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2010年2月 2日 (火)

奨学金延滞に回収強化

 一昨日の給食費滞納問題に続いて今回は借りた金を返さない奨学金の延滞問題を。

 毎日新聞(1/28)から、要約と 《 》内は私見。
 約20万人、2253億円。大学生らに奨学金を貸与する独立行政法人「日本学生支援機構」(旧育英会)が07年度末で抱える滞納3カ月以上の「未回収金」(延滞債権)の総額だ。危機感を抱く機構は回収強化に乗り出したが、取り立てに偏るあまり、失業や就職難などで返済が困難な人たちが置き去りにされている。深刻な不況にある今、救済策の拡充も欠かせない。(記事:東京社会部・松谷 譲二)

《滞納額が膨らんだことで問題が表沙汰になった途端に、催促しなかったことを責め、不況だ、不況が原因だから取り立てる方も考慮すべし、と書き立てる。》

 派遣社員男性(32)は、計570万円の返済額がある。8年間に二つの大学に通い、その間の奨学金は毎月約3万円を17年かけて返す計画だったが、派遣の月給は約20万円。ヘルニアの治療と家賃、死活費を引くと消えてしまうため、機構に返済の先延ばしが認められていた。昨年秋、猶予期間が切れ、督促状が何度も届き、現在は延滞金までつくようになった。「払いたいのはやまやまだが、不況で求人が少ない。治療もあって見通しがつかない」」と。返済の免除を申請しているが回答は未だない。

 同機構は、日本の大学生への奨学金(無利子、有利子の2種があり、返済期間は最長で20年)の約9割を担っている。進学率の向上で利用する学生は急速の拡大し、08年度の貸出額は10年前の約3・5倍(9605億円)の上るが、同時に返済困難者も増えている。教育界の人材育成を目的に、教職や研究職に就いた場合は返済が免除されていたが、04年度以降、廃止されている。

《大学が学問の府であった時代は一部の大学を除いては遠い過去の話だ。金さえあって望めば誰でも入れる程度の大学が増え、金がなくても簡単に奨学金と称して貸してくれる制度がある。日本の経済状態を顧みず、自己啓発を後回しに合コンなど男女交遊のキャンパスライフを謳歌する。悪いこととはいわないが、せめて中高生止まりの頭での卒業はしないでほしい。》

 《一方、「返せるのに返さない」モラルなき層の巨額の蓄積がある。「返せない」層とも併せて機構はいずれへの取り組み(督促)も遅れてきた、とはレポーターの言だ。これまでに何度か記事になったし、ブログでも取り上げた。「借りたものは返す」、小学生でも知っている当たり前の原則を、大学を卒業したあと知らぬ顔で過ごしている連中を槍玉に挙げる前に、機構が「返せ」と催促しなかったことを落ち度として強く非難するのだ。》

 《まず、会計監査院は「返さない」組に対する機構が奨学生の住所管理が杜撰であったことを指摘する。これはレポーターが言うように機構の責任だろうか。奨学金を受けるにあたっては、住所変更時には機構への届け出を約束しているはずだ。それを食い逃げ同様に姿をくらましている受益者側の不届きを言う前に、請求しなかったとを責めているのだ。》曰く、

 会計検査院は昨年10月、2253億円のうち「住所不明」を理由とする未回収金が133億円を超えたことを明るみに出した。所管する文部科学省の関係者は「6年前まで督促電話すらせず、住所不明者の転居届も紹介していなかった」と。

 機構関係者も「過去の幹部らは『奨学金は教育事業であり、貸金事業ではない』という理念を楯に適切な回収を怠り、解決も先送りにしてきた」と話す。しかし、未回収のツケは新規の奨学生にまわり、最終的な不足分には国の補助金などが充てられる。回収が滞るほど、税金が投入されるという悪循環だ。1昨年から、直接の回収業務を民間業者に完全委託し、例年数件だった悪質な滞納者に対する給与差し押さえも、08年度には13件に増えた。

 こうした変化は「返せない」という層に回収をめぐるトラブルを多発させている。大卒後の失業や低所得により、返済が苦しい奨学生には最長5年間の猶予制度があるが、機構が積極的に周知しなかったことで、制度を知らない奨学生まで滞納扱いされ、滞納金が加算されるという弊害が出ている。

《随分甘やかした論調だ。猶予制度を知らないというのは機構の責任ではない。借りた金が返せないのなら、自らが出向いて機構側に相談するのが大学まで出た頭の使いどころだろう。「言ってくれないと分からない」は現在はびこっている甘えの考えだが、好いたはれたの色恋沙汰ではなかろう。分からないこと、気になることは尋ねればいい、「言ってくれないから返せない」じゃ幼児の言い逃れと変わらない。》

 昨年9月、支援団体が2日間開設した相談電話には150件が殺到し、「返しても元金が減らない」との悲鳴が相次いだ。70歳代の男性は、失業して行方不明になった息子に代わり、年金を奨学金返済に充てているが、約80万円の延滞金が残る。こうした、親が返済に巻き込まれるケースも珍しくない、という。

《そして、ここでまたまた外国(英国では毎年の所得に応じて返済額を決める「所得連動型」をとり、景気や雇用状況を踏まえて柔軟に対応する)の例を引き合いに出してくる。外国がこうだから見習えば、というのも幼稚な話だ。》

 ただ、政権与党となった民主党は給付型の検討を09年の「政策集」に盛り込んでおり、導入の機運がやっと芽生えてきたようだ。この際、政府と民主党は給付型だけでなく、一定要件のもとに返済猶予の期限を撤廃する仕組みなど、ほかの制度も幅広く議論してはどうだろう。

《のんびりと議論している間にも延滞金は増えて行く。積もり積もった延滞金2253億円の回収こそ先決するべき問題だろう。同情論だけで解決できる問題ではない。》

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