負けて言い訳はしないもの
毎日新聞(5/28)から、
全仏オープン第5日は27日、パリのローランギャロスで行われ、女子シングルス2回戦で世界ランキング72位の39歳、伊達公子(エステティックTBC)は同107位の23歳、ジャミーラ・グロート(オーストラリア)に0−6、3−6で完敗した。
25日の1回戦で14年ぶりに4大大会で勝利を挙げた伊達は右脚の故障で動きが鈍く、この種目の日本勢4人は全員姿を消した。試合開始は降雨のため予定より4時間半以上遅れた。(中略)
敗戦後の記者会見で、伊達は痛めている右脚を前日に診断した医師の所見を明らかにした。「試合に出て何か異変があれば、2、3カ月試合を離れることになる可能性が高い」。ドクターストップの状態で出場したが、これ以上勝つのは無理だった。
第1セットはコーナーを突くグロートのショットを追えず、1ゲームも奪えなかった。第2セットは維持を見せ、巧にショットを組み立てたが、2−2からの第5ゲームをブレークされて主導権を失った。最初に握られたマッチポイントでは相手のリターンにほとんど反応できず、力尽きた。
右脚は筋膜が裂けているそうで「あれだけ医師に脅されるとさすがに動くのが怖かった。と苦笑い。海外メディアに出場した理由を問われると「4大大会はとてもスペシャル。わたしの性格として棄権したり欠場するのは嫌いだから」と強い執念を英語で説明した。
《健康で若い肉体でも厳しい運動量のスポーツだ。中年を過ぎた女性が故障した体で戦い通せるものでないことは最初から分かっていたはずだ。自己満足で出場したのはいいけれど、まともな相手と思って闘って勝ったグロート選手に「怪我したおばさんに勝っても嬉しくない」との思いをさせ、相手には屈辱を味あわせた結果になった。負け惜しみを言いたいのなら、せめて時が過ぎるのを待って後に告白するのが、スポーツマン(ウーマンか)としてとるべき対応だったのではないか。》
2年前の現役復帰後、4度目の4大大会本戦で初めて勝ち星を挙げた。同時に、9月に40歳となる肉体は酷使に耐えられないことも思い知った。
「勝てるテニスはできるけど、次に闘える体がないという現実を突きつけられた。悔しい」。次の4大大会、ウィンブルドン選手権まで1カ月を切った。それまでに右脚に巻く厚いテーピングを外せるだろうか。
《「現実を突きつけられて、悔しい」と嘆いたところで、それが老いというものだ。これから先戦う相手が、勝っても真実喜べないような、後で言い訳するような体で闘うことは避けた方がいい。まだ現役にこだわるのなら、2度と言い訳をしない体で戦うことだ。》
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