公共の場で、母親が「おっぱい」を飲ませる権利
毎日新聞(4/3)から、要約と《 》内は私見。
《当たり前のことが当たり前にできる権利を求めて、台湾・台北市のお母さんたちが条例を作らせた。育児を他人任せにして日中人前で授乳させる必要もない日本の母親たちには無縁のことかも知れない。》
あらゆる公共の場所で母親が赤ちゃんに授乳できる権利を保障する条例が今月から台北市で施行されている。デパート、バスや地下鉄、飲食店などで授乳を阻害する行為をした場合、最高3万台湾ドル(約8万8000円)の罰金が科される。授乳中に閉め出しを受けた母親らの「公開授乳」など強い抗議活動を受けての条例となる。台湾立法院(国会)でも同様の法案が審議中で成立すれば台湾全土で「授乳権」が保障される。
条例制定のきっかけは05年10月の「授乳拒否事件」。市内の展示施設で母親5人が授乳しようとしたところ、施設側が「胸をはだけて授乳するのはみっともない」と会場から5人と赤ちゃんを追い出した。翌月、約30人の母親と赤ちゃんが「公共の場所での授乳権」を勝ち取るため、台北市美術館前の広場の木陰で一斉に公開でおっぱいを飲ませ、「授乳は悪いことなのか」と抗議した。
抗議活動を企画した台湾母乳協会によると、母親たちは普段から隠れた場所で授乳をしなければならない環境に追いやられていた。「トイレでご飯を食べたい人がいますか」。母親たちは、展示施設への抗議や謝罪要求よりも社会の授乳への理解と尊重を求めて運動を重ねた。
この活動を受け、台北市政府や同市議員らが条例制定に向けて動き出した。授乳について無関心な人が多く、運動は難しかったが4年がかりで条例制定にこぎ着けた。条例は授乳の阻害への罰則のほか、授乳中の母親を授乳室に追いやるような圧力をかけることも禁じている。台北市には授乳を阻害された場合の通報電話も設置された。
立法院では男性議員を含む立法委員(国会議員)が授乳権保障の立法化を進め、「全土で女性と乳幼児が親しみやすい公共空間を作ろう」と訴えている。台湾母乳協会の高宜伶秘書長(36)は条例化の成功を喜びながら「まだ道半ば」と語る。働き続ける台湾人女性が増える中で、職場でも授乳権が保障される「優しい育児環境」を整えることが今後の課題だという。
《以前私のブログで取り上げたことがある。投書であったが、公共の場での授乳姿を見た同性の女性から、「みっともない」と非難したものだった。母親がわが子におっぱいを飲ませる微笑ましい姿に対してのバカな言い分に、私は怒りさえ覚えたものだ。電車の中だろうと、道ばたであろうと、レストランだろうと、隠さなければならない行為であるはずがない。昔の日本の女性は台湾の女性に劣らず強かった。乗物の中でも、道ばたでも、公園のベンチでも、乳房にむしゃぶりつく赤ちゃんに目をやりながら、輝くような表情をしていたものだ。
《また、それを目にする周りの人たちも、何のわだかまりもなく普通の子育ての日常の一コマとして受け止め、その母と子の姿に奇異の目を向けるものなどいなかった。男にとって望んでも味わえない至福のひとときを持てる女性の特権だ。お母さんが周りの目を特に意識しないのなら、人前での授乳を遠慮することはない。欲しがる赤ちゃんの口に乳房を与えるがよい。それこそ何とも微笑ましい姿ではなかろうか。》
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