有給取得率に目標を
毎日新聞(3/19)から、《 》内は私見。
厚生労働省は19日、労働時間短縮や有給休暇の取得促進への事業主の取り組みを定めた。「労働時間等の見直しガイドライン」の改正を公示した。過労死、過労自殺が過去最悪レベルで推移し、正社員の労働時間が2000時間前後で高止まりするなか、改正で有給取得率の目標を設定することなどを求めた。4月1日から適用される。
改正は、
1)労使が有給取得状況を確認し、取得率向上の具体的な方策を検討する
2)数字を挙げて取得目標を設定する
3)計画的に有給休暇を付与する制度を活用し連続休暇を促進する
などを新たに盛り込んだ。ガイドラインは06年に策定され、努力義務を定めたもので、強制力はない。
17年までに完全取得を目標としている有給休暇の取得率は、1992〜93年度の56・1%をピークに減少傾向で、08年度は47・4%だった。非正規雇用労働者の増加で、総実労働時間は08年度で1813時間と減少傾向にあるが、正社員の労働時間は02年度から2000時間前後で推移している。
厚労省勤労者生活部では「有給休暇は労働者の権利だが、取得へのためらいがある。ためらいを取り除くよう努めてほしい」と話している。
《軍人の、月月火水木金金で土曜も日曜もない生活よりはましだったが、戦後復興期の中小企業で働く私たち世代からみれば、現在の職場は天国のようなものだ。私たちの現役時代、日曜はあるがそれ以外は会社だった。正月休みも3が日が精々だ。夏休みなんて贅沢だった。年間ほぼ300日以上は働いていた。それに月の残業100時間は当たり前だった。有給休暇を取るものは白い目で見られた。以前書いたが、それでも勤めた会社には残業規定がなかった時代だ、それ以降も含め、生涯を通して私は残業代を手にした経験がない。》
《現在の年間休日数は(日曜52、祭日15、土曜52日で計算)、
週1日プラス祝日休みなら 67日
完全週休2日なら 104日
完全週休プラス祝休みなら 119日
このほかに正月休み、夏休み、有給休暇がある。
《正月が休め、夏休みが取れるほか119日も休日のある大企業の労働者に、権利であるにしろ有給休暇が必要なものなのか。周りへの配慮やためらいというよりも、むしろ取りたくない心理が働いてもおかしくないと思える。取得率平均値の数字における企業の大小や勤続年数、有給取得制度などの詳しい内訳が分からないが、1992〜93年以降、取得率は減り続けているのも、祝日休日の増加もあってごく自然なことではないのだろうか。この傾向は労働環境の極端な悪化でもないのなら、強制して有給休暇の取得を増やすこともないだろう。》
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