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2010年3月13日 (土)

救急車の適正利用を

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 毎日新聞(3/10)から、要約と《 》内は私見。
 病気に疎い育児中のお母さんや、タクシー代わりの軽い気持ちで病院に乗り付けるために利用される救急車。時には恐喝まがいの要請まで混じることもあって、緊急の要請の際に配車に苦心することが実際に発生している。そのようなこれまでの実態を参考に、電話がかかってきたら直ぐに飛び出していたのを、要請の緊急度を看護師がその適正を判断して運行できるようにと、愛知県など3自治体でモデル事業として行っている。

 「子どもが鼻血を出したんですが、救急車を呼んだ方がいいですか」。名古屋市にある愛知県救急安心センターには、救急事態に慌てた県民から電話がかかってくる。24時間体制で3人の看護師が詰め、話を聞いて症状の軽重を判断し、救急要請の必要性や対処法を指導している。

《鼻血程度で救急車を呼んでいたら、小さい頃の我が家の長男は毎日のように救急車のお世話になっていた。遊んでいて突然、転んでぶつかって、学校での喧嘩でと、ひっきりなしにお世話になっていただろう。幼児期には「ひきつけ」で痙攣し、目を白黒させても動じず、割り箸にガーゼを巻き付け、舌をかみ切らないようにそれを咥えさせて対処した。これらは、父母や祖父母たちとの二世代三世代の同居から、先輩の子育ての知恵として子どもの頃から見聞きして身につけていったものだ。悲しいかな核家族となった現在の家庭には、このように先人の知恵から学ぶ機会は全くと言ってもいいほど欠けてしまった。》

 08年には全国で救急搬送した約468万人の約半数が軽症だったなか、救急車の適正利用を進めることを目的に、総務省消防庁が今年度始めた「救急安心センターモデル事業」。愛知のほか、妊婦転送死亡問題の起きた奈良県や、救急搬送の多い大阪市で3月末まで行われ、全国展開へ向けた課題を探る取り組みだ。

 モデル事業では、電話を受けた看護師が相談者に対し、同様の事業を先行して始めている東京消防庁が独自に作成したマニュアルに沿って質問する。マニュアルは発熱や発疹(ほっしん)など症状ごとに、大人と小児別に計98項目で構成。誰が相談を受けても同じように判断できるよう工夫され、救急車が必要(赤)、すぐに医療機関を受診すべきだ(橙)、おおむね6時間以内に受信した方がよい(黄)、2〜3日中に受診してもらう(緑)、いたずらなどで判断不要、の5段階に区別される。

 質問は、緊急性を要する重い症状から純に並べられている。例えば、「熱が出た」「悪寒がする」など小児の発熱に関する相談があった場合は、「発熱(41度以上)がありますか」「一日中ウトウトしていますか」などと聞き、「はい」と返ってきたら「赤」。赤と判断する答えがなくても、「水分を取れていない」なら脱水が疑われるので「橙」、耳を痛がったり耳垂れがあるなら中耳炎が疑われるので「黄」という具合だ。

 看護師が相談を受けるため、異物の誤飲や鼻血の対処法を指導できる。看護師が対応できないと判断した時は、担当の相談医に連絡する。愛知県救急安心センターに10〜12月にかかってきた4291件のうち、「赤」と判断されたのは159件で3%にとどまった。

 総務省消防庁によると、来年度予算にも3団体分のモデル事業費約3億1000万円を盛り込んだ。また、今年度の実施自治体のうち、大阪市は周辺自治体と協力して予算を確保し、規模を広げて事業を継続する予定。奈良県も独自で予算措置する方向だが、愛知県では継続のめどは立っていない。

 愛知の事業を取りまとめる県医師会の野口宏・県救急医療情報センター統括センター長は「機関病院に夜間も軽症患者まで集中して医師が疲弊している。本当に必要な人が医療を受けられるようにする仕組みが必要」と話し、事業が全国に広まることを期待している。

《救急要請の診療科目別の相談内容をまとめたテキストとして、診療の必要のない場合の簡単な手当法や対処を、或いは症状の軽重の判断基準などを交えて自治体が各家庭に配布することも対処の初歩だろう。例えば育児でいえば、共稼ぎの家庭では、まるまる一日中子どもの近くで生活を共にしている母親やまして父親は多くはいるまい。親が接していない間の日中の子どもの体調など解らないままに、急な発熱、鼻血など見れば、育児を他人任せにしていては、あたふたするのは当然のことだろう。》

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