捕鯨
毎日新聞(2/24、26)から、
国際捕鯨委員会(IWC)のマキエラ議長(チリ)は22日、現行の調査捕鯨を10年間やめる代わりに、一定の上限を設けて別途、捕鯨の継続を認める案を示した。暫定的に停止(モラトリアム)されている商業捕鯨の実質的な再開とも取れる内容で、日本は柔軟に検討する姿勢だが、反捕鯨国の反発も予想され、局面打開につながるかは未知数だ。
《日本の南極海での捕鯨に関しては、毎年シーシェパードの妨害行為が繰り返され、注目を集めている。捕鯨を行っているのは日本だけではないが、何故か日本だけが集中的な攻撃の的になっている。特にノルウェーは、IWCの決定を不服とし、小魚を大量に食べる捕鯨をやめれば沿岸漁業が打撃を受けるとして今でも商業捕鯨を行っているのだ。》
参照 ロンドンのクジラ 06/01
新提案は、20年までの暫定措置として調査捕鯨を中止。さらに
▼86年から中止されている商業捕鯨(ノルウェー、アスランドは継続中)
▼米国、ロシア、グリーンランドなどの先住民による捕鯨
▼日本が再開を求めている沿岸小型捕鯨
を一本化し、海域ごとに捕獲頭数の上限を設けて捕鯨の継続または再開を認める。具体的な頭数は示していないが、全体では現在より「大幅に削減」することになる。
議長をサポートするため昨年設置され、日豪など12カ国で構成する会合がまとめたものだ。3月の中間会合を経て具体化し、6月にモロッコで開くIWC年次総会での合意を目指す。
捕鯨をめぐる枠組み変更にはIWC総会で4分の3以上の賛成が必要なため、捕鯨派と反捕鯨派の双方とも意見が通らず、にらみ合いが続いてきた。IWCの機能不全が指摘される中、昨年からは関心の高い少数国を中心に妥協点を探る試みが始まった。日本もこうした流れを歓迎し「柔軟に模索し、IWCが機能を果たせるようにしたい」(赤松農相)と強調している。
ただ、米欧や豪州ではあらゆる捕鯨に反対する声が根強く、捕鯨継続を前提とする「条件闘争」が受け入れられるかは不透明。6月の総会へ向けた調整は難航も予想されている。
一方で、捕鯨廃止の動きも高まってきている。オーストラリア政府は25日、鯨の保護に向け、南極海での捕鯨を5年以内に段階的に廃止することを求めた提案を国歌捕鯨委員会(IWC)に提出したと発表した。先住民が行う捕鯨を除き、世界の捕鯨は妥当な機関を置いて段階的に廃止すべきだとも主張している。
IWCは今週、10年間にわたり海域ごとの毎年の上限を設定して全体の捕鯨頭数を削減する新しい議長提案を公表した。これに対し、豪政府は「受け入れられる内容からほど遠い」と反発。米フロリダで来週開催されるIWCの会合では、自らの段階的廃止案を訴えて行くとしている。
スミス豪外相は21日の岡田外相との会談で、捕鯨の段階的廃止案をIWCに提出すると表明していた。一方、ラッド豪首相は南極海での日本の調査捕鯨を外交的な話し合いでやめさせることができなければ、次の捕鯨シーズンが始まる今年11月までに国際司法裁判所に提訴すると述べている。
《私は、捕鯨に反対はしていないが、よく言われるような「日本の食文化」としての捕鯨を認めろと言うのではない。大体、現代の日本人には食卓にクジラがなくては困るという人間はおるまい。庶民が通うコンビニやスーパーでも、クジラは牛や豚の陰で探さなければ見つからないような小さなスペースに隠れるように置いてあるだけだ。敗戦後の食わねば餓死する食糧難時代、学校給食や、庶民の安い栄養源になったのは遠い昔のことだ。今では好んで買い求める酔狂な人間はいなくなった。それでも猶。捕鯨に拘るとすれば、世界にその正当性を認めさせる理由が必要になる。いっとき取り上げられた理由に「大食漢のクジラのために、人間が必要とする海の魚がいなくなる」でもいい、そのアンバランスの科学的根拠でもあれば捕鯨の正当性ともなるのではないか。》
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