「仮想空間」業者捜索
毎日新聞(5/27)から、
インターネット上の仮想空間を巡るマルチ商法(連鎖販売取引)で、虚偽の説明をして会員を募った疑いがあるとして、埼玉県警は27、IT会社「ビズインターナショナル」(さいたま市大宮区)と、関係先として仮想空間のシステム開発を持ちかけたとされる「フレパー・ネットワークス」(東京都港区)など16カ所を特定商取引法違反(不実告知)容疑で家宅捜索した。会員勧誘の実態や、約2万8000人から集めたとされる約100億円の流れを解明する。
《考えようによっては宝くじ以上のバクチだろう。ゲーム感覚の延長線上で、甘言に乗って、働かず,労せずして儲けようとの魂胆から引っかかる、自業自得とも言える面を持つ。結果、騙されたと知って騒ぎ始めるが、己の愚かさを反省することだ。この手の詐欺は数えれば切りがないほど繰り返されている。消費者が利巧にならなければ止むことはないだろう。》
捜査関係者や会員によると、ビス社らは07年6月〜09年11月、ネット上の仮想空間「エクシングワールド」に都市を構築し、会員は「アバター」と呼ばれる分身となってネット上の土地の売買などができるとのふれこみで募集。説明会では「一般公開前に先住民(会員)になれば、土地取引や広告収入で必ず儲かる」などと嘘を言って勧誘し、反則キットと呼ばれるDVDや架空の土地を購入させたという。
計画では「エクシングワールド」は東京の渋谷区、大阪市など全国の主要都市の街並みをパソコンの画面上に三次元映像で再現。アバターが所有地やビルを売却したり、広告収入で通過を増やせば、実際の「円」に換金できると宣伝していた。ところが、09年10月に公開された仮想空間は未完成で、東京・銀座や大阪ミナミなどごく一部の都市のオープンにとどまった。さらに宣伝文句だった「ネット上の土地取引」の機能もなく、会員はアバターで限られた地域を歩くだけだった。
ビズ社は05年12月設立。ビズ社の説明によると、フレパー社から仮想空間の計画を持ちかけられ、07年6月に会員お募集を開始した。同年7月に設立された別のIT業者(東京都港区)と開発の委託契約を結んだが、この業者はフレパー社の元社員が代表を務めている。
<仮想空間>とは
インターネット上に三次元グラフィックスで再現された仮想世界。ユーザーは「アバター」を操り、他人と会話したり、仮想通貨で土地や品物の売買ができる。米リンデンラボ社が02年に始めた「セカンドライフ」が有名で、広告効果を狙い日本企業も相次いで進出した。セカンドライフで流通する仮想通貨「リンデンドル」は現実の通貨と換金も可能。日本では4月に施行された資金決済法により、自由な換金は制限され、銀行免許などが必要となる可能性がある。
《テレビで報道された仮想空間の画面はキャラクターの出来も幼稚で動きもギゴチなく、銀座の街はゴーストタウンのように人気もなく、閑散としたものだ。絵がお粗末だから購入できそうな余った土地は至る所に散見されて、落ち着いてみれば噴飯ものの仮想の世界だ。よくもこれで投資できるものだと出資した人間を疑う。あれやこれやの強引なセールストークもあったろうが、余程「うまい話」と飛びついたのだろう。》
《現実世界は、ゼロのような銀行利息だが、それでも私はそれ以上は望まない。質素こそ頼もしい味方だ。》
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