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2010年5月 7日 (金)

オンラインゲーム依存症候群

 つい先ほど大騒ぎしていたアバターなる映画、テレビで宣伝用シーンが写るたびに、吐き気を催した。グロテスクなキャラクターたちがCG画面で滑稽に跳ね回る、飛び回る。奇想天外の作り話には技術に溺れ切ったCGとともに、おそらくは映画館にでも入っていれば周りが迷惑するだろう程、笑い転げるだろう。これが史上でも屈指の大入りだとはよほどアメリカ人というのは幼稚な国民なんだと思う。しかし、似たようなゲームに血道を上げる人間も又、日本にはいるらしい。

 毎日新聞(5/7,4/26)から、要約と 《 》内は私見。
 先ずは、溺れることなく、その手前で愚を悟った小学生の話(神奈川県にお住まいの母親(43)の投書)から。

 『新学期が始まり、小学校で父母が集まると必ず話題に上るのが、携帯型ゲーム機の遊び方を巡るルールである。トラブルを避けるために外への持ち出しを厳禁にしたり、雨で外遊びができない日に限定するなど、保護者は試行錯誤を繰り返し、子どもたちと日々闘っていることがうかがえる。

 投書された家庭の場合、テレビゲームはあるが、携帯型ゲーム機はまだない。小学5年生の息子が低学年のころ、「みんな持っているから買って」と毎日のように言っていた。でも、ある日を境に、息子は「買ってほしい」と言わなくなった。

 その日、友だちの家に遊びに行ったと思ったら30分もしないうちに戻ってきた。理由は「怖いから帰って来た」と。聞くと、友だちの家には6人が遊びにきていたというが、一言も口をきかずに携帯型ゲーム機に向かい、そのうえ部屋にはお菓子のゴミが散乱していたというのだ。

 その光景が低学年ながら不気味に見えたらしく、息子はこのとき以来、「あれば、いいけど‥‥‥」くらいしか言わなくなった。今では荒療治となったあの日に感謝している』というものだ。

《このお母さん、小さい頃から、子どもの情操教育をしっかりとされていたものと思う。小学5年生ながら、没入すれば引くに引けなくなる麻薬のような底なしの怖さを感じ取ったのだろう。》

 《それに比べ反対に、先の無言の6人の子どもたちの姿のように、踏み入れた泥沼から高じて足を抜けなくなり、己を律することのできない状況に陥った人間が現れ、社会現象となりつつあるようだ。》

 (4/26)から、仮想現実で遊ぶオンラインゲーム*に寝食を忘れるほど没頭し、ひきこもりにまでなる若者が表れている。「ネトゲ」依存症はどんな悲劇を生み、対策はあるのか。NPO法人 教育研究所理事長・牟田武生氏(62)に聞いた。

 * オンラインゲーム
  インターネット上で複数の人が同時参加するコンピューターゲーム。略して「ネトゲ」。冒頭に出て敵を倒すなど、仲間と目的を達成していく。新たな目標が次々と現れ、終わりのないのが特徴。韓国と中国では長時間プレーによる死者も報告されている。日本オンラインゲーム協会によると国内では02年ごろから普及し、08年の国内市場は1239億円で04年の2.1倍だった。

 ▽ オンラインゲームにのめり込み、現実社会に適応できない人が出ています。不登校の相談で、ゲームをしている例は多いですか。

 ▼ 全体の5〜6割でしょうか。不登校は不安感や緊張感の強いタイプが多かったのですが、10年ほど前から違う層が現れ始めた。「一日中パソコンに向かっているんです」と親は訴え、私は最初は訳が分からなかった。

 ▽ 1日10時間以上する人もいます。そんなに楽しいのですか。

 ▲ クラスで人間関係が希薄だった子でも、ゲームの中で居場所を見つければ、人間関係が豊かになっていきます。ゲームは5〜6人のチームプレーで進むので、頼りにされると抜けられなくなりがちです。最近、ゲーム三昧で15年間引きこもり、30歳に達した男性の家族から相談を受けました。心の成長が15歳で止まり、社会で必要な学力や体力、社会性が育っていないので、生きて行くのは大変です。

 ▽ 愛知県豊川市で17日、15年引きこもっていた男(30)がネット接続を解約した親に怒り家族5人を刺し2人を死亡させました。

 ▼ 彼もオンラインゲームをしていたのではと疑っています。現実に居場所がなく仮想現実で生きるようになった人間は、ネットを切断されると,存在が否定されたと感じ、時にひどい家庭内暴力を起こします。教育研究所にも、家族を殴る蹴る、髪を掴んで引きずり回す‥‥と多くの相談がきています。以前より暴力度が増しているのは、鮮明な画像のゲームで、戦闘的な世界に長時間浸っているせいでしょうか‥‥‥。

 ▽ 親はどうすればよいのでしょうか。

 ▼ ゲームを禁じると、子どもは抵抗します。ハンガーストライキをしたり、窓から飛び降りようとしたりする。全国どこの相談でもリアクションが同じなのでおかしいと思っていたら、「親に止められそうになったらこうしろ」という具体策がネット上に出回っていることがわかりました。いきなりネットを切断するのではなく、現実に適応できない本人の不安を理解し、先ずは話し合いを持てるよう努力してほしい。仮想から現実へ、ゆっくり進む過程が大切です。依存が進んでいない初期段階では、例えば「1日3時間」という決まりを作り、「守れなければゲームは不可」という誓約書を取り交わすこともできます。

《たしかに、こうなるまで甘やかし、放っておいた親の監督責任の不在を考えれば、いきなり親らしくすることもできないだろうし、ご機嫌を伺いながらの腫れ物にさわるようなことしかできないだろう。言えば情緒不安定の発作が起きるのは明らかだ。親が親らしいことをせず、いわゆる子の我がままを放っておいた見返りだ。》

 ▽ 低年齢化も進んでいるようです。

 ▼ オンラインゲームはテレビゲームに比べて高度ですが、最近は小学生のプレーヤーも珍しくない。東京都内のある小学校では、2時間目になると「もうだめです」と保健室に駆け込み、ぐうぐう寝ている子が複数いるという。先生が調べたら、高学年で8割の家庭にパソコンがあり、オンラインゲームに依存している子たちがいた。サラリーマンなど不特定多数が参加するゲームは、たいてい深夜に佳境に入る。生活リズムが狂うのは当たり前です。最近は子ども向けゲームも開発されています。仲間と話しながらゲームを進めますが、キーボードで打ち込まなくても,ネットで無料通話できるスカイプの普及で、小さい子も参加しやすくなった。ゲームはボタン一つで簡単にダウンロードできる。300万人が登録し、8割が小中高生というものもあります。

《教室を抜け出して保健室でのうのうと寝るなど、それをさせている学校,教師たちはそれが教育とでも思っているのだろうか。そして家庭では、ますます親の子への監督責任の放棄だ。》

 ▽ ネット依存者の多い韓国では、国を挙げて対策に取り組んでいます。

 ▼ ゲーム依存は自己責任とされがちですが、子どもは誘惑に弱く自己規制できません。日本でも国や業界が率先して、規制を掛けなければならない。韓国では国が業界に10億円出させて、ネット中毒者のための施設を造り、厚生プロブラムを組んでいます。また未成年者の深夜のゲーム環境を断ち切り、一定の時間以上同じゲームを続けたら強制的にシャットアウトをかける法律が、まもなく施行されることになっています。中国はプレー時間が一定に達するとそれまでゲームで蓄えてきたポイントが半減します。タイもベトナムも、なんらかの対策を掛けています。野放しなのは日本だけ。業界はますます日本をターゲットにするのではと危惧しています。

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