暖簾に腕押し、糠に釘
毎日新聞(5/23)から、要約と、《 》内は私見。
タイトルにはだめ押しのようにこう続くことになる。『笛吹けど踊らず』と。何をどのように言ったところで聞く耳を持たないことの喩えだ。何を言い、何を聞かないのか。
携帯電話のネット利用でトラブルを起こす子どもが後を絶たない。自身の安全管理が未熟なうえに、親や学校に相談せずに深刻化するケースが多いという。どんなマナーやルールが必要だろうか。
《言う先を間違えている。子どもに言っても無駄だ。親の保護下にある子どもたちの携帯は親が管理しなければならない。親は、苦しい苦しいと言いながら、小遣いを与え、与えた小遣いで携帯を買わせることなく、使用料まで肩代わりしてやる。そうなら尚のことだ、携帯の管理をするのはその物を与えた親の責任となるということだ。親の庇護下にある子どもには、親の管理を断る権利は全くない。プライベートの権利を主張できるのは、親の庇護から巣立ってからだ。そのことを理解できなていないのが、聞く耳持たない親たちなのだ。庇護下にある子どもたちは、何一つ社会的責任を取らない。ということは、庇護下にある子どもたちには自由がない、ということだ。責任が伴わない自由など存在しないのだ。責任が伴うから自由であり、権利であり、我が侭勝手とは意味が違うのだ。》
「迷惑メールが送られてきても無視する力をつけよう」「SNS(コミュニティーサイト)やプロフ(自己紹介)サイトで氏名や学校名を絶対に書いちゃだめ。悪いヤツが家までやって来るぞ!」。
川崎市多摩区の市立枡形中学校(前田高幸校長、生徒404人)で今月19日、ネット犯罪から身を守る講習会が開かれた。講師のシステムエンジニア、田島和彦(44)は、トラブルに遭遇した子どもたちの「駆け込み寺」として、ネット社会や教育界で知られた存在だという。
《本来なら、子どもたちが持ち込むトラブルは、親と相談しろ、と追い返すのが正しいやり方だ。「駆け込み寺」などと喜んではいけない、親の保護監督の管理責任で解決させるべきなのだ。》
「IPアドレス(ネット上の住所)を元に、発信者の居住地域や使用した携帯電話を特定するのは簡単なんだ。いくらでもツールがある」。敢えて専門用語を使い、犯罪に巻き込まれた実例を挙げながら、ネット社会の「闇」をリアルに紹介した。個人情報を書き込んだばかりに、「ネンチャク」(粘着)と呼ばれる、つきまとい行為の被害を受ける子どもが多い。生徒たちは一様に、顔をこわばらせていた。
《これこそ親に聞かさなければならない話の内容だ。親がこのことの怖さを認識しない限り、これから先も、暖簾に腕押しのままだろう。》
昨年4月に「有害サイト規制法」が施行され、各携帯電話会社は未成年のユーザーを守る努力を求められることになった。未成年が使う携帯端末の販売時には原則、「フィルタリング」と呼ばれる閲覧制限機能を提供している。しかし、未だ普及は十分ではない。
日本PTA全国協議会が昨年11〜12月に行ったアンケートによると、携帯電話やPHSを使う子ども(有効回答・小5と中2で計1208人)のうち、フィルタリング機能が「ついている」と答えたのは小5で33.0%、中2で35.9%にとどまた。また、「ウェブは使わない」(ネットに入らない)など利用制限のルールを家庭内で設けているか訊ねたところ、「ある」と答えたのは小5で51.8%、中2で34.4%だった。
《如何に親たちが子どもに対して保護責任放棄、無責任かが分かろうというものだ。フィルタリングを付けるのに、一々子どもの意見など聞く必要はない。強制してでも付けるのが親の責任ある処置だ。また、携帯の交信の内容をチェックすることも親の責任であり、権限で、子どもにはそれを拒否する権利はない。強制がなければ子どもは大人にはなれない。子どもの自主性を尊重している。というのが親の言い分だろうが、それは幼少のころから、きちんと家庭内教育を施し、善悪について教え、社会へ出しても恥ずかしくない子どもなりの価値基準を備えていることが前提だ。それもしないで、ただ甘やかし放任してきた結果、自己主張だけを通す歳になってからでは、間に合わないのが当然だ。》
警察庁の「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」は06年12月の最終報告で、携帯電話の使用について、家庭で定めるべき7つのルールをまとめた。深夜の利用をやめさせるなど、親が積極的に働きかけることを求めている。
《4年も前のことを引き合いに出してどうする。その間にしたことは何?それを糠に釘、笛吹けど踊らず、と言うんだ。何一つ浸透していないではないか。親が責任もって子どもを監督しなければ、一体誰がするのか。はやりのように、「子どもは社会で育てる」などお笑いだ。》
研究会のメンバー、藤川大祐・千葉大教授(教育方法学)は「子どもに携帯電話をせがまれてもすぐに買い与えず、まずは親子でよく話し合ってほしい。何のために使うのか、通話やメールをしたい相手は誰と誰で、全部で何人くらいか、料金の支払いはどうすうるのか。注意しないと、トラブルに巻き込まれることを伝えてください」と呼びかける。
《これまでも貧乏の子沢山であった我が家のことは難度も取り上げてきた。私は高校を卒業するまでの間、ものの例えだが、小遣いの1銭(1円の百分の1だ)ももらったことはない。勿論今のように携帯もゲームもない時代ではあった。ただ、1冊の本(芸術新潮の創刊号でシャガールが紹介された号だった)を恐々ねだって手にしたことが1度あっただけだ。当時の庶民の家庭では、お年玉さえないのが普通のことだった。》
《子どもたちが、自分の小遣いの範囲で通話をし、小遣いの中から料金を払うことぐらい子に守らせられなくては親の子育て責任を果たしたとは言えまい。労働の対価たる金銭感覚を身につけさせるのも親の教育だ。》
藤川教授は今年3月、各種コミュニティーサイトへの投稿7000件を分析した。詳しい個人情報を書かせたり、顔写真を掲載させたり、男女の出会いを誘導するような書き込みもあったという。フィルタリングするには、有害サイトを遮断する「ブラックリスト」方式より、子どもに有益で無害のサイトだけにアクセすできる「ホワイトリスト」方式を藤川教授は薦める。「ネット社会は危険がつきまとうことを、子どもに理解させなければいけません。約束を破ったら利用停止にしたり、没収するぐらいしないと、愛するわが子を守ることはできない」と話した。
《それでも直接、親や保護者に話して理解させない限り、現状のままではこれからも子どもがトラブルに巻き込まれたり、犯罪に巻き込まれるケースがなくなることは期待できないだろう。》
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