どうでもよい話と、困った話
品格を問われて相撲界を去る元横綱を巡って周りの五月蝿いこと。そちらの方が余程品格がない。テレビ各局は品格など「糞喰らえ」と海を渡って楽しむ男を、恥ずかしげもなく大挙して後を追いかけ、撒き散らす「クソ」のような行動を追いかけ、ゴルフをやってるぞ、次はバンクーバーのオリンピックを見にいくらしいぞ、とくっついて廻る。メディア自身、そのような品格のない行動を恥ずかしいとも思っていないのだ。引退する横綱が立派な男だったとは露程も思わないが、それ以上に情けないのはその親方だ。親方として国技と言われる相撲の何を一体教えてきたのか。騒ぎがある都度テレビに顔を出すが、無様を曝すだけのデクの棒そのものだった。かわいそうなのは、部屋に残る関取たちだ。親方としての責任を取って地位を返上し、部屋をたたんで他の親方たちに弟子たちの身の振り方を依頼することぐらいしたらどうか。
一方、国内では相撲界を去ったあとのことまで取り沙汰し、やれ格闘競技連盟から、タレント業界から、甘い囁きが漏れてくる。もともと日本を代表する国会の中の大学出の人たちも持ってもいないのが品格だ。大統領になりたいとも漏らしたことのある横綱の教育レベルを心配するむきもあるが、余計な解説だろう。品格の話はするだけで寂しくなる。
毎日新聞(2/8)から、《 》内は私見。
《こちらはリポートもまともに書けない大学生の寂しい話だ。一部の大学を除けば誰でも大学生になれるレベルになった大学だ。それだけに文章もろくに書けない学生が増えてきて困り果て、遂には「綴り方教室」のような授業を始めなければならなくなった大学が出たという。仲間うちだけで通用する言葉や表現で済んでいた言葉、絵文字で済ませた言葉でない言葉で可能だったコミュニケーションをそのままリポートや文章で使用することが普通になっているという。》
「やばい」「微妙に」といった話し言葉を文章でも使う学生が目立つことから、山形大学は「話し言葉を書かない」など新入生が大学で学ぶうえでのいろはを教える「スタートアップセミナー」を4月から新入生の必須科目とする。専用テキストを作った立松潔教授(経済学)は「文章能力の衰えを感じる。必須にしないと、基礎的なことができない学生が受講しない」と話している。
立松教授によると、山形大では最近5〜6年で、答案やリポートに話し言葉を使ってしまう学生が目立つようになった。立松教授は「早急に学生のレベルを底上げする必要を感じた。できる学生とそうでない学生に開きがある」と危機感を抱いている。
セミナー1週1回90分に亙って「主語と述語、修飾語と被修飾語は近づける」「話し言葉は持ち込まない」など初歩的な作文方法などを解説。リポートやディベート、除法収集の方法についても図で説明する。今までも似た講座はあったが選択科目だったため、興味のない学生は受講しなかったという。
専用テキストのタイトルは、米沢藩第九代藩主上杉鷹山の名言を借りて「なせば成る!」。840円で新入生全員に購入してもらう。「作文力を高めよう!」「文の書き方の原則」「授業ノートの取り方」など26項目を説明。「文の長さは30〜40文字くらいを目安とする」などと記している。
文部科学省大学振興課の担当者は「大学生に対し、これほど基礎的なことをテキストまで作って教える例は聞いたことがない」と話している。
《文科省は呆れるばかりでは困る。グローバルだ、英語だと大声で叫んでいるが、歴史を教えず、自国の言葉も紙の上でまともに表現もできず、できないことを嘆くばかりでは能がない。表現力の不足は早くから指摘され、職場でも新入社員とのコミュニケーションが取りにくくなったことは分かっていたことだ。足元を見ない教育行政で、進学率だけを誇っていても、グローバル知識人など生まれるはずもなく、中身の薄ぺらな人間を作っているだけではないだろうか。》
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