「男女共同参画社会に関する世論調査」
毎日新聞(12/6)から、要約と、《 》内は私見。
《朝刊を手にした途端に飛び込んできた括弧の中の大きな文字「子供必要ない」42%。その隣には結婚しても20、30代は6割、と書かれている。このこと自体は経済的な不安に突き動かされた心理状態からくるもので、特に驚くことではないが、この20、30代世代があと10年、20年さき、家庭を持っていたら、と仮定すると、現在大騒ぎでアピールが続く託児所、保育所、学童保育所などは、子供のいない静まり返った建物群になっていることになる。メディアの煽り立てるような報道で、一時の社会不安に左右されて、人生設計まで右往左往していては国家の存亡にさえかかわることになる》。
【閑話休題】
内閣府は5日付けで、世論調査の結果を発表した。
「結婚しても必ずしも子供を持つ必要はない」と考える人は、前回調査(07年)より6・0ポイント増の42・8%で、97年の42・7%を超えて92年に調査を始めてから最高となった。合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の数に相当)は06年から3年連続で改善しているもの、子供を持つことにはこだわらない社会意識が定着しつつあることを示した。
《不況といいながら、街には着飾った女性が溢れ、廉価商品が売れる半面、相変わらずブランドものも引っ張りだこだ。「生活が苦しい」の「苦しい」の基準は男女、世代、環境によっても千差万別のものだが、平均では計ることのできない別の物差しが必要だろう。加えては、経済的不安はメディアが拍車を掛けて伝えることで雪崩現象のように社会不安となっていく。》
《極端な例だが、テレビ番組で、男女タレントの何人かが1カ月1万円(光・熱・水費含み)で生活することを求められ、通常のタレント業をこなしながら、自炊料理を工夫し、足りない食糧を自ら海に潜り、モリやヤスで魚介類を捕獲するものもおり、1万円を超すことなくやり切っていた。米はなく、サツマイモが主食、一日二食も普通にあった戦中戦後を生き延びてきた者には可能でも、豊穣の世に生まれ、全てに恵まれた中流を味わった若者には貧乏は耐えられる生活ではないだろう。こんなさなかに意見を求めても、破れかぶれで「子供なんていらない」となるに決まってる。》
「子供を持つ必要はない」との回答は、
男性・・38・7% なのに対し、
女性・・46・5% と半数近くに上った。
年代別でみると、
20歳代・・63・0%
30歳代・・59・0% と高く、
40歳代・・47・5%
50歳代・・43・1%
60歳代・・35・8%
70歳代以上22・8% と
若い世代ほど子供を持つことにこだわらない傾向がみられる。
また「結婚は個人の自由だから、してもしなくてもどちらでもよい」との回答は前回より4・9ポイント増の70・0%。過去2回の調査では減少傾向にあったが今回は再び7割に戻った。
《確かに昔のように、親同士が決めて結ばれたようなケースは「家」が中心にあったが、さすがにそれはないのだろう。彼らがいうように結婚は個人の問題で、好きなようにすればいいことだ。だが、上のような調査からは、これが今後辿る現実の道とするならば、遠からず日本という国は滅んで行くことは必至だ。現在懸命に取り組んでいる保育所問題など、投資することは過剰設備となり、誰もいない幽霊屋敷か廃屋が連なることになるだけだ。止めた方がいい。》
「夫は外で働き、妻は家庭を護るべきだ」との考えに「反対」との回答は前回より3・0ポイント増の55・1%で、調査開始以降、5回連続で増加した。
女性が子供を持つことについては「子供ができても、ずっと職業を続ける方が良い」が、前回より2・5ポイント増の45・9%と過去最高を更新した。
「男女の地位」に関する調査では、法律や制度面で男女が「平等」と感じている人(44・4%)が「男性の方が優遇されている」と感じる人(41・4%)を調査開始以来、初めて上回った。一方、職場での状況は「男性優位」が62・1%とほぼ横這いで、法制度が整備されても職場での女性の立場改善に結びついていない実情が浮かび上がった。
《これは必ずしも妥当な判断ではないだろう。人間の「欲」というものに公平性が測れない以上は、どこまで行っても上限がない。女性がこれで「半分」と言った時には完全に立場は逆転している。》
調査は10月1日〜18日、20歳以上の男女5000人を対象に実施。3240人から回答を得た。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
結婚は個人の自由。結婚したければすればいいし、独身を通して特定あるいは不特定の異性と付き合いながら自由の身でありたければそうすればいい。一見自由平等のような現代に浸透した見解でありながら、実は情報の受け売りで、私達日本人は情報操作に踊らされているだけです。「25歳は売れ残りのクリスマスケーキ」と口々に責められることを恐れて心理的に追い詰められて24歳までに駆け込み結婚した若い女性も20年前にはかなりの数いましたよね。私達はマスコミや雑誌・書籍によって、結婚観や子供を持つか、専業主婦か働く主婦かなどの善悪感までもを植えつけられ、時代の流れから浮くものをバッシングするように洗脳されてきました。はやり廃りは手のひらを絶えず返すかのようで、日本の国がどうなっていくべきかの芯もなければ一貫性もありません。流行るから、取り上げる、注目されると皆が読み、皆が話題にするから売れる。そういう人もいるなら私もやっていいんだという2次的な追随者も出てくる。そうして大勢の意見に従っておけば安心という日本人独特の動きが、時代の流れを作り出しているのです。晩婚化も少子化も、根の部分はベストセラーになった結婚観や仕事や人生観の本や、あらゆる雑誌がこぞって特集を組んで同時期に取り上げたり、TV番組で集中的に流していた話題に多くの日本人が影響されてしまっています。
母親の幼児虐待殺しのニュースが増え続けています。子育てが辛い、子供が生まれて自分の時間がとれなくてイライラしていた、自由がなくなった、仕事をしていたかった、という加害者の数々の本音、子供を持つデメリットのコメントが報道されました。大々的な報道番組でこういうのを見てしまうと、あるいは新聞や雑誌で子育ての辛さや幼児虐待に走る母親のニュースをしばしば目にするようになると、子供が足かせになるくらいなら結婚しても子供は生みたくない、子供のいらない結婚を選択する人や独身を選ぶ人が増えても当然のことです。この調子で行けば、ソフト面、つまり両親の子への愛情や暴力ではない本物の躾が欠けた次世代を作り出すばかりです。今の日本に欠けているものは、躾や道徳の部分です。それも、盗んではいけない、人を殺してはいけない、人には親切に、感謝の気持ち、といった、基本中の基本から教えないとならないようですね。
投稿: 大和なでしこ | 2010年4月 4日 (日) 09時18分
大和なでしこ さま
戦前・戦中、大政翼賛、戦争協力を推進したマスメディアが、敗戦による総括もせず、また現在、再び世の中を情報操作することで、右往左往する付和雷同の人たちを増産しています。
ほんとうに日本はどこに行こうとしているのでしょうか。
投稿: 小言こうべい | 2010年4月 6日 (火) 23時12分