褒める育児が適応力高める?
毎日新聞(3/27)から、要約と《 》内は私見。
親に褒められたり、優しい言葉をかけられた乳幼児ほど、主体性や思いやりなど社会的応力の高い子に育つことが、3年以上に及ぶ科学技術振興機構の調査で分かった、という。父親の育児参加も同様の効果があった。「褒める育児」の利点が長期調査で示されたのは初ということだ。東京都で27日午後に開かれる応用脳科学研究会で発表する。
調査は、大阪府と三重県の親子約400組を対象に、生後4カ月の赤ちゃんが3歳半になるまで追跡。親については、子との関わり方などをアンケートと行動観察で調べた。子に対しては、親に自分から働きかける「主体性」、親に微笑み返す「共感生」など5分野30項目で評価した。
その結果、1歳半以降の行動観察で、親によく褒められた乳幼児は、褒められない乳幼児に比べ、3歳半まで社会適応力が高い状態を保つ子が約2倍いることが分かったという。また、褒める以外に、目をしっかり見つめる▽一緒に歌ったり、リズムに合わせて身体を揺らす▽たたかない▽生活習慣を整える▽一緒に本を読んだり出かける ー などが社会的応力を高める傾向があったという。
一方、父親が1歳半から2歳半に継続して育児参加すると、そうでない親子に比べ、2歳半の時点で社会適応力が1・8倍高いもとも判明した。母親の育児負担感が低かったり育児の相談相手がいる場合も子の社会的応力が高くなった。
調査を主導した安梅勅江・筑波大教授(発達心理学)は「経験として知られていたことを、科学的に明らかにできた。成果を親と子双方の支援に生かしたい」と話す。
《たった3年そこそこの調査データで社会適応力を見極め、調査を評価するとは短兵急、我田引水に過ぎる。3歳半の子の「社会」とはどのような社会なのだろうか。単なる親子関係が構築されている家庭内だけのものではないのか。大事なのは、3歳半のデータではなく、社会適応力をいうのなら、せめて成人式を迎えるまでの長期間の観察が必要だろう。子どもはいたずらや喧嘩をしてこそ子どもだが、いたずらをした時の接し方は、或いは泣き叫んだり、言うことも聞かず、我がままを言う時の接し方は。
《小学校の入学時、学級崩壊を招くのは甘やかされ、叱られたこともない育てられ方をした家庭環境を経てきた子たちだ。巷に溢れる犯罪や殺人などを犯す若者たちの育てられ方も社会への甘えがもたらすものが殆どだ。3歳半までに育って身についた社会適応力が、成長してもそのまま身についたものである保証は何一つない。乳幼児の社会的応力と大人の社会的応力が同じであるはずもない。褒めるだけが教育や育児ではない。褒められて自由に育てられては自由(責任)の不自由さは身につかない。》
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