテムを購入するなどし、携帯を貸した親が料金を請求されるケースが目立っている。

 「小学生の娘が『無料で遊べる』というので携帯電話のゲームを利用させていたら、電話会社から5万6000円を請求された」。今年3月、地元の消費者センターに相談した北関東在住の親は、娘が一着数千円もするキャラクターの着せ替え衣装を大量購入していたことに、愕然とした。娘は「お金がかかるとは思わなかった」と話した。

 携帯電話のゲーム市場は拡大を続けている。総務省によると、08年の市場規模は869億円で、5年間で3.2倍に急増した。同省コンテンツ振興課は「数千円のソフトを買って遊ぶゲーム機に比べ、安さや手軽さが売り。若年層を中心に、今後も利用は増えるだろう」と予測する。

 人気に比例してトラブルも多発している。国民生活センターが09年度に初めてまとめた携帯電話やパソコンの「無料オンラインゲーム」に関する相談件数は全国で552件。全体の4割近くは未成年のトラブルで、小中学生が143件に上る。

《もういい加減言い飽きた。小中学生の被害者は、子どもへの保護管理責任が念頭にない親の子どもたちだ。携帯にまつわる子どもへのマイナス面は嫌になるほど取り上げられている。それでも子どもへの関心がない保護者失格の親がいるのだ。》

 無料ゲームで、なぜ料金が問題になるのか。そもそも携帯電話はネットに接続すると、定額制に加入していなければデータ量に応じた通信料(バケット料)が加算される。また有料のアイテムを買い足せば展開が面白くなる設定のゲームが多く、子どもは料金が高額化していくのを忘れがちだ。

 業界側も、改善に動き出している。携帯電話のゲームなどを提供する287社で作る社団法人「モバイル・コンテンツ・フォーラム」(MCF、東京都渋谷区)は1月、会員企業に「無料」を強調する広告表現は止めるよう通知した。それを受け、テレビCMで「一部有料」を示す文字を目立たせる事業者もある。

 だが、利用者には依然「無料」の印象が強く、改善通知後も課金トラブルの相談は続いている。MCFの岸原常務理事は「状況が変わらなければ、今後も関係者間で協議し、必要な対策を講じていきたい」と話す。

 国民生活センターが勧めるトラブル防止策は、保護者がゲームの利用規約に目を通し、どのような場合に料金がかかるのかを確認して子どもに伝えることだ。有料サービスに入る際に必要な暗証番号を教えないのも有効だが、暗証番号が不要な電話もあるので注意が必要だ。閲覧制限の「フィルタリング」機能を使い、サイトへ接続できなくする方法もある。同センターは「保護者が適切に管理してほしい」と呼び掛けている。

《携帯電話の「保護者の適切な管理」の呼びかけなど、いままで散々繰り返し行われてきたことだ。利口な親なら疾っくに実施している。それでも聞く耳持たない親がいるから、いつまでもこのような下らないトラブルが続くのだ。》

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2010年6月 7日 (月)

ツイッター

 毎日新聞(6/6)から、要約と 《 》内は私見。
 無責任が売り物のツイッター、その名のごとく軽佻浮薄のつぶやきを書き込む阿呆が多いようだ。

 参照 「Twitter」って何? 09/08

 簡易ブログ「ツイッター」に、「菅直人」と名乗るつぶやきが書き込まれ、民主党は5日、「本人とはかかわりがない」と発表した。手軽さゆえに有名人に成り済ましたつぶやきが発信される危険性が指摘されているツイッター。これまでも鳩山由紀夫前首相ら複数の国会議員も名前を騙られた。手軽に情報発信ができ、政治家の日常を垣間みられるツイッターだが、利便性の裏側に問題点も含んでいる。

【解説】
 利用者名やメールアドレスなどを登録すると、ネット上に自分のページができ、140字以内の単文が投稿できる。手軽さが魅力で、著名人の利用者も多い。「フォロー」という機能を使えば、特定の人物のつぶやきを自分の専用のページに自動的に掲載できる。ネットを利用した選挙運動の解禁に関する与野党の5月の合意でも、ツイッターはなりすましの懸念から自粛対象となった。

 「菅直人」を名乗る書き込みは複数登場し、このうち、首相の顔写真を使ったツイッターは、民主党代表就任直後の4日午後1時ごろ「これを機にTwitterを始めることにしました」とつぶやき、5日正午過ぎまでに1万人以上がフォロー(読者登録)したが民主党の発表後に閉鎖された。

《当の人物とは面と向かい合い、お互いの目を見、自分の耳で聞いたことでないと信頼しない、できないのが私の処世術だ。暇な時間に手持ち無沙汰の慰め程度のツイッターに時間を割いている暇などないのが実態だ。》

 閲覧者の指摘を受けた藤末健三参院議員(民主党)は、ツイッターで「菅さんの秘書さんに電話で確認しました。まだツイッターは始めておられません!」と指摘。三村和也衆院議員(同)は「偽物を防ぐ意味でも首相はすぐにでもご自身のツイッターを始めた方がいい」と話した。

《逆でもある。政治家のツイッターは禁じる方がいい。たった140字以内の発信内容で思いは伝わらないことの方が多いのではないかと懸念する。そのため、不用意な言葉尻をつかまれてことが大きくなることを恐れる。必要なら正式のホームページを開設すればいい。》

 政治家のツイッターをまとめて掲載するサイト「ぽりったー」には5日現在、約90人の国会議員を含めて534人の現職議員や元議員のツイッターが登録されている。個人で運営するフリープログラマー、入江太一(30)=埼玉県和光市=は「鳩山前首相が1月に始めて話題をよんでから、一気にツイッターをする議員が増えた」と話す。今では1カ月で約50万件のアクセスがあるという。

 一方、入江が頭を悩ますのがなりすまし。サイトに登録する際、事務所に連絡するなどして本人確認を行っている。閣僚経験もある大物議員が4月にツイッターを始めた際、入江が事務所に確認したところ「本人は乗り気でないが、偽物が多いので(本物を)作っておかないと」と話したという。この議員のツイッターは最初に1度つぶやいた後、更新されていないが、この議員を装ったツイッターのページでは、米軍普天間飛行場移設問題などについて書き込まれていた。

《政治家が、もともと暇つぶしのつぶやきの相手ができるほど暇ではあるまい。秘書の仕事になるのは分かるが、それとてもツイッターに関わる時間があるのなら、なりすましの発生を防ぐためにもツイッターなど早々と閉鎖して本来のつとめの方を優先してほしいものだ。》

 今夏の参院選を控え、神経を尖らせる陣営もある。改選を迎える議員の秘書は「無関係な人が『○○に投票を』みたいなことを勝手につぶやいて、ウチがやらせてるんじゃないかという噂になると困ってしまう」と、不安げな表情で語った。

《政治家とツイッターとの結びつきには碌なことが起らない。議員同士の話し合いで、ツイッターは始めないことを表明することを提案する。》

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2010年6月 6日 (日)

ひら仮名 入学前に必要か

 毎日新聞(6/6)から、要約と 《 》内は私見。
 「うちの子、ぜんぜん字が書けない」「自分の名前もまだ読めない」。小学校入学前の子をもつ親で、よその子が絵本を読んだり、字を書くのを見て、不安になったことがある人は少なくないのでは。未就学児向けに、読み書きを教える学習教室や通信教育は今や珍しくないが、小学校に入るまでに、読み書きの準備をどこまですべきなのだろう。

《これも横を見て暮らす現代日本人の弱みにつけこんだ親の不安心理を煽る商売の一つだ。メディアが一斉に輪をかけて増幅し、競争心を煽る。「だれそれさんはもう・・・」「お隣の美代ちゃんは・・・」「みんな・・・」と。「それなら良い教材がありますよ」「うちにお預けになればすぐに字は書けるようになりますよ」と儲け心見え見えの呼びかけになる。》

《以前のブログに書いたが、我が家の長男は第2次ベビーブームの世代で、幼稚園の受付けには多くの親たちは前日から並んだ。のんびりやの私は受付けの当日、それでも周りから急かされてもいたので4時起きして幼稚園に向かったが、すでに締め切りになっていた。さすがに慌ててコネでもなければ到底無理と囁かれていた園に向かった。定刻の受付けで順番を取り、親はペーパーテストで教育論、園には何を望むか、などを書かされた後、面接があり種々聞かれた。その時の会話を思い返すと、「園には特別な教育は何も望まない、子どもが誰とも仲良く遊ぶことができればそれで良い。また、躾けは厳しくしてほしい、頭さえ避けてもらえれば体罰も又結構。只一つ、小学校に上がるまでに、自分の名前がひら仮名で書けるようにしてもられえば、それでいい」と話して入園が叶った35年以上も前のことを思い出す。》

《同時に家庭では本(内外の童話、早くから自然科学に興味を持っていたので博物誌、電気の話など)には興味を持ち、字が読めなくても耳で聞きながら、絵本のページをめくるうちに字を形で理解できるようになり、買い物や散歩に出ると店の看板や電柱に取り付けてあるプレートや看板などの漢字の幾つかも入学前に読んでいた。自動車や電車、駅名や世界の国旗などを覚える子の多いのもこの時期だ。自然にものへの興味が湧けば、子どもは心配しなくてもひら仮名くらい簡単に覚える。もっとも私の小学時代はカタカナが小1で習う最初の文字だった。「サイタ サイタ サクラガ サイタ」が「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」となったが。》

 しか、しんごう、ぼうし ・・。 児童の習熟度に合わせて学習を進める「公文式」の白金教室(東京都港区)。3歳の男の子が、鹿や帽子の絵が入った学習プリントを、声を出して読みながら取り組んでいた。「小学生の兄2人に刺激されて、字を覚えたがっている。1年生までに感じも少し書けたら」とお母さんが見守る。公文教育研究会によると、全国の教室に通う144万人の会員のうち、2割弱が未収学児童で、数学やひら仮名を学んでいる。「小学校で困らないように」と、教室に通わせる親が多いという。

 公文では、必ず動物や物の名前からひら仮名などの文字に導くようにしている。また、「幼児は図形の認識力が高い」として、「目」「鼻」「耳」などの漢字と絵を並べた教材を開発。絵と漢字を繰り返し眺め、読んでいくうちに自然に理解していくという。

《我が家の長男が辿ったのと同じことだ。何も高い教材を購入したり、月謝を払わなくても自宅で、それこそ自然に学んでくれる。》

 ことばや文字の教育に力を入れる幼稚園もある。私立明愛幼稚園(東京都杉並区)は、年長からひら仮名を書く練習を始め、独自の「日本語クラス」では漢字も教えている。(攻略)紙上では「雨」や「女」を教えるのに回りくどい絵で説明するが、利口とも思えないのでカットする。

 ベネッセコーポレーションが07〜08年に、6歳児以下の子がいる4800人の親に調査したところ、80%が「ひら仮名を書ける」と答えた。

 全国小学校国語教育研究会の事務局長で目黒区立鷹番小学校長の大野泰弘は「昔にくらべ読み書きできない子が減った気がします」と語り、鷹番小でも新1年生のほとんどがひら仮名を読めるという。やはり、早期教育は当たり前なのか。

 7歳と5歳の子をもつ大阪市の女性(33)は、徹底した家庭教育でひら仮名とカタカナを覚えさせた。長男が幼稚園に入る前から、市販されているひら仮名ポスターを風呂場の壁に貼った。チラシの裏を使って、書き順の番号をふったお手製の教科書も作った。「マス目の大きいノートに10回ずつ書かせて、鉛筆の持ち方と書き順はしつこく注意した。できた時は大げさに褒めました」。その甲斐あって、入学前にはすいすい読み書きができるようになったという。長男の「早期教育」の利点は「1年生の間は宿題をこなすのが速かった」ことだ。ただ、「2年生の今は友だちと同じレベルですが・・・」という。

《天才ともてはやされても、大きくなればただの人、とは子どもの成長過程の泣き笑いだ。私自身も身に覚えがある。その昔の75年以上も前になる。当時一般庶民で、子どもを幼稚園に通わせる家庭はまだ少ない頃だったようだ。(私より遥かに頭の良かった兄や姉が通った話は聞いたことがない)小学生になった時にはカタカナやひら仮名は読み書きできるようになっていた。周りの子どもたちと比べ、自分は賢いんだ、とのうぬぼれ心、慢心が生じ、どんどん増幅していった。学年が上がるにつれ、友と並び、そして気がついた時、遂には後れを取るようになっていた。上の話の長男が辿った道を踏んだバカな先輩格だ。》

 大野は「漢字もひら仮名も、学校で学ぶので心配いりません。就学前にできるだけ本を読み聞かせ、読書の楽しさがわかればいい。まずは興味を持たせることです」と語る。そういえば、小学生の子をもつ親たちから、鉄道好きの子どもが電車の名前を書けるようになったり、ポケモンが好きでカタカナが読めるようになった。という話を時々耳にする。幼児のうちは「楽しみながら」が大原則のようだ。

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2010年6月 5日 (土)

中3トイレ監禁11日

  毎日新聞(6/4、5)から、
 今年2月、中学3年だった次男(15)を11日間に亙り自宅トイレに監禁したとして警視庁光が丘署が2日、東京都練馬区北町2、無職の中島まゆみ(47)と内縁の夫(自称ギター教室経営)の板橋区徳丸2、職業不詳、川崎輝久(34)両容疑者を監禁容疑で逮捕していたことが分かった。次男の体には複数のあざがあり、頭や鼻などを骨折していた。同署は動機を追及するとともに、2人が日常的に虐待していたとみて傷害容疑でも調査している。次男は長期に亙って十分な食事が与えられなかったと思われ、保護された時の体重が40キロ未満だったとみられることも分かった。

《このところ、生さぬ仲の男女の間で、子どもへの虐待に関する事件が多く報道されている。最近では便利な用語ができ、別れるのに簡単にDVといえば世間は大目に見てくれる離婚の風潮の中で、寂しいのは心の隙間なのか、欲求不満のせいなのか、あっという間に愛人や友だちを見つけ、同棲生活を始めるケースが多い。古くは継母(ままはは)という言葉が今に残るように女の側のいじめが多くあったように思うが、今では「躾け」と称して男の暴力があって、女がそれに加わるケースも散見される。》

 逮捕容疑は、2月4〜11日と同12〜14日の2回、次男を自宅のトイレに監禁したとしている。中島容疑者は「私がやった」と容疑を認め、川崎容疑者は「女がやったこと」と否認しているという。

 同署によると、両容疑者は食パンやペットボトルの水、角砂糖を渡し、外から板を釘で打ち付けて閉じ込めていた。暖をとらせないよう便座シートも外していたという。次男は「(2人の交際が始まった)昨年6〜7月は普通に生活していたが、8月頃から、台所に寝かされたり、買い物などを言いつけられることが多くなったという。また、「昨年8月頃から、角材や模造刀で殴られたり、プラスチック製のガス銃でBB弾を撃たれたりした。体罰が恐くて逃げられなかった」と話しているという。

 次男は2月14日昼、トイレの窓から隣人に「兄に連絡を取ってほしい」と助けを求め、別居していた20代の長男が次男を助け出し同署に届け出た。次男は衰弱していたが、現在はほぼ回復している。

 一方、次男が通っていた練馬区立中の校長や区教委の教育指導課長らが3日会見し、次男が昨年9月以降、学校に姿を見せなくなったことを明らかにした。校長は「家庭訪問をし、母親と連絡を取り続けていたが、本人とはなかなか接触できなかった。不登校と判断していたので、虐待を見抜けなかった」と釈明した。

《虐待が見抜けなかった、という学校の話は一応信じてもいいようだ。学校は母親と密に接触を続けており、放置していたわけではないようだ。》

 会見での説明によると、次男は昨年8月の修学旅行には来たが、9月1日から登校しなくなった。校長や担任が同5日以降、再三に亙り母親の中島容疑者と面談するなどして登校を促したが、中島容疑者は「次男は川崎(容疑者)のところで社会勉強している」などと答えていたという。

 今年2月5日に「5人の友だちにいじめられている」との内容のファックスが届いた。学校が調査したところ、いじめの事実は確認されなかった。筆跡からファックスは次男の直筆とみられたが、言葉遣いなどから、川崎容疑者が書かせた可能性もあったという。

《どこまで厳格な調査をしたのか分からないが、当の次男は「不登校」との認識下での調査であった範囲のことだ。》

 一方、東京都児童相談センター(新宿区)の担当者は「事件が発覚した2月15日に警察から連絡を受けるまで学校から相談はなかった」とし、「関係機関が連絡を密にする必要ああったと思う」と話した。

《悪いのは母親とその愛人の男だ。後から連絡の齟齬を論(あげつら)うことは易しい。誰かの責任にし、犯人をつくり上げるようなコメントはしないがいい。》

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2010年6月 3日 (木)

野良猫の餌付け、癒しか迷惑か

 毎日新聞(6/1)から、
 野良猫への餌付けは禁止、糞尿で迷惑をかけた近所の人には慰謝料約200万円。近くの猫に餌をやっていた将棋の元名人・加藤一二三が5月、東京地裁立川支部でそんな判決を受けた。餌付けが愛猫家のエゴと言われないために、どうすればいいのか。

 加藤は控訴を断念し敗訴したが、判決については「外で暮らす猫の問題は、皆で支え合って行くという趨勢にあることを認めている」などど評価。「(集合住宅の)敷地外で餌やりを続ける」としている。

《加藤が言う「皆で支え合っていく」趨勢とは、このところ頻繁に耳にする人間の子どものことで政府も使うはやり言葉を借用したようだ。皆とは言葉の厳格な意味では、『一人残らず』ということだ。しかし、普通に言う「皆がしているから」「皆が言うから」「皆が持っているから」「皆が・・だから」は、責任の所在が曖昧で言い逃れの口実にも使われる便利な表現になっている。》

 近くの80代女性は「判決後は近所での餌付けは、ぱったり止んだ」と話すが、自宅には見知らぬ人から「猫をいじめないで」と電話がかかってきたという。「私たちは糞尿の臭いに悩まされていただけだったんです」。猫に悩む人たちと愛猫家との溝は深い。

《愛猫家が餌付けをするのを止めろとは言わないが、食事をすれば生理現象として後に排泄行為が必ず伴うのは人間も同じだ。餌付けをしている人たちが、そこまで責任を持って後の糞尿まで面倒をみているかどうかだ。可哀そう、可愛いいだけで餌の与えっぱなしでは問題が起こるのは当然だ。》

 猫の餌付けトラブルは各地で深刻化している。08年には川崎市と東京都足立区で、09年には千葉県船橋市で殺人事件まで起きた。日本動物愛護協会事務局長の吉野功は「猫問題は人間の密集した都市部で顕在化しやすい。餌やりは自由だが、敷地管理者の了解を得たり、生まれる子猫をどうすうるかなどの対応が必要」と指摘する。

《糞尿もそうだが、避妊手術をしなければ野良猫はどんどん増える。》

 横浜市磯子区の安達節子(55)は、餌やりを始めて10年。毎晩外に出ると馴染みの猫数匹が寄ってくる。「嫌なことがあっても忘れてしまう」、癒しのひと時だという。食べ残しの餌や糞は始末し、 猫には必ず不妊・去勢手術を施す。近所に20匹いた猫は、自然に7匹に減った。一緒に餌をやる森谷美恵子(54)は「地域の人とコミュニケーションをとるのが最も大切。町会には猫ボランティアの活動を説明し、防災訓練や公園清掃には参加する」。

《猫が目の前にいる場合は糞の始末は出来るだろうが、自由気ままに動き回るのが習性の動物のことだ。どこで糞をしているか分からない。「見ていないからどうにもならない」では無責任だ。他人の所有地内で糞尿をしていることだってある、いや、その方が多いだろう。不妊・去勢手術までしているこことには感心するが、考えようによっては人間の都合ですることだ。20が7に自然に減ったのはどのような自然の力が働いたのか、それとも手術の失敗で死んだのだろうか。》

 磯子区は99年、全国に先駆け、人と猫とが共生するための「猫の飼育ガイドライン」をまとめた。安達らも含め、27のボランティアグループが餌付けしている。ガイドライン推進協議会事務局長の獣医、坂田充古は「グループが活動する場所で猫は増えていない」と話す。

 カギは不妊・去勢手術。猫は年30匹以上を産むとされ、手術には協議会から助成金が出る。原資は賛同者が払う年会費1000円で、猫に困る人たちも入会して負担している。

 環境省によると、さいたま市や相模原市など約150の自治体に同様の助成制度がある。全国の猫の殺処分数も、約30万匹(96年度)から約19万匹(08年度)に減っている。

 野犬に関しては、狂犬病予防法などに基づき保健所や動物愛護センターが捕獲・処分する場合があるが、野良猫は、明らかに遺棄されたものや飼い主が引き取りを求めたものなど以外は処分の対象になっておらず、放し飼いされた飼い猫との区別も難しい。

 上野動物園元園長の中川志郎は「餌を与えるなら繁殖のコントロールは必須で、餌付けする人は、猫嫌いの人と折り合う努力が求められる」と話した。共生は、まず人間から、のようだ。

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2010年6月 2日 (水)

第4回全国家庭動向調査

 毎日新聞(6/1)から、
「女は家庭」派の妻、増加。「夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」「母親は育児に専念した方がよい」といった伝統的価値観に賛成する既婚女性の割合が、これまでの低下傾向から一転し、20代を中心に増加していることが31日、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の「第4回全国家庭動向調査」で分かった。

《伝統的価値観と呼ぶか封建的価値観と呼ぶか、古くて新しい問題だ。共稼ぎで母親が家にいない家庭環境が生む色々な社会問題が次々に生じる。女性の職場進出は子どもを産んだ母親が育てるのではなく、乳飲み子さえも一時預かりの他人任せが当然の世の中をつくり、子どものため、或いは生活が苦しいと言えば何でも大目にみられ、家庭での育児責任がおろそかになることまで放任されてきた。それは保育所が足りない足りないの大合唱になり、長じても学童保育なんて下らないことに神経を使うことになる。昔なら親はいなくても社会が目を光らせていたことも、戦後の身につかない個人主義はご都合主義に取って代わった。権利だけを主張し、義務や責任を顧みないのが当然のものになった。》

《私は一貫して母親は産んだ子が3歳になるころまでは自分の乳房で育てるべきだと説いてきた(それができない環境の女性はまた別の話だ)。3つ児の魂百までとは昔の(記事で言う伝統的価値観だが)言い習わしだが、母と子の結びつきを言い表して絶妙だ。ところがこれも、今の愚かしい育児法では間違っていると説かれているようだ。それに現在しきりに進めようとする父親の育児参加は子が母親の手を離れてからするものだ。男の1週間や10日の育児休暇で何が子育てだ。休む本人の自己満足でしかないだろう。国も制度として導入するのなら、企業への責任を課し、せめて半年から1年の育児が取れるように法制化するべきだろう。現状のような、社員がちょこちょこ取る休暇では、仕事ははかどらず、企業の足を引っ張るだけのことだ。》

《或いは、私は早くから提案していることだが、企業内託児,保育所の設置を企業に義務づけるべきだ。アグネスが子連れ出勤したころは、企業内に託児所や保育所があるということは、子育てがいつまでも女性の手から離れないことになる、それでは男性の子育て参加が見込めないと憶測して活発な議論を避ける気配すらあったのが設置が遅れる要因でもあった。今になって考えれば逆だろう。父親が母親に代わって子連れで会社に連れて行くことができるメリットがあるのだ。》

《女性の家庭回帰が本物かどうか分からない。働こうにもアルバイトや派遣だけ、男女差別は一向に良くならない、職場ではセクハラにパワハラ、通勤で草臥れる上に痴漢に遭遇することもあるなどなどの思いが原因か、青少年の現状を憂い、その荒んだ動向に母性が目覚めたか、やはり子どもの成長環境には家庭、母こそ基本と感じたのか。それにしても、料理もろくにできない母親のままでは子どもも居着かないし、この先の努力は大変なものになりそうだ。》

【閑話休題】
 5年周期で、国立社会保障・人口問題研究所が実施しているもので4回目の全国調査だ。この調査では、出産・子育ての現状、家族関係の実態を明らかにし、家庭機能の変化の動向や要因を把握し、厚生労働行政の基礎資料を提供することを目的としている。

 調査期間: 2008年7月1日に配票自計方式で実施
 配布調査票:13045票、回収11046(回収率84.7%)
 有効回収票:10192票、(有効回収率78.1%)

 調査の各項目をみると、
 ○夫と妻の役割関係
  (1)妻の家事時間と夫妻の家事分担
  (2)夫の家事遂行の実態と変化
   ・妻の年齢別にみた夫の家事合計得点の平均は全年齢で第3回調査よりも第4回調査の方が鵜W回っている。また、29歳以下が最も高い得点に対し、40歳代が最も低い得点となり、40歳代を底にした浅いU字型を表すような家事遂行行動は第3回調査と同様であった。
  (3)夫妻の育児分断
   ・育児の80%以上を妻が担うケースが多数を占めており、末子年齢が低いほどそうした傾向がより顕著である。夫の育児への関与は総じて低く、1歳未満の子をもちながらまったく育児に関わらない夫も6.3%いる。
  (4)夫の育児遂行の実態と変化
   ・妻の年齢別にみた夫の育児合計得点の平均は、29歳以下を除いて第3回調査よりも第4回調査の方が上回っており、僅かではあるが夫の育児遂行は増進している。
   ・妻の年齢別にみた夫の育児遂行割合(週1〜2回以上遂行する場合)は、20歳代では「寝かしつける」以外の項目(遊び相手、風呂入れ、食事、おむつ替え)で上昇はみられないが、他の年齢層ではすべての育児項目で上昇している。
  (5)夫の育児遂行と妻の就業継続および子ども数
   ・第1子出産を機に仕事を継続するよりも退職するケースの方が依然多いが、全体としてみると比較的夫が育児に関与している育児得点の高い層で仕事を継続した割合が、育児にあまり関与しない育児得点の低い層で退職する割合が高い。
   ・調査時点で子どもが1人の場合、育児得点の低いグループよりも高いグループで追加予定子ども数2人以上の割合は高い。また、現在の子ども数が2人の場合、育児得点の低いグループよりも高いグループで追加予定子ども数1人の割合は高い。現在の子ども数が1人の場合、2人の場合とも、夫の育児得点が高いほど、すなわち育児遂行の程度が高くなるほど追加予定子ども数は多くなる。

 ○出産子育てと妻の就業行動
   ・第1子の妊娠が分かったときに仕事をしていた割合を表す就業率は69.1%、このうち第1子出産後も仕事を続けた場合、すなわち、就業継続率は32.5%であった。また、妻が第1子の妊娠が分かったときに常勤であった場合、就業継続率は40.5%であった。

 ○家族に関する妻の意識
   ・家族に関する妻の意識をみると、賛成ないし反対のどちらが多数を占めるかという点については第4回の調査結果は従来の調査結果と同様であったが、性別役割や夫婦のかたちに関する考え方で第3回調査までみられた伝統的価値観を否定する回答の増加に変化の兆しがみられた。
   ・「夫は外で働き、妻は主婦業に専念」の賛成割合は、前回調査までみられた低下傾向が変化し、前回調査よりも3.9ポイント多い45.0%となった。
   ・「夫も家事や育児を平等に分担すべき」の賛成割合は、前回調査までみられた上昇傾向が止み、ほとんど変化しなかった(82.9%)。
   ・「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たずに育児に専念」の賛成割合は、前回調査までみられた低下の傾向が止み、前回調査よりも3.0ポイント多い85.9%となった。
   ・「夫婦は子どもを持ってはじめて社会的に認知される」の反対割合は、前回調査までの上昇傾向が止み、今回はやや低下して67.4%となった。

     (参考)    家族に関する規範意識
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2010年6月 1日 (火)

仮出所者の社会復帰支援施設

 毎日新聞(5/31)から、
 刑務所を仮釈放された人の社会復帰を助ける「福島自立厚生促進センター」(福島市狐塚)が、6月にも入所者の受け入れを開始する。施設完成から2年が経つ。法務省は治安悪化を懸念する住民の説得を続けてきたが溝は埋まらず、4〜5月だけで3万9617人分の反対署名が集まった。仮出所者の厚生には地域住民の理解が不可欠で、センターは苦しい運営を余儀なくされそうだ。

《住民レベルで最大の難題が、沖縄の米軍基地に関することだった。27日にも取り上げたが、沖縄やその他に分散して既に受け入れている地域以外の知事(大阪府の橋下知事だけは別だったが)や住民たちは、今のままで米軍は沖縄からどこにも出て行かないでくれ、の思いで今回の鳩山の決断には本音の所でホッとしているのが真実だろう。同じことだ、いや、米軍よりも一層身近な問題として、刑務所返りなど、治安の面からは来てほしくないのが当然の思いだろう。また、自分たちが毎日出す家庭からのゴミにしても、焼却場の必要なことは分かっているが、自分たちの県内で出るゴミだけれど、車の激しい往来はいやだ、臭いのもいやだ、隣の県で、或いは他県で処分するように取りはからってくれと反対運動が起るのが昨今の日本人の倫理だ。》

 センターには身元の引き受け手がない仮出所者が入り原則3カ月間、個室と食事、就職支援を受ける。仮出所後に行方をくらました末の再犯が相次ぎ、国の有識者会議が06年に対策をとるよう提言、法務省が先行事例として福島と京都、福岡の3市をセンター建設地に選定した。京都と福岡は住民の反対が強く建設を断念。その後、北九州市が建設地に選ばれ、港湾地区に09年6月、国内初のセンターが開所している。

《東北人の大らかさからだろう、いち早く騒いだ京都、常にやくざや拳銃騒ぎで物騒な思いをしている福岡市民たちが反対を表明したのに対し、福島県人たちは問題意識を感じるのに時間差があった。》

 一方、福島はハローワークに近く保護観察書の敷地内などから現在の場所が選ばれ、目立った反対がない中、08年1月に着工し、同年7月に完成した。ところが相前後して、同省が周辺の学校に施設の性格を説明すると、急激に反対の声が高まった。犯罪白書(09年版)によると、再犯や遵守事項を破るなどして、仮出所後5年以内に約3割が刑務所に戻っている。センターの半径500メートル内には中学・高校などが6校あり、住民は計画撤回を強く求めた。

《最初に敷地の選定を了解した県の責任者はどのように判断して受け入れたのか。》

 「御山町住民の会」の伏見貞俊代表(76)は「建設前に説明したのが町内会長だけでは個々の住民に伝わらない。すぐ近くの2町内会には法務省が概要を説明した文書を回覧させたが、難解で理解できない人が多く、反対の声はおこりにくかった」と憤る。

 このため同省は
 ▽子どもへの犯罪歴がある
 ▽覚醒剤への依存性が高い
 ▽性的犯罪性向がある
などの仮出所者を除外し、開所後1年間は入所を定員20人の半数未満に抑えるなど譲歩した。だが反対運動は収まらず、同省は「一定数の理解者もいる」として4月9日、備品購入など開所準備を始めると公表した。今月24日、住民団体から公開討論会への参加を求められた伊坂巧・同省福島保護観察所長が「これ以上やっても平行線。議論の余地はない」と回答した。

《何事もなく何年間か運営されれば沈静化するのだろうが、それは考えにくい、これまでの再犯率データが示すように、必ず問題は発生するだろう。その時、議論の余地はない、と切って捨てた井坂は、事件の軽重に拘わらず、死を賭して責任がとれるのだろうか。》

 県立福島高校保護者会の鈴木清治代表(52)は「法務省のやり方は強引で納得できない。一定数の理解者の根拠もない」と反発。一方、県保護司会連合会の鈴木光二会長(68)は「反対する気持ちも分かるが、満期で釈放されても家庭や仕事がないのでは一層再犯が心配。地域の理解と協力が必要だ」と話している。

《「家庭や仕事がない」のは誰の責任か。これこそ自業自得というやつだ。のたれ死にしてもいい奴らだが、海中に杭を打ち、飛行場が建設可能な技術を持つ時代、どこに作っても税金は使われることだったら、一つ、海上にでも作ってみればどうか。》

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