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2009年11月 4日 (水)

公立高入試、推薦廃止が広がる

 毎日新聞(11/4)から、要約と 《 》内は私見。
 公立高校の入学試験で、学力検査がない推薦型の選考方法を見直す動きが広がっている。和歌山県と静岡県がすでに一般入試に一本化したほか、埼玉など3県が来年入学の10年度入試から、千葉など3県が13年度までに、全ての受験生が学力検査を受ける方式に改める。学力検査なしに入学できる高校の増加が、中学生の「学力低下」の一因という指摘が背景にある。

《本来「推薦」とは、優れている人や物を人に薦めること、だ。「優れている」ことが重要な条件であるはずのものだ。それが箍(たが)の緩んだ「自己推薦」や「特色選抜」で入学が可能になれば、学力低下を招くのは至って自然な成り行きというものだ。少子化という免罪符を背負って、幼少時からちやほやされ、携帯やゲームで日を送っていても、少々のことは大人の側は許してくれる世の中だ。

《これは高校入試に限らない、そのまま成長して大学の入試もその延長線上にあるのだ。中学生並み高校生並みの大学生が掃いて捨てるほど生産されているのが現在の入試システムの結果だ。》

 同紙が全国の都道府県教育委員会に確認したところ、大阪府は以前から推薦入試がなかった。和歌山県は07年度、静岡県は08年度から学力検査を課すようになっており、残る44都道府県で学力検査なしの推薦入試が行われていた。

 このうち、青森県、埼玉、高知の3県はこれまで一般入試の前に行っていた、学力検査のない入試を10年度から廃止する。一般入試後に行う後期試験でも3教科の学力検査を課す。また、千葉県と徳島県は11年度から、前後2回ある試験の両方で5教科の学力検査を行うことにした。

 推薦入試は80年ごろから農業や工業などの専門科で始まり、90年代には普通科にも拡大して行った。その後、自己推薦や特色選抜などに切り替える教委が相次いだため、学力検査を受けずに入学する生徒が一気に増えた。

 今春の入学者の4割が自己推薦組で、学校によっては8割に上る埼玉県教委は「『学力検査がないため学習習慣が定着しない』という声がある」と説明。79年度の推薦入試導入以来、約30年ぶりに全受験生が学力検査を受ける。高校側は「高校入学のレベルに達していない生徒が多すぎる。中学時代にもう少し勉強するようになるのでは」(県立高校校長)と期待する。

《五月蝿く「勉強しなさい」と言ってくれる親が、共稼ぎでいない家庭が多くなった。かといって、家庭の用をすることもなく、留守番をすることもできず、自習、予習もしないで学童保育という手厚い保護の囲いの中でしか過ごすことができない。自ら勉強しよう、という自立心が育つはずもない。》

 10月22日の東京都教委では「推薦の募集人数が多すぎる」という批判の声が上がり、募集枠が決まらない異例の事態となった。

《募集枠が多いから、多く推薦しなければならないというのもおかしな話だ。上に書いたように、「推薦」に値する人間に絞って推薦すれば問題ないはずだが、各中学校とも新入生を確保するためには、高校入学率を上げて学校の知名度を上げなければならない。少々出来が悪くても推薦して高校に送り込む悪循環が回り始める。》

 翌週の再協議で当初案通りとなったが、11年度以降の推薦入試のあり方について今後検討数することが決まった。また、栃木県教委が近く、推薦廃止も含めた入試改革の検討を行う有識者会議を発足させるなど、見直し論議は今後も広がりそうだ。高校の入試制度に詳しい聖学院大学の小川洋教授(教育学)は「私立高校の人気が高い地域ほど、早めに生徒を確保しようと推薦による合格者を増やしてきたが、今になって枠を拡大し過ぎたことに気付いたのでは」と指摘している。

《増え過ぎた大学が、門戸を広げ過ぎたことも原因する。経営の苦しさから、頭数を確保することに汲々とし、入学後に高校の補習授業をしなければならないほどのレベルを入学させる。これが段階的に中学校にまで波及することになったのだ。遅まきながら、やっと気がついたのなら、「推薦」本来の名に恥じない人間を学校長も選ぶことだ。》

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