続々・女子野球
毎日新聞(11/13)「金曜カフェ」欄、スポーツライター・玉木正之の記事から。要約と 《 》内は私見。
来年から女子のプロ野球リーグ(もちろん硬式の)が発足する。
《ちびっ子の男に混じって走り回る同じくちびっ子女の野球好きの姿をみることがある。しかし、如何せん、根本的に男と女とはスポーツに対応する肉体的な適合性が異なる。走ることにおいても、腕力、瞬発力やスピードにおいても、女性特有の思春期に入る頃からその体力差は歴然と現れてくる。それでも諦め切れない幾人かの女性が男の中で試合にならないプレーをする。これまで何度か第2次世界大戦中、アメリの大リーグからも出兵してスター選手がいなくなり、寂しくなった野球界のために女子リーグを結成して活躍した例を引いて、日本でも女子リーグを結成することを呼びかけた。》
客寄せパンダで終わるのか 08/11
続・女子野球 08/09
約60人のプロ選手が(先に書いたが、女子の競技人口は軟式も含めておよそ3000人といわれる)2チームで年間30〜40試合を行う予定で、入場料金やスポンサーの援助も期待するが、当面は関西の野球好きのオーナーが年間約3億円の援助を行う。
日本の女子野球は、昨年の第3回女子野球ワールドカップで、アメリカ、カナダ、オーストラリアらの強豪を抑えて世界一に輝いた。が、男性チームに混じってプレーする(それしかプレーする場がない)選手も多く、女子プロ野球の人気が出て、順調に発展してほしいと思う。
《プレーする場がないことを恨みがましく言う前に、場をつくる働きかけでもすればよかった。男がしているスポーツの殆どを、すでに女性は行ってきた。》
そこで少々気になるのは日本の野球界(スポーツ界)がいつまでたってもバラバラで統一されないことだ。例えばイギリスでは、どんなスポーツで団体も、プロ・アマを問わず、男子だけでなく、女子も、そして身体障害者の競技団体も、あわせて運営することが義務づけられている。
《門外漢には、そこまで言い切るほどの知識はないが、外国がやっていることが全て優れてよいこととは思っていない。》
同じ野球をやっているのに、プロと学校のクラブ活動が別の団体に所属している日本の球界は、やはり異常といえそうだ。さらに女子のスポーツ団体も、身障者のスポーツ団体も、それぞれ別団体ということが多い日本のスポーツ界は、その構造そのものを改めるべき時期に来ている。
《異常といえる正当性の根拠が分からない。長年やってきた歴史があることを改革するには、それなりに誰でも理解できる論拠を示して分からせてほいい。》
かつて低迷したイングランドのラグビー界は、まず女子ラグビーの育成に力を入れ、そこからオーストラリアやニュージーランドに追いつき、追い越すようになったという。
《イングランドの女子ラグビーの育成の動機は当て馬のようなものだったのか。これを真似て日本でも成功するとは言い切れまい。》
母親は子どもたちに必ずといっていいほど自分が経験したスポーツを教える。その子が育つまで、わずか、20〜30年。
《20年30年をわずかというが、とてつもなく長い。アメリカの女子プロ野球も兵士たちが引き上げて来るとすぐに廃れた。その後、一度再興したが、ぱっとしないまま数年で途絶えた。いかに20年、30年が長く遠い時間かが分かろうというものだ。》
女子野球も日本野球を支える存在であることに、全野球関係者の男性たちが気づき、援助するようになってほしいものだ。
《折角できた女子プロ野球だ、応援するのにやぶさかではない。また、成功しなかったアメリカ女子プロ野球への刺激となって、再びチームを結成させるカンフル剤にでもなれば愉快ではないか。》
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