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2010年3月23日 (火)

介護保険って、どうして始まったの?

 毎日新聞(3/23)『なるほドリ』から、要約と《 》内は私見。
 介護保険制度って、なぜ始まったのか。80年代に高齢化や女性の社会進出が進み、それまでは家族が担っていた日本型の介護は限界に近づいていた。当時の介護サービスは行政が必要と認めた人だけを税金で支える「措置」だったが、今後を考えると税金だけでは賄うことができないとして、40歳以上から保険料を徴収。民間事業者の参入でサービスの量を増やし、利用者と事業者が「契約」する形になった。

《たまたま20日の記事に、タイ・チュラ ロンコン大・人口学研究所准教授:ウィパン・プラチュアモン女史の一文『「親の面倒は子どもが見る」美風の危機』が載った。このなかで女史は、タイやシンガポール、中国などアジアでの少子高齢化の進展が急速で、これまでの「親の面倒は子どもが見る」というアジア的価値観の見直しが必要になっている。としている。

《タイでは道徳的な意識から、いまも「老後は子どもの世話になる」との考え方が根強いという。タイ人女性の子どもの数は過去には平均6人だったものが、最近では2人を下回っている。女史が懸念するアジア的美風といわれるものは、1960年代に日本では”家付き、カー付き、ババア抜き”を叫んで若い女性たちは年寄りを嫌い、夫の親との同居を嫌ったことから始まった核家族化は、すでに半世紀が経ち、現在では養老、敬老を美風とも思わず、親はすでに厄介者か、お荷物のレベルまできているのが実態だ。》

 Q どんな人が介護保険制度が使えるのか

 A 原則65歳以上で、要介護認定を受ければ限度額の範囲内でサービスを利用できる。費用の1割は利用者が負担し、残り9割は税金と保険料で折半する。65歳以上の保険料は全国平均月額4160円(09〜11年度)。

 Q サービスを利用しやすくなったの

 A 難しい質問だ。確かに利用者は約450万人、介護の総費用は7兆7000億円と、スタート時の倍以上に増えた。国の介護保険財政は赤字ではないけれど、さらに先の高齢化を考えると、保険給付を抑えるべきだとし、06年度の制度改正後は在宅で同居家族がいる人へのサービスが制限される例が目立つようになった。さらに介護報酬が2度にわたり下げられたことで現場が人材難に陥り、09年には初めて報酬が引き上げられた。

 Q そもそも国はどんなことを目指したのか

 A 一つは「介護の社会化」。家族を介護地獄から救うために社会全体で担おうとのことだったが、介護に疲れた家族が鬱病になったり、無理心中や離職に追い込まれる例が後を絶たない。もう一つ、希望するサービスを自分で選べるはずだったが、自宅で暮らそうにもサービスは不十分で、施設に入りたくても空きがないといった状況だ。

《子どもが親の老後を世話するというのは、気持ちの上では誇るべきアジア的文化というのが女史の説だ(すでに触れたように日本では失われている)。しかしタイでも、経済的な側面からは、この美風を捨てなければ立ち行かなくなる、という。一方で高齢者はまず、自分で生きて行くという気持ちが必要で、そのための政府や社会による支援が求められている。(タイでは非正規分野での就労が多く、老後の生活費の保障が一切ない人が多い。また、国民全員が加入する年金制度はまだ創設されていない。)この「社会がみる」という言葉は便利で、日本でもさかんに「子どもを社会が育てる」など使用されるが、責任の所在が不透明で具体性に欠けるのが特徴だ。

 Q 困るな、高齢化がますます進むというのに

 A 利用者には「サービスは多く、負担は安く」が理想だが、残念ながら実現は難しそうだ。どんなサービスがもっと必要なのか、そのためには誰がどう負担すればいいのか。社会全体で考える必要が
ある。

《「社会全体で考える」、これじゃ匙を投げ、放り出されたようなものだ。私事になるが、日本人男性の平均寿命に手がかかる年齢になったけれど、幸いにこれまで目医者と歯医者以外の医者にかかったことがない。若いころから50年60年掛けてきた保険料は膨大な金額になる。皆身体の弱い老若男女の人間たちに分けてきたことになる。目だって社会に貢献したことは何一つないが、それこそ「社会の役」にたってきたことになるのだろうと自負している。》

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