生活福祉資金が変わった
毎日新聞(11/14)「なるほドリ」から、《 》内は私見。
失業者などが対象の生活福祉資金、先月から大きく変わった。景気が悪く、失業率も高止まり。お金に困っている人はたくさんいる。一時的にお金を借りられれば、生活を立て直せる人も少なくないはずだ。そこで注目されているのが、失業者や低所得者らに資金を融通する「生活福祉資金」だ。1955年にできた制度で、生活費のほか教育資金など10種類ある。都道府県の社会福祉協議会(社協)が運営し、窓口は市区町村の社協が担当している。
Q 資金を借りる条件は?
A 今年9月までは条件が厳しく、使い勝手が悪いと言われていた。もともと、戦後の共同募金などの助け合いから発達したため、対象が「その土地に生活が根付いた人」にほぼ限られ、連帯保証人も必要であった。だから、故郷を離れ、メーカーの工場などで働く派遣労働者が「派遣切り」に遭っても、「土地に根付いている」と認められず、対象から漏れる人が多くいた。これではセーフティ−ネットとして機能しなかった。そこで抜本的に見直され、10月から衣替えした。
Q どう変わったの?
A 「派遣切り」で住居を失っても、国の「住宅手当制度」に申請し、その土地に住居を確保できることを証明する不動産業者の書類があるなど一定の条件が整えば、借りられるようにした。メニューも4種類に整理し、「総合支援資金」を新設した。
総合支援資金 ー 生活支援費
ー 住宅入居費
ー 一時生活再建費 の三つ。
▽生活支援費は最長1年間の生活費が借りられ、限度額は
2人以上の世帯が ー 月20万円以内
単身者は ー 月15万円以内。
(旧制度でも同じような精度があったが、単身者の限度額を5万円引き上げた)。
▽部屋を借りる際の敷金や礼金などに充てる住宅入居費(40万円以内)、
▽多重債務を抱える人が債務整理をするため弁護士などに依頼する一時生活再建費(60万円以内)も用意された。
Q でも、連帯保証人の確保は難しいが。
A それも緩和された。連帯保証人が必要という原則は変わらないが、いない場合でも借りられるようになった。利息も従来の年利3%から連帯保証人がいれば無利子に、連帯保証人がいなくても年利年利1・5%に下げられた。
Q 返済はどうする?
A 返済は最後の貸し付けを受けた翌月から6カ月猶予される。その後20年以内に返済するすることになっている。
《バラまきとは言わないが、どんどん制約を緩くしたことで巨額(約2253億円)の奨学金返済の滞納が発生したように、失業者や派遣切りに遭った人たちが対象の今回の福祉資金、幸いにして就職できた人はいい、自分なりに返済可能額を読むことができる人はいい。ただ、1年以内に就職できなかった人には却って借金が嵩み、より苦境に陥ることになるのではないか。始まったばかりだが生活支援最長1年間、20年という返済期限が適正かどうかは見守る必要がありそうだ》。
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