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2010年3月31日 (水)

児童ポルノ対策

 毎日新聞(3/25)から、要約と《 》内は私見。
 インターネットの児童ポルノ流通防止対策を検討する警視庁の小委員会は25日、問題サイトへのアクセスをプロバイダー事業者が強制的に遮断するブロッキングの導入について、電気通信事業法上の「通信の秘密」を侵害すると認めたうえで、違法性を問われないケースに該当するかどうかは結論を先送りする報告書をまとめた。今後は、政府の犯罪対策閣僚会議の児童ポルノ排除対策ワーキングチームで、導入の可否が検討されることになった。

 児童ポルノ対策の切り札とされるブロッキング導入がすんなりと進まない背景には、憲法で保障されている通信の秘密を重視する総務省と、被写体となった被害児童の早期救済に主眼を置く警察庁とのスタンスの違いがある。

 ブロッキングの主体となるプロバイダー事業者らは、ネットユーザーからの訴訟リスクもあり、監督官庁である総務省の「お墨付き」がなければ、容易には踏み切れない。事業者が多くメンバーに加わる安心ネット促進協の児童ポルノ対策作業部会の報告書が、警察庁の小委員会に比べ、違法性阻却*のケースをかなり狭くとらえているのはそのためだ。

 * 阻却(そきゃく)・・妨げること。退けること。

 しかし、作業部会の結論のように緊急避難のみ違法性が問われないとなった場合、ブロッキングが許されるのは、捜査協力が得られない海外サーバーに画像が置かれていたり、サイト管理者が海外にいて連絡がとれないケースなど削除・検挙が困難な場合に限定される恐れが出てくる。

 児童ポルノ被害は「人名に比肩する侵害」といわれる。ブロッキングは既に、英国やノルウェー、イタリアなど欧州を中心に広がり、韓国でも行われている。次の議論の舞台となる犯罪対策閣僚会議のワーキングチームでは、実効性を担保できるブロッキングのあり方の検討が望まれる。

 報告書をまとめたのは、児童ポルノ流通防止対策推進協議会(会長、野口京子・文化女子大教授)内の有識者やプロバイダー事業者からなるブロッキング検討委員会。児童ポルノのブロッキング実施をめぐり、1)技術、コストの両面から採用可能な手法、2)流通の秘密を侵害する行為だとしても、違法性を問われないケースといえるか、などを議論してきた。

 報告書によると、1)については、ブロッキングは通信の秘密を侵害する行為だと認めたうえで、利用可能な4つの手法のうち、英国のプロバイダー事業者「BT」が導入している「ハイブリッドフィルタリング」を最も推奨すべきだとした。サーバー全体ではなく、ファイル単位でのブロッキングが可能で、児童ポルノ以外のものまでブロックする「オーバーブロッキング」の問題が生じにくいためとしている。

 2)では、児童ポルノのブロッキングが、刑法で違法性を問わないと定める「正当業無行為」や「緊急避難」に当たるかを検討。正当行為の範囲内かどうかはメンバーの意見が別れたため、両論を併記した。

【ブロッキング】
 ネットユーザーがサイトを閲覧する際、プロバイダー事業者がユーザーの同意なしに、児童ポルノサイトなどあらかじめ決められた一定のサイトへのアクセスを遮断する措置。ユーザーの同意を得ない強制という点で、フィルタリングとは異なる。

 また、他に取りうる方法がない時に許される緊急避難に該当するかについては結論に到らなかったことから、導入の可否については明言せず、引き続き議論が必要だとする表現にとどまった。ブロッキングを巡っては、産業界や教育関係者らでつくる民間団体「安心ネットづくり促進協議会」の児童ポルノ対策作業部会が今月19日、「正当業務行為とみることは困難だが、緊急避難として許容される余地があると考えられる」との報告をまとめている。

 本日(3/31)、欧州連合(EU)の行政府・欧州委員会は29日、児童ポルノを含む未成年者への性犯罪や、人身売買に対する取締りや刑罰をEUレベルで強化する法案を加盟27カ国に提示した。EU域外への児童買春ツアーの客も刑事訴追するよう求めている。EUは昨年12月に発効した新基本条約「リスボン条約」の下、加盟国の権限が強かった司法分野でも統合を進める計画になっており、その先駆けとなる。

 法案は、1)児童ポルノを載せたサイトにEU域内から接続できないようにする
     2)児童売春ツアー参加者をEU加盟国に帰国次第、刑事訴追する
     3)成人を含めた人身売買の刑罰を最低5〜10年とする、など。

 北欧や英国、イタリアなどはすでに国内から児童ポルノのサイトに接続できない措置を導入しているが、ドイツでは「効果的でないうえ、検閲につながりかねない」として反対論が強い。法案では、写真やビデオ映像などが規制対象で、東京都議会で規制論議が行われている漫画やアニメは含まれない。

《日本でも、フィルタリングや自主規制が行われているが、子どもを保護する立場の大人たちに危機感がとぼしく、子どもの問題サイトへの通信は殆ど自由に接続されているのが実態だ。戦前の厳しかった管理体制への反動から、言論の自由への憧れは、エロ・グロ・ナンセンスを氾濫させたまま、現在に至っては理性をなくした広がりを見せている。何かと言論の自由を叫ぶが、その「自由」が「責任」と同義であることに目を開かず、己の都合によい解釈に「自由」を利用する。》

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