クリスタルCD
毎日新聞(1/14)から、《 》内は私見。
ガラスでできたクラシック音楽のCDを2006年に世界で初めて製作し、温室の良さで衝撃を与えたクラシイクレーベルのN&Fが、セーラー万年筆と共同でさらに良質の新「エクストリーム・ガラスCD」の生産に乗り出した。ガラスCDが量産化に走り始めようとしている中で、徹底的に手作りにこだわることに最大の特徴があるという。
西脇義訓プロデューサーは「ガラスCDは音が良いというこだけでなく、二つの目的を持っている。優れた文化遺産である録音を永久に保存することと、音楽がネット配信の時代になりつつある中でディスクの文化を絶やさないこと」と意義を語る。
《ガラスCDといえば、昨年9月発売のフルトヴェングラーのクリスタル・ディスクがある。所属しているフルトヴェングラー協会からの案内で知ったが、基盤にポリカーボネイト(プラスチック)の代わりに光学用ガラスを用いたもので、音楽信号のピットを形成するために、液状の樹脂を用いた紫外線硬化方式を採用している。従来製法より高精密なピット転写を実現することに成功したという。想像を超えた高音質といわるが、通常のCDプレーヤーで再生が可能だ。》
《数あるベートーヴェンの第九の中でも、モノーラルでありながら、彼の演奏を越える第九はないともいわれるものだが、カットの写真でも見られるように、その定価(1枚20万円)のすごさにはちょっと手が出せない。ついでながら次の参照の内容は、冒頭で、CD74分が企画化された経緯に触れて書いてみたものだ。》
参照 師走、ウィーン会議(オスロ・プロセス)1007/12
《記事にあるガラスCDの価額がいかほどに設定されるのか不明だが、クラシックファンがせめて、エーイっと踏ん張って財布の紐を緩める程度にはなって欲しいものと思う、因みに20万円の第九はとても買える代物ではなかった。》
福井末憲ディレクターは「量産化するとコスト的にはいいが、手作りのプロセスで気づくことはたくさんある。マスターテープから一品一品を、工芸品のような気持ちで作っていきたい」と語る。
2人の夢は「今、永久保存しなければ壊滅してしまう世界の名演を、最高の状態で聴けるようにすること」だ、という。
《志や良し、しかし、世界の名演、最高の状態といいながら、価額が一般的でなければ、クラシックファンの誰もが享受できるものではなさそうだ。せめて公設の機関などが備えて一般に開放してくれなければ、開発者のマスタベーションになるか、特権階級だけの宝の持ち腐れで終わることになりそうだ。
| 固定リンク
最近のコメント