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2010年1月31日 (日)

子ども手当、「給食費滞納に充当も」

 早すぎるよー、もう今日で今年の12分の1が過去のものになる。若い頃は早く大人になりたくて、次の正月が来るまでが長過ぎた。大人になるには30歳という年齢が目標だった。20代は私にはまだまだ若造だった。念願かなって30歳を迎えると次の正月が駆け足でやって来ることに慌てた。私の年代は年齢は誕生日ではなく、正月を一つの区切りで考えるのが普通だ。30歳を過ぎてそれまでに何もやっていないことに気がつく。「光陰矢の如し」を思い知るが後の祭りだ。そして現在、日本人男性の平均寿命の年齢が目前になった。思えばずいぶん遠くまで歩いて来たものだ。

 毎日新聞(1/31)から、要約と 《 》内は私見。
 鳩山首相は30日、小中学校の給食費の滞納分を「子ども手当」から充当できるよう地方自治体が求めていることに関し、「そういう仕組みができないか考えたい。簡単にできるかどうかは分からないが、具体的な要望に応えられるような政府でありたい」と述べ、前向きに検討する姿勢を示した。視察先の甲府市内で記者団に語った。

 首相は「長妻厚労相にどうなっているか聞いてみたい」と述べ、検討を指示する考えも表明した。ただ、政府が29日に国会に提出した子ども手当の法案は、給付金の差し押さえを禁じており、充当には法案の見直しが必要になる。

 首相によると、山梨県知事や市町村長と意見交換した際、「(滞納の)3分の2は経済的理由ではなく、「『払いたくないから払わない』みたいな話だ」などと子ども手当からの充当を求める意見が相次いだという。

 全国市長会は27日の会合で、給食費や保育料などの悪質な未納に対応するため相殺できる仕組みの検討を求める緊急決議を採択している。

《先に「給食費滞納問題」で学校給食の趣旨(教育の一環)からも、未納を見過ごすべきではないことを書いた。保護者の一部からは「義務教育だから払う必要なない」との間違った考えもあるようだが、義務教育の「義務」は、国民・保護者などが子ども(満6歳に達した日の翌日以降における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまでにある子『学校教育法」)に受けさせなければならない教育のことを言い、日本国民には教育を受けさせる義務があるのだ。》

《そもそも差し押さえができない給付金としたことが間違いだ。これでは未納者を保護するようなもので、平等であって公平ではないのだから。教育というのなら、平等と公平の違いを教え、未納の間違いを分からせるべきだろう。また、未納が全児童生徒のわずか1%、給食費では0・5%程度に過ぎない、これはどこの企業でも経営上のリスクとして覚悟していることだから、問題としては些末なものだ、とする考えがあるようだが、学校給食を「教育の一環」として行っている日本においては、見過ごすことのできない重大な問題ととらえるべきだ。全国の書店にはびこる万引きも、1冊2冊だから見逃せ、では済まない。多くの書店が店じまいに追い込まれているのと変わらない給食費の未納は悪質な行為なのだ。

《全国の未納総額は22億円を超え、自治体によっては最高70万円を超す未納者がいるが、子どもに法を無視し、食い逃げを教え、犯罪者を育ててるようなものだ。差し押さえや相殺は行うのが当然だろう。》

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2010年1月30日 (土)

太陽熱発電

 毎日新聞(1/30)から、
 太陽熱でタービンを回し発電する「太陽熱発電」計画が、国内では約30年ぶりに復活する。石油ショック後の81年、香川県で試みられたが、採算面などの理由で中止。その後、東京工業大を中心に技術改良がすすみ、低コストの新方式を開発した。国内有数の日照時間を確保できる山梨県北杜市に、実験プラントを建設する計画が進んでいる。

 計画を主導するのは玉浦裕・東工大教授(エネルギー転換)らのチーム。「温室効果ガス排出ゼロ」を掲げて開発が進むアラブ首長国連邦のアブダビで私見を重ね、実用化が期待できる出力が得られる見通しが立った。

 太陽熱発電は発電中に温室効果ガスを出さないうえ「太陽光発電」と違い、蓄熱することで曇天や夜間でも発電が可能だ。欧州の業界団体などによると、世界の推定総発電規模は現在、原発4基分と少ないが、50年には世界の総発電量の最大12%を占めるまでに成長すると予想している。

 アブダビでは、地上に設置した1386枚の鏡で太陽光を受け、高さ20メートルのタワーの先端に集めた後、再び鏡で地面に下ろし、その熱で特殊な溶液を500〜1000度まで加熱。これを熱源にタービンを回して発電する。時々刻々と動く太陽を追尾できる独自の反射鏡を開発し、集熱効率を高めている。最大出力は100キロワットと電子レンジ200台分だが、山梨の実験プラントは約3倍の規模にし、将来的には実用に堪える100倍の出力を目指すという。

 チームによると、すでに商業化されている各国の発電コスト(トラフ型)は、1キロワット時当りで火力発電の4倍程度とされる。

 玉浦教授は「新型はその半分を目指す。環境税が導入されれば、温室効果ガスを出す火力発電に課税されて発電コストが上がるので、両者の差はさらに縮まるだろう。エネルギーの安全保障上も需要な発電手段になるはずだ」と話す。

《太陽が輝きを、或いは熱を失わない限り、太陽を利用するのは、現時点で考えられる発電方式では最善の手段だと考える。また、日本の沿岸を流れる黒潮・親潮の利用も今後に期待できる。》

《29日、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラがウサマ・ビンラディンの音声テープを放送した。彼の対米批判の対象は中東政策に目立っていたが、矛先を国際的関心事の温暖化対応にまで向けて「先進国が悪い」などと批判した。彼の言をまつまでもなく、先進国が地球の死滅を早める先頭を走っているのは間違いないだろう。そして、負けじと開発途上国が先進国の轍を踏みながら一層拍車をかけるように温暖化を薦めている。哀れにも地球は陸に海に悲鳴を上げているようだ。

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2010年1月29日 (金)

子どもは減っていくのだろうか?

 毎日新聞(1/29)から、《 》内は私見。
 先月発表された内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」*で「結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はない」と考える人が42・8%に上り、92年の調査開始以来、最高になった。この結果をどのように受け止めるかを、元お茶の水女子大学長・本田和子(79)に尋ねた。

《 * 私のブログでは、少子化と女たちが子どもを生むことを止めたことによって、遠くない将来の日本は国力が衰え、やがて衰退し国家は消滅するだろう、と書いた。今は、もっと悲観的に中国に吸収されて、一つの州になることだってないことはない、と考える。》

 が、本田の考えを聞いてみよう。

 ▼ある意味、当然の結果だと思います。子どもを産むか産まないかが、国家や家の意思ではなく,夫婦の選択の範囲内になったことが非常に大きい。子どもが労働力だった時代には、たくさんいた方が助けになったし、家名を継承したり、老後の保障のためにも必要だった。第二次世界大戦のころは、国力として多くの子どもが要求され、結婚したら4,5人産むのが当たり前、という規範ができあがっていた。いま、子どもがいなくて困ることがなくなり、家族にとって絶対の存在ではなくなりました。

 選択の対象となった時点で、少子化は必然の流れということか。

 ▼もちろん、子どもを持つことに喜びを感じ、子育てに充実感もあると、2人。3人生む人もいます。でも、子どもを持つことが自分にとってふさわしい生き方かどうか迷うような場合には、産まない選択をする女性も出て来た。高学歴化し、仕事もある程度できるようになり、1人でも生きられるというロールモデルがあると、結婚や出産をためらったり、先送りしたりする人の層が増え、少子化が進んだということでしょう。

 少子化は止められないのだろうか。

 ▼子どもはいなくていい、と若い男女に選択をさせるような状況は、ここ100年くらいかかって形成されて来たと思います。子どもを産むのも育てるのも、女性の肉体的負担が大きく、子どもをたくさん持つのは大変だ、という意識はずっと前からあった。戦前、日本に「産児制限」の相談所ができると、引きも切らず相談者が訪れたという記録があるくらいです。だから、政府があわてて少子化対策を講じても、どんどん産むことにはならないでしょう。

 少子化対策は無駄なのか。

 ▼子どもを増やすこととは関係なく重要です。数が少なく、子ども同士の接触が乏しい中で育つ子どもたちのために、保育所や学童保育はもっと充実させるべきです。経済低支援も必要です。現行の保育や教育計画は、子どもの数が多かった時代のままなので、見直しが必要でしょう。年金などの社会保障も、子どもを増やさないと維持できない、と言うのではなく、少なくなる若い世代に、過剰な負担をかけるような仕組みを改めないといけません。
 公園で騒ぐ声をうるさいと感じるのか、滑り台の横に「騒音禁止」と書いてあるのを見かけます。子ども的なことに我慢できず、子ども嫌いの社会になってきていると感じます。そういう社会では子どもは生活しにくいでしょうから、別の意味の少子化対策が必要でしょう。

《ここら当りで本田のいうことに裏付けのないあやふやなものが現れる。社会が子ども嫌いになっているというのは、当たらない。放漫で無責任な育児が愛情と勘違いしている親の下で、何一つ社会規範を身につけない子どもたちが増え過ぎ、ところ構わずの傍若無人な振る舞いに我慢ならない大人たちがいるということだ。「子どもが可哀そう」と言えば何事もまかり通ると思っている親が、多くなり過ぎたこともある。また、本田がいう「別の意味の対策」とは一体何だろう。まさか「騒いではいけない」と注意してくれる人も寄せつけな『親と子の無菌室』でも作れ。ということなのか。》

 「子どもはいらない」。そんな社会でいいのか。

 ▼子どもはいた方がいいと思いますよ。社会に活気が出ますから。子どもが厄介なのは日々変化することです。昨日できなかったことができるようになり、昨日とは違うことを言って、大人の落ち着いた生活をかく乱する。でもそのかく乱がなくなると、老人の世界のように何の刺激も変化もなく、欲求も衰えて、静かに眠るような社会になってしまいます。子どもの存在意義を認め、大人である私たちと共生できるよう、さまざまな支援をすべきです。

《まったく当たり障りのない考えだ。「何の刺激も変化もない」老人とは誰を指しているのだろうか、ご自分のことなのか。老人だって世の中の移り変わりには毎日毎日刺激を受け、変化している。その変化に対応していかなければ残りの年月生きては行けないのだ。親からは、ただ甘やかされ、社会の規律も教えてもらえずに、ただ大きくなっただけの末と思われる犯罪が多発しているのが今の日本の現実だ。

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2010年1月27日 (水)

太陽光発電装置

 毎日新聞(1/27)から、
 地球温暖化対策として国が普及を進める住宅用太陽後発電装置(ソーラーシステム)の訪問販売を巡るトラブルが相次いでいる。国民生活センター(東京都港区)にょると、09年度の相談件数は1460件(1月15日現在)に上り、前年同期比で945件も増加した。ソーラーシステムへの国の補助金制度や、電力会社の余剰電力買い取りについて、訪問販売業者が誇大に説明し、高額の契約を結ばせる手口が目立っている。

 「今日中なら行政から22万円の補助が出ます。遅れたら補助を受けられないかもしれない」。こんなセールストークでソーラーシステムを訪問販売していた「ワールドエナジー」(札幌市)と「サン・ピックプライス」(東京都港区)に対し、北海道は09年11月、特定商取引法に基づき、12カ月の業務停止命令を出した。

 ソーラーシステム訪問販売業者の処分は全国で初となる。両社は「太陽光発電をモデル施行させてくれる家を探している」などと言って各家庭を訪問し、ソーラーシステムやオール電化設備などを約300万〜900万円で契約させていたという。「光熱費はこれから一切かからない」「売電により利益が上がることもあるので実質的な負担はない」などと虚偽の説明をしていた。

《単純には、これまでの消費電力量とソーラーシステムの発電量を比較すれば、導入メリットがあるかどうか判断はつく。少なくとも小さい我が家では(50A契約、毎月の電気料金は約2万円)投資効果は望めない。電気会社からの供給の方が余程得になる。また、以前書いたが、現時点ではまだまだ装置に故障が多く、修理にも初期費用と同じ程の出費を必要とするという。》

 国は「住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金制度」を創設。太陽光発電の導入に際し1キロワット当り7万円の補助金が支給される。昨年11月には、余った電力を1キロワット時当り48円で電力会社が買い取る制度も始まった。

 ただし、補助金を受け取るには、
 1、 太陽光をどれだけ電力に変換できるかを示す変換効率が一定以上
 2、 一定の品質・性能や、設置後のメンテナンスサポートが保証されている
 3、 最大出力が10キロワット未満で、システムの出力1キロワット当りの価格が70万円(税抜き)以下。これらの3点を満たしていることが必要。手頃な価格で品質も高いシステムを普及させるのが狙いだ。

 トラブルを防止するにはどうしたらいいのか。国民生活センターは、複数の業者から見積もりを取ることや、補助金や太陽光発電について自分で情報を集め、知識を得ることを呼びかけている。

《特に、維持管理、対故障や事故について業者の補償を含む対処対策は欠かすことがあってはならない。》

 北海道太陽光発電普及協会の会長・永岡忠正社長によると、システムの価格が国の補助対象である1キロワット当り70万円を超えないことが業者選びの目安という。担当者に補助金制度や発電量、経済効果など、気にかかることすべてを質問することも重要で、「丁寧に教えてくれる業者なら信用できるだろう」と話す。

 訪問販売の場合、業者と契約を交わしても、8日以内ならクーリングオフで解約できる。

 

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2010年1月26日 (火)

プロ野球界の出戻り

 毎日新聞(1/25)から、要約。
 日本のプロ球界を見限って、アメリカまで出稼ぎに行ったが長続きできず、お払い箱になって帰って来た連中を、日本球界は喜んで迎え入れるようだ。阪神に決まった城島、オリックスに舞い戻った田口。早くには大明神ともてはやされていた男が、最初こそ華々しくその名は日本まで届いていたが、数年で日本に戻り、鳴かず飛ばずで退いて行った。

 功名と金につられ、海を渡っては見たがそれほど甘い世界ではない。稀に本場でも輝かしい成績を積み重ねる男もいるが、これなどは希有なことだ。中には日本でもやっと一人前程度の男たちが、次々に海を渡ったが、2軍3軍の場でどうにか働いていたようだが、すでにその名も忘れられた過去の人となったようだ。

 ここにきてその出戻りが紙面に顔を出した。「古巣復帰の田口が会見」と。カブスを自由契約となり、23日にオリックスへの入団を決めた田口外野手(40)が、大阪市内で会見した。一年契約の年俸8000万円プラス出来高(推定)で合意したという。40歳は若くない、まして守備範囲の広い外野手としては脚力が必要な絶対条件だ。本人は「かなり日本球界も変わったので、すべてを楽しみにしている」としたうえで、レギュラー獲得には「100%の自信がなかったら、野球をやっていない」と強調したという。

 だったら、日本に戻ってくるな。100%自信のあるところをアメリカで発揮しておればいいことだ。なぜお払い箱になったのだ。日本の野球界は「そんなもの」と言うつもりか。そうではないだろう。評論家の張本氏などは逆に、「アメリカ野球はその程度のもの」とは常々口癖とも言えるほど見下しているではないか。そうすれば、田口よ、日本でのお前の出番はないのではないか。

 こんな出戻り騒ぎで、低調な日本球界をますます下らないプロ野球にしてほしくないものだ。

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2010年1月24日 (日)

中学入試(掛け持ちとお試し)二題

 毎日新聞(1/24)から、
《私の中学受験のころと思い比べると、あまりに虚弱な向学心に寒気を催す。なぜ、受験に二つも三つもの学校を、或いは受験のための受験(お試し受験と呼ぶらしい)までしなければならないのだろうか。どうしても勉強したいと決めたなら、目指すのは一校だけでいい。私の受験のころの旧制中学は、すべて受験制度だった。当時市には公立一校しかなく、府内のほかの市からも汽車通学で受験に来る狭き門だった。貧乏家庭だったが将軍を夢見る軍国少年だった当時、成績はトップではなかったが、向学心だけは持っていた。汽車通学で逆に他の市の中学への受験の道もあったが、交通費が無心できる家庭環境ではなかった。失敗すれば留年して無駄飯を食う余裕のある家庭ではないことも承知していた。市内に滑り止めの学校はない。受験は真剣勝負だった。また、親ものこのこ試験場について来ることはなかったし、中学受験の子はいっぱしの大人気分だった。親について来られては恥ずかしかった。》

【閑話休題】
 最近の入試傾向の一つに午後に試験を行う学校の増加があげられる。安田教育研究所の安田理代表によると、今年初めて午後入試を行う学校が分かっているだけでも新設校を含め7校。午前を午後に変更するなど午後の回を増やす学校もあり、模試で志望校にあげる子どもが増えている。

 午後入試の学校の増加は、一日2校の掛け持ち受験を可能にする。合格しても入学しなければ学校側の負担増になる。それでも、安田さんは「学校のメリットは大きい」と話す。午前に試験を行う上位校と掛け持ち受験が可能になれば、より高い学力の子どもが滑り止めで受験してくるからだ。入学すれば、6年後の大学入試で良い結果を出す可能性が高まる。「子どもの学力は家庭環境や経済力、本人の素質による部分が大きい。中高一貫教育で大学受験に備えても学校教育だけでは限界があると学校も分かっている。だから、最初から学力の高い子を少しでも多く集めたい」と。

《午後入試の学校は、一流でなく、落ちこぼれの二流でも拾っておけば6年後に花を咲かせるかも知れない、という悲しい投資のようだ。》

 背景には、東大合格者が出ると、翌年の受験者数が急増するなど、学校選びで難関大合格者数を重視する家庭の増加がある。午後入試は偏差値の高い学校にも広がりつつあり、午後入試に間に合わないとの理由で面接試験のある学校が敬遠されるなど、私学が独自色を出しにくくなっているという。安田さんは「思春期は人生の土台作りの時期。大学受験の成績より、子どもをどう育てたいかが重要です。それぞれの学校の教育理念を重視してほしい」と話す。

《親があれこれ口出しすることで、子どもの自主性が失われているのが現在の子育てだ。子ども自身が自分でどのような人間になりたいのか、そのためには何をどのように勉強すればいのかを考えてこそ受験する学校が絞り込まれる。下手な鉄砲撃ちのようにあっちこっちの学校を手当り次第に受けるほど、ばからしいことはないはずだ。》

《これに輪をかけてばからしいのが、次のお試し受験だ。》

 志望校の受験の前に練習のためにする受験を「お試し受験」と言います。本物の受験は緊張しますから、一度でも経験しておくと本番の際の緊張は少しは軽減されます。ただし、過去問などで十分な対策をしないで受験すると、残念な結果になることもあります。親はこうした点も覚悟しておく必要があります。(出典「中学受験 合格したい親子の疑問一分で解決」毎日新聞記者・木村葉子著、総合企画)

《たったそれだけのことなら、お化け屋敷の度胸試しと同じことだ。そうであれば全員合格にすることが条件で、残念な結果になる子をつくらないですむし、自信もつくだろう。》

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2010年1月23日 (土)

占領期のGHQ新聞検閲

 毎日新聞(1/23)から、《 》内は私見。
 第二次世界大戦《敗戦》後の占領下で連合国軍総司令部(GHQ)が日本の新聞などを対象に行った検閲の実態を記録しようと、早稲田大20世紀メディア研究所(山本武利所長)は「占領期検閲者に聞く会」を発足させ、当時検閲部門で働いた日本人の聞き取り調査を進めている。09年12月、新聞検閲に係わった女性に対する初の聞き取りでは、勤務体制や待遇など貴重な証言が得られた。終戦直後に始まった検閲の関係者は現在80代以上で、同研究所は「最後のチャンス」と協力を呼びかけている。

 GHQの検閲は1945年9月に始まり、49年10月まで続いた。新聞や雑誌、放送、映画、郵便などの検閲部門には常時、数千人の日本人が雇われ、米軍将校らの検閲官の下でゲラの点検や翻訳に従事していた。

《戦争に無条件降伏で負けた日本は、敗戦の年1945年から1952年までの7年間、連合国軍の占領下にあった。教科書の皇国史観に当たるページの塗りつぶしを始め、反抗を危惧していた占領軍は、日本刀を振りかざすチャンバラ映画や、特に敵討ちの内容は固く禁じられた。当然、日本人の大好きな忠臣蔵など、徒党を組んで主人の仇討ちをする内容はお許しの出るはずはなかった。玩具など、いち早く海外への輸出品(その多くはアメリカ向けだが)を作ったが、1947年から1952年までに製造され、輸出されたものには、日本が「占領下にあることを銘記」する『Made in occupied 』や『Occupied Japan』が印刷、刻印された。日本人でありながら、日本歴史が選択科目となっている現在、日本がアメリカなど連合国軍と戦争したことも、結果負けたことも知らない世代がいるようだが、敗戦国の無条件降伏とはどんなものか、早稲田大の調査がその一端でも後世に残せる内容を把握してくれることを願う。》

 聞き取りに応じたのは東京都練馬区の塙光子さん(85)。塙さんは45年10月から47年春まで、GHQ民間検閲局(CCD)に雇用され、初めは東京中央郵便局で郵便検閲に携わった。約1カ月後に新聞検閲に移り、翻訳者として勤務。職場は雑誌や映画などの検閲も行われた東京・内幸町の放送会館(現存しない)6階にあり、平日は午前9時から午後5時まで働いた。月給は1200円で、当時としては高額だった。

《因みに46年 公務員大卒初任給  540円
    47年 銀行員大卒初任給  220円
    48年 公務員大卒初任級 2300円 の時代の話。》

 東京の新聞検閲は大手紙と通信社が日比谷の市政会館で、掲載前に事前検閲(48年7月まで)を受けた一方、地方紙や業界紙は放送会館で事後検閲が行われた。塙さんは「ゲラではなく、回ってきた新聞をひたすら訳した。大きな部屋で緊張感があった。上司の将校に訳を直されたこともある」と具体的な作業の様子を証言した。

 山本所長によると、郵便検閲に係わった日本人の手記などは比較的多いが、新聞検閲は関係者の数も少なく証言はまれ。80年代に事後検閲に係わった日系二世の女性の証言があるが、日本人の例は知られていないという。

 塙さんは「今まで人に話したことはなかった。秘密にしておくように言われたことない」と話したが、当時は検閲の事実自体が厳重に秘されていた。山本所長は「米国にとって日本の検閲は成功体験であり、最近、元検閲官らの証言を残そうという動きが活発化している。存命の日本人関係者は高齢化が進んでおり、聞き取りを急ぎたい」と話す。

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2010年1月22日 (金)

ノーマライゼーション条例

  さいたま市がノーマライゼーション条例をつくるということだが、カタカナ条例とは恐れ入る。ノーマライゼーション*は日本語では「正常化」だ。そうなら日本語で正常化条例でいいじゃないか。ただ、最近はこの言葉は社会福祉用語として障害者、健常者の区別をなくそう、という意味で適当な日本語がなくて横文字で使われているらしい。

 * -- 1960年代に北欧から始まった社会福祉をめぐる社会理念の一つ。障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方。また、それに向けた運動や施設なども含まれる。

 毎日新聞(1/20)から、《 》内は私見。
 さいたま市は、清水勇人市長がマニフェストに掲げた「ノーマライゼーション条例(仮称)」を1年後の12月市議会に提出する方針で準備を始めた。障害者の差別をなくし、暮らしやすいまちづくりを理念にうたう条例だが、肝心の障害者から「差別について市民が考える過程が大切なのに、検討期間が短い」と懸念の声が出ている。

《差別問題を考えるのに、期間が短い長いは関係ないと思う。何事も「隠す程に現れる」というのが隠したいものの、隠せない本質だが、差別問題も同じだ。何百年も続く部落問題も、長島愛生園に始まる癩の問題も、差別することはいけないと叫べば叫ぶ程隠れた部分、隠したい部分は現れる。それまで何も知らない人たちが、知らなくてもいいのに「それって何のこと?」となり、引き継がれ受け継がれて隠れ同調者を増やすことになるのだ。条例を作ることで障害者を浮き彫りにしてしまう。そうしておいてから、この人たちを労りなさい、同情しなさい、哀れみなさい、と上から目線で見るまでになる懸念があるだろう。》

《これまでにも折りに触れて書いてきたが、私の障害者に対する見方はまるで異なる。障害者を特別に障害者とは見ないし思わない。「なんだ、つんぼで何もきこえないくせに」或いは「めくら」「ちんば」或いは「どもり」のような会話ができてこそ人間同士の差別のないつき合いができる、と考える。学問所で塙保己一が蝋燭の光が消え、目の見える生徒が闇になって字が読めないとうったえた時、とっさに「なんと目あきとは不自由なものよのう」と口から出した言葉は、目の見えない世界の人間からの差別用語となるだろう。「ああ、めくらの特権ですね」。このような会話が、日常普通に交わせるようになったときこそ、対等といえるのだと考えている、現在のように腫れ物に触るような妙におどおどした、あるいは同情の押しつけのような態度は却って差別を明確にするものだ。》

 清水市長は昨年末の議会で、「障害者の人権を尊重し、安心して暮らせる地域社会を形成し、自立と社会参加を推進する条例にしたい」と述べた。同様の条例は06年に初めて千葉県が制定している。市は「政令市で初」を目指し、既に学者や弁護士ら9人と障害者1人の計10人で構成する検討専門委員会を発足させ、19日に初会合を開いた。7月末までに会合を7回開いて素案を作る計画だ。

 市はさらに2月にシンポジウムを開催するほか、公募した市民の意見を聞く「100人委員会」も10回開催するとしているが、千葉県では、条例案の研究会を一年間に20回開き、タウンミーティングを32回開催した。研究会の顔ぶれは、29人中12人が障害者本人か障害者の家族だった。

《どこが何回やったからこちらもそれに準じた回数必要だ、というのは参考にはならない。数打てば当たるというものではないだろう。》

 障害者関係の17団体でつくる市障害者協議会の浅輪田鶴子会長は条例を歓迎しつつも、「条例を作るために障害者と一般市民が盛んに意見交換して、市民が差別の実態を知ることが重要なのに、現状では市民がまったく無関心だ」と指摘する。市障害福祉課の担当者でさえ「市民の盛り上がりはない」と話す。

《さっきも書いた。何も知らないことが最善なのに、わざわざ差別を知らせ、障害者を意識させ、同情せよ、と教えることが本当に差別をなくすることになるのか、役立つのか。》

 車椅子を利用しながら地域で暮らす女性(40)も「市長主導で始まり、市民と温度差がある。半年余りで障害者と市民が権利や差別について認識を共有できるのか。ただ条例を作るだけでは実効性はない」という。

《「ノーマライゼーション」を知らなくても、駅の乗り換えの階段で、車椅子の女性を運ぶ人手が足りないのを見て、貸すことぐらいはしてきた。道路を渡る盲目の人の手を引いたこともある。また、そのような人をしばしば目にする。世の中、冷たい人ばかりではない。それらの人は、条例があろうがなかろうが、普通にすることだ。要するに、優先席と銘打っても、男も女も若者や健康人がどっかと腰掛ける電車のシートを見れば、差別の認識度は分かろうというものだ。》

 朝輪会長の協議会は2カ月に一度会合を開き、委員会に条例を実のあるものにするための提言をしていくとしている。

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2010年1月20日 (水)

少女水着画像、規制へ

 毎日新聞(1/19)から、《 》内は私見。
 「ジュニアアイドル」と称して水着姿の少女の写真をDVDなどで販売する行為について、東京都は保護者に対し自制を指導できるよう条例化することを検討し始めた。幼い子に扇情的なポーズをさせる「悪質」な商品に対し、都青少年問題協議会が「規制を検討すべきだ」と答申したことを受けたもの。一般的なジュニアアイドル商品は児童買春・児童ポルノ禁止法の摘発対象にならないが、答申は「被写体の年齢や姿態によっては虐待にあたる」という認識も打出している。

《昨年12月17日、「母が作る金目当ての児童ポルノ」で書いたように、実母らによる金目当ての児童ポルノが出回っていることを考えれば、「自制」を指導する範囲で十分な対処ができるのか不安だ。》

 ジュニアアイドルは、テレビや舞台に出演する子どもタレントを指すこともあるが、最近は、男性向けのDVDや写真集の被写体になる少女の呼称にもなっている。通常のジュニアアイドル商品には全裸や性器を露出するシーンはなく、現行の児童ポルノ禁止法の摘発対象にはならない。

 だが、ビキニ姿の少女に下半身を強調するポーズを取らせるなど、性的な刺激を狙う商品も一部で流通している。さらに被写体の低年齢化が目立ち、小学生や幼児にまで及んでいる。

《テレビに映る尻を振るだけのタレントの、低年齢化が進むことと、一攫千金を狙う保護者らが、競って売り込む姿はメディアでしばしば報道される。また、ただの肉のかたまりに過ぎないチビどもが、テレビで見慣れた女性タレントの恥ずかし気もない露出度で踊る姿を器用に真似て尻を振る。卑猥が歩く街なかに劣らず、テレビの中も麻痺したように卑猥で猥褻が詰まっている。》

 協議会は14日に都に提出した答申の中で、ジュニアアイドル商品のうち「幼児・小学生が半裸や水着姿で扇情的なポーズを取っているもの」を問題視した。「幼い子どもが自分の意思で被写体になるとは考えにくく、保護者が金銭を得る目的で出版社と共同し、制作・販売していると考えられる」と指摘した。

 さらに「子どもが成長したとき、自分の写真が性的対象として扱われていることを知った場合の精神的ダメージは大きい」とも論じ、都は答申を踏まえ、こうしたジュニアアイドル商品に子どもを売り込む保護者に対し、自制するよう指導する権限の条例化を目指すという。

《単純に自制を促すだけではこの問題は沈静化するとは思えない。世を挙げて金づるとしてのタレントを追いかけ、あわよくばわが子にも、と目の色を変えているのが今の世だ。》

 一方、答申の素案段階で都が都民の意見を募ったところ、「アイドルになりたい子の思いを規制すべきではない」「表現の自由を侵害する危険がある」との意見も寄せられた。

《それ見ろだ。自分勝手なモンスターペアレントばりの考えは世の中に蔓延している。対象を「悪」と判断するのなら、徹底的な取締り以外には対策はないだろう。それでも取締りを漏れる例は、掃いて捨てるほど散らばっている。保護者たちが正気に目覚めるまでは根絶など考えるだけ無駄だ。》

 都の担当者は「子どもタレント全般を問題にしているのではない。幼児や小学生を保護の必要な年齢ととらえ、性的対象にする風潮を抑止することが課題だ」と話している。

 警視庁は、金銭目的で子どもの猥褻な映像や画像を撮影、販売する親が増えているとして、被害防止対策を進めている。

《都も警視庁も、ケイタイを背景にした問題の一つも解決したものはあるのか。「問題だ、問題だ」、合唱の声だけは響くが、問題は広がるばかりだ。

1/21【追記】ずっと疑問に思っていることがある。
 戦前から小学校と二宮金次郎はつきものだ。苦労して出世した人物として現在でもしばしば取り上げられている。しかし、自ら行なった苦労とはいえ、必要あって親兄弟のために休む間もなく働いた(柴刈り、縄ない、草鞋を造り、弟を世話し、親の手助け)ことは、現在の法(少年保護法)に照らせば虐待だろう。それが何故か現在も美談として伝えられる。例えば敗戦後いち早く施行された上記の法は、少年の新聞配達さえ禁じている。

 ところが、現在の少年少女のタレントたちは、楽しみながら踊り狂っていても、対価を得ていると言うことでは立派な労働だ。労働の対価ということから見て新聞配達とどこが違うのだろうか。時代が変わったということで不問に伏されることなのだろうか。それともタレント業は、「労働」の範疇に含まれないのだろうか。

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2010年1月19日 (火)

シルバーカー 正しく使って

 毎日新聞(1/15)から、《 》内は私見。
 《「転ばぬ先の知恵」(武藤芳照記事)欄。シルバーカーという名の車とはどんなものか、ネットで写真を確認するまでその物が想像できなかった。「シルバー」は、いっとき老人世代をさす用語として電車のシートなどに使われていたが、いつの間にか弱者には妊婦や障害者もいることから、「優先席」と改名されており、シルバーは消滅したと思っていた。それには訳もあるのだが、シルバー世代も今や若作りが横行し、老人とて紫や茶色に髪をそめ、若い頃の記憶にある老人の、落ち着いたしっとりとした気品ある白髪の老人を見かけることが少なくなったからだ。同じようにシルバーカーと言いながら、写真にあるのはシルバーではなく、赤や青、黄色の色とりどりだ。それとも知らぬは私だけで、シルバーカーは一般的にすでに市民権を得た名なのだろうか。》

 転倒予防の市民向けの講演会で、参加者に必ず尋ねる質問がある。「転ばぬ先の杖といいますが、右脚が痛いとき、杖はどちらに突くのが正しいでしょうか?」。正解は、痛くない方の左側だ。体重を杖と痛くない脚に分散して、痛い方の脚の負担を軽くするとともに、安定してきれいな歩行に結びつけられるからだ。杖も使い方を間違えると、逆に脚を痛めたり、バランスを崩して転倒を招くことさえある。

 同様にシルバーカーも正しい使い方が大切だ。シルバーカーは、高齢者が外出する際、歩行の補助や品物の運搬、休憩に用いるために開発された車だ。手押し車のような形をしている。対象は、主に自立歩行が可能な高齢者だ。

《そう言えば、髪も車もシルバーではないが車に凭れるような格好になってヨチヨチと歩く老婆をよく見かけていた。自立歩行が可能な人が対象というが、路上や買い物中に、車がないと歩けそうにない人も結構見かける。》

 ところが、虚弱な高齢者が「シルバーカーに頼ればいい」と誤解して、シルバーカーを使って外出すると、もともと脚力やバランス能力が弱っているため、シルバーカーに体重を預ける形で移動し、バランスを崩しやすくなる。特にわずかな段差、溝、視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)などの凹凸を通過する際に、つますいたりバランスを崩し、からだを支え切れずにシルバーカーごと転倒する事故が起きる。

 国民生活センターには、そうした転倒事故で打撲、骨折、靭帯損傷などの怪我をした70〜80代の女性高齢者の事例が寄せられている。シルバーカーは、普段一人で歩行できる人が、あくまで補助のために使うもので、1人で十分に歩けない虚弱な高齢者が移動の補助に使うものでないことを銘記すべきだ。

《これは酷い話だ。売れればよい商売とばかり、使用法についてろくに説明もしないで老人に売りつけているのだろうか。それとも購入するに当たって店には使用する本人は顔を見せないのだろうか。これからの日本社会、ますます世界一長寿の老婆の比率が高くなる。シルバーカーの必要性はますます上がることになるだろう。販売する側に、使用する老人の健康状態の判断と、車に対する適応能力を見定められる能力が求められることになる。使用する側だけの問題ではない。間違って売ろうものなら、責任問題に発展する可能性すら含んでいる。》

 もう一つの誤解は、ショッピングカートとの混同だ。外観や形状が似ているが、本来の用途が違うので、ハンドルや座席の安定性、構造の強度がシルバーカーの基準を満たしていない。シルバーカーのつもりで使えば、当然、つまずいたりバランスを崩す危険性が高まる。歩行補助具としてのシルバーカーは有用だが、その選び方と使い方には、注意が必要だ。

《これでは相手を見て十分な説明をして売ってくれる販売店で購入しないと、怪我するのは「そんなもの」を使う方が悪い、とでもいうような書き方だ。記事のように老人が選択を誤れば怪我の危険性の伴うものは、売る側にこそ説明責任を持たせるべきだろう。》 

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2010年1月18日 (月)

午後10時には「強制退社」

 毎日新聞(1/18)から、《 》内は私見。
 東京・銀座に本社を構える化粧品最大手の資生堂がある。その本社ビル内は午後10時になると一斉に完全消灯する。仕事を終えられず、同時刻以降に退社する社員は通用口で警備員に呼び止められ、所属と名前を申告しなければならない。

 このシステムは無駄な残業をなくそうと、同社が昨年4月に導入した「強制退社制度」だという。銀座のほか、汐留、五反田などの4事業所が実施している。「社員は周囲を気兼ねしあい、だらだらと仕事をしがち。ある程度の強制発動が必要と判断した」と人事部の本多由紀参事は語る。

《昨年4月からとは随分と経営に余裕があったとみえる。さすが最大手と言われる所以(ゆえん)だ。中小企業など、残業は帰社時のチェックなどでしていては無駄が生まれることを知っている。事務職とは違い、現場作業では、他人の進捗(しんちょく)状況を横目で見ながらでは仕事にならない。作業管理が行き届いているところでは、目標に対して所要時間を読み、自らが残業になるようなら前もって終了時間を申告する。

《一般事務職にできないわけがない。この会社、昨年4月まで、いかにのんびりと仕事していたかわかろうというものだ。昔から毎日、時間を稼ぐだけの残業をする人間がいなかったわけではない。特に家庭を持っていれば残業代で得られる収入が生活の足しになる。現在ではウインドウで見かけた洋服やブランドのカバン、宝石など「ああ,欲しい」、と1時間で処理できる内容でもそれ以上かけて働いてる振りをする。「今月は金がかかりそうだ、残業代で稼ごう」と残業を考える。

《敗戦後の復興期、一国の総理大臣が「貧乏人は麦を食え」と発言して物議をかもした時代があった。以前若い頃の職場の上司の説教を書いたことがある。100時間残業など当たり前の時代だった。だが、「高い材料を失敗して無駄にし会社に損害をかけ、やり直して残業になったから給料よこせとは虫がよすぎる」「コロッケしか食えない給料の奴が贅沢な肉なんか食うなよ」と。一つのコロッケでも余計に食べたい、と死にもの狂いで働かなければ生きて行けない時代だった。現在のように路上生活をしているとはいえ、着膨れする暖かそうな衣服や、立派なカバンをさげた人間を、政府や世間が金銭や宿泊施設まで手厚い保護をしてくれる時代ではなかった。それだけに、その手厚い保護に後足で砂をかけるような見下げ果てた根性の奴が出ることには心底腹が立つ。

《後日、改善された職場に残業制度が導入されたが私は手当がつかない役職についていた。この時から2度の定年退職を経験した会社勤めの間、ただの1度も残業代を手にすることがなかった。》

 違反者は、居残りをした理由を記した始末書を所属長に提出しなければならない。月例の部門長会では部署ごとの違反件数も報告され、仕事の質が比較・検討されてしまう。申請すれば午後10時以降も行える仕事もあるが、時間を決めて行うシステム点検や、時差のある海外関連業務などに限られる。

 就業時間を厳密に設定することで、効率的な仕事の配分が期待できる。制度に不慣れな導入当初は違反者が続出したが、現在は違反者はほとんどいないという。昨年11月の「ワーク・ライフ・バランス週間」には、強制退社時間を試験的に午後8時に繰り上げた。「服飾メーカーや証券会社には午後7時の例もある。まだまだ」(本多参事)

 同社は前田新造社長の号令の下、仕事と家庭を両立できる環境づくりに取り組んできた。07年導入の「カンガルースタッフ制度」は、子育て中の美容部員の仕事をアルバイト職員が代行し、育児休業などを取得しやすくする内容で、出産退職をほぼ撲滅できた。今後は介護制度の充実が目標という。

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2010年1月16日 (土)

改正臓器移植法が規定 親子、配偶者間に限定

 毎日新聞(1/14)から、《 》内は私見。
 改正臓器移植法が、明17日から一部施行され、臓器提供者(ドナー)から親族に臓器を優先提供できるようになる。親族の範囲や優先提供の意思表示の仕方など、主な変更点をまとめた(記事:河内 敏康)。

 Q 臓器提供の相手が選べるようになるのか

  ドナーが脳死や心停止になると、匿名の第三者に臓器を提供するのがこれまでのやり方だった。移植医療を国民に普及させるためにも、移植を受ける機会が偏らず、平等になるよう配慮された。今月17日からは、ドナーが書面で意思表示した場合、親族に優先提供できるようになる

 Q 海外にも同じ制度はあるのか

  ドナーの意思表示によって臓器の優先提供を認めている国は他にはない。韓国には、待機リストに親族がいると第1位の順位になる制度があるが、ドナー本人が優先提供を選ぶことはできない。

《これは、別表の最後に書かれているように、親や配偶者のため或いは大事な人のためにドナー本人が優先提供を目的に自殺することを防止するためだ。》

 Q どうして親族優先を始めるのか

  改正臓器移植法の審議で、提案者の議長から「命の受け渡しをした親子、配偶者の心情を考えて認める」という提案があったから。確かに臓器提供を受ける人(レシピエント)が親族にいて、自分がドナーになったら臓器をあげたいと思うのは心情として分かる気もする。一方で、移植を受ける機会の公平性を揺るがし、移植医療の普及を妨げる結果につながる危険性もある。優先提供の意思表示をする場合、この点をよく考える必要があるだろう。

《親子、配偶者に限らない、兄弟姉妹の誰にでも、赤の他人よりも、わが命に変えても優先提供したいのが普通の人間の心情だ。そこに平等だの公平性だのを持ち込んでも誰もが博愛精神を持っているわけではないだろう。他国にはないことだ、とおっしゃっても、他国は他国。風土、宗教、家族愛など根っからの日本人には割り切れる問題ではない。メスを片手に手ぐすね引いて待ちわびる医師たちには悪いが、法を改正したからって、ドナーはそうそう大量に増えることを期待しないがいい。》

 Q それで親族はどこまで認められるのか

  厚生労働省が作成中の運用指針(ガイドライン)では、親族は親子と配偶者に限っている。戸籍上も実の親との関係を絶つ特別養子縁組み以外の養子縁組みや、事実婚も認められていない。

 Q 兄弟姉妹はだめ?

  だめ。厚労省の審議会で、一部の委員から容認を求める声もあった。しかし、移植を受ける機会の公平性を保ち、臓器提供を行う際の実務上の混乱などを避けるため、限られた範囲で始めることになった。

《公平性、平等の精神といいながら、事務処理上などの混乱を避けるためとは片腹痛い話だ。》

 Q 優先提供の意思表示はどのようにするのか

  法律では書面による意思表示を求めている。国は、移植の斡旋などを行う日本臓器移植ネットワークの臓器提供意思登録システムの活用を薦めている。別人がなりすまして意思表示するのを避けるためだ。このシステムは、ネットワークのホームペジ上で生年月日や住所など個人情報を入力すると、ID入りの登録カードが送られ、それに基づいて手続きをするので、比較的安全な手法といえる。また、従来の意思表示カード(ドナーカード)や、意思表示シールを貼った保険証などの余白に「親族」「親族優先」などと書いても有効だ。日記などでもいいが、臓器提供時にすぐに見つからない場合があるので、他の確実な方法にした方がいいだろう

 Q 個人名を書くことは?

  大丈夫だ。ただし、特定の個人を指定しても、実際には親族への提供意思ツィて解釈される。例えば、A氏にB、Cの子どもがいて、2人とも同じ病気でレシピエント登録しているとする。A氏が生前、「Bへ」と優先提供の意思を書面で表示していたとしても、医学的に優先順位が高い子の方に臓器は提供される。そのためA氏の意思と異なり、Bではなく、Cに臓器が与えられるケースも考えられる。

 Q 親族だけにあげたいというのは?

  無効だ。まず第三者への提供の意思があって、その上で優先提供が認められるからだ。そのため臓器提供の意思表示の書き方には注意が必要だ。

《まだ疑問は残る。最近はやりの遺言書(法的に有効な)だ。自殺ではなくても自動車,飛行機や船舶、街路上でさえ、死亡することは十分考えられる。その人が臓器提供の意思表示に親族以外の提供を拒否、或いは特定の人の名を書いていれば、どのように処理するのだろうか。》

 臓器移植の主な変更点<親族優先提供)
1)親族の範囲は、配偶者と親子(養子と事実崑は除外、特別養子縁組みは容認)
2)親族への限定提供は無効
3)個人名での指定は、個人でなく、親族への提供として扱う
4)親族間での優先順位づけは、順位通りでなく、親族への提供として扱う
5)優先提供の意思表示ができる年齢は15歳以上
6)優先提供が受けられる年齢は特に制限なし
7)意思表示は書面で(日本臓器移植ネットワークの登録システムのほか、意思表示カードや、意思表示シールを貼った保険証などに「親族」などと書き込む
8)自殺したドナーからの優先提供は認めない

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2010年1月15日 (金)

300日規定「違憲ではない」

 毎日新聞(1/15)から、《 》内は私見。
 「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とする民法772条の規定は、憲法の「法の下の平等」に反するとして、岡山県総社市の両親が国と同市に330万円の賠償を求めた訴訟の判決が14日、岡山地裁であった。古賀輝郎裁判長は「規定には合理性があり、違憲ではない」として請求を棄却した。原告側は控訴する方針という。

 判決によると、母親は前夫との離婚後221日目の08年11月に現夫との間に女児を出産したが、民法の規定により、現夫の子とする出生届が不受理とされた。さらに離婚前の妊娠だったため、「300日以内の出産でも、離婚後の妊娠と医師が証明すれば受理する」との法務省通達の救済からも外れた。

 このため女児は無戸籍となったが、09年2月に岡山家裁倉敷支部で認知調停が成立、現在無戸籍は解消されている。

 原告側は「離婚が遅れたのは前夫が応じなかったためで女児に責任はなく、法の下の平等を定めた憲法に違反する」と主張したが、古賀裁判長は「無戸籍状態を避けるための法的手続きがあり、今回も認知調停により無戸籍は,解消されている。不受理が原告に不利益をもたらしたとは言えない」などと述べた。

《300日問題は、昨日今日取り上げられて問題になったことではない。離婚前の妊娠が生まれる子にどのような不利益をもたらすか、全国に余りにも多い事例として何年も前から明るみに出ている。それを知らぬわけではあるまい。夫がどのような乱暴者であろうと、酒乱であろうと、離婚前の妊娠は夫ある身の女には、夫以外の男との浮気、姦通、密通、不倫の結果でしかない。女が言うように、生まれてくる子に責任などあるはずがないことは誰にでも分かる。それでは一体誰の責任か。夫の知らぬところで法を無視して不義を働いて妊娠した女と、他人の妻を妊娠させた男との2人の責任だ。時代が時代なら(韓国では現在でも男女ともに姦通罪で)夫が訴えれば断罪されていたものだ。そのような不純な関係を私は「愛」とは呼ばない。生まれた子はそのような2人の被害者で、妻と男(現夫)は自分らこそ子に対して加害者というべきものだ。
 まして岡山家裁倉敷支部では、法に照らせば無戸籍児となってもおかしくない女児を、温情ある認知調整までして無戸籍を解消しているのだ。これ以上何を求めようとするのか。「離婚が遅れたのは前夫が応じなかった」からというのは、自分たちが法を守らなかった非を棚上げにした上、「法の下の平等」をいい、金をよこせとは、これこそ盗人猛々しいというべきだろう。裁判長の「(訴訟)不受理が原告に不利益をもたらしたとは言えない」とは尤もな結論というべきだ。》

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2010年1月14日 (木)

クリスタルCD

 毎日新聞(1/14)から、《 》内は私見。

 ガラスでできたクラシック音楽のCDを2006年に世界で初めて製作し、温室の良さで衝撃を与えたクラシイクレーベルのN&Fが、セーラー万年筆と共同でさらに良質の新「エクストリーム・ガラスCD」の生産に乗り出した。ガラスCDが量産化に走り始めようとしている中で、徹底的に手作りにこだわることに最大の特徴があるという。

 西脇義訓プロデューサーは「ガラスCDは音が良いというこだけでなく、二つの目的を持っている。優れた文化遺産である録音を永久に保存することと、音楽がネット配信の時代になりつつある中でディスクの文化を絶やさないこと」と意義を語る。

Image0001《ガラスCDといえば、昨年9月発売のフルトヴェングラーのクリスタル・ディスクがある。所属しているフルトヴェングラー協会からの案内で知ったが、基盤にポリカーボネイト(プラスチック)の代わりに光学用ガラスを用いたもので、音楽信号のピットを形成するために、液状の樹脂を用いた紫外線硬化方式を採用している。従来製法より高精密なピット転写を実現することに成功したという。想像を超えた高音質といわるが、通常のCDプレーヤーで再生が可能だ。》

《数あるベートーヴェンの第九の中でも、モノーラルでありながら、彼の演奏を越える第九はないともいわれるものだが、カットの写真でも見られるように、その定価(1枚20万円)のすごさにはちょっと手が出せない。ついでながら次の参照の内容は、冒頭で、CD74分が企画化された経緯に触れて書いてみたものだ。》

参照 師走、ウィーン会議(オスロ・プロセス)1007/12

《記事にあるガラスCDの価額がいかほどに設定されるのか不明だが、クラシックファンがせめて、エーイっと踏ん張って財布の紐を緩める程度にはなって欲しいものと思う、因みに20万円の第九はとても買える代物ではなかった。》

 福井末憲ディレクターは「量産化するとコスト的にはいいが、手作りのプロセスで気づくことはたくさんある。マスターテープから一品一品を、工芸品のような気持ちで作っていきたい」と語る。

 2人の夢は「今、永久保存しなければ壊滅してしまう世界の名演を、最高の状態で聴けるようにすること」だ、という。

《志や良し、しかし、世界の名演、最高の状態といいながら、価額が一般的でなければ、クラシックファンの誰もが享受できるものではなさそうだ。せめて公設の機関などが備えて一般に開放してくれなければ、開発者のマスタベーションになるか、特権階級だけの宝の持ち腐れで終わることになりそうだ。

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2010年1月12日 (火)

性別変更した夫 妻が人工授精で出産

 10日、11日と分かれた成人の日の催しで新成人が世にでた。毎年のことだが、恥ずかしい新人も飛び出す。住んでいる街で10日に目にした。ベンチに掛けて会場への時間待ちをしている、成人式の制服のようになった白い襟巻きに和服姿の女性の2人連れ。解禁だとばかりに、スパスパと煙を吐いて喫煙だ。隣には何人かの袴姿の男性が、同じくたばこを口に何事かを叫びながら駆けずり回っている。会場前の道路に駐車(禁止区域)した母らしき女が、反対側を歩く娘を見つけ、道路側に車から身を乗り出して2人の娘を呼び、通行中の車にはお構いなしに道路中央で乱れた着付けを「何で、こんな・・・」、「分からないよ」と直している。老人が道を歩いていても目にはなく、身を避けようともしない。他にもこの車の女のように、ヘリコプター化した親が結構くっついて会場まで来ているのを実際に見ると、日本で成人年齢を18歳にするのは無謀すぎるようでもある。

 毎日新聞(1/11)から、
 心と身体の性が一致しない性同一性障害のために女性から男性に戸籍を変更した夫と妻が、第三者の精子を使った人工授精でもうけた子について、法務省が非嫡出子として扱うよう求める見解を示していることが分かった。障害による性別変更を認めた特例法の施行後、法務省が把握する同様の相談例は全国で6件に上る。「生物学的に出産は不可能」との理由だが、反発の声も上がっている。

《身体が女でありながら、自分を男以外には思えないという障害。結果女から男に性別を変えたが、身体は女のままだ。戸籍上便宜的に男として認めましょうということだが、精子を作る器官も男性器もなく、女を妊娠させることは不可能だ。ここまでで、障害から来る欲を納めておけばいいのに、欲の上の欲を求める。不可能な子どもまで欲しがることになる。当然道はある。そう,養子縁組みをすれば求めるものを得ることが可能だ。しかし、記事の女性で男性の夫は、妻を他の男からもらった精子で妊娠させ、出産させたことで問題となった。》

 08年3月に女性から性別変更した兵庫県宍粟市の自営業の男性(27)は、実弟から精子の提供を受け妻が昨年11月に出産した。市に出生届を出したが、性別変更を理由に受理を保留され、子を非嫡出子として届け出るよう指示された。男性は8日に嫡出子として改めて出生届を投函した。市が非嫡出子として手続きを進めた場合には、神戸家裁に不服申し立てをするという。市が法務省に判断を仰いだところ、「非嫡出子に書き改めるように」との回答があったという。

 04年施行の特例法は、戸籍の性別変更を可能にした。法制度上の戸籍変更や婚姻は可能だが、法務省によると、子については「同性同士で子をもうけることは不可能」との考えから、自治体からの問い合わせには非嫡出子として受理するよう通知しているという。

《法律には全くの素人の私には、法解釈上の難しい論理は分からないが、生物学的に、法務省の考えに全く同感だ。》

 法務省によると、夫以外の提供精子を使う非配偶者間人工授精の場合、生来の男性と女性が届け出ても非嫡出子と判断される可能性がある。実際には人工授精の事実を自治体に届け出ることはなく、嫡出子として受理されているという。

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2010年1月10日 (日)

母親の高学歴志向

 毎日新聞(1/10)、昨日に続くベネッセの調査から。
 調査は首都圏の小3〜中3生を持つ母親を対象に実施。
  98年12月(4475人)
  02年9月(4896人)
  07年9月(5315人)の3回に亙って調べた。

 昔からの「トンビがタカを生む」、とは目立つ存在でもなかった親から優れた子が生まれることをたとえて言う言葉だ。タカがタカを生んでも当たり前で普通のことだから驚かないが、もしもトンビが生んだなら、それは驚く。大前提として、タカの子を生むためには親がタカでなければならない。

 これを人間世界に移して今の世の中の「格差社会」というはやり言葉で言い換えれば、金持ちの子はいい学校に進めるが、貧乏人の子には無理だから諦めるがいい、ということだろうか。だが、だからこそ、それに抵抗するのが親、特に昔からママたちだ。磨けば光る鉱石か、磨いても・・・、そう、勉強、また勉強で子の尻を引っ叩くことになる。

 それには抜け道がないわけではない。アメリカなどはノーベル賞を受賞したことのある所謂秀才などの、精子バンクなるものがあり、これとてカネに糸目をつけなければ、タカが生んだトンビでも、うまく行けばとんでもないタカに生まれ変わる可能性もある。

【閑話休題】
 普通の生活ができる学力よりも、できるだけいい大学に入れる力を。
 ベネッセ教育研究開発センターがまとめた母親の学力感・勉強感の調査結果をみると、わが子に求める学力が年々、高くなっていることが分かる。

 98年と07年の調査結果を比べると、「将来普通の生活に困らないくらいの学力があればいい」と答えた母親は58・1%から47・0%に減少。これに対し、「できるだけいい大学に」と希望する母親は18・0%から25・5%に増えた。

 親の希望の変化は、危機感の表れともいえる。「学校生活が楽しければ、成績にはこだわらない」という母親は35・8%から22・4%に減ったほか、「そんなに勉強しなくてもなんとか進学できるだろう」も7・3%から3%と半分以下になった。

 02、07両年の調査結果をみると、「いい学校に入れるには塾に通わせる必要がある」が17・4%から20・5%に増加。「高学歴よりも資格を身につける方が将来役に立つ」と考える親は43・6%から38・2%に減った。

《勉強勉強で、子どもの心がゆがみ、親への反抗から憎しみや遂には家庭の破壊、犯罪へと走る話がメディアを賑わしている。高校卒業に際してヘソ曲がりの私にしたためてくれた恩師の毛筆の5文字、「平常程是道」を贈っておこう。》

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2010年1月 9日 (土)

「妻に必要とされている」が2割

 回答は自己診断だというが、自覚がないのか、謙遜だろうか事実そうなのか。一家の大黒柱として尊敬され、頼りにされていた「父」の姿は遠くなり、影の薄い存在になったようだ。

 毎日新聞(1/8 夕刊)から、
 乳幼児のいる家庭で「妻に必要とされている」と強く思っている男の割合は全体の約2割《!!》に過ぎないことが、「ベネッセ次世代育成研究所」(東京都千代田区)の調査で分かった。05年の前回調査と比べて約14ポイント減った。育児休業の取得経験者は微増だった。

 「乳幼児の父親についての調査」で今回が2回目。09年8月、0〜6歳の子をもつ首都圏の父親にインターネットで調査し、4574人から回答を得た。

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 「自分は妻に必要とされているか」の質問に
            今回       前回
 とても当てはまる・・ 21・1%    35・3%
 まあ当てはまる ・・ 60・4     55・9
当てはまるの合計は、81・5%だが、前回比では9・7ポイント減った。
 あまり当てはまらない 15・2%    8・0%
 全く当てはまらない・・ 3・3     0・8
と、大幅に増加した。
 「家事・育児に今以上に係わりたいか」の質問に「はい」と答えた父親は54・2%(前回47・9%)。しかし、育児休暇制度を利用したことがある人は3・9%(同2・4%)にとどまった。
 育児休業制度を利用しようと思わなかった比率は減少したが、取得しない理由の「職場に迷惑をかけるから」が増加し、厳しい現場の実態が浮き彫りされたようだ。

  同研究所は「他の設問の回答も踏まえると、妻との関係は悪くはなさそうで、経済的な不安を受けている人が多い。家族を養う父親の存在のぐらつきが影を落としているのではないか」と推測している。

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2010年1月 8日 (金)

人口減少への早急な対応を

 20代、30代女性の結婚しても子供はいらないが6割を超え、
 1人暮しの世帯はすでに34・4%になり、
 男性より凡そ7年長生きすることで老婆比率が高くなる。
などから国力は衰え、放っておいても遠くない将来、日本という国は地球上から姿を消すだろうと、昨年12月20日のブログに書いた。

 毎日新聞(1/8)から、
 今回のタイトルは、日本総合研究所理事の翁 百合の記事だ。彼女は「経済観測」欄に書いている。

 厚生労働省が1月1日に発表した人口動態統計の年間推計によれば、昨年国内で生まれた日本人の赤ちゃんの数は08年より約2万2000人少ない106万9000人で、戦後最低だった05年の約105万2500人に次ぐ低い水準となり、団塊ジュニアの出産で多少盛り返していた出生数は減少に転じたとみられる。

 一方で死者数は、9年連続で増加し戦後の統計作成開始以来最大の114万4000人となり、出生数から死亡数を差し引いた人口増減は7万5000人の減少で07年以降3年連続減少、過去最大だった08年の5万1000人を上回る減少幅となったとみられる。

 このように、わが国では人口減少に拍車がかかっている。問題は、少子化による人口減少が一段と急速化していることである。その大きな背景の一つは、景気低迷により若年層の生活が不安定化していることだろう。世界的な金融危機による欧州向け輸出の落ち込みを受けて、製造業の非正規雇用は減少し、失業者は昨年1年間で大きく増加したほか、新卒の就職も困難を極めている。昨年末に打ち出された成長戦略で雇用拡大は大きな柱となっているが、若い人々の雇用を確保し生活を安定させることは、少子化の加速を止めるためにも極めて重要だ。

《メディアが報道するほど国全体の若年層の生活が不安定化しているとは思えない。豊穣の生活に慣れ、本当の貧乏を知らないで苦しいとは言いながら、カジュアルであっても相変わらず華美な服装のファッションは街を埋め、ケイタイを複数台所有し、旅行(海外旅行も含めて)にもせっせと出かけている現状もある。》

《また、流行に敏で、ファッションに限らず、化粧品(男性まで加わって)に消費し、整形をしても痩せることに金を使い、裏腹にも健康のためと称してサプリメントに浪費が加わる。耐えること、我慢することを知らず、その挙げ句が苦しい苦しいの大合唱だ。》

 もう一つは、やはり保育環境の整備など、働く若年層への保育支援であろう。子ども手当が支給されることはこの点でプラスであるが、待機児童が増加して現在の子育て環境では、子どもを産むことを躊躇せざるを得ない就業女性も少なくない。我が国の今後の持続的発展の可能性を考えたとき、若年層の雇用や子育て環境の整備は最も優先されるべき喫緊の課題の一つだろう。

《このところ、はやり言葉のように「喫緊」の文字をよく見るが、それはさておき「子育て環境」をいうのに、親が育てる環境ではなく、産んだ子は他人に預けることが子育ての前提になった考えで成り立っている。本当にそれでよいのか、それが「社会が育てる」ということの本質なのか。この疑問は繰り返しブログでも取り上げて、違うだろう、と考えを述べてきた。その結果が学級崩壊を招き、情緒不安定な子どもたちを生んでいることを。》

《また、待機児童の増加を心配しているが、暮れに発表された『男女共同参画社会に関する世論調査』の動向で推移すれば、すぐにも子どもを産まない世代が後を追いかけている。現在せっかく作ろうとしている託児所、保育所も、すぐにその多くが余分なものになり、不要のものになる。それらのことも見通しての翁女史の記事であってほしかった。》
 

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2010年1月 7日 (木)

ガンブラー被害急増

 分からない、知らない言葉がどんどん目につく、今度はガンブラー(Gumblar/別名GENO)。辞書を開いたが意味がつかめない。

新種のコンピューターウイルスということだが、私が使用してきたパソコンは、MS-DOSの時代 を通り、初期ウインドウズ3・5までで、以降は画像処理を主に取り扱うことですぐにマックに切り替え、現在までずっとマックを使用している。そのため、パソコンでは弱小シェアの特異性で、コンピューターウイルスとは無縁の機種であった。最近、マック上にウインドウズの組み込みが可能になったことで、余計な心配が生まれるのだろうか。今現在、まだ、手持ちのマックにはウインドウズを組み込んでいない(組み込めない)ので、一安心といくのだろうか。

 毎日新聞(1/7)から、
 改竄された企業や個人のウェブサイトを閲覧した利用者のパソコンが、有害サイトに誘導され、ウイルスや不正プログラムを埋め込まれてしまう「ガンブラー」と呼ばれる新種のコンピューターウイルス被害が多発しているという。ウイルス対策会社によると、国内で約3500件以上のサイトが被害を受けているとみられ、独立行政法人「情報処理推進機構」は注意を呼びかけている。

 同機構によると、ガンブラーによる被害はまず、企業や個人のウェブサイトを管理するパソコンから盗んだ管理用パスワードで、何者かがサイトに不正侵入。サイトの内容が書き換えられてウイルスが仕掛けられると、サイトを閲覧した利用者のパソコンが別の有害サイトに誘導され、他のサイトのプロブラムをダウンロードする機能を持つ不正プログラムやウイルスが自分のパソコンに埋め込まれてしまう可能性があるという。

 ウイルス対策会社「カスペルスキー」(東京都千代田区)によると、ガンブラーによる被害は昨年5、6月ごろから目立ち始め、昨秋から急増しているという。昨年末にはJR東日本やホンダなど大手企業も自社のサイトを改竄されたことを公表した。年明け以降も民主党東京都連などでホームページの改竄が明らかになり、6日にはローソンや京王電鉄も被害を公表した。

 同機構によると、パソコンにインストールされている各種ソフトが最新版なら、改竄されたサイトを閲覧しても有害サイトには誘導されない。同機構は「ソフトが最新版か確認して、古いバージョンなら更新してほしい」と話している。


 

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2010年1月 6日 (水)

ネズミが逃げた、ナマズが暴れた で、地震を科学しよう

 昔から地震の前に、ナマズが暴れる、ネズミが集団で逃げ出す、水槽の中の金魚が暴れる、など地震予知の異常現象がもっともらしく民間伝承のように伝わっていたが、これらをまとめて真面目に、日本でもトップクラスの大学の先生たちが加わって本腰を入れて科学してみようという話になった。長年に亙って未確認飛行物体に取り組んできた英国が、それこそ未確認のまま結論も得られずに研究チームを解散させたが、UFOのような荒唐無稽な相手ではなく、こちらは何とか科学で解明される、正月早々、夢のある研究になりそうだ。

 毎日新聞(1/6)から、 
 空が赤く光るといった地震前の非日常的現象の情報を集め、地震予知に生かそうという取り組みが今月から始まる。科学では分からない「未科学」の部分を解き明かそうという試みで、「関西サイエンス・フォーラム」(会長=秋山喜久・関西電力相談役)が計画した。京都大や大阪大などの地震や気象、生物等の研究者約30人が参加、一般からの情報も募る、という。

 地震前の非日常的な現象は宏観(こうかん)異常現象と呼ばれ、テレビの画面がノイズで乱れた、▽ネズミが家屋から逃げ出した──など、国内外で数多くの報告がある。地殻が壊れ始め、電磁波や地電流が発生する▽地震前に大気中のイオン濃度が上昇する──など諸説あるが原因や地震との関係は証明されていない。

 【地震前の非日常的な現象の事例】
  ・牛や馬が小屋から出ようとした
  ・ネズミが大群で逃げ出した
  ・ミミズが大量に地面に出てきた
  ・雀や鳩、カラスが一斉に逃げ出した
  ・ナマズが暴れた
  ・深海魚が捕れた
  ・魚が捕れなくなった
  ・植物の生体電流が変化した
  ・竜巻状の地震雲が出た
  ・空が赤く光った
  ・テレビの画面がノイズで乱れた
 (「地震前兆情報の利用活用を考える会」による)

 計画では、拠点となる「宏観異常情報研究センター」を神戸市中央区の「人と防災未来センター」に開設。全国の研究者や企業、一般から情報を集めて、同フォーラムの専門部会「地震前兆情報の利用を考える会」が予知に有効かどうか科学的に分析する、としている。同フォーラムは、関西経済連合会や関西経済同友会などが92年に設立。考える会は、阪神大震災(95年)を機に96年に組織された。

 部会長の熊谷信昭・兵庫県立大学長は「宏観異常現象を広く収集し、科学的な観測データとも照合することで確度の高い地震予知ができる可能性がある。未科学の現象を切り捨てず、科学的に分析し、地震直前予知の手がかりを探りたい」と話した。

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2010年1月 5日 (火)

首相の伊勢神宮参拝

 何するでもなく、紅白も関係なく、初詣にも行かず、録りだめたクラシックのCD化、DVD化三昧に明け暮れるだけで無策に過ごした年末年始であった。小学生の頃、歯の健康優良児であったため、自信過剰で大人になり、日常の手入れも怠りがちだったせいで、今になって虫歯も増え、固い物が噛み砕けず、暮れから通い始めた歯の治療中で、折角のおせちも味気ないものになり、散々な正月を過ごしていた。

 さて、正月らしい話題もないままに、ブログが疎かになっていた。そろそろ始めないと・・・・。

 毎日新聞(1/5)「なるほドリ」から、要約と《 》私見。
 鳩山由紀夫首相が昨年、伊勢神宮(三重県伊勢市)に行った。政権交代前から毎年行っているようだが、決まりなんだろうか。

 決まりごとではないが、慣例になっているようだ。戦後初めて伊勢神宮参拝をした首相は、1955年に訪れた鳩山首相の祖父・鳩山一郎だ。佐藤栄作元首相が65年のお正月に参拝してからは、ほぼ毎年歴代の首相が伊勢神宮を参拝している。東海道新幹線が開通したため、東京から日帰りで訪れることができるようになり、他の公務に支障が出にくくなったからだと言われてる。

 Q 東京にも神社はいっぱいあるのに、どうして伊勢神宮に?

  伊勢神宮には皇室の先祖とされる「天照大神(あまてらすおおみかみ)」が祭られており、日本の神社の中で最も格の高い神社とされている。神社の大半が加盟する神社本庁でも、「本宗」という特別な位置づけになっている。また、日本を代表する神社として国民に親しまれ、古くから「お伊勢参り」が盛んだった。国民を代表する首相の参拝先としても、伊勢神宮がふさわしいとの判断もあるようだ。

《内宮や外宮の境内から出土した遺物から、古くからの祭祀の場であったことが推定されているが、現在、内、外と呼ばれる神宮は、元々は別々の祭殿であったろうとの説もある。672年(壬申の乱)の混乱の後、律令国家を目指す日本としても、日本の天皇家にも中国の祖霊廟のような風格のあるものが必要と考えられ、元々の祭祀の場に、祖霊廟、神宮の創建に着手、内宮(690年)、外宮が現在の位置に建立されたとされる。「あまてらすおおみかみ」を祖とすることについては後々明治維新を経て、西洋列強との関係から天皇家格付けの必要性があったものと推量する。そもそも皇室の先祖とされながら明治になるまで、持統天皇(天皇在位、690〜697年「女帝」)の参拝以降、伊勢神宮を全く無視したように参拝はしていないのだ。》

《また、「お伊勢参り」が国民に親しまれていたとの指摘だが、ただのお祭り騒ぎのようなもので、囃し立て、おちゃらかすだけのことで、天皇家の祖とは何の関係もないことだろう。天皇家に近いと言えば、世界遺産にもなった熊野神社の方が余程近しいものだ。熊野への行幸は1090年の白川上皇からと言われているが、彼は9回、後白河上皇に至っては33回の行幸(熊野詣で)を行っているのだ。天皇家が伊勢神宮よりも熊野神社を如何に大切に考えていたか分かろうというものだ。》

 Q 参拝は、首相としての仕事なのか

  それは違う。政教分離の観点から、首相の伊勢神宮参拝はあくまで「私人」として行われることになっている。たとえば「玉串料」は公費ではなく、首相のポケットマネーから支払われるなどしている。ただ、例年閣僚を伴って参拝している点などに対し、私人とは言えないとの指摘もある。

 Q 同じ神社でも、靖国神社に行くとたくさんの人が抗議するのに、伊勢神宮だとそんなことはないのは

  小泉純一郎元首相はかつて靖国参拝を批判されたとき、「伊勢神宮はよくて、なぜ靖国はダメなんだ」と開き直った。伊勢神宮についても、政教分離の観点から首相の参拝を批判する声はある。ただ、靖国神社は戦前、国として戦死者をまつり、戦後もA級戦犯が合祀されるなど、特殊な性格を持ち合わせている。だからこそ、首相の参拝に賛否が沸き起るのであって、この点は伊勢神宮には当てはまらない。

《小泉の開き直りは歴史に疎く、ものの道理が理解できない無知からくるもので、怒る気にもならない。》

《正月ついでに。神社や仏閣の参拝客数を競うような数字が発表されるが、例年全国トップの数を誇る明治神宮。300万人以上の善男?善女?が集まる。明治神宮のこと分かっているのかな。私は東京、東京近辺の地でかれこれ半世紀以上生活しているが、そこに行ったのは初めて上京した年に、どんな所なのかと、1度っきり。参拝は勿論、初詣にも行かない。だいたい祭られている明治天皇や后を神とは思っていないからだ。彼は遺言によって京都市伏見に、后であった昭憲皇太后と伏見桃山陵で眠っている。明治天皇は、明治45(1912)年7月30日、后は遅れて大正3(1914)年死去後、ともに神として、大正4(1915)年に工事着工、9年11月1日完成した明治神宮に祀られているのだ。》

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