携帯学割
携帯電話会社による携帯電話料金の学生割引が続々と始まるという。携帯のマイナス面が大きく取り沙汰され、その問題が片づいてもおらぬのに、ますます子どもたちの悪用に歯止めがかからなくなりそうな雲行きだ。学割導入の理由には親の心をくすぐるような甘言を用意したようだ。曰く「親の負担を減らす」ためという。私に言わせれば、逆の対策に思える。例えば高校生平均では親は月に6000〜7000円(中学生3000円前後、小学生1000〜2000円)にも上る小遣いを与えている(research.goo)。親はなぜ、その小遣いの範囲で支払えるような使い方を指導しないのか。使用しただけ、親が支払ってやるなど金銭感覚の麻痺した教育としか思えない。上の調査からみえるのは、子どもたちは小遣いを高学年になればなるほど、多くを友だちとの飲み食いや化粧品に消費しているようだ。
携帯電話会社はすでに頭打ちになった市場の拡大を狙って、財布の紐を緩めさせる奥の手を次々に出してくる。
毎日新聞(2/3)から、
KDDIのauが9日から基本使用料が業界最安値となる月額390円になるキャンペーンを始めることを発表したのに続き、NTTドコモも対抗して同額のキャンペーンを始めることを明らかにした。ドコモの学割キャンペーンは初めてだ。
auの「ガンガン学割」は、小学生以上の学生とその家族を対象にしたキャンペーン。申し込みには「プランEシンプル」または「プランE」と、料金割引プション「誰でも割」または「スマイルジャート割引」の契約が必要。「プランEシンプル」を使った最も安い料金プランの場合、申し込みの翌月から最大3年間、基本料金を月額780円から390円に割り引く。子どもは既に他のプランでauの携帯電話を利用している場合も申し込めるが、家族は新規契約に限られる。
ドコモの「タイプシンプル学割」も同じく、基本使用料を3年間、390円にする。キャンペーン期間は1日から5月31日までで、申し込みの月から適用する。
学割は、KDDIが00年、料金プランの一つとして携帯電話会社で初めて実施。09年8月に新規無仕込みを停止した。
auの携帯電話契約純増数は3月前後が最も多く、新規で購入する学生の半数はこの時期だという。子どもが初めて携帯電話を手にする進学時期に焦点を絞り、家族も含めた利用者獲得を狙うのだという。
民間調査会社の「ブランド総合研究所」が1月に携帯電話を持っている小学6年生から高校3年生と、同年代の子どもを持つ保護者計1200人を対象にしたインターネット調査によると、親が子どもにかかる必要経費のうち、安く抑えたいのは携帯電話(51%)、衣服費(34%)、学習費(23%)などで、携帯電話が最も多く、半数を超えている。
支払っている金額は月平均約5600円と、親が妥当と考える金額の平均より2000円高く、親は通話より、メールなどのデータ通信料を心配していることも分かった。
今回のauのキャンペーンでは、「EZWINコース」(315円)と併せて契約するとメール使い放題プランの「ガンガンメール」になり、メール利用が無料になる、という。KDDIは4月23日まで、専用のサイトで販売する「着うたフル」、高画質アニメ、マンガなどのコンテンツも半額にするため、こうした親の期待に応えることになりそうだ。ドコモも「iモード」(315円)と併せて契約するとメール使い放題になる。バケット通信料の上限額は2社とも4410円。
《使用料金が安くなることで、ますます子どもたちの携帯の乱用がふえることは間違いない。それに伴って現在問題になっているいじめや危なっかしいサイトへの深入りや、売買春問題、犯罪に巻き込まれる事件も増えることが懸念される。親はただ野方図に料金を負担するだけではなく、交信内容も含め、厳しいチェックを避けるべきではない。それだけの育児監督責任を負っているのだから。》
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