おとこ と おんな
毎日新聞(5/18)から、要約と 《 》内は私見。
▽ 西
女問題で名を轟かせているイタリアのベルルスコーニ首相。そんな首相を「責める気はない」と達観している女性がいる。「女を裏切らない男はいないからね」と宣う。
ローマ市南部に幼い息子と暮らす企業の広報担当、ベアトリーチェ・マリアーニさん(35)だ。男の「浮気は当たり前だから」。首相のスキャンダルでは、10代女性や島での裸パーティーが注目されたが、浮気や離婚そのももを責める人はほとんどいない。
ローマの男は特にひどいと彼女は言う。「節操のなかった古代ローマの伝統みたい。DNAに組み込まれているんじゃない。離婚が合法化される前はビットリオ・デ・シーカ(『自転車泥棒』などの映画監督)ら有名人を筆頭に、家庭を二つ持つ男がざらにいた。それが男の誇りだと思っている。マッチョなのよ」
《イタリアの男に限らない、日本でも「妾(めかけ)を持つのは男の甲斐性」は今風に言えば愛人を持つことが男のステータスでもあった。また、彼女は男の浮気を古代ローマ時代のDNAと評するが、そうじゃない。人類が生まれた時からの男のDNAだろう。そうでなければ地球上にこれだけの人類の繁栄(?)は到来しなかった。特に繁殖力旺盛な人類も動物である以上、種の保存は必然の要求だ。人類以外の動物に、人類が味わっている快楽の要素があるのかどうか分からないが、それを得たことで、一層古来からのDNAに磨きがかかったとも言える。》
《また、それは男だけに限らない、西洋の社会では近代まで上流階級の女性たちは男の愛人を持つことを競い合ってもいた。そして同じように人間の雌の側にも快楽は伴い、男とおなじように浮気という行為も男に負けずうまれ、現代でも連綿と続いてもいるのだ。》
彼女自身も痛い目に合ってきたという。「17歳から6年つき合った2歳上の男。好きで尽くしたんだけど、何度も裏切られた。それで男がわかった。まじめな男友達に聞くと、自分もそうだって教えてくれた」。別の男性と結婚したが、妊娠中、夫の携帯電話に熱っぽい伝言が見つかった。「似たようなことが何度もあったから『はい、終わり。出てって』と別れた。私の親の世代は『我慢しろ』と親の圧力を受けたけど80年代ごろから感覚が変わった。親は子が結婚しなくても、自由でいてくれたらいいと思うようになった。60代の両親は私の離婚を歓迎してくれた。鬱陶しいのがいなくなったって」
《イタリアの女も、日本の女と変わらない猜疑心の強い面を持ち合わせているようだ。男が出て行って母子ともども清々したとは日本で言えば婿養子の立場であったのだろうか。男は何かと家には居辛い弱い事情でもあったかも知れない。この2人,神の前でお互いの愛を誓い合ったのだろうか。それにしても日常、私がこの女と一緒の生活をしていたとすると、まともに夫婦生活をするのは難しいと思う。なぜか、他人(妻)のプライバシーは決して覗かない私には、携帯電話を盗み見するようなそれこそ心卑しい節操のない人間とは心の交流など生まれるはずはないからだ。》
小物デザイナーのベアトリーチェ・チェッキーニさん(31)もシングルマザーだが「妊娠したとき、結婚したいとは思わなかった。経済的に独立していたから必要もなかった。子どもが可愛いと男はどうでもよくなっちゃう。親は孫に大喜びし、別に結婚しなくてもいいと言った。私たちの世代の母親はそんな感じ。結婚がさほど良いものと思ってないから、それが娘に伝わる。私の同級生も夫なしで子が1人の人ばっかり」、と話す。(ローマでおしゃべり、シングル女性篇で、‥‥つづく、とある)
《これでは男はただの哀れな種馬だ。しかし、考えてみればこれこそ太古からの男本来の仕事でもあるのだろう。》
▽ 東
離婚を決めた男女が結婚指輪をハンマーで叩き潰して「最後の共同作業」をする「離婚式」が話題をよんでいる。厚生労働省の人口動態統計によると、1年間の離婚件数は25万1136件(08年)で、約2分に1組が別れる時代。奇妙にも見える式の背景には、別れを新たなスタートにつなげたいという切実な思いもあるようだ。
《イタリアのだらだら別離に比べれば、けじめだけはつきそうだ。》
東京都内を中心に離婚式を企画しているのは、千葉県浦安市の元派遣会社社員、寺井広樹氏(29)。昨年4月、大学時代の先輩が離婚する際に「始まりを披露する結婚式はあるのに、なぜ終わりはないのか」という疑問を感じ、初めて離婚式を企画した。これが評判を呼び、離婚式プランナーに転身。これまで約20件の離婚式をプロデュースした。
今年3月から離婚式ツアーも始め、問い合わせは約500件に上る。ツアーは東京・浅草を舞台に、再出発の象徴として、人力車に2人別々に乗る演出などがある。式の司会進行も寺井氏が1人で行い、予約待ちの状態が続いている。
式は、別れる理由の説明、「旧郎旧婦」挨拶、友人代表挨拶、などと結婚式さながらに進む。最後は2人で結婚指輪をハンマーで叩き潰す。服装は自由で、旧婦は和装で旧郎は普段着だったりさまざまだ。
挨拶に拍手していいものか招待客が戸惑うこともあるが、当事者の2人が互いに結婚生活への感謝の言葉を述べ、温かい雰囲気になることもある。式後に、離婚を思いとどまったケースもあったという。
「結婚式より感動した」「すっきりけじめがついた」と式の評判は上々。寺井氏は「吹っ切れたような旧郎旧婦の笑顔を見ると嬉しくなる。前向きな旅立ちを後押ししたい」と話している。
山田昌弘・中央大学教授(家族社会学)は「3組に1組が離婚する時代。離婚のハードルは下がり、タブーではなくなった。離婚式というものが受け入れられているのも自然な流れではないだろうか」と話している。
《下世話な話だが、何百万円もする指輪でも同じことをするのか、慰謝料に代わるのか、逆に指輪の交換をしなかった2人の場合は何を割るのだろう。何にしても、こんな奇を衒ったことで気が済むとはオモロイことだ。》
| 固定リンク
最近のコメント