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2009年12月28日 (月)

公立校教員 精神疾患で休職増加

 毎日新聞(12/26)から、《 》内は私見。
 鬱病や適応障害、統合失調症など精神疾患で08年度に休職した公立学校の教員は過去最多の5400人(前年度比405人増)と、初めて5000人を超えたことが文部科学省の調査で分かった。増加したのは16年連蔵。病気休職者全体に占める割合も63・0%(同1・1ポイント増)と過去最高だった。文科省は「教育委員会などがメンタルヘルスに関する取り組みを進めているが、なかなか休職者の数が減らない。深刻な問題だ」としている。

《具体的に何をどのように対処しても数が減らないのか、教育委員会のメンタルヘルス活動だけで対応できることなのか。いつも通り、ただデータを集めるだけで増えた増えた、と嘆いていたのでは休職者は減るものではないだろう。》

 公立小中高校、特別支援学校などの教員計約92万人について調査した。病気休職者全体の数も8578人(同509人増)と過去最多で、増加分の8割を精神疾患が占めた。
  5400人の年齢構成は
   50代以上1989人(36・8%)
   40代  1947人(36・1%)
   30代  1110人(20・6%)
   20代   354人( 6・6%)
 教員全体の年齢構成割合とほぼ変わらず、どの年代でも増えている。

 文科省は「精神科受診の抵抗感が弱まっている」という社会背景を指摘しつつも
 1)教育内容の変化についていけない
 2)教員同士のコミュニケーションが減り、相談相手がいない
 3)要望が多様化している保護者らへの対応が難しい
などの複数要因が絡んで精神疾患に至るケースが増えているとみている。

《記事を読んできて気がついたが、これまで必ず書かれていた「ストレスが原因で」という表現が見当たらない。何でもストレスで片付けてきたこれまでのメディアの問題意識のレベルを少しは反省してのことだろうか。上の3つほどの要因は教員側の資質に問題があるような分析だが、果たしてそうなんだろうか。一筋縄ではいかない「モンスター」や「ヘリコプター」で表現されるバカ親たちの無理難題が大きく影響していないだろうか。また、親不在同然の家庭環境の中で育ってくる結果、小1プロブレムに、学級崩壊など、親の側の問題を教師の問題にすり替えたようなメディアの問題意識は、ますます教師を萎縮させ、精神までおかしくさせているように思う。》

 一方、08年度に「個人情報の不適切な取り扱い」を理由に懲戒・訓告処分などを受けた教員が、対象項目に加わった05年度以降で最多の277人(前年度比59人増)。パソコンやUSBメモリーを許可なく学校から持ち出して紛失したり、ファイル交換ソフトを通じてネット上に情報を流出させるケースなどが目立った。

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2009年12月27日 (日)

いつかは増税が必要に

 毎日新聞(12/26)「なるほドリ」欄から、《 》内は私見。

 国の借金がずいぶん増えているが、財務省によると、来年3月末時点で国と地方の長期債務(借金)の残高は約825兆円に膨らむ見通しだ。1年前に比べて50兆円以上も増える計算だが、これほどの急増は例がない。景気悪化で、赤字企業が増えて法人税などの税収(収入)が激減する一方、景気対策で支出が膨らみ、借金で賄わざるをえないからだ。

 Q いつから借金体質になったのだろうか?

  急増したのは90年代後半以降からだ。金融危機に伴う不況を乗り切ろうと公共事業を増やしたため、多額の借金が残り、当時の小渕恵三首相は自ら「世界一の借金王だ」と自嘲した。景気が回復していた04〜07年度にかけて、税収は増えたが、高齢化で医療など社会保障に金がかかり、借金が増え続ける傾向は変わらないまま、08年度から税収は減少に転じた。10年度政府予算案は、税収より借金が多くなる異例の事態となる。

 Q 誰が金を貸しているの?

  国が借金をする際に発効する国際は、ゆうちょ銀行を含む銀行が全体の4割強、保険会社が2割弱、公的年金が1割強を保有している。金融機関は《国民の》預貯金や保険料などを元手に国債を購入しているので、実質的には国民が国に貸し付けていることになる。

 Q そんなに借金を増やして、返済に困らないのか?

  国の場合、支出が収入を大幅に上回っても、最終的には増税で収入を増やし、つじつまを合わせることが可能だ、また景気が低迷していると、銀行は貸し倒れのリスクがある融資より、安全な国債に資金を使いがちなので、国は資金繰りに困ることがない。国債の9割超は国内の金融機関や個人が引き受けており、外国から返済を強制されることもない。

 Q じゃあ、大丈夫?

  そうとばかりは言えない。いつかは返済のための増税が必要になり、《後の世代の》子供たちが高い税金に苦しむ懸念がある。また、借金が増えすぎると、貸す方は完済されるか心配で、高い金利を求めるようになる。国債の金利が上昇すれば、住宅ローンなどの金利も上昇することになり、私たちの負担も増えることになる。国債購入の元手になる国民の貯金も、高齢化で取り崩されれば減少する。将来も国債が安定して買われるかはわからず、借金増加に歯止めをかける必要はある。

《向こう「4年間は上げない」と明言した消費税。事業仕分けも思うようには成果は上がらず、国債で賄うことになった。姑息な思惑でたばこだけは値上がりが決まるようだが、消費税を上げないと決めたこの先の4年間、マニフェストは政権奪取のための甘い飴玉でしたと、頭を下げて消費税を上げない限り、国債、国債の乱発以外の手はないだろう。何事によらず北欧や海外の高福祉国家のデータを羨ましそうに持ち出す識者たち、比べて日本の5%という低い消費税率をどのように位置づけているのだろうか。》

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2009年12月26日 (土)

久しぶりに銀座

 本当に久しぶりに師走の銀ブラとしゃれこんだ。歩みののろい婆さんと、爺さんの2人連れだ。午前10時30分、エスカレーターで上って直ぐ目の前に停車している車輛に乗り込んだ。4人掛けに3人で悠々と腰掛けている男女の間に空きをみつけ、婆さんを優先席に割り込ませ、車輛にはそれ以上は空席がなく近くに立った。走り出して気がついた。なんと、女性専用車輛だ。それにしては男性の姿がチラホラどころではない。車輛の半分近くは男性が座り、立っていた。

 最後尾だから車掌に一番近い車輛だ。男が乗っていけないのなら、それまでに乗り込んでいる男どもは先ず車輛に注意されているはずだ。自分は婆さんの付き添いでもあるんだからと、勝手に解釈してそのまま銀座駅までの小一時間を立ち通した。ラッシュアワーを外せば痴漢に遭遇する危険もなく、女たちもおおらかに男の乗車を許しているのだろうか。

 以前、利用する度に出くわした物食う女や、化粧する女を見かけなかったのは利用した時間のせいか、女たちが慎ましくなったのかあら探しの好きな爺には頼りなく映った風景だった。しかし、相変わらずのケイタイとの睨めっこは、摘み出せば車輛がガラガラになりそうなほどの数で溢れている。完全にケイタイに囚われた人間の姿だ。

 さて、目的は文房具の伊東屋(ITO-YA)の9階。世界のカレンダー展での買い物と、中2階の万年筆のフロア。久しぶりの銀ブラだったが、11時ごろの師走の銀座はごった返す人波で、われわれのようなのろのろと歩く老人の2人連れは通行の邪魔になりそうな忙しさだ。以前にも見たが、微笑ましい乳母車を押したり,子供を抱く男の親子連れの姿が何組も行き交う。銀ブラの新しい風物詩になったのかもしれない。伊東屋の店内で人だかりは正月にはもう届かないと思われるデザイン付きの年賀はがき売り場。元旦に届くには25日までに投函されたものとかいうが、我が身にも覚えがある。残業、残業でとても年賀はがきどころではなかった。何年も大晦日の31日にならないと年賀状も書くことができない年が続いたことがあった。

 次は様変わりした山野楽器店。2階がクラシック、我が家のLPライブラリーの大部分はここで揃えた。今は店内にその当時の面影が全くない。LPからCDへと小さくなった媒体の影響で展示方法も変わり、売り場スペースに余裕ができ、人間工学的に探し物のための動きが極めて楽になったことは利点だが、LP時代、店内には30センチ四方のジャケットの絵やデザインが壁面を彩り、探しものにも楽しさがあったが、CDではデザインも目立たず、その点目で見る楽しさが失われた。結局、銀座本店にお目当ての奏者による楽曲が見当たらず、コンピューター3台を使って支店まで追いかけてくれたが結局入手できずに諦めた。

 続いて地下に潜り三越百貨店、食品売り場でおせちの買い足し。疲れるために出かけたような外出になって終わった。

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2009年12月25日 (金)

女の飲酒と乳癌

 毎日新聞(12/25)から、要約と 《 》内は私見。
 《クリスマス前後の昨日から今日にかけて、女が飲酒する機会が多かろう。まだ現役で会社勤めをしていた頃からすでに、この季節から暮れにかけて電車の中にはメスとらの姿が見かけられたものだった。まだ‘とら’にまでいかなくても、毎日立ち飲みして帰宅する女たちが増えている昨今だ。酒飲みに適量を説くのは愚の骨頂だろうが、よくよく考えて飲むことだ。》

 毎日ビール大瓶を1本以上飲むような飲酒量の多い女性は乳がんになる可能性が高いことが25日、厚生労働省研究班の大規模調査で解った。

《聞く耳もたないのが酒飲みの酒飲みたる所以で、男、女の別なく酒と癌との関係は早くから言われた来たことだ。ところが日本では、古くから「酒は百薬の長」とかバカの一つ覚えが深く浸透していて、その酒が万病のもとであることと裏腹であることを無視していた。亦、曰く「適量の酒は薬」も同じ迷信だが、適量を弁えて飲む酒飲みなどおるまい。新政権は予算不足から紙巻きたばこを1本当り5円の値上げに決めたが、遥かにドラッグ性が高く、身体に害のある酒には目を瞑ったままだ。どんなにアル中が増えようが、アル中を減らすことを対策とせず、せっせせっせと医療費を積み上げる。》

 調査は、9府県に住む40〜69歳の女性約5万人が対象で、13〜16年間の調査期間中に572人が発症した。
 飲酒習慣に突いて
 1)飲んだことがない
 2)ときどき(月1〜3回)
 3)週にエタノール換算で150グラム。
   (日本酒約7合、ビール大瓶約7本などに相当)
 4)週に同約151グラム以上
 5)過去に飲んでいた
の5群に分類し、発症率との関係を調べた。

 その結果、最も飲酒量が多い群が乳がんを発症する割合は、飲まない群の1・75倍になることが分かった。また、肥満や飲酒によって赤くなる傾向、喫煙の有無とは関係なく、飲酒量が多い群の発症率が最も高かった。

《従来喫煙プラス酒は最もいけないこととされる説が多く流布していたが、これまた迷信だったようだ。》

 酒を飲むと体内に発癌物質《アセトアルデヒ》が生成されるといわれる。国内の調査では、男性は飲酒量が多いと、癌の発症率が高くなることが知られているが、女性の癌と飲酒の関係は不明だった。

《素人にはそんなところに性差の壁があったなんて考え及ばないことだ。違うとすればホルモンぐらいのことだと思っていた。勿論男性が妊娠するともおもっていないが。》

 研究班の岩崎基・国立がんセンター予防研究部室長は「従来の癌予防で指摘されているように、1日当りの飲酒は最大でもエタノール換算23グラム(日本酒で約1合)がよいのではないか」と話す。

《昔の女たちはしおらしかった。1合と言われればそれで抑えた。男女平等を声高に謳う現代の女たちが1合で終わることはないだろう。ただ、自己責任を念頭において飲んでくれればそれでよい。》

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2009年12月24日 (木)

選択的夫婦別姓の賛否

 毎日新聞(12/24)から、要約と《 》内は私見。
 同紙の全国電話世論調査(19、20日)で、婚姻時に夫婦が同姓・別姓を選択できる選択的夫婦別姓制度の是非について、「賛成」の回答が50%に上った。賛成は女性や若い年代層で多かった。「反対」は42%で賛成をやや下回るものの、賛否が分かれる実態が浮かんだ。93年の前回調査では賛成は26%だった。

《強迫観念のように婚姻時には夫の姓を名乗ることが強制されているよう取られているが、民法第750条では次のように書かれている。『夫婦は婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する』と。妻に夫の姓を名乗ることを強制しているわけではない。》

 選択的夫婦別姓に
        男性   女性 
  賛成    47%   52%
  反対    47%   39%
 賛成の年代別は
  20代   57%
  30代   52%
  40代   59%
  50代   54%
  60代   46%
  70代以上 29%

 また、夫婦別姓が認められた場合、子供の姓(名字)をどうしたらよいかとの設問では、
  「一定の年齢になったら子供に選択させる」 59%
  「父親の名字を名乗る」          22%
  「母親の名字を名乗る」           2%
  「生まれるごとに名字を決める」       5%  
(調査は93年12月にも面接で実施。調査手法と選択肢数は今回と異なるが、反対は49%で賛成26%を大きく上回り「どちらとも言えない」は23%だった。

 選択的夫婦別姓を巡る民法改正論議は90年代に本格化し、96年には法相の諮問機関・法制審議会が導入を申請した。自民党内の反対意見などで法案提出に至っていないが、16年経過して賛成意見がほぼ倍増したことになる。千葉景子法相は、早ければ来年の通常国会への法案提出を目指している。

 今回の世論調査結果について、民法改正を求めるNGO「mネット・民法改正情報ネットワーク」の坂本洋子・共同代表は「別姓は仕事をしている人や結婚で改姓する人が壁にぶつかる問題。そういった切実な当事者ほど、改正を求める声が多いことがわかった」と話す。
 
《世論調査で面接した対象が、独身か、仕事を持つ人か、専業主婦か、母(父)子家庭の親か子か、新聞紙面では不明だ。また、「仕事をしている人が壁にぶつかる」とは女性社員が取引先との連絡で、改姓することで不便が発生する、という程度のことだ。その数が100社も200社もあって、齟齬が発生すれば、それはすなわち会社の損失となる。言い換えればそこで生じる問題は本人の問題ではない。その担当の上司、或いは会社の責任だ。法改正とは無縁の問題だ。ただ、種々の保険や免許証など、改姓すれば書き換えなければならない手間は生じる。しかし、それが面倒だから法改正せよ、では短絡過ぎる。》

 11月には国会内で民法改正を求める集会も開いた。「男女平等を実現できるかどうかは、歴史観や人権にかかわるテーマでもあり、政権交代の象徴になる」と法改正に期待する。

《現行の民法第750条のどこに男女差別が書かれているのだろうか。大上段に男女平等を振りかざすのもそろそろ効き目はなくなっているのではないだろうか。》

 一方、八木秀次・高崎経済大教授(憲法)は「現在は職場での通称使用で女性の大半の不便は片づいており、民法を変える緊急性はない。家族制度を揺るがしかねない問題点が理解されているか疑問で法改正の根拠にはならない」と慎重な議論を求めた。       

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2009年12月22日 (火)

土浦9人殺傷、金川被告に死刑

 毎日新聞(12/18、19)から、要約と 《 》内は私見。
 茨城県土浦市のJR荒川沖駅通り魔事件と別の殺人事件で殺人.殺人未遂罪などに問われた同市中村東3、無職、金川真人被告(26)に対し、水戸地裁は18日、求刑通り死刑を言い渡した。鈴嶋晋一裁判長は主文を後回しにして判決理由から朗読を始め、「犯行は人格障害によるもので、行為の是非の弁別性、行動制御能力には影響していない。完全な責任能力がある」と認定。さらに「極めて残忍な犯行であり、死刑願望を満たすという動機は強く非難されなければならない。刑を減軽する事情にはならない」と指摘した。弁護側は控訴したが、金川被告は判決前の取材に「(控訴された場合は)取り下げる」と答えている。

 判決によると、金川被告は08年3月19日午前9時15分ごろ、土浦市中村南5、無職、三浦芳一(当時72歳)方で、三浦さんを文化包丁(刃渡り約18センチ)で刺殺。殺人容疑で指名手配中の同月23日午前11時5分ごろ、同市のJR荒川沖駅改札口南側通路などで男女8人の首などを文化包丁とサバイバルナイフ(同約21センチ)で切りつけ、男女7人に重軽傷を負わせた。

 金川被告は6月3日の第3回公判で、動機を問われて「自殺は痛い。人にギロチンのボタンを押してもらう方が楽」「死刑になるまで殺し続ける」などと陳述した。2回実施された精神鑑定は、金川被告を自分が特別な存在と空想する「自己愛性人格障害」と診断し「責任能力に問題ない」とした。

 検察側は論告で「厚生の可能性は皆無」と死刑を求刑。弁護側は「心身耗弱だった疑い」と主張し「死刑願望がなくなれば厚生の可能性もある。完全責任能力があったとしても無期懲役が相当だ」と死刑回避を求めていた。

《弁護側が控訴したが、単なる法廷のしきたりに過ぎない。本心から更生するとは思ってもいまい。無期とはいえ、区切りとしては10年が目安で仮出所があり、金川の言によれば繰り返し殺人を行うということで、オオカミを野に放つようなものだ。また、金川に限らず再犯の確立も高い。参照:凶悪無期事件の仮釈放について 09/10/18》。

 死刑の判決について、龍谷大法科大学院・村井敏邦教授(刑事法)は、死刑を望む人間に死刑を科すことは、国が自殺を手伝うようなものだ。死刑があるがゆえに凶悪犯罪を招くことになり、死刑制度は大きな矛盾を抱えてしまう。刑罰には犯罪に対する応報という意味もあるが、実際には教育して社会に復帰させることが重要な目的。死刑になりたいという被告の言い分を認めず、生きなければいけない権利と義務があることを認識させることが重要だ、と話す。

《教授のいうように、金川被告を教育して社会に復帰させることが可能だろうか。性善説の理想論を説いて、人を殺してでも死刑になりたいと願う被告を悔悛させ、生きなければいけない権利と義務を理解させることができるのか。教授がいう、被告の自殺願望の手伝いをするに等しい、とは白々しい詭弁のように聞こえるのだが。》

 続いて19日にはジャーナリストの篠田博之(メディア批評の月刊誌「創」編集長の傍聴記が載った。題して「死を望む者に死刑は処罰か」。結論は、死にたいと思って人を殺す人間に死刑は処罰となりうるのか。人をさばくとはどういうことなのか。金川被告の事件も、まさにそういう問題を突きつけた気がする、と。

《何のことはない、何も言ったことになっていない。どのように問題なのか、それならば、どのようにすればいいのか、提案でもあればいいのだが、何もない。日本には死刑以上の重刑がないのが現実だ。問題があるのなら、この法制度のことを無視しては語れないはずだ。人によっては死刑よりも終身刑、というものもいる。逆に死刑廃止の国もある。それでは日本はどう考えればいいのか、「問題を突きつけた気がする」、では情けない。》

 一方、今回の死刑判決にその意義を認める人もいる。土本武司・筑波大名誉教授(刑事法)の話。
死刑には多くの人が最も科せられたくない刑罰としての犯罪予防機能がある。刑罰は国家の制度であり一犯罪者のために存在するのではない。凶悪な罪を犯した者が社会から永遠に排除されることを多くの国民が望んでおり、自ら死刑を求める特異な被告に対しても死刑制度の存在意義はある。そもそも「死刑は自殺よりも楽」といえるのか。絞首刑では絶命するまでの間。極限的な苦痛があるはずだ、と。

《土本教授もおかしなことを言うが、多くの国民が望んでいるから死刑の存在意義があるのではないだろう。また、金川被告も死刑の方法を、「ギロチン」と言ったようだが、そのことに関しては無知のようだ。現在はマリーアントワネットの時代ではない。確かに大鉈が落ちて首をちょん切ってくれれば痛いと思うのは一瞬のことだろう。現在の日本は絞首刑だ。絞首刑では失禁などする間もあって首が飛ぶギロチンのようにはいかない。それが極限的な苦痛か無意識下かどうかはわからないが、少なくとも絶命までの数分の間は苦しむだろう。しかし、いずれにしても現行の法の下では死刑以外の判決はない。》
 

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2009年12月20日 (日)

2020年、1人暮らし世帯(単独世帯)が34・4%に

 毎日新聞(12/19)から、要約と 《 》内は私見。
 《「21世紀まで、ここに日本という国がありました」。22或いは23世紀初頭、どこかの国の学校で、教壇に立つ先生が地図を開いて子供たちに説明している。「この国の女性たちはそれまでも平均して子供を産む数は少なかったのですが、ある日、もう子供はいらない、と20歳、30歳代の出産可能世代の半分以上(20歳代:63%、30歳代:59%)の女性たちが、生むことを止め*、国の人口は急激に減少していったのです。働く人たちが減少したために、国の産業も衰え、必要な税金が集まらなくなって国力は次第に衰えました。国民の平均寿命は世界でも屈指の長寿の国でした、特に女性は男性と比べて凡そ7年も長い世界一の長寿だったのです。そのために若者が生まれない半面、1人暮しの老爺、老婆の比率の高い人口構成になったのです。その結果、次第に衰退が始まり、国は滅亡して行ったのです。昔、ここに、日本という国があったのです」。架空の話ではなく、現実におこりそうな最近の話題が続く。》

 * 参照 「男女共同参画社会に関する世論調査」09/12/06

 国立社会保障・人口問題研究所は18日、2030年までの世帯数の将来推計を発表した。1世帯当りの家族数は減り続け、20年には全家族の34・4%が1人暮しの世帯(単独世帯)と、すべての都道府県で最も多い家族の形となる。前回(05年)推計時は、25年に到達する見込みだったが、5年早まったのだという。

 05年に全国平均で29・5%だった単独世帯の割合は10年には31・2%となり、夫婦と子供から成る世帯の割合(27・9%)を抜くことになる。都道府県別では、05年に最も多い家族の形は兵庫など29県で「夫婦と子供」だが、20年には全都道府県で単独世帯が最多になる。東京都は30年、45・5%が単独世帯となる見込みだ。

 同研究所人口構造研究部の西岡八郎部長は「非婚・晩婚化が若い世代で進んだうえ、高齢夫婦のどちらかが亡くなった場合でも、子供と同居せずに1人暮しを続ける人が増えているためではないか」と分析する。

《古い家族制度は排斥され、家付き、カー付き、ババア抜きを合い言葉に核家族化した現在の家庭には、老人を大切にし、年寄りの知恵を宝と思う若者はすくなく、老人・老婆は肩身が狭くて居づらい。》

 世帯主が75歳以上の世帯数は30年にかけ全都道府県で増加し、神奈川や千葉など13府県で倍以上になる。埼玉県は05年の20万6000世帯から30年の60万9000世帯に急増する。

《世論調査が何を意味するのか、同研究所も増えた減ったのデータの数字ばかりを云々するのではなく、将来の日本にとっての対策、対処の問題を提起することが必要だろう。個々に調査するのも手段だろうが、各調査の総括的な見地からの分析と見通しが求められる。このままでは本当に日本は地球上から消える運命にある。》

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2009年12月18日 (金)

産科医10年ぶり増加

 毎日新聞(12/18)から、要約と 《 》内は私見。
《さてさて、これから先も産科医は増やす必要があるのだろうか。今月6日に書いた「男女共同参画社会に関する世論調査」によると、20歳代の女性は「結婚しても子供はいらない」が63%、30歳代が59%と、産科・産婦人科医を必要としない世代で出産可能な女性の半数を超えている。放っておいても遠からず日本は滅びる、と。今回の記事は気休めだが、みてみよう。》

 産科と産婦人科の医師数が10年ぶりに増加に転じたことが、厚生労働省が2年ごとに実施している医師調査(08年版)で分かった。地域間格差もやや改善され、厚労省は「産科医不足への危機意識の広がりや、新臨床研修制度(04年度開始)による臨床経験、産科補償制度の創設(09年1月)などにより、若い医師の志望が増えた」と分析している。

《事実、背景がそうであるとしても、いずれ不要になり医者余りになる可能性を含んでいるのだが・・。各調査をばらばらにやることで総体的な動静を機能的に把握していない。若い医師が、豊富な経験を積んでいざこれからという時には、日本の出産件数は世界に類を見ないほどに激減しているだろう。》

 08年末時点の医師数は28万6699人で、女性医師が5万1997人と初めて5万人を突破。人口10万人当りでは224・5人で、06年調査から7・0人増えたが、経済開発協力機構(OECD)加盟30カ国平均の約310人(09年版)を依然大きく下回る。

 診療科別では、産科と産婦人科が1万389人で、2年前より3・1%の増加。00年調査から続いた減少に歯止めがかかった。全診療科に占める割合は3・8%だが、この2年で研修医の4・5%が産科・婦人科医になっており、若い世代が増加した。

 同じく医師不足が問題視される小児科は3・6%、救急科も14・5%の増加。外科は微増、内科は微減だった。

《この先の小児科医の不足は心配ない。どうせ将来子供は生まれてこないのだから。》

 都道府県別の人口10万人当り医師数は、最多が京都の279・2人、最少が埼玉の139・9人。格差は2倍で、2年前の2・01倍からわずかに縮まった。15〜40歳の女性人口10万人に対する産科・産婦人科医数の格差は、2年前が最大2・26倍だったが、今回は徳島(56・3人)と奈良(28・3人)の1・99倍だった。

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2009年12月17日 (木)

母が作る金目当ての児童ポルノ

 毎日新聞(12/16)から、
 過去最多のペースで増え続ける児童ポルノ事件で、実母ら保護者が子の裸の画像などを撮影・販売して摘発されるケースが目立ち始めた。インターネットの下着販売サイトを介して知り合った男らに依頼されて、撮影をOKすることが多く、今年、母親らが少なくとも12人逮捕された。画像が一旦ネット上に流出すれば、回収するのは事実上不可能で、警察庁は関係省庁と連携し、被害防止対策を進める。

 11月12日。仙台地裁の法廷に、裁判官の説諭が響いた。「母親として身を呈してでも守らなければならない子どもに、性的虐待と同一視できる行為をした。しかも、動機が金を得るためなど言語道断。今後は愛情を注いで養育してください」

《単純に性道徳の乱れで片付けられない終末的な出来事だ。たがの緩んだ女性たちは、衆人環視の街なかでも平気で臍だしルック、下着や、尻の割れ目も見え隠れするような露出狂スタイルが普通になっている。恥や羞恥の文化は疾うに消え失せた。卑猥と猥褻がそのまま歩いて、劣情男の目を釘付けにする。そこにケイタイやインターネットが入り込み、昔は買うものがいるからと言われた売春も、女子高生や中学生まで混じって、今では売り手市場の感さえ生まれているのが実情だ。そのような土壌の上で児童ポルノも、生まれるべくして生まれたとしか言いようがない。》

 懲役1年、執行猶予3年の判決=確定=を受けたのは、兵庫県に住むパート職員の母親(23)。堺市の無職女(20)に「1枚1000円以上で買い取る」と誘われ、郵送してきたデジタルカメラで2歳の娘の裸などの静止画や動画を撮影し、メールで送信した。捜査関係者によると、母親は総額で約10万円を受け取り、女は画像を児童ポルノ愛好家らに売っていたという。

 警察幹部によると、こうした事件は09年に目立ち始め、実母が最も多く9人、実父2人、義姉1人が逮捕された。買い取り側で逮捕されたのは、児童ポルノ愛好家の男が多く、下着販売サイトを通じて出品者側の実母らと知り合い、娘らを自宅まで出向かせて撮影しているケースが大半だという。

 一方、娘のポルノ画像を撮影したフラッシュメモリーをオークションサイトに出品した夫婦もいる。名古屋市の建設作業院(33)と妻(28)は5月、小学1年の娘(7)の下着姿を撮影し、メモリー2本を出品。落札者に計1万5000円で郵送・販売したとして愛知県警などに逮捕された。夫婦は「簡単に金儲けができた」と容疑を認め「2月から9月までに約90万円の売り上げがあった」と供述したという。

 警察庁によると、08年の児童ポルノ事件の検挙件数は676件、検挙人数412人、被害児童数338人。09年は過去最多だった08年を上回るとみられ、政府は犯罪対策閣僚会議の中に児童ポルノ排除対策ワーキングチームを近く発足させ、取締りを強化する。

《服装はますます過激になり、卑猥と猥雑はとどまることなく溢れるばかりだ。放漫な性風俗に平静さが戻るにはこれからまだ何百年もかかるだろう。》

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2009年12月16日 (水)

難病の子 保育園に

 一昨年、同じように痰の吸引が必要な女の子、東京都東大和市の青木鈴花ちゃん(当時6歳)の小学校入学のニュースを取り上げて、その学校生活での懸念を書いた(参照 「喉頭軟化症」の子 普通学級へ 07/2/)。そして今回、東京・立川市の3歳女児が保育園への入園を断られているニュースを目にした。

 毎日新聞(12/16)から、要約と 《 》内は私見。
 全身の筋力が低下する難病「脊髄生筋萎縮症」のため、東京都立川市から公立保育園への入園を断られている女児の両親が16日午後、受け入れを求める約4万2000人分の署名を市に提出する。女児は痰の吸引などの措置が必要で、市は「職員体制が整っていない」との理由で受け入れを拒否してきた。両親は「難病の子どもが普通に保育を受けられる環境を整えてほしい」と訴えている。

《上の鈴花ちゃんは自力で痰の吸引ができるようになったこともあって、小学校への入学が許可された経緯があったが、その入学のニュースは大々的に報道されたが、その後の彼女の小学校での生活の様子は全く報道されていない。私は懸念したのだが、物珍しさで小さな子供たちの興味の的にさらされたり、いじめの対象になったりしていないのか、無事に進級しているのか、署名をくれた人たちへの報告の義務もあると思うのだが、今回取り上げるに当たって近況を知ろうとしたが、手がかりさえ無い。数多くあるのは、6歳当時の小学校への入学を果たした情報だけが並んでいるだけだ。》

 署名を提出するのは立川市の会社員、横平貫志(33)と裕子(32)の夫妻。長女の明菜ちゃんは生後8カ月で脊髄性筋萎縮症と診断され、人工呼吸器を付け車椅子で生活している。手足がわずかに動くのみで、普段は顔の表情や目の動きなどで意思疎通をしている。

 両親は07年と08年、市に保育園への入園を求めたが、「吸引をする看護師が必要」などとして受け入れを拒否された。

 従来、痰の吸引は医療行為とされ、実施できるのは医師や看護師のみとされてきた。ところが実際には、家庭や介護施設で日常行われてきた実態を受け、厚生労働省は03年以降、範囲を拡大。介護職員、養護学校教員などについて、医師の指導を受けることなどを条件に認めた。しかし、保育園や幼稚園については「基準があいまい」と指摘されている。

 NPO法人「人工呼吸器をつけた子の親の会」(大阪府箕面市)によると、保育園などに通おうとしても「新たな看護師の確保が難しい」との理由で断られるケースがほとんどだという。
 
 同会の折田みどり・事務局長は「本来、きちんと研修さえすれば、看護師だけではなく保育士や教員でも、痰の吸引はできる。保育や教育現場の戸惑いを解消するためにも抜本的な法整備が必要。難病の子供が地域の子供たちと一緒に過ごせる環境を整えてほしい」と呼び掛けている。

《07年、08年に保育園への入園を求めたということは、現在3歳の明菜ちゃんは1歳、2歳の時だ。8カ月で難病が判明していたとすると、保育園側が入園を断るのは普通のことだと思える。介護職員や看護師という資格だけのこと、或いは人数だけのことではない。難病の子に何かあった時のことを考えると、とても怖くて預かる気にはならないだろう。いや、それよりも、その年齢の子は他人に預けるよりも、親が身近で見守ることの方が必要なことだと私は思う。1歳や2歳の子に地域の子か、そうでないかなど理解もできない。数多くの署名を集めているが、考えようによっては、無責任な同情からの行為だと言えるのではないか。同情だけでは問題は解決しない。》

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2009年12月15日 (火)

A級戦犯「分祀」提言

 毎日新聞(12/15)から、
 靖国神社に合祀されているA級戦犯について、福岡県遺族連合会(会長・古賀誠自民党前選対委員長)の勉強会が「『宮司預かり』の状態に戻すべきだ」と、事実上の分祀を求める提言をまとめた。提言を足がかりに、分祀反対論が根深い日本遺族会内で論議を活発化させる狙いがあるとみられる。

【A級戦犯合祀】
 旧厚生省援護局は66年2月、絞首刑になった東条英機元首相ら、極東国際軍事裁判(東京裁判)で起訴されたA級戦犯の「祭神名票」を靖国神社に送付した。当時の筑波藤麿宮司は「宮司預かり」にしたが、筑波氏の死去後に宮司に就任した松平氏が78年10月、14人を合祀した。天皇の参拝は76年以降行われておらず、06年には昭和天皇が合祀に不快感を示したことが、富田朝彦元宮内庁長官のメモで判明した。

 勉強会は07年5月に設けられ、メンバーは古賀氏を含む連合会の役員ら11人。3年間で計11回の会合を開いて見解をまとめ、先月30日の県戦没者遺族大会で執行部が内容を報告。反対はなく、出席した千数百人は拍手で了承したという。

 見解によると、78年10月に靖国神社の松平永芳宮司(当時)による「抜き打ち的」なA級戦犯合祀により、その後天皇を含めて「わだかまりなく参拝できなくなっている」状態になったと指摘。「合祀の経緯を検証し、国民の意見を幅広く聞き、改めて判断するため、『宮司預かり』の状態に戻す」よう提言した。

 見解をまとめた文書は、日本遺族会や一部の遺族会に送った。福岡県連合会の新宮松比古会長代行は「中国、韓国の意見に関係なく、遺族としては戦争責任者の方々は靖国神社に祀られるべきではないと考えている。天皇、皇后両陛下に参拝していただける環境を整えるためにも、最終的には分祀まで持っていきたい」と話した。

⦅だが戦犯だから分祀しろという遺族会、なぜ分祀までして戦争犯罪者が神として祀られなければならないのか理解できない。遺族会の意見に従えば分祀となるが、さて、分祀して一体誰が、明確に戦犯として認識され、分離されたホトケさんに、家族や親類縁者の他に柏手打ってお参りする人間がいるのだろうか。居れば多分、暇になった歴史認識に疎い小泉純一郎ぐらいだろう。》

 次の「参照」は合祀などもってのほか、分祀にも、更には新たな国立追悼施設の建設にも、東郷神社への分祀にも反対する私見を書いたものだ。
 参照 分祀でなく、出てもらえばよい 06/08/

 福岡県遺族連合会の「分祀」提言は、戦後64年が経過し、高齢化が進む日本遺族会の危惧感を受けたものだ。戦没者の妻は平均年齢が既におよそ90歳、若い遺児でも60歳代で、会員数は年々減少している。党幹部や閣僚が「参拝せず」を明言する民主党政権では政治問題になっていないが、遺族会には、戦争の悲惨さを知る自分たちの世代でこの問題を解決しなければ、との認識が広がっている。だが靖国神社に一定の影響力があった自民党は野党に転落して政治力低下は否めず、遺族会の意見が集約されたとしても、分祀を拒む靖国神社との交渉は難航が予想される。

 分祀について遺族会には「戦争責任を認めれば戦没者が報われない」などの反対意見があり、公式見解は「靖国神社自前の判断」(同会の終戦60周年特別委員会報告)としてきた。

 だが、06年以降、「富田メモ」など昭和天皇がA級戦犯の合祀に不快感を示す新資料が相次いで見つかった。これを受け「長年求めても実現できなかった首相、天皇参拝の障害を取り除く」(同会幹部)ため07年5月、都道府県会長ら幹部による靖国神社問題に関する勉強会が設置された。そこでも議論は進まなかったが、遺族会会長である古賀氏の地元からの提言で状況が変わる可能性はある。

 遺族会では、民主党が掲げる「新たな国立追悼施設」が建設されれば、靖国神社が形骸化するとの危機感も強い。その前に戦争責任を巡って賛否が分かれる靖国神社を「わだかまりのない」施設に変え、「公的追悼施設」と認知させたい思いがある。

 「分祀」が実現すれば、歴史認識問題を超えた追悼の可能性が出てくる。だが政教分離や、自衛隊の海外派遣で戦闘に巻き込まれて犠牲者が出た場合の対応など、課題は残る。国家としての追悼のあり方は、さらなる議論が必要だ。

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2009年12月14日 (月)

同じ穴の貉

 同じ穴の貉、とは同類の悪党のことだ。昨日取り上げた死んでいった6人の自衛管の同類ということだ。同じように入ることが禁じられている禁止区域に入り込み、夜釣りをしていたが、行方不明になって世間を騒がせるやつらだ。このような連中はまた、「類を以て聚まる(るいをもってあつまる)元は易経」とも言われるものたちだ。

 毎日新聞(12/14)から、要約と《  》内は私見。
 13日午後1時40分ごろ、茨城県神栖市東和田の鹿島港に釣りに行った男性会社員3人の上司から「連絡が取れない。(3人が使った)車だけ防波堤付近で見つかった」と110番があった。行方不明になっているのは、いずれも同市内に住む内村和行(59)、佐藤辰男(33)、山田寿之(29)で、12日夜から釣りをしていた。県警鹿嶋署は防波堤から海に転落した可能性があるとみている。

 《水戸地方気象台によると、同港付近では、低気圧が通過する影響で11日から波浪注意報が発令されており、12日夜の波の高さは3メートルと予報さていた。不安定な天候の中、まして夜間の釣りに出るのは自ら好んで死にに行くようなものだ。》

 鹿嶋署によると、3人は12日午後5時過ぎから南防波堤で釣りをしており、同日午後9時ごろ、佐藤が妻からの電話に「そろそろ還る」と答えていた。しかし13日になっても戻らず、南防波堤の入り口から約20〜30メートル離れた駐車場で山田の乗用車が見つかった。

 防波堤は全長約4キロあり、釣り客*の間では魚が釣れる穴場として有名という。

 《* 釣り客 とは表現がおかしい。客として入場させている訳ではない。彼らは立ち入り禁止と大書された看板を無視し、施錠を破り、フェンスを乗り越えて行く「侵入者」とするべきだ。》

《同県鹿島港湾事務所は高さ2メートル以上のフェンスを設けて立ち入り禁止にしている。フェンス脇から侵入する釣り客(ママ)が後を絶たず、67年から計65人が海に転落して死亡しているという。いずれにしてもそこまでして侵入するにはもともと死も覚悟の上であろうし、実際に死ねば本望というべきかもしれない。そして、本人は死んだ後のことは知ったことではないかもしれないが、世間は放っておくこともできず、無駄な捜索に多大の人の投入や、経費が投入される。迷惑なことだ。》

《また、いたずらに死者の数が増えるのを数えるだけではなく、このような世間を騒がす不埒な連中を取り締まるには、禁止事項を破った場合、罰則を明文化し、高額な罰金を徴収するとか、拘留機関を定めて懲罰をくだすなどの対策が必要だろう。》

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2009年12月13日 (日)

自衛官転覆事故、死亡6人に(立ち入り禁止区域で夜釣り)

 毎日新聞(12/13)から、要約と《 》内は私見。
 13日朝、発見された遺体と合わせて計6人が死んだことになる。

 北海道苫小牧市の苫小牧東港沖合で11日夜、自衛官*7人を乗せたプレジャーボートが転覆し、5人が死亡、1人が行方不明となった事故で、このボートの定員は6人で、事故当時、定員を超す人員が乗っていたことが12日、分かった。また、現場は立ち入り禁止区域で、第1管区海上保安本部などは船舶安全法違反や業務上過失致死の疑いもあるとみて踏査を開始した。

《 * 自衛官 自衛官とは防衛省職員の一種であり、命を受け自衛隊の隊務を行う特別職の国家公務員である。自衛隊員のうちでも特に「制服組」と呼ばれる。
 1961年6月28日制定の、「自衛官の心得」には次のように書かれている。
  ▽ 使命の自覚
  ▽ 個人の充実
  ▽ 責任の遂行
  ▽ 規律の厳守
  ▽ 団結の強化
 立ち入り禁止区域への侵入、定員を無視した乗船など、自衛官の心得など無いに等しい。こんな奴らに国を任せていたのだろうか。まあ、最後の心得「団結の強化」で1人だけ残して死んで行ったのはまあまあだが、哀れとも、悲しい出来事とも思わない。自らが招いた結果だ。》

 7人は11日午後7時過ぎ、4台の車に分乗して苫小牧東港の岸壁に集合。同7時半ごろ、死亡した浜野さん(49)がボートを操縦して沖に出た。その当時波はおだやかでボートを防波堤に係留して、防波堤の上で7人がソイ釣りなどを楽しんでいたという。

 だが、午後10時ごろ、天候が急変した。10時半ごろ、7人がボートに戻ると、船内はすでに浸水していた。暗闇とうねる波の中、4人がバケツを持って海水をくみ出し、田中さん(救助された)ら3人が係留していた船首と船尾のロープを握って必至にボートを支えていた。約10分後、船尾のロープがはずれ、船体が傾き始めた。田中さんはとっさに防波堤に跳び移ったが、他の6人は海に投げ出された。

《天気予報も出ていたろう、天候の急変など言い訳にもならない。》

 救助にあたった鵡川漁協厚真支所の松本さんは「漁師でさえ危なくて海に出られないのに、小さなボートに7人も乗って出るなんて危険過ぎる」と首を傾げた。

 苫小牧海上保安署によると、転覆したボートは長さ4・45メートル、幅2・05メートル、深さ0・79メートル。同船の許可は「船員1人、客5人」だったが、11日には定員オーバーの7人が乗っていた。苫小牧海上保安署の中村貴人署長は「事故の一因とも考えられる」との見方を示した。

 苫小牧東港は、外洋からの高波を防ぐため同港から約1キロ沖合にある防波堤や消波ブロックで囲まれている。北電の苫東厚真発電所や工場が近くにあり、工場の温排水の影響もあって魚が集まりやすく、立ち入り禁止区域にもかかわらず、釣り人の間では「釣りの隠れた名所」として知られていた。

 1管はボートの定員オーバーや立ち入り禁止区域での夜釣りに問題がなかったか調べている。12日には国土交通省運輸安全委員会の船舶事故調査官2人も現地入りした。

《日本各地での釣り人のマナーの悪さはメディアもしばしば取り上げるところだ。入ってはならない区域への侵入もあるが、立ち入り禁止区域が「隠れた名所」との噂もあるほどの無法地帯であったことにも問題がある。また、それを放置してきた1管の責任も問われることになるだろう。》

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2009年12月11日 (金)

夾竹桃(キョウチクトウ)

 毎日新聞(12/11)から、 要約と、《 》内は私見。
 全キョウチクトウ伐採へ、福岡市立校。 本文を読む前に、『福岡』が目につく。海ノ中道での飲酒運転による殺人、教育委員会の不祥事、ピストルにヤクザ、喧嘩悪事なんでもありの県の印象が強い。ここで次のような夾竹桃の木の伐採が決まったという。

 夏から秋にかけて可憐な花を咲かせる夾竹桃。原爆からの復興のシンボルとして広島市の花にもなっているが、福岡市教委は「毒性が強い」として、市立学校に植えられている約600本を根こそぎ伐採することを決めた。根拠は匿名の投書1通。十分な検討もなく「いきなり伐採」という市の過剰反応ぶりに疑問の声が出ている。

 10月20日、市に匿名の投書が届いた。「キョウチクトウは有毒だ。撤去をお願いしたい」。市教委が調べたところ、小中高校と特別支援学校の約半数にあたる約90校で植えられていた。市教委はインターネット百科事典の「ウィキペディア」の情報などをもとに伐採方針を決定。今月初旬に各校に通知した。(以下、ウィキペディアから。写真、記事とも)

Red_2White  白は一重咲き、桃色は八重咲きが多い。


 【毒性】キョウチクトウは優れた園芸植物ではあるが毒性が強く、取り扱いには十分注意が必要である。
 ▽中毒症状 としては摂取した1時間後辺りに疝痛、下痢、頻脈、運動失調、食欲不振などがある。致死量は乾燥葉で50mg/kg(牛、経口)という上告がある。ヒトの場合、致死量は0・30mg/kgで青酸カリをも上回り植物毒の中では非常に強力な部類に入る猛毒である。ただし腐葉土になれば毒性はなくなる。
▽食中毒
 ◎広島で枝を箸代わりに利用し死亡者が出ている。なお広島市はキョウチクトウを市の花に指定しているが、学校ではキョウチクトウの毒性についてほとんど教育がなされていない。
 ◎フランスでキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある。
 ◎ギリシャのアレクサンドロス3世がインド遠征の折りに追従したセレウコス1世率いる軍の1小隊30人ほどがキュチクトウを串焼き肉の串として利用し、中毒症で全滅している。
 ◎家畜がキョウチクトウを食べることで中毒症が問題になる。
▽アレルギー
 環境省によれば1970年に喘息の発生が報告されている。

 「毒をもって毒を制する」の例えもあるように、
【薬用】 にもなっている。
 ◎キョウチクトウにはオレアンドリンなど様々な強心配糖体がふくまれており、強心作用がある。ほかに利尿作用もある。しかし、同種は非常に毒性が強いため、素人は処方すべきではない、などなど。

 数十本が植えられている中央区の学校の関係者は「毎夏に咲く花を近所の人も楽しみにしていた。子供が触れないよう、枝を刈り込んだりしていたのに」と残念がる。

 キョウチウトウは大気汚染に強く、高速道路の植え込みなどによく使われる一方、食べると嘔吐や下痢、心臓マヒなどを起こす有毒物質オレアンドリンなどを根から花弁まで含む。だが、植物の毒性に詳しい広島大の名女奈昭准教授(法医学)も「危険性を知らせれば済む」と市の対応を疑問視する。

 広島市は「キョウチクトウは原爆からの復興と平和のシンボル。有毒だからと撤去されるなのなら残念だ」と話している。

《現在、私が住んでいる市には、市民の健康福祉のため解放された健康福祉村という施設があって、室内プールやジム、一周できるサイクリングコース、ランニングコースもあり、市民の憩いの場としても多くの市民、家族に利用されている。そのコースに沿って夾竹桃が植えられ、樹木たけは4、5メートルから7、8メートルに及び、季節になると赤や白の花が咲いて見事な眺めを見せてくれる。早くから毒性の強い植物であることは誰もが知っているが、この夾竹桃によって被害を受けた話は聞いたことはない。》

《また、市の花として広く植えられ愛されている広島でも、学校でキョウチクトウの毒性について特に教育もしていないというが、過去被害にあった人が出たことがあったのだろうか。福岡市教委が誰でも編集できるウィキペディアの情報を鵜呑みにして伐採方針を決定したことから、「教畜党」と揶揄する者もいる、という。》

《これだけ大きく取り上げられたことで、逆に、毒薬として犯罪に利用されることにもなりかねず、はたして最善の対策はどのようにあるべきなのだろうか、難しくなったようだ。》

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2009年12月10日 (木)

万引き 4

 毎日新聞・埼玉(15/5)から 要約と 《 》内は私見。
 県警少年課は、万引き容疑で逮捕、補導された少年(含、少女)へのアンケート調査を初めて実施し、結果を公表した。

 53%の少年が「見ているうちに欲しくなった」と回答し、県警は「短絡的な動機が目立つ」と分析している。66%は「店員が巡回したり、声を掛けられたらやらなかったと思う」と回答しており、店側の対策のヒントになりそうだ。

 調査期間  平成21年2月1日から3月31日までの間
 調査対象  調査期間中に窃盗(万引き)で検挙・補導された少年(含、少女)
       調査対象とした総数は、196名
 調査方法  アンケート方式による

 196人の内訳は中学生59・7%、高校生26%。75%が男子。71%は万引き時に現金を持っていた。万引きの場所はスーパーが24%で最多。次いで多いホームセンター、デパートを合わせると60%に上った。

 75%が店員や他の客の目が届きにくい「店舗奥」で万引きをしていた。店を選んだ理由は59%が「買い物中にほしくなった」としているが、中には「友だちから万引きしやすい店と聞いた」「店員や警備員が少ないから」との回答もあった。

 「どのようなことがあったら思いとどまったか」との設問には、
   店員から声を掛けられる    28%
   どこにいても店員から見える  21%
   店員が巡回してるいる     17%
 としており、「店員の目」の防犯効果が大きいことが分かった。

 重複する内容もあるが県警資料からの抜粋も記しておく。
 【対象少年の特徴】
 1)犯行前には、およそ3人に1人(36%)が万引きをしても捕まらないと思って犯行を敢行している
 2)学年別
 3)万引きで検挙・補導された少年の年齢別構成は、14歳が28・6%と最も多く、次いで15歳(19・9%)、16歳(15・3%)の巡となっている
 4)万引きで検挙・補導された少年の平均年齢は14・8歳で、平成11年当時(15・4歳)と比較して、0・6歳低下している
 5)男女比
 6)犯行時に所持金を持っていない少年の割合は、およそ3人に1人の29%
 7)学識別では、中学、高校と年齢が高くなるにつれて所持金を持っているにも拘わらず、犯行を行っている割合が高くなる傾向を示している

 【犯行の特徴】
 1)犯行の時間帯は、15時から19時が57%を占めている
 2)万引きの対象物は、お菓子が21%で最も多く、次いで化粧品、本塁の順となっている
 3)万引きの場所

 【動機】
 1)万引きの時期
 2)品物が欲しかったが53%ともっとも多く、次いでお金を持っていなかったが20%となっている

 県警によると、万引き犯全体での少年の割合は、99年の51%から08年には29%と減少傾向にある。だが、少年の内訳は、99年が高校生46%、中学生35%だったが、08年は高校生34%、中学生46%と逆転している。
          
 《いずれにしても、「人に見られていなかったら、万引きをする」とは、恐ろしい犯罪心理だ。昔、「嘘つきは泥棒の始まり」と言って親は子供が嘘をつかないことが、社会規範として守るべき第一歩として大事なことであることを教えた。今ではその始まりがすでに泥棒では、なんと言って悪いことをしてはいけないことを子供に分からせればいいのだろうか。規範となるべき親不在の現在の家庭環境で、人の道を説くことは誰の役目なんだろうか、少なくとも学校に上がってからではもう遅いのだから。》

 

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2009年12月 9日 (水)

世界一の必要はない、スーパーコンピューター

 毎日新聞(11/30)から、要約と 《 》内は私見。
 民主党政権の事業仕分けにより、国の経済開発の源として「聖域」扱いされてきた科学技術予算に容赦ないメスが入った。この事態に、ノーベル賞受賞者らがこぞって仕分け結果の見直しを求めるなど、科学界は激震に見舞われた。事業仕分けが科学界に突きつけたものは何か。まずは世界最高性能を目指す次世代スーパーコンピューター開発のある方を巡り、仕分け会場でも激論を交わした事業主体の理化学研究所の平尾公彦氏(64)と、仕分け人んを努めた金田康正氏(60)に改めて聞いた。

《たまたま、その時のテレビ中継を見ていた。蓮舫氏の「世界2位ではいけないんですか」の問いかけに対して、高邁な理想論を述べただけでは予算獲得の論拠に乏しい。専門的なことは分からないが、私にも、世界1位である必要性はないものと思える。第2次世界大戦が始まった小学生のころ、小学校の先生は、戦うことになった敵アメリカという国を、「なんでも世界一でないと気が済まない国」と揶揄的に教えた。いままた、日本はその国と世界一合戦を始めようというつもりなのか。》

 『同紙の片隅に、小さく報じられた記事がある。『スパコンのノーベル賞、長崎大助教ら受賞。』というものだ。
 安価な材料を使ってスーパーコンピューターを製作、演算速度日本一を達成した長崎大学の浜田剛助教(35)らが、米国電気電子学会の「ゴードン・ベル賞」を受賞した。
 同賞はコンピューターについて世界で最も優れた性能を記録した研究者に与えられ「スパコンのノーベル賞」とも呼ばれるものという。浜田助教は横田理央・英ブリストル大研究員、似鳥啓吾・理化学研究所特別研究員との共同研究で受賞。
 3年かけコンピューターグラフィックス向け中央演算処理装置(CPU)380基を並列に作動させることに成功。開発費は約3800万円。一般的には10億〜100億円かかるという。毎秒158兆回の計算ができる「演算速度日本一」を達成した、という記事である。』

《今回の平尾、金田両者の言い分に目を通してみて、金田氏の「世界一である必要があるのか」という説に軍配を上げる。氏は、スパコンでの円周率計算で、十数回世界記録を塗り替えた第1人者だ。》

 氏はいう。科学は世界一を目指すものだ。それは全く否定しない。ただし、スパコンは他の研究に使われる道具だ。道具が必ず「世界一」である必要があるのか。それを使い生まれた成果が世界一であることこそ重要だろう。

《弘法筆を選ばず、という。最高級の筆を使えば字はうまく書けるのか、ということだ。》

 そもそも性能比較として使われる「トップ500」プロジェクトは、マシンの演算能力のごく一部しか見ていない。スパコンはマシンの速度と動かすプログラムの質がかみ合って性能を発揮する。低速のマシンでもいいプログラムを動かせば上位を凌げる。現計画は無意味な「コンテスト」の勝利が目的のようだ。しかも近く米国で20ペタマシンが登場し、その勝利すらおぼつかない。

 管理、運用方法を含めたトータルな使いやすさと得られる対価の大きさこそスパコンの本当の「性能」になる。10ペタマシンは、部品数から故障率が1ペタの10倍以上に達し、プログラムを書くのも非常に難しい。計算機への意識が低い日本は、質の高いプログラムを書ける研究者が極端に少ない。現実には「使えない」マシンになるだろう。

《これだけ懸念材料が提起されれば、大和魂で戦争に勝てなかったのと同様、精神論、理想論だけでは投資効果は見えて来ない。》

 事前審査で特定分野の少数の研究者を選び、マシンを使わせる運用も問題だ。それでは科学の革新の芽は生まれない。10ペタ1台の価格で安定して十分高速な1ペタが10台以上作れる。それを意欲ある大学院生らにどんどん使わせる。それが日本の科学を底上げする政策だし、プロブラムが書ける研究者の育成にもつながる。

 氏は、事業仕分けで計画の見直しを主張した。それは開発停止、凍結ということではない。10ペタへのこだわりを捨て、内容を変更すべきという考えだ。当然スパコンは開発は継続せねばならない。日本にまだない1ペタ級のベクトル型、スカラー型のマシン複数をすぐに導入し、広く使ってもらう。そのうえで次々世代の革新的スパコン開発に挑戦すべきだと考えている。

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2009年12月 8日 (火)

12月8日

 テレビが街頭で若い男女にマイクを向けて質問していた。「今日12月8日は何の日か知っていますか」答えを聞いて寒くなってきた。「何だっけ?」「何?」「昨日は友だちの誕生日だったんだけどぉー」。「真珠湾ってどこにありますか?」には「伊勢湾でしょ」。平和ぼけも来るところまで来たようだ。というよりも、学校は、日本の近、現代史を何も教えていないのか。この程度の人間が、例えば小学校から学んで英会話ができたとしても、自国の歴史も知らないで、グローバルな人間ということができるのだろうか。国は、英語を身につけさせるよりも先に、することがあるだろう。

 参照 1941(昭和16)年 05/12/8

 68年前の本日未明、真珠湾を攻撃した日本軍は、アメリカ太平洋艦隊を急襲し、大打撃を与え勝利をおさめたのだ。新聞、ラジオはその大勝利を報道し、日本中の国民はその知らせに有頂天になって狂喜した。しかし、たった3年8ヶ月の後には日本全土を焼け野原にし、遂には原子爆弾が投下され敗戦を味わった。憎しみ合う敵同士、「1000人*殺せば英雄になれる戦争」(1947年「チャップリンの殺人狂時代」より)で、原子爆弾は落ちるべくして落ちたのだ。

 * -- チャップリン扮する殺人鬼は絞首刑の執行直前、獄房にネタ取りに来た新聞記者に向かって自説を開陳する。ここでの台詞は人によって100万人と引用する数の誇張があるが、映画では1000人だ。

 戦争に人間性などある訳がない。兎に角どれだけ数多くの敵を殺せるか、そのために戦争当該国の著名科学者たちは躍起になって原子爆弾、水素爆弾の開発を急いだ。当然日本の科学者も研究したが、資金力の差は如何ともなし得なかった。アメリカ国家の抹殺を望んでいた(当時の教師が生徒たちへ教えた戦争目的だった)日本が、原爆開発の先を越していたら、躊躇せずに使用していただろう。なぜならそれが戦争に勝利する近道だからだ。落下から64年経過して現在の価値観から、原子爆弾の非道を訴えることは容易だが、当時のアメリカにしてみれば、日本を叩くには効率の高い原爆も、さして高くない大砲も同じ殺人兵器であることに違いはなかったろう。

 戦後半世紀以上経過して、浄化されたように戦争を懐古して振り返り、映画や回顧録など戦争の中に敵味方の人間性や友情などを描こうとするが、いくら美化しても戦争に正義など存在するものではない。

 テレビの街頭インタビューは余りにショックだった。これでは未だ遺骸になったまま故国に還ることのできない日本兵が、地下に埋もれて眠る玉砕の島グアムやサイパンなどの島々に、気楽に遊びに行く同じ同胞の日本人がいてもおかしくないはずだ。

 夕刻時、アメリカ軍人が、激戦で死亡した日本軍人の死体からはぎ取って、戦利品として持ち帰っていた日章旗(出征のとき、武運長久を祈願して、隣組や知人、友人、家族などからの寄せ書きがされている。中には血糊が付着したままのものもあっし、サイパンからのものも混じっていた。)約50枚が日本に来て、持ち主が分からず、還る先のわからないまま探している人の話がテレビで流されていた。たくさんの人たちの祈りも届かず、肌身につけたまま戦死して行った男たちの身体や鉄兜の裏から剥ぎ取られた魂を写す旗は、故郷の父母や妻兄妹の懐に還ることも叶わないままに彷徨っているようだ。68年前に始まった戦争だが、まだ終わっていない。
 
 

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2009年12月 7日 (月)

子供の虐待死387人

 一昨日の子捨て、昨日の結婚しても子供なんていらないに続いて、今日は遂に子殺しの記事になった。日本は止めどなく社会規範を失った国に堕ちて行くようだ。

 毎日新聞(12/7)から、《 》内は私見。
 大学の法医学教室や監察医機関が00〜06年に手がけた17歳以下の解剖例で、虐待による死亡か、その疑いの強い死亡が計387人に上ることが、日本法医学会の調べで分かった。うち113人は繰り返しの暴行や育児放棄(ネグレクト)による死亡で、約8割は0歳児を中心とする3歳以下だった。学会は「社会とのかかわりが薄い3歳児以下の子供を、社会がどう見守るかが課題だ」と指摘している。

《このところ子育てに関して「社会全体が」「社会がどう見守るか」などと、社会とのかかわりを強調する意見が多く発せられているが、いじめや暴力など、何年も前から起きている学校内のできごとさえ掌握し切れていないものを、家庭の密室で起きることの多い虐待を、社会が把握できた時にはすでに手遅れになっている。社会が係わる以前に親や保護者への啓蒙こそやるべきことではないか。》

《今次大戦が敗戦で終結し、天皇や軍部の「戦争犯罪」に対して国民の声が大きく叫ばれ始めたとき、敗戦処理を任された内閣で、東久邇宮(皇族)首相が「日本国民総懺悔」を叫んだことで、日本人自身による肝心の戦争責任の所在を曖昧にしたのと同じように、親の育児責任を社会の責任に転嫁させることになるだけだ。》

 調査は07〜08年、解剖を担当する全国の84大学・機関を対象に実施。55大学・機関から回答があった。(回収率65%)

 調査結果は、子どもへの加害行為のすべてを虐待と位置づけた上で
  1)繰り返しの暴行や育児放棄による死亡 113人
  2)殺害された嬰児           54人
  3)無理心中による死亡         73人
  4)2)と3)を除く殺人による死亡   86人
  5)その他の事例による死亡       61人、に分類した。
 
 1)のうち暴行による死亡と、暴行かつ育児放棄による死亡は計86人。
  年齢別には a 0歳  25人
        b 1歳  16人
        c 2歳  15人
        d 3歳  12人
    加害者は実母が     32人(37%)
        実父      17人
        継父か内縁の父 16人
        祖母       2人
        おば       2人 
 暴行した実母32人の動機は 愛情の欠除11件、子供の反抗的態度4件 家庭不和3件、子供の泣き声3件などが占めた。

 調査結果をまとめた東北大学大学院の船山真人教授は「法医学者は傷の形状や程度などから、虐待の有無が分かることもある。大勢の命を救うために、法医学者が生存段階から子供の傷の鑑定に積極的に関与する必要がある」と指摘している。

《慈恵病院の捨て子が2年5ヶ月で51人、子殺しの方が遥かに大量だ。育てることもままならないでも子づくりだけは人並みだ。》

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2009年12月 6日 (日)

「男女共同参画社会に関する世論調査」

 毎日新聞(12/6)から、要約と、《 》内は私見。
 《朝刊を手にした途端に飛び込んできた括弧の中の大きな文字「子供必要ない」42%。その隣には結婚しても20、30代は6割、と書かれている。このこと自体は経済的な不安に突き動かされた心理状態からくるもので、特に驚くことではないが、この20、30代世代があと10年、20年さき、家庭を持っていたら、と仮定すると、現在大騒ぎでアピールが続く託児所、保育所、学童保育所などは、子供のいない静まり返った建物群になっていることになる。メディアの煽り立てるような報道で、一時の社会不安に左右されて、人生設計まで右往左往していては国家の存亡にさえかかわることになる》。

 【閑話休題】
 内閣府は5日付けで、世論調査の結果を発表した。
 「結婚しても必ずしも子供を持つ必要はない」と考える人は、前回調査(07年)より6・0ポイント増の42・8%で、97年の42・7%を超えて92年に調査を始めてから最高となった。合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の数に相当)は06年から3年連続で改善しているもの、子供を持つことにはこだわらない社会意識が定着しつつあることを示した。

《不況といいながら、街には着飾った女性が溢れ、廉価商品が売れる半面、相変わらずブランドものも引っ張りだこだ。「生活が苦しい」の「苦しい」の基準は男女、世代、環境によっても千差万別のものだが、平均では計ることのできない別の物差しが必要だろう。加えては、経済的不安はメディアが拍車を掛けて伝えることで雪崩現象のように社会不安となっていく。》

《極端な例だが、テレビ番組で、男女タレントの何人かが1カ月1万円(光・熱・水費含み)で生活することを求められ、通常のタレント業をこなしながら、自炊料理を工夫し、足りない食糧を自ら海に潜り、モリやヤスで魚介類を捕獲するものもおり、1万円を超すことなくやり切っていた。米はなく、サツマイモが主食、一日二食も普通にあった戦中戦後を生き延びてきた者には可能でも、豊穣の世に生まれ、全てに恵まれた中流を味わった若者には貧乏は耐えられる生活ではないだろう。こんなさなかに意見を求めても、破れかぶれで「子供なんていらない」となるに決まってる。》

 「子供を持つ必要はない」との回答は、
   男性・・38・7% なのに対し、
   女性・・46・5% と半数近くに上った。
 年代別でみると、
   20歳代・・63・0%
   30歳代・・59・0% と高く、
   40歳代・・47・5%
   50歳代・・43・1%
   60歳代・・35・8%
   70歳代以上22・8% と
 若い世代ほど子供を持つことにこだわらない傾向がみられる。

 また「結婚は個人の自由だから、してもしなくてもどちらでもよい」との回答は前回より4・9ポイント増の70・0%。過去2回の調査では減少傾向にあったが今回は再び7割に戻った。

《確かに昔のように、親同士が決めて結ばれたようなケースは「家」が中心にあったが、さすがにそれはないのだろう。彼らがいうように結婚は個人の問題で、好きなようにすればいいことだ。だが、上のような調査からは、これが今後辿る現実の道とするならば、遠からず日本という国は滅んで行くことは必至だ。現在懸命に取り組んでいる保育所問題など、投資することは過剰設備となり、誰もいない幽霊屋敷か廃屋が連なることになるだけだ。止めた方がいい。》

 「夫は外で働き、妻は家庭を護るべきだ」との考えに「反対」との回答は前回より3・0ポイント増の55・1%で、調査開始以降、5回連続で増加した。

 女性が子供を持つことについては「子供ができても、ずっと職業を続ける方が良い」が、前回より2・5ポイント増の45・9%と過去最高を更新した。

 「男女の地位」に関する調査では、法律や制度面で男女が「平等」と感じている人(44・4%)が「男性の方が優遇されている」と感じる人(41・4%)を調査開始以来、初めて上回った。一方、職場での状況は「男性優位」が62・1%とほぼ横這いで、法制度が整備されても職場での女性の立場改善に結びついていない実情が浮かび上がった。

《これは必ずしも妥当な判断ではないだろう。人間の「欲」というものに公平性が測れない以上は、どこまで行っても上限がない。女性がこれで「半分」と言った時には完全に立場は逆転している。》

 調査は10月1日〜18日、20歳以上の男女5000人を対象に実施。3240人から回答を得た。

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2009年12月 5日 (土)

こうのとりのゆりかご 運用始めて2年5カ月

 数日前になる、テレビで赤ちゃんポストの経過報告をしていた。運用を開始してから2年5カ月が経過した。その間に捨てられた(敢えてこの表現を使うが)赤ちゃんは51人。その全員が病院のある熊本県以外から運ばれた子たちだ。中には飛行機を使って捨てにきた親もいたという。親が分かったのは39件で、20代が21、10代も5件あった。

 51件については、母親は約8割が20〜30代で、その全体の7割が未婚・既婚者だったという。
  捨てた理由は「戸籍に入れたくない」--- 8人
        「生活が苦しい」----------- 7人
        「不倫」----------------------- 5人
        「世間体・未婚」------------ 3人
  その他には、父が外国人だからや、
        子どもの傷害が理由のケースもあった。

《子どものがわからは助かった命だが、余りに身勝手な捨てた親たちにどのように同情すればいいのだろうか。2年5ヶ月前、乱れに乱れた日本の性風俗の現状から、このような結果になることは十分に予想でき、警告しておいた。楽しんだ後の処置は他人任せだ。後に引き取りにきた親も何人かいたようだが、一度捨てた罪の意識は生涯つきまとい、まともな親子関係は営むことはできないだろう。》

 参照 赤ちゃん置き去り続発 07/10

《高邁な蓮田院長の思想も、結果としては罪作りの片棒担いでいることになるのではないだろうか。》

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2009年12月 4日 (金)

ハウジングプア

 ハウジングプアと書いてわざわざ括弧をつけて住まいの貧困と説明する。横文字好きもいい加減鼻につく。

 毎日新聞(12/4)から、要約と《 》内は私見。
 誰もが「夢のマイホーム」を目指した時代は遠のき、賃貸住宅の役割が増している。だが400万戸超の賃貸住宅が空き家となる一方で、安定した住まいを持てない「ハウジングプア(住まいの貧困)」層が増加している。だぶついた賃貸住宅の有効活用と、賃貸で暮らす低所得者への公的支援制度創設など住宅政策の見直しを求める声が高まっている。

 「家賃を払わない人を簡単に追い出せないというのは、家主がボランティアで住まわせるということか」。9月に開かれた国土交通省の民間賃貸住宅部会。弁護士の「不動産業者には入居者の権利を保護する社会的役割がある」という発言に対し、業界団体の理事が声を荒げた。

《業界団体の理事が声を荒げるのは当然だ。賃貸契約は慈善事業ではない。そのことも理解できていない弁護士では論争相手にもなるまい。戦後日本の復興期、現在よりも遥かに貧しい生活をしていた国民に、同じような問題が起きていた。当時叫ばれたのが「居住権」だ。上のように賃借料を払わない人には居住権はない、と考えなければならない。》

 部会は賃貸を巡るトラブルの予防策などを検討している。特に議論になっているのは、入居者の家賃滞納履歴のデータベース化*だ。「悪質滞納者を判別することで市場の健全化につながる」との意見を基に8月の中間とりまとめに一案として盛り込まれた。

 *(参照:続・家賃滞納履歴のデータベース化 09/11 )

 民間賃貸住宅を巡る環境変化は激しい。規制緩和で進んだ都市開発で都心部に高層マンションが立ち並ぶ一方で、全体の2割以上が空き家となっている。20年前の約2倍だ。「人口減で、市場は部屋余りの状況。部屋不足で大家が力を持った時代は終わり、借り手市場になった」と「日本賃貸住宅管理協会」の末松常務理事。求めているのは、退去を求めるのにのに厳しい条件を課している借地借家法の改正だ。家賃滞納者などを退去させやすい法制度にすることで、大家の立場を保護するためという。

 だが、部屋余りの現状とは裏腹に、雇用環境悪化や低所得者の拡大から、安定した家賃の支払いができない「ハウジングプア」層が増加。滞納者に対し無断で鍵を交換したり暴力的な取り立てを行う「追い出し屋」が社会問題になっている。

 弁護士らでつくる「全国追い出し屋対策会議」は相談者45人の生活背景を調査した。職業が分かった人の内訳は、アルバイトなど非正規職12人、無職13人、自営業7人、正社員10人。正社員でも所得が低かったり、不安定な職種が多かった。対策会議の堀司法書士は「悪質な滞納者ではなく、やむを得ず滞納している人が被害にあっている。データベースができれば彼らは新たに住まいを借りられなくなる」という危機感を抱く。

 こうした社会構造の変化を見据え、家賃補助制度や公的住宅など低所得者向けの住宅政策の拡充を求める声が強まっている。政府は10月、失職で住まいを失う恐れがある人を対象にした住宅手当をつくった。しかし、期限は最長6カ月で、失職者向けの緊急措置に過ぎない。低所得者を支える恒久的な制度の確立には至っていない。

 自治体の財政難などで戸数が減少傾向にある公営住宅に代わり、賃貸住宅の空き部屋を行政が借り上げ、安い家賃で提供する制度も提案されている。空き部屋対策にもなるため不動産業界内にも賛成意見がある。

《埼玉県下の我が家の近辺には、長屋風だが一戸建て二間の市営住宅があちこちに点在していた。しかし、20年ほど前から中流意識に染まった人たちは、上を望みそこを離れることが多くなり、空き家が目立って行った。後に入る人は滅多になく、家屋は荒れるに任せ、ごく近くにも6軒あった荒れ放題の家屋にブルドーザーが入り、2日間できれいに更地になっていた。豊穣の生活になれ、今になって塗炭の苦しみに喘ぐのも、人間の愚かさかも知れない。》

《震災の後などに、仮設住宅が設置されることがあるが、戦後の長屋仕立ての家屋よりは余程立派だ。工期も短くて建てることが可能だ。問題になっている人たちを支援するには最適の住居になると思うが。》

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2009年12月 3日 (木)

国民の健康よりも税収が大事

 《何とも汚い腹の底が見える対策だろうか。健康に害があるとして政府税調はたばこ税の大幅増税を計画していたが、あれこれやってみても国庫には予定の税収が確保できそうにない。これ以上「たばこ仇」と大幅増税をやって禁煙者が増えれば国庫に入るカネが足りなくなる。「こりゃたまらんわい」と申し訳のような姑息な手段に切り替えて、チビりチビりと何度にも分けて上げることにしたようだ。あまりにも愛煙家をバカにした対策だ。》

《私は戯れに、たばこを喫わなくなってほぼ17年になる(以来ただの1本も喫っていないが、禁煙ではないから、いつ再開するかもしれない)。しかし、喫煙は趣味嗜好の範疇にある。なんども主張してきたが、それほど害のあるものなら、思い切って国全体を禁煙国家にすればいい。大幅増税にはすでに栽培する農家の側からは反対意見も出ているが、国民の大事な命には代えられないのなら、聞く耳持たずに全廃することだ。後のことは政治家が考えればいい。》

 毎日新聞(12/3)から、要約と《 》内は私見
 政府は来年度から、たばこ税を1本当り2〜3円程度引き上げる方向で調整に入った。実現すれば、1箱(20本)の価格は40〜60円程度上がり、代表的な銘柄(300円)で340〜360円程度になる見通し。健康への影響を配慮する厚生労働省が求めていた1本当り10円とする大幅増税は見送るが、来年度以降も段階的に税率を引き上げることも併せて検討するという。

 たばこを巡っては、民主党が政権公約で健康目的の値上げ(増税)方針を掲げ、厚労省も喫煙の抑制を目的とした大幅値上げ(同)を提案している。一方、財務省は、販売量の急減を懸念して、大幅増税に難色を示していた。たばこは98年以降、3回値上げされたが、1本当り1円程度の増税にとどめることで、2兆円程度の税収を確保してきた。

 しかし、鳩山由紀夫首相が健康目的の増税に前向きの姿勢を示したことで、同省などが試算を進めてきた。税収減や葉タバコ農家の経営問題を考慮して値上げ幅を抑えることで、喫煙の抑止と安定的な税収確保の両立を図るという。

《これでは国庫が枯れては政治はできません。虻蜂取らず(喫煙の抑止と安定的な税収確保)になって少々値段を上げますが、どうかたばこを嫌いにならないでお吸い下さい、というようなものだ。》

 政府税制調査会で議論し、税制改正大綱をまとめる11日までに決定する方針だ。たばこ税は現在1本当り8・7円。
 

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2009年12月 2日 (水)

日本オリンピック選手強化費縮減に憤り

 毎日新聞(12/2)から、要約と 《  》内は私見。
 日本オリンピック委員会(JOC)の選手強化事業などに対する国の補助金約27億円などが、行政刷新会議の事業仕分けで「縮減」の対象となったことを受け、五輪メダリストら11人が1日、東京都内のホテルで厳しい財政事情を訴える共同会見を行った。

《現在の国の経済情勢から判断しても、強化事業から血税を縮減するのは当然だろう。怒ることはない。「参加することに意義がある」と言われたのは遠い昔のこと、現実には厳しい勝負の世界だ。入賞すらしそうもないメンバーの集団を、お祭り騒ぎ宜しく送り込んで来たのが日本の選手団だ。それこそ仕分けの基準の投資効果から判断すれば、従来の2分の1、或いは3分の1の数で事足りるだろう。オリンピック開催の当事国ともなれば話は違って、ただ参加することの意義もあり得るだろうが、スポーツには何の関心もない人も混じる国民の税金から分けて頂くのが強化費だ。》

 会見では04年アテネ五輪男子アーチェリー銀メダルの山本博(日体大女短大教)が「われわれは練習時間を削ってアルバイトをしたことがある。諸外国の選手たちはそれを聞いてびっくりする」と競技団体の財政が苦しいマイナー競技の選手の自己負担の大きさを指摘。08年北京五輪フェンシング男子個人フルーレで銀メダルの太田雄貴(森永製菓)も「税金で競技をさせてもらっていることを認識する必要がある」と語ったうえで、「五輪の出場権を得るために自己負担で大会に出る現状は、将来を担う子どもたちにとっても悲しいことだ」と訴えた。

《自分で望んでスポーツの世界に入ってオリンピックを望んだ以上、アルバイトをしてでも自己負担で鍛錬し、その結果大会に出るのは当たり前のこと。最初から税金を前提にした話では、話にもならない。スポーツの祭典といいながら、氷の上を箒で掃くだけのゲームや、まして次の五輪にはスポーツとも呼べないゴルフが参加することが決まった。もともと金がないと始めることもできない贅沢なゴルフなどに、税金が使われることになるのは絶対反対だ。》

 また仕分け人が「リュージュ、ボブスレーなどマイナーな競技にも補助が必要か」と指摘したことに関して、92年アルベールビル五輪男子スピードスケート銀メダルの黒岩敏幸氏は「マイナースポーツこそ補助が必要。切り捨てる言葉に憤りを感じる」と強い口調で語った。

《マイナーを差別するわけではない、参加種目があるから参加する、そこに税金を使う必要性を認められないだけだろう。》

 今夏の水泳世界選手権男子背泳ぎ銀メダルの入江俊介(近大)は「亡くなった古橋(広之進)さんが戦後の苦しかった日本を明るくしたと何度も聞いた。スポーツのすごさを理解してもらえると嬉しい」と口にし、アテネと北京で2大会連続金メダルの女子レスリングの吉田沙保里(綜合警備保障)は「景気が悪いと、企業がスポンサーから降りて苦しい。安心して戦えるようにしてほしい」と台所事情を訴えた。

《スポンサーが降りるのも、国が税金の使用について厳しく審査するのも同じだ。今日の生活をやっと凌いでいる人たちの懐から出されて集まったのが税金だ。それを血税というのだ。バブル時代と同じように甘えていてはいけないのではないか。それで戦えないのなら、戦ってもらわなくてもいい。》

 08年度決算によると、JOCの総収入のうち、国庫補助金は27億3199万円で全体の30・9%を占め、主に合宿費や遠征費などの強化事業費に充当されている。上村春樹・JOC選手強化本部長は「27億円は諸外国と比べてむしろ少ない。死活問題」と語った。

《こんなところでも外国との比較を口にする。その国にはその国の考えがあろう。よその国のことはどうでもいい、日本には日本の事情があろう。》

 事業仕分けでは、選手強化事業費27億1400万円を含むスポーツ予算32億9200万円(文部科学省、10年度概算要求)が「縮減が妥当」と判定された。

《JOCの総収入の3割がなくなるだけだ、7割も残るのだ。緊縮財政は国も同じなんだ。死活問題だろうがそこで知恵を出さねばJOCは解体するだけだ。》

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2009年12月 1日 (火)

小中高校生暴力行為件数、最多を更新

 昨年も同時期に同じことを調査した。他の同様の調査と変わらず、増えた減ったというだけの飽き飽きするような内容だ。

 毎日新聞(12/1)から、
 文部科学省は30日、全国の小中高校を対象とした08年度の「問題行動調査」の結果を公表した。児童・生徒の暴力行為の発生件数は5万9618件(前年度*比13%増)で過去最多を更新した。いじめの認知件数は8万4648件と、前年度より16・2%減ったものの、依然として高水準で推移している。

 * 参照 小中高生、暴力行為件数最悪に - 2 - 08/12

Dscf0100a_2 ささいなことでキレて教師に手をあげる子どもたち。学校現場が児童・生徒の暴力に頭を悩ませている。現場からはかつての「校内暴力」よりも「指導が困難」という声が漏れる。

《昨年取り上げた時、その辺のことに触れているので重複を避けるが、幼い頃からの家庭内での親の放任が底流としてあるのだ。両親の共稼ぎ(私はずっと共働きという言葉を使わずにきている)で保護者不在になっている家庭が殆どだ。乳飲み子の頃から育児は他人任せ、子どもが情緒不安定な育ち方をするのは当然の帰結というものだろう。そして、その共稼ぎの理由は「生活が苦しい」が大半だが、その多くの家庭には車があり、高価なテレビがあり、その他の電化製品で埋まっている。子どもには、習い事をさせ、塾に通わせ携帯を持たせ,好き放題に使わせる。あの子がそうだから、隣がそうだから、みんながそうだからの日本人特有の付和雷同、横並びのための贅沢の苦しみと言ってもいいものだ。》

 埼玉県内の中学の50代の男性教諭が数年前まで勤務していた学校には、突然キレて周囲のクラスメートに殴り掛かる生徒がいた。止めに入ると頭突きをされ、蹴られた足に痣が残った。現在の中学でも「少し注意すると腹を立てて、小突いてくる程度なら幾らでもいる」と言う。

 対教師暴力が統計上増えている背景には、学校側が警察に積極的に通報するようになったこともある。北関東のある中学の校長は数年前の赴任直後、中学3年生の男子生徒がたばこ所有を注意した教師3人に殴り掛かった際に、すぐさま警察に通報。「以前は表ざたにしたくないと抵抗があったが、学校も治外法権ではない、と明確にした方が結果的に落ち着く」と話す。

《本来なら、その子どもの親が育児責任を果たしていれば、喫煙も所有もないところだ。親がしないところを親に代わって教師は取り締まらなければ学校内の規律が保てなくなる。まして、教師から諭されることに反抗し、暴力を振るうような生徒には、昔ならぶん殴って鉄槌をくだせたが、現実には何も反撃できない教師としては警察に通報するのが正しい判断だろう。》

 日本中で「校内暴力」が吹き荒れた70年代後半から80年代初頭のように派手な暴力行為が蔓延しているわけではない。ただし、元中学教師で「学校崩壊」などの著書がある河上亮一・日本教育大学院大学教授は「『番長』を中心に組織的に学校に抵抗したのが当時の暴力。普通の子たちとの間には明確な境界があり、対応しやすかった。しかし最近は普段極めておとなしい子が突然キレるため、対応が困難だ」と指摘する。

《典型的な情緒不安定からくる現象で、家族の団欒を失い、個々にばらばらな家族の生活からは、感情をコントロールできなくなったり、規範意識やコミュニケーション能力の低下などが起るのは自然の成り行きだろう。》

 「悩める教師を支える会」を主催し、現場教師のカウンセリングなどを行っている諸富祥彦・明治大文学部教授は「教師への暴力をきっかけに鬱になり、最終的に辞めて行く教師が多い。かつてのような大混乱はないが、小さな地雷がいつ爆発するか分からないのが今の学校だ」と語った。

 地域別にみた暴力行為の発生件数では、突出しているのが神奈川県で9232件、1000人当り10・2件。全国平均は4・2件。大坂の7426件(同7・7件)、兵庫3944件(同6・2件)、東京2682件(同2・2件)、埼玉2674件(同3・5件)、京都2613件(同9・2件)と続く。

 また今回の調査では、携帯電話やパソコンのインターネットを介した「ネットいじめ」の件数が前年比2割以上減った。文科省児童生徒課は自体を把握するのは困難としつつ「インターネットや携帯電話の使い方について子どもたちに指導を徹底した結果」と説明する。

《随分と楽観的な感想だ。何でもそうだが、数字で把握できるのは表層に浮かび出てきたものに限られる。人工妊娠中絶でも年間30万件、というのが発表される件数だが、この数字を信じている専門家は少ない。届け出がなされないだけで、その実、ほぼ100万件はあるだろう、といわれている。》

 一方、全国Webカウンセリング協議会(東京都中央区)の安川雅史理事長は、楽観していない。友人同士でパスワードを設定し、部外者が閲覧できないサイトをつくることは児童でも可能。自治体が強化する「学校裏サイト」の監視業務でもパスワード型サイトのチェックは難しい。安川理事長は「閉じられた空間で、いじめられている本人さえ気づかないまま中傷されているケースが相当ある。ネットいじめはむしろ潜在化している」と話している。

 いじめの地域別で特に目立つのが、愛知県9699件(同11・5件)で、千葉県7123件(同10・9件)、熊本県7053件(同32・7件)、岐阜県6227件(同25・2件)つ続いている。

《暴力行為にしろ、いじめにしろ、親たちが育児義務を自覚するまでの間は、国も有識者も、ただデータを眺めては増えた減ったの感想を述べるだけで終わる時代が続くだろう。》

 

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