« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »

2009年11月30日 (月)

クラスター爆弾、製造企業への投融資中止

 毎日新聞(11/30)から、
 不発弾が市民を殺傷しているクラスター爆弾の製造企業に対し、11カ国27の金融機関が投融資を一部または全面的に中止したことがベルギーの非政府組織(NGO)の調べで分かった。12月3日で署名1年を迎えるクラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)の影響で、爆弾製造など比倫理的な行為を行う企業に投融資しない「倫理的投融資」の流れが定着したと言えそうだ。

 NGO「ネットワーク・フランデレン」によると、オランダ、スウェーデン、ノルウェーなど14の金融機関がすべての製造企業への投融資を全面中止。カナダ、デンマーク、仏、英などの13機関が投融資を一部中止した。

 これら11カ国はすべてオスロ条約に署名した。中止は04年ごろから始まり、条約の議論の高まりとともに07年から本格化した。条約は未発効で製造企業への投融資を直接禁じてはいないが、製造への「協力」は禁止してる。

 一方、米韓などのクラスター爆弾製造企業8社に限って過去2年間の経営状況を調べた結果、米国の70、韓国の16、日本の5社など138機関の投融資や関与が判明した。三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループも含まれている。投融資は計約93億ドル(約8000億円)で、各金融機関は各企業の社債・株式約118億ドル(約1兆円)を保有・運用していた。

 三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループは「個別の取引には回答を差し控える」としている。

《アメリカの顔色を伺い伺い会議に顔を出していた日本は、最後の最後にやっとクラスター爆弾禁止条約に署名した。NGOクラスター爆弾連合(CMC)によると、署名国は103、批准国は24に増えた。条約は30カ国が批准し約半年後に発効する。

 轟音とともに、大きな黒煙が立ち上った。24日、コロンビア東部のマランドゥア空軍基地で、同空軍の所有する最後のクラスター爆弾の爆破処理が行われた。条約は発効後8年以内に保有する爆弾の廃棄を定めている。条約に署名したコロンビアは、署名・批准への機運を高めるため、5月から廃棄に取り組んできた。南米ではチリやペルーが署名済みだが、ブラジルが未署名なうえ製造を続けており、CMCは「今こそ爆弾を捨てる時だ」と呼びかけた。今月12日には、03年のイラク戦争で大量のクラスター爆弾が米軍により使われた被害国のイラクも署名した。数カ国が批准の準備を進めているとされ、早期の発効も視野に入ってきた。

 オスロ条約には、クラスタ爆弾を大量に持つ米露中などは加盟しておらず、条約の大きな欠点といわれてきた。しかし最近、米オバマ政権の軍縮政策に変化が見られ、署名への期待も高まっている。

 オスロ条約のモデルとなったのが、市民主導で制定された対人地雷禁止条約(オタワ条約、99年発効)だ。コロンビアで30日から開かれる対人地雷禁止条約の検討会議に、オバマ政権は米国として初めて「オブザーバー」の代表団を派遣する。

 米国務省は24日に対人地雷禁止条約に「署名しない」としたが、強い批判を受け、25日に急遽「まだ政権の見直し中」と態度を変更。オバマ政権が、軍縮についての世界の視線を相当に意識していることを裏づけた。

《これまで力によって世界に君臨してきたアメリカも、武器を捨てて頭脳を使った外交に切り替える絶好の機会だ。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月29日 (日)

情報収集衛星って

 毎日新聞(11/29)『なるほドリ』から、要約と 《 》内は私見。
 今月28日、種子島宇宙センターから「光学3号機」搭載のH2Aロケット16号機の打ち上げが成功した。

 Q 何の情報を収集するのだろうか。

  主な目的は一言で言うと、外交やの防衛上の安全保障のため、北朝鮮などの軍事施設の監視で、いわば「偵察衛星」といったものだ。災害時などの危機管理にも使うという。

 Q どんな衛星なのかな。

  名称は「光学3号機」情報収集衛星には、光学衛星とレーダー衛星があり、文字通り3基目の光学衛星という意味だ。光学衛星はカメラで地上を撮影するので、夜間や雲がかかった場所は撮れない。レーダーは雲の下や夜でも見られるが、地上の物体を区別する能力「分解能」は劣る。

 Q 1、2号機は。

  情報収集衛星は、北朝鮮のテポドンミサイル発射(98年)をきっかけに導入された。地球上の特定地点を1日1回以上撮影できる体制が必要として、光学、レーダー各2基の打ち上げを計画した。今年6月に決定した宇宙基本計画も「4基体制実施」を掲げている。
 03年、3月に光学、レーダー1号機を同時に打ち上げた。しかし、同年11月の2号機同時打ち上げは失敗した。しかし直後にレーダー1号機が故障。11年度に打ち上げるレーダー3号機で計画通りになる予定だ。

《仮想敵は「北朝鮮」など、と本紙上に明記された。過去の巨大な仮想敵「ソ連」は何時の間にか入れ替わり、重箱の隅をつつくに似た程度の弱小国を、今や日本は仮想的として国内に憲法違反の軍事基地を次々に築き、あまつさえ、税金を投じて言うならば、これからもスパイ衛星を何基も宇宙に飛ばそうとしている。言い訳には、災害時にも役に立つだろう、と。》

 Q どの程度見えるのか。

  分解能は光学1号機で約1メートル。光学3号機は02年の開発当初、当時最先端の米国などの商用衛星と同等の分解能60センチを目指していたが、完成後の能力は非公開だ。重量や詳しい軌道も機密扱いだ。

《当初勢い込んで発表しておきながら隠さなければならない理由は、先日の、仕分けの場でもしきりに飛び交った「費用対成果」、或いはコストパフォーマンスに、発表できないほどの効果が得られなかったせいか。》

 Q 商用衛星の方が高性能ってことか。

  情報収集衛星は軍事技術のための技術の輸入ができない。開発開始が遅い日本は、分解能数センチといわれる米国の軍用衛星は勿論、商用衛星の性能にも届いていない。

 Q 誰が使うんだ。

  内閣官房の内閣衛星情報センターが運用を担当している。データを利用できるのは基本的に国の機関。官房の内閣情報会議にある運営委員会に要求し、認められれば提供される。防衛省、外務省、消防庁、海上保安庁、国土地理院などが利用しているさうだ。

《実体も朧な仮想敵に対しての過剰な防衛体制は、国費を無駄に消費することになるだけだ。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月27日 (金)

子育て支援

 毎日新聞(11/22)『なるほドリ』から、
 子育ての負担軽減をいう政策の趣旨に矛盾しているのでは、とシングルマザーが税制の不公平さを訴える質問だ。

 Q 結婚せずに出産した人と、離婚や死別でシングルマザーになった人では、税金の控除が違うらしいがどういうこと。
 
  寡婦控除のことだね。母子世帯の母親が受けられる税法上の優遇措置で、所得税や住民税が安くなるなります。

 Q どれくらい安くなるの。

  所得税の場合、所得が500万円以下なら35万円、それより多ければ27万円を所得から差し引いた額が課税対象となります。でも一度も結婚したことがない母親は対象になりません。寡婦控除がないと税金以外も影響が及ぶので、母親たちは困っているのです。

 Q どういうこと?

  例えば住民税の額は、保育所の保育料や国民健康保険料の算定基準に使われている。寡婦控除が適用されると公営住宅の家賃が安くなる地域もある。こうした状況はおかしいとして、3人の母親が今月17日、日弁連に人権救済を申し立てた。うち一人は寡婦控除を適用された場合と比べ、所得税や国保料を年10万円以上多く払っていた。

 Q それは不公平では?

  厚生労働省の調べでは、母子世帯の平均年収は213万円(05年)で、全世帯平均の4割にもとどかない。加えてその中にも格差がある。夫と死別した世帯の平均年収は276万円ですが、離婚した世帯は210万円、一度も結婚していない世帯に至っては177万円しかない。

 Q どうして一番低収入の人が控除を受けられないのだろう。

  もともと寡婦控除は戦争で夫を失い、家族をかかえて生活が苦しくなった女性を救うのが主な目的で、1951年に施行された。その時から離婚した母親には適用され、非婚者は対象外のままだ。一方、婚姻歴のある母親であれば、離婚後に別の男性と結婚せず子どもを産んでも、控除を受けられる。矛盾しているね。

 Q 救済策はあるのだろうか。

  自治体レベルではある。岡山市などは非婚母子世帯にも寡婦控除を受けている世帯と同様に、保育料を減免している。しかし、そもそも一人で子育てをする負担に配慮する制度なら、母親の婚姻歴で区別する今の法律自体を見直す必要がありそうだ。

《現行制度ができて58年が経過した。敗戦後の混乱期に夫の戦死などで未亡人となった女性を救うためにつくられたものだ。性道徳など無くなった昨今のように、簡単に離婚したり、できちゃった婚など殆どあり得ない時代で、母子世帯は戦争未亡人か死別以外にはいなかったと言っていい。そのために、法の適用は限られた範囲で不都合を生じることはなかった。》

《しかし、時の流れとともに時代にそぐわない法になったことは否めない。岡山市のように法の適用を運用面でカバーする自治体もあるが、法の精神からは無理があるだろう。回答者もいうように、法自体を見直すことが先決の問題だと思われる。》


 
 

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年11月26日 (木)

子ども手当

Dscf0100_3Dscf0102a_2
 今年も咲き始めた
  山茶花



 毎日新聞(11/20、25)から、要約と《 》内は私見。
 鳩山政権のマニフェスト(政権公約)関連政策に関する各省からのヒアリングで、政府の国家戦略室は19日、子ども手当を俎上に載せた。大幅な税収減などで財政が厳しい状況にある中、できるだけ予算を切り詰めながら政権公約を実現する狙いがある。

 「金持ちだから上げないということではなく、社会全体の中で子どもを育てていく。発想の大転換だ」。長浜副厚労相は、菅副総理兼国家戦略担当相をはじめ戦略室のメンバーに、子ども手当の意義について熱弁を振るった。

《子どもは「社会全体の中で育てていく」ものではなく、根本的には親が育てるものだ。社会全体は協力し、その手助けをするだけだ。発想の大転換などと威張るものではないだろう。》

 これを受けて同紙は21、22日と早速世論調査を実施した。世帯の所得にかかわらず中学卒業まで一人月2万6000円(来年度は同1万3000円)を一律支給するとの政府方針について尋ねたところ「一律支給でいい」との回答は15%にとどまった。

 同じ設問で「所得制限を設けるべきだ」との回答は57%で、「子どもの人数によって(支給額を)変えるべきだ」の20%と併せ、何らかの制限が必要だと考えている人が8割近くを占めた。子ども手当の支給そのものへの賛否では、賛成が54%で反対の39%を上回り、9月の世論調査結果(賛成58%、反対39%)と賛否の割合はほとんど変わらなかった。

《余程のことがない限り、ただくれる、というものを断るものはいないだろう。ところが、そこには持つものと持たざるものの価値観の違いが生じてくる。当然のこととして、“あんな立派な家に住んでいて、いい学校に行かせ、子どもにはいつも一張羅の洋服を着せて贅沢させているのに、安物ばかりの我が家と同じ金額とは断じて同意できない”、となる。》

《敗戦後間もない頃、過激な思想にリードされて、赤旗が林立した労働争議の華やかだった頃、労働組合は賃金の平等を叫び、精出して働く者も、それほどでもない者も同一賃金を要求した時代があった。民主主義における公平(かたよらず、依怙贔屓のないこと)と平等(かたよりや差別がなく、全てのものが一様で等しいこと)の違いを理解することができなかったのだ。》

《いま、政権公約でやろうとしていることは、この「平等」で、決して「公平」なことではない。その理由づけが、子どもは社会全体の中で育てる、ということだけでは受け入れられないだろう。》

 ♢世論調査の質問と回答♢
 調査の方法 21、22日の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査。有権者のいる1581世帯から、1066人の回答を得た。回答率は67%。
♦鳩山政権は、中学生までの子ども一人当たり、来年度は月額1万3000円、11年度から月額2万6000円の子ども手当を支給する方針です。この政策に賛成ですか、反対ですか。
           全体   男   女
  賛成       54   61   47
  反対       39   32   44
♦子ども手当について鳩山政権は、世帯の所得にかかわらず同じ金額を一律支給する方針です。これについてどう思いますか。
  一律支給でいい  15   17   13
  所得制限を設けるべきだ
           57   54   59
♦少子化対策として、最も優先して実施すべき政策は何だと思いますか。
 「子ども手」当などの経済支援
           14   17   10
  保育所の整備   28   32   25
  子育てしやすい職場つくり
           26   22   30
  産科・小児科医療の充実
           23   19   26
 (注)数字は%、小数点以下を四捨五入。無回答は省略。
 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年11月24日 (火)

奨学金延滞問題

 毎日新聞(10/21)から、《 》内は私見。
 《ひと月遅れだが、借りた金を返さない人間たちの、年収別分類を初めて調査したデータを発表していた。興味深い内容なので取り上げてみた。

 データは年収別に無延滞者と、6カ月以上の延滞者を並べたものだ。興味深いというのは、厳しい、苦しい、不景気だとはいうが、無延滞者でも年収100万円未満の人たちが同じく年収100万〜400万円までの人たちよりも返済率が高いことだ。これは一体何を意味しているのだろうか。メディアは相変わらず延滞は低所得が原因のように大書する。曰く「84%が年収300万円以下」と。年収が低いから返済できないのは当然だといわんばかりに。》

 独立行政法人「日本学生支援機構」(旧日本育英会)から奨学金を受け、返還が6カ月以上遅れている人の84・2%は、年収が300万円未満であることが同機構の調査で分かった。正社員の割合は31・4%で、半数が無職かアルバイトや派遣社員などの不安定な職種だった。

 調査は初めてで、17年12月現在の実態について無延滞者も含めて約1万1000人を対象に調べた。年収について回答した6カ月以上の延滞者は2390人。ものうち37・3%は年収が100万円未満で、100万円台が28・9%、200万円台が18・0%だった。無延滞者は303人が回答したが、400万円以上が50・2%で、300万円未満は36・0%にとどまった。

《新聞は無延滞者について詳しく書いていないが、年収100万円未満の返済率は15・7%、100万〜200万円未満が9・4%、200万円〜300万円未満が10・9%、300万〜400万円未満が13・8%となっている。メディアが書く「400万円以上が50・2%、300万円未満は36・0%にとどまった」とは、読む側、聞く側の印象は随分異なる。どん底に喘いでいる人たちに、苦しくとも借りたものは返さなければ、の強い意志を感じるのは私だけか。一方、延滞者に年収400万円以上の人間が7・5%もいるのだ。》

《「苦しい」ことを言い訳にして、あわよくば時効を期待する食い逃げの相談が増えている。例えば、日本育英会(現日本学生支援機構)から借りた奨学金も時効になるのか、とか、返済できない場合、時効の成立を待ってもいいか、とか、5年が経過したら返済義務は消え、時効扱いになるか、或いは、借金の時効が成立したら新たに借金することができるのか、などなどだ。》

  地に堕ちたモラル 延滞増える奨学金 - 3 - 09/10/

 職業については、無延滞者の3859人が回答。67・7%が正社員で、アルバイトや派遣社員、臨時職員などの不安定な職種は13・4%、無職は5・0%だった。一方、6カ月以上の延滞者(回答7162人)では、アルバイトなどが36・3%、無職は15・8%。

 延滞の理由(複数回答)は「本人の低所得(40・8%)」を挙げた人が最も多く、特に大学院で奨学金を受けていた延滞者は57・1%に達した。「親の経済困難」(37・3%)、「本人の借入金の返済」(23・8%)などが続いた。

 同機構は「年収300万円未満の給与所得者などには返還を猶予する仕組みがあるが、周知を進めたい」としている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月22日 (日)

ネットで店探し、貸しブランド品 会員20倍

 何ともさもしい人間もいるものだ。不景気で安さ命、とユニクロに行列は生活の知恵でいいけれど、何を好んでブランド品に借りてまで血道を上げるのだろうか。上っ面だけでも金持ちの見栄を張りたい心貧しい人間もいるものと哀れに思う。

 毎日新聞(11/22)から、要約と 《 》内は私見。
 21日、東京・銀座の歩行者天国は、低価格のカジュアル衣料、ユニクロの紙袋を手にした人がひときわ目立ったということだ。ユニクロを展開するファーストリテイリングの創業60周年記念セールに買い物客が殺到したためだ。

《知る人ぞ知る、だったのだろう。寡聞にも私はユニクロが60年も前に誕生していたとはツユ知らないことであった。》

 銀座店は早朝から約2000人が列をなし、特別価格で買える整理券を3回配布(計680枚)したが、忽ち」なくなった。整理券を手に入れた30代の女性会社員は通常990円のタイツを490円で買い、「景気も良くなる気配は見えないし、安いのが一番」と。ユニクロの盛況は節約志向が強まるデフレの象徴といえる。

 横浜市の主婦(41)は、会社員の夫(46)の給与カットで生活費が月1万円減った1月から、インターネットで少しでも安い商品を探すのが習慣となった。今月中旬に3000円の調味料収納ケースを買った時は店で商品を確かめてから2週間はネットを点検。当日限定で通常の5倍のポイント(120円の値引きに相当)がつく店を発見し、最も安いタイミングで購入した。

 レンタル業者にも追い風が吹いている。ネットで高級ブランド品を貸し出す「Cariru(カリル)」(東京都港区)は、10万円以上のバッグを4000円程度で借りられる手軽さが浮け、リーマンショック前の昨年夏ごろに120人程度だった会員が2800人に急拡大した。都内の主婦(31)は、夫のボーナスが約3割カットされ、今年出席した友人の結婚式3件はレンタルバッグで済ませた。

《ユニクロ派にくらべて何と見栄っ張りな女だろう。借り物のブランドを抱えたからって女の値打ちが上がるとでも思っているのだろうか。もしも私の妻になら、こんなに心貧しい女にだけはなって欲しくない。このような女心を知っているからこそ、同じ狢(むじな)のレンタル業者は聡く見抜くのだ。》

 だが、デフレを商機に行かせる企業は一部に過ぎない。10月の全国百貨店の売上高は前年同月比10・5%減と減少幅が3カ月ぶりに2桁に悪化した。百貨店業界では、例年なら年明けの冬物衣料バーゲンを年末に前倒しする動きも出ている。

 大丸と松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングは12月2日からバーゲンを実施し、そごう・西武も検討中だ。目先の売り上げを確保したい百貨店側の焦りが見えるが「値下げ競争で利益をすり減らす消耗戦」(大手百貨店幹部)から抜け出せないのが実態だ。

 スーパー大手のイオンは10月上旬、1ドル=90円を突破する円高になったのをとらえ、輸入食品などを最大5割引きする「円高還元緊急セール」を展開した。「円高での価額下落分は直ぐに値下げに廻さなければ売れない」といい、円高がデフレを加速しかねない。

《いよいよ、デフレスパイラルへの突入を覚悟しなければならないのだろうか。》

 川崎市に住む専業主婦(30)は、電機メーカーに勤める夫(30)の手取り給与が4月に1万円減ったが、倹約に努め、逆に貯金を月3万円から万円に増やした。家電の価格競争が電機会社の収益を圧迫し、夫からは「冬のボーナスも厳しい」と聞かされ、将来への不安が貯蓄に駆り立てる。2歳の長女がいるが、民主党が政権公約の目的に揚げた「子ども手当」をもらっても消費に回せそうにないという。

 明治安田生命の小玉祐一チーフエコノミストは「鳩山政権は明確な成長戦略を示し、将来不安を払拭する必要がある」と指摘する。デフレと認定した鳩山政権だが、消費者心理を上向かせる政策の構築が求められている。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月21日 (土)

高齢者虐待12%増加

 世界屈指の長寿国日本、半面少子化が進んだ国は「子どもは国の宝」とさかんに予算を過剰なまでに子どもや子どものいる家庭のために注ぐ政策を続ける。ちやほやされるだけの子どもたちは、老人の存在は年に1回か2回、お年玉や小遣いをくれる便利なお金を生む存在でしかなくなった。お年寄りを大事にしようという言葉さえ日常会話の中であまり聞かれなくなった。高齢者虐待の底辺には、このような国民感情が渦巻いているとみていい。介護労働力は海外からの労働者を必要としなければならないほど不足する半面、労働環境の厳しい介護の現場には、国内で介護職を目指す人の数は細々とした状況にある。

 毎日新聞(11/21)から、 《 》内は私見。
 厚生労働省は20日、08年度に高齢者が家族や介護職員らから虐待された件数が1万4959件に上り、前年度に比べ1624件(12・2%)増加したと発表した。このうち家庭内虐待は1万4889件(前年度比1616件、12・2%増)に上り、増加した件数のほとんどを占め、死亡の24人(同3人減)も家庭内だった。家庭内虐待の約7割は、介護が必要な高齢者で、在宅介護を巡る虐待の深刻さが浮かび上がった。

 調査は、06年施行の高齢者虐待防止法に基づき市区町村と都道府県を対象に実施し、今回が3回目。
 虐待件数は2年連続増で、増減率は前年度(5・6%増)の倍以上となった。介護施設内での職員らによる虐待は70件で、前年度比8件増にとどまった。

 虐待件数の増加について、厚労省は「(市区町村への通報義務などを規定した)防止法が一層周知されてきた」と分析する。また、家庭内虐待被害者の68・2%が要介護認定を受けており、「介護疲れも大きな要因ではないか」とみている。
 
 《反対に、4月27日、母を残して父の墓前で自殺した元タレント清水由紀子の悲しい事件も起った。車いすに載せた母を道連れにするはずであったと思われるが、母の命を絶つに忍びず、後を妹に託して自らが自殺する道を選んでいる。》

 家庭内虐待の被害者のうち、77・8%が女性だった。加害者との同居率は86・0%で、加害者の続柄は息子40・2%、夫17・3%、娘15・1%など。いずれも前年度とほぼ同じ割合だった。

 市区町村の対応は、加害者と分離させたケースが3分の1を占めた。特別養護老人ホームに入所させるなどの「介護保険サービスの利用」が38・8%で最も多く、次いで「医療機関への一時入院」が20・8%だった。

《子どもがこれからの国の宝なら、老人は成長期の日本を支えてきた国の宝だ。子どもへの投資も必要だが、老人をなおざりにしていいはずがない。日本人が、自分の親や夫、妻の介護ができないのなら、海外からの労働力をもっと多く期待することが必要だろう。それに在宅介護には限界がある。地方や民間に任せっきりにしないで、国としてデータだけ集めるのではなく、介護の問題にもっと真剣に取り組むべきだ。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月19日 (木)

平成21年版犯罪白書

 毎日新聞(11/19)「社説」から、
 見出しの文字は「規範意識が低下した」だ。昨年6月の白昼、休日の買い物客でにぎわう東京・秋葉原の交差点に男がトラックで突っ込み、次々と人々をナイフで刺し、7人が死亡、10人が負傷した通り魔事件は、今も記憶に新しい。

 08年の犯罪動向をまとめた今年の犯罪白書によると、凶器を使って人々を無差別に殺傷する通り魔事件が、秋葉原事件を含め14軒起きている。04年以後07年までの4年間が各3、6、4、8件だから、データは少ないものの急増ぶりが目立つ。

 一方、警視庁によると、今年に入り強盗や事務所荒らし、ひったくりが増加している。昨年9月のリーマン・ショック以後の経済・雇用情勢の悪化と一定の関連性があるみている。秋葉原事件の被告は、派遣社員として各地を転々とし、動機を「人生の鬱憤(うっぷん)が出てきて嫌になった」と供述した。経済の行き詰まりが凶悪事件に結びつく昨今の殺伐とした世相が浮かび上がってくる。

《何ともお粗末な理由づけだ。世の中の不景気に心身共に草臥れ果てているのは、ひとり犯罪に走る人間どもだけじゃない。苦しい中、必死に生きている、或いは生きようと戦っている人たちをどうみるのか。不景気が善も悪も分からない甘ったれの犯罪者を生む、と解説するのはメディアではないのか。それでは犯罪に正当性を与えているようなものだろう》。

《そういえば、300日問題にしろ、小1プロブレムや、延滞が増え続ける奨学金の問題にしろ、メディアの拠って立つ立場に疑問を抱くことが多くある。明らかに批判する相手を取り違えているとしか思えない論調が目立つのだ》。

 白書の数字では、検挙率が気にかかる。交通事故を除く刑法犯で、昭和時代(戦後)は50%を超えていた。それが01年に19・8%まで下落し、その後右肩上がりに回復して07年は31・8%だったが、昨年わずか(0・2ポイント)とはいえ低下したのだ。

 英国人女性の死体遺棄容疑で指名手配中だった市橋達也容疑者が2年7カ月の逃亡の末、民間からの通報をもとに逮捕された。もちろん警察の捜査能力が第一に問われるが、犯罪の多様化が進み、警察の力だけで検挙率を高め、治安を保つのが難しいことを象徴するできごとだ。

 どう民間の力を活かすか。安藤隆春警察庁長官は今月6日、日本記者クラブの講演で「日本の良好な治安を支えてきた国民の高い規範意識と、学校や地域などの共同体の存在感が共に低下しているのではないか」と懸念を示した。

 次は、各地の少年補導員に聞いたとして長官が披露した話だ。細菌の非行少年は、万引きをしても「皆がやっているのに、何で悪いのか」という反応が返ってくる。家庭や学校に居場所がなく、親の年齢や職業、自分の住所さえ知らない。一方の親は「代金を払えば済むのに、なぜ警察に通報したんだ」と店に食ってかかる、というのだ。

《長官ともあろうものが、今頃こんな事例を持ち出し、メディアも始めて聞いた話のように報道する。万引きの通報を世間から責められ、閉店の憂き目にあった京急線八丁畷の古書店、或いは千葉船橋の書店の例をすでに報道している。2008年10月20日の社説「微罪でかたづけられなくなった」でも「万引き」を取り上げたのは当の新聞社ではなかったのか。》

 いかにも寒々しい風景だ。若者が社会ルールを守る意識に乏しいのは親世代に責任があることを示す。この話の教訓として、防犯教育の必要性も指摘しておきたい。罪を犯せばペナルティーがある。例えば窃盗でも最高10年の懲役だ。また、被害に遭わないためにはどうするか。警察は学校と連携し一部で防犯教室を実施しているが、さらに積極的な展開が必要ではないか。

《ペナルティー、罰がくだることがわかっていても、おおかたは説諭で済まされる。この甘さが次の犯罪を生んでいるのだ。例えば、一般刑法犯と窃盗の再犯者率は過去40年で最高の数字を示し、一般刑法犯34万人のうち再犯が14万人で再犯率は42%、窃盗犯は17.5万人のうち7・5万人の43%に上っている》。

《親世代の責任については、私がブログを立ち上げた理由の最大の根拠になっている。敗戦後、昭和一桁以前の人間は、家庭を犠牲にして戦後の復興を目指して夜も昼もなく働き続けた人間と、国に捧げるはずの命を敗戦で虚しくして帰国した軍人たちの虚無が入り混じった流れの交錯する世相を形づくっていた。加えて新しい民主主義の思想が混じって三つ巴の様相を見せていた。古い価値観は悪として否定され、だからといって、それに代わる価値観も基準もすぐには見出せず、親たちには混沌の状態が続いた。

《親がしなければならない家庭内教育は、弁解させてもらえれば、現在以上に厳しい労働環境の中ではなおざりにならざるを得なかった。それが今の親たちの2世代,3世代前の親、大正、昭和一桁世代なのだ。その後の変遷については何編も書き連ねてきたので省略するが、核家族化も進み、本来親がしなければならない子への家庭内教育は共稼ぎが理由で外に向かい、国も「親は子を産む機械」で子育てや教育は社会がするもの、のような制度を整えようとする時代に突き進もうとしている。

《が、そうではないだろう。子はやはり親が全責任を持って育て人間教育をするものと私は考えている。当時の反省を含め流れに棹さす思いから、私なりの視点で、寄り道して下さる親たちの目を意識しながら日夜パソコンと向き合っている。》

| | トラックバック (0)

2009年11月18日 (水)

クロマグロ漁獲枠たった4割減ですんだ

 毎日新聞(11/17)から、要約と 《 》内は私見。
 「大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)」の年次会合は15日、10年の地中海を含む東大西洋でのクロマグロ漁獲枠を、08年比で、38・6%削減して1万3500トンとすることで合意した。背景にはクロマグロ保護を求める声の高まりがある。消費低迷で大量の在庫*をかかえる日本には、ただちに価格急騰などの影響はなさそうだが、漁獲規制強化の流れが続けば、中長期的には価格上昇は避けられない。ICCATの漁獲規制を不十分として、絶滅の恐れがある野生生物を保護するワシントン条約の適用を求める意見も欧米諸国には根強く、来年3月の同条約締約国会議が次の焦点になりそうだ。

 *「大量の在庫」ー 東京・築地の鮮魚卸大手「中央魚類」の松山次郎マグロ部長は「現在の在庫は1年から2年半の消費量に相当する。すぐに価格が急騰する可能性は低い」と見る一方で、中長期的には「漁獲枠削減の影響で、徐々に値上がりすることはありうる」とも指摘する。

《大量の在庫をかかえる現状を、消費の低迷としてだけで捉えているようだが、もともと売れるだけ売ろうとの魂胆から、乱獲を続けてきたことも要因の一つだろう。欧米の批判を浴びる要因はそんなところにあるのではないか。特にクロマグロは高級魚といわれながら、高級料亭では勿論だが、今では普通に食べることができ、言葉だけは高級だがそれほど有り難がって口にする類いのものではない。》

 1万3500トンへの漁獲枠削減は、日本と欧州連合(EU)などが共同で提案したものだ。専門科で構成するICCAT科学委員会はこれまで厳しい漁獲枠削減を求めてきており、昨年は「1万5000トン以下に削減」を提示した。今回の漁獲枠はこれを大幅に下回るもので、日本は「極めて厳しい規則だ」と強調する。EUには、取引の全面禁止を求める声も根強く、「共同提案した両者の思惑は異なる」(政府関係者)のが実態だ。

 欧州でマグロ漁獲規制が強まる中、モナコは今年10月、ワシントン条約を適用して大西洋クロマグロの国際的な商取引を全面禁止するよう提案した。日本が今回、EUと組んで、4割削減提案に踏み切ったのは「ワシントン条約によるクロマグロの全面禁止だけは避けたい」(同)との考えからだ。このため、漁獲枠の大幅減に加え、規制の実効性を担保するための漁期短縮や、資源状態が悪化した場合の全面禁漁という緊急措置まで盛り込んだ。

《いわゆる「妥協」することで全面禁止を逃げることに成功したのだ。》

 しかし、EUにとっては「4割削減は妥協の産物。通過点に過ぎない」(関係筋)、EU諸国には「これをテコにして、同条約締約国会議で禁止を狙う」との声もくすぶり、米国も全面禁止に傾いている。日本の立場は弱く、来年3月の会議で取引禁止が決まりかねないのが実情だ。そうなれば日本国内のクロマグロ供給は半減、地中海諸国の畜養ビジネスも大打撃を受けるのは確実だ。

 クロマグロだけでなく、同じ高級種のミナミマグロや比較的安価なメバチ、キハダも減少が指摘されており、マグロ類全般に対して漁獲規制強化が世界の潮流となっている。「ミナミマグロ保存委員会」は先月、10、11年の漁獲枠を09年比で2割削減することを決定。太平洋中西部を管轄する「中西部太平洋マグロ類委員会」も08年12月、同海域のメバチ漁獲枠を09年から3年かけて30%削減することを決定。自然保護団体も圧力を強めており、流れに歯止めがかかる気配はない。

《昔はトロなど、はらわたと一緒に捨てていた部位。だれかが「旨い」と言い始めた途端に店には行列が並ぶ。そして誰もが「旨い、旨い」との合唱となる。遂には高級中の高級部位にまで昇格した。ところが、その「旨い」と叫ぶ食通や味見自慢、舌自慢に味の分からない人間が多く混じっているのだ。テレビで,目隠しして安物と高級な食べ物、飲み物などの違いを当てさせる番組があった。食通で通るタレントたちが挑んでいたが、1000円クラスのワインと2、3万もするワインの違いが分からない、松坂牛とスーパーの安い肉との違いが分からないなど、まるでお粗末な舌に驚いて見ていた。クロマグロとて同じことだ。2010年版で日本・東京のミシュラン三つ星店が世界でも最多の11店(パリが10店)になったという。またまた自分の舌に自信のない連中の予約で店はウハ、ウハの状態になることだろう。日本人の舌は、他人(ひと)が「美味しい」というものだけが美味しいものなのだ。》

《だが、私は違う、私にとっての最高にうまい魚は日本海で獲れるイワシと言い切ることができる。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月17日 (火)

続・家賃滞納履歴のデータベース化

 次は、データベース化を図るべき、という政策研究大学院大教授・福井秀夫。
 
 問題の本質は、市場におけるサービス提供者と消費者の情報格差の是正にある。商品の品質について十分な開示がなされなければ、消費者はリスクを恐れて値段を下げようとする。これが限度を超えると高品質のものを作っている真面目な業者の商売が成り立たなくなる。低品質の商品が市場を席巻し、市場が縮小・消滅する可能性がある。「情報の非対称」と呼ばれる市場の失敗に類型の一つだ。

 同じことが民間賃貸住宅市場で起きている。大家や管理業者からみれば、借家人がきちんと家賃を払うのかは事前には分からない。悪質な借家人は少ないが、いったん問題が起ると退去させるのに膨大な費用と時間がかかる。大家はそのリスクに備えて家賃を上げざるを得ない。その結果、きちんと家賃を払っている借家人の負担が増え住宅福祉そのものが損なわれる。

 借家人の家賃滞納履歴を信用情報として登録し、リスクの高い人と低い人を区分すれば、低所得者でも過去に滞納がなければより安く、より広い住宅に住めるようになる。自動車保険で事故率が低いと保険料が下がるのと同じだ。

 借家人からみても大家側の情報が足りない。夜中に家賃の取り立てをしたり、無断で鍵の交換をする悪質業者が問題になっているが、規制が及ばず政府も介入できていない。情報を開示し疑心暗鬼を解いてあげれば市場の活性化につながるし、大家、借家人双方の利益になる。

 大家も借家人も自分に不利な情報を積極的に開示しようとはしない。だから、サービスや品質の情報開示は政府が担うべき重要な仕事だ。民間の自主的取り組みではなく、政府が公的な基準を作ってデータベース化を図るべきだ。

 この問題を借家人と大家の対立構造でとらえる人もいるが、家賃を滞納せざるを得ないような借家人は生活保護や公営住宅で救済すべきだ。それは大家の役割ではなく、国の責任だ。これを一緒に考えると借家人全体の福祉を損ねることになる。

《くどくどと付け加えることはない。前日の稲葉のいうことと比べると、2人のどちらに柔軟な論理性があるかわかる。同情論に偏るとどうしても直線的になり結論も一方的なものになる。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月16日 (月)

家賃滞納履歴のデータベース化

 滞納、取り立て、夜逃げ、錠前交換など世知辛いニュースがテレビを賑わす。これらを記録し、業者間で情報が共有される「家賃滞納履歴のデータベース化」。家賃保証会社9社がつくる社団法人「全国賃貸保証業協会」が来年2月から情報収集を始めることを決め。悪質な滞納者への対策としているが、差別につながるとの反対論もあり、民間賃貸住宅市場への影響はどうなるのだろうか。

 毎日新聞(11/14)から、要約と 《 》内は私見。
 異なる2者の意見を聞いてみよう。先ず、NPO自立生活サポートセンター・もやい代表理事、稲葉剛(40)から。
 家賃の滞納にはさまざまな理由がある。もやいは設立から8年間で1500世帯の保証人を引き受けているが、緊急入院して集中治療室に入っていたケースもった。会社の倒産や解雇などやむを得ない事情で滞納する人も多い。データベース化されれば記録が残り、次の住まい探しの妨げになる。現状でも民間賃貸住宅にはさまざまな差別が存在し、高齢者や外国人、母子家庭などは大家から敬遠されやすい。家賃滞納歴がブラックリスト化し、新たな差別を生むことになりかねない。

《いきなり、集中治療室に入った哀れな人の話を持ち出し、読む人の同情を引きつける。うんと遡って私が上京直後の頃(1954〜1960)の東京は、簡素な木造の安アパートが多く見つかる時代だった。外食には切符が配布されていた時代、それでも生活を切り詰めるために自炊し、銭湯には月に2、3度しか行けず、散髪は半年間にたった1度、米だけは何としてでも確保し、惣菜は当時の最低の1個5円のコロッケか鯨の脂身の最低のベーコン(当時アメリカは食糧難の日本のために南氷洋での捕鯨を認めていた)のどちらか1品、それも買えない時には醤油だけをご飯にかけて凌いでいた。それでもアパートの家賃だけは遅らせることなく、払い続けた。》

《毛髪や着るものは、周りが迷惑するような臭いを発散していたと思う。着替えなど買う金はない。夏に汗あばんでそこだけ色落ちして背中いっぱいの丸いシミを造り、変色して誰が見ても間違いなく本人と分かるような容貌だった。恥ずかしい話、落ちているものでも口に入るものは熱湯をかけて消毒し食しもした。勿論、テレビ、携帯電話など無く通信代はたまに出す封書かはがき程度の時代だ。部屋は極力狭い安い部屋を探した。当時木造アパートには三畳敷き、押し入れ半間付きの部屋があった。それでも家賃は払うことが当然の約束事だ。苦しくても交わした契約を違えることはなかった。戦中、戦後、耐えることを凌いできた貧乏人の知恵と、明治生まれの父の頑固なまでの実直に生きることの教えをうけた賜物だった。》

《民間賃貸住宅は慈善事業でやっているのではない。支払って当然の家賃で得られる利益がなければ継続できない。》

 家賃滞納リスクの要員は、貧困層の拡大という社会情勢の変化にある。年収200万以下のワーキンブプアは06年に1000万人を突破し、増え続けている。そこから収入が不安定で家賃が払えず、安定した住まいを持てない「ハウジングプア(住まいの貧困)」が生まれている。データベース化は滞納者にその責任を押し付け、民間賃貸住宅市場から閉め出してしまおうとするものだ。

《払えない、払わないのが当然のような論理には組するわけにはいかない。》

 暴力的な家賃取り立てを行う「追い出し屋」と呼ばれる悪質な家賃保証会社や管理業者が増えている。低所得者を対象に「うちなら貸しますよ」と足元を見て劣悪なサービスを提供する貧困無事ネスだ。市場から閉め出される人が増えればこうしたビジネスがますます広がる。

《滞納者から見れば「追い出し屋」は悪質な会社や業者だが、反対に賃貸契約で部屋を貸した側からは、「滞納者」が悪質となる。》

 住宅は生活の基盤であり、ほかの商品と同列に市場原理で論じられるものではない。もともと民間賃貸住宅に住む人は持ち家層より低所得者が多い。ハウジングプアをなくすには、公共住宅の拡充も必要だが、市場自体が「住まいは基本的人権」という居住福祉の観点を持つ必要がある。市場の外にセーフティーネットを造ればいいというのはかつての一億層中流時代の発想だ。いま求められているのは公的な家賃保証制度の確立や、空き部屋を行政が借り上げるなど、低家賃の民間賃貸住宅をセーフティーネットに活用する施策だ。データーベース化は、それと正反対の方向を目指すことであり、断じて容認できない。

《私の上京時、まだまだ東京にも時代劇風の10軒ほどが連なる長屋があった。ただ、土壁に穴を開けて、隣と行き来するほどの時代がかったものだったかは不明だ。だが、直ぐにこの長屋を1軒ずつ切り離して都(市)営住宅と呼ばれる低所得者向けの住宅が生まれて行った。しかし、高度成長の波に乗ってコンクリート作りの集合住宅に変化し、今になってスラム街のようになった団地が郊外に広がった。人は皆、永遠に続くと思っていた中流意識の中で豊穣の世を謳歌していたところへ今回の奈落が待ち受けていた。世間は1度浮かび上がった中流から落ちることを恐れて苦しんでいるのが現状だ。  ー つづく ー

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月15日 (日)

ネット婚活

 毎日新聞(11/13)から、要約と 《 》内は私見。
 結婚詐欺などの容疑で埼玉県警が逮捕した東京都豊島区の無職女(34)の周囲で知人男性の不審死が相次いだが、女と男性らを結びつけたのは、インターネットの婚活(結婚活動)サイトだった。格安な費用、相手と容易に知り合えるメール交換、など、善意で使えば手軽な婚活ツールといえる。しかし、悪用されやすい難点もある。ネット利用など、多様化する婚活の現状はどうなっているのだろうか。

 「仕事で出会う異性は限られているし、合コンも気後れした」。00年に婚活サイトで知り合った男性と2年後に結婚した京都市の女性(43)は、登録した理由をこのようの話した。20代に何度かお見合いをしたがうまくいかず、30歳を過ぎると希望する条件からは外れる男性しか紹介されなくなった。婚活サイトでは、10人近い男性とメールを交換してから4、5人と会い、現在の夫と知り合った。

 最初から勤め先や本名を名乗る真面目な男性ばかりで不安はなかった、という。だが、出会い系サイトで知り合った男性に女性2人が殺害される事件が地元で起き、「ネットを通じての出会いが改めて怖くなった」と振り返った。生活圏の違う人との出会いは良かったが、夫と共通の知人がいないことで、夫婦揃っての交友関係が広がらないことに、今は少し不満があると漏らす。

 西日本に住む婚活歴5年の男性会社員(43)は、店舗型の結婚相談所などの登録料に300万円以上使った。ネット婚活については「登録料が月3000円と格安で、誰にも知られずに活動できる」と評価している。

《「ひとに知られたくない」と始めることが、都合の良いことがある半面、詐欺にかかったり、犯罪に巻き込まれたり、極端には冒頭の事件のような死を招くことににもなりかねない。》

 国勢調査を基にした統計によると、05年の男性の生涯未婚率は約16%で20年前より約12ポイントも上昇。一方、女性の初婚年齢は20年前を3・58歳上回る29・42歳で、男性の未婚、女性の晩婚化は急ピッチだ。未婚でいる理由は「適当な相手がいない」が約43%(経済産業省調査)と最も多かった。

 相手を知るためのメール交換は、善意が前提。冒頭の無職女は「尽くします」などの文言で気を引いたとされる。男性会社員は「相手が嘘をついているかは、分からない」と話したが、NPO法人「花婿学校」(名古屋市)代表の大橋清朗は「容姿で即断された昔と違い、(メールがある)今は騙そうと思えばメールは有効なツール」と言う。

 婚活の名付け親、山田昌弘・中央大教授によると、35〜44歳の未婚男性は約200万人いる。うち女性との交際経験がない人は2割もいる。大橋は「未婚中年男性は騙されやすい。相手を見つけた人は舞い上がり、一人で判断する傾向が強く、振り込め詐欺の被害者と似ている」という。ネットに詳しい評論家、荻上チキは「結婚詐欺は昔からあるが、ネットで間口が広がった」と指摘した。

 一方、消費者相談窓口には「ネットで知ったお見合いパーティーに参加したら、1〜2割の男性が既婚者だった」などの苦情や相談も寄せられている。

 婚活の手段には次のような3種類がある。
  仲人・結婚相談型
  大手結婚情報サービス業者によるデータマッチング型
  出会い系サイトを含むインターネット型

 経産省の調査(06年5月)では、婚活市場は500億〜600億円に上り、3700〜3900事業者に約60万人(男6割、女4割)が登録し、うち約20万人がネット型の利用者と推計される。

 トラブルも増加しており、国民生活センターによると婚活サービスに関する相談件数は99年度1488件から08年度3118件と、10年で倍増した。なかでも業者との契約を巡る解約・返金トラブルが目立っている。このため国は04年度の特定商取引法改正で、クーリングオフや中途解約権などを定めた。また、経産省関連団体「サービス産業生産性協議会」は08年7月、契約時の本人確認の方法や独身証明書の取得などを示した指針を策定した。

 だが、いずれも高額な会費を前払いする店舗型業者を対象としており、安い料金で入退会が自由なネット業者は適用外となっている。

 今回の事件のような利用者同士の問題でも防止策は見当たらない。大手7社が加盟する「結婚相手紹介サービス協会」の吉岡喜一郎専務理事は「人柄や相性までは担保できず、個人対個人の関係になった後のトラブルは業者は防げない」と打ち明ける。

《本来なら自己責任として片付けられても文句は言えないような関係だ》。

 消費者行政による救済も難しい。国民生活センター相談課は「契約関係がない個人間の問題には関与できない。詐欺やストーカー規制法などの被害届を出せないか、警察署で相談してはどうか、とアドバイスするのが精一杯」だという。だが、警察も、違法行為がない個人のトラブルへの介入は難しい。

 消費者の権利に詳しい細川幸一・日本女子大准教授(消費者保護法)は「業界を規制する法律や、ネット業者も含めた自主的な基準が必要ではないか。利用者もリスクを踏まえて利用すべきだ」と警鐘を鳴らす。

《子どもが遊戯で“はないちもんめ”をやっているのじゃなかろう。常からネットのいかがわしさ、うさんくささは耳にタコができるほど聞かされているはずだ。そこに待ち構える落とし穴を覚悟してかかるのが当然だ。事件のようになってからでは取り返しがつかない。

《蓼(たで)食う虫も好きずき、ということもある。誰をどう思おうと他人が口出すことじゃないが、泣くことのないようにだけは、気をつけることだ。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009年11月14日 (土)

生活福祉資金が変わった

 毎日新聞(11/14)「なるほドリ」から、《 》内は私見。

 失業者などが対象の生活福祉資金、先月から大きく変わった。景気が悪く、失業率も高止まり。お金に困っている人はたくさんいる。一時的にお金を借りられれば、生活を立て直せる人も少なくないはずだ。そこで注目されているのが、失業者や低所得者らに資金を融通する「生活福祉資金」だ。1955年にできた制度で、生活費のほか教育資金など10種類ある。都道府県の社会福祉協議会(社協)が運営し、窓口は市区町村の社協が担当している。

 Q 資金を借りる条件は?

 A 今年9月までは条件が厳しく、使い勝手が悪いと言われていた。もともと、戦後の共同募金などの助け合いから発達したため、対象が「その土地に生活が根付いた人」にほぼ限られ、連帯保証人も必要であった。だから、故郷を離れ、メーカーの工場などで働く派遣労働者が「派遣切り」に遭っても、「土地に根付いている」と認められず、対象から漏れる人が多くいた。これではセーフティ−ネットとして機能しなかった。そこで抜本的に見直され、10月から衣替えした。

 Q どう変わったの?

 A 「派遣切り」で住居を失っても、国の「住宅手当制度」に申請し、その土地に住居を確保できることを証明する不動産業者の書類があるなど一定の条件が整えば、借りられるようにした。メニューも4種類に整理し、「総合支援資金」を新設した。
 総合支援資金 ー 生活支援費
        ー 住宅入居費
        ー 一時生活再建費 の三つ。
 ▽生活支援費は最長1年間の生活費が借りられ、限度額は
  2人以上の世帯が ー 月20万円以内
  単身者は     ー 月15万円以内。
 (旧制度でも同じような精度があったが、単身者の限度額を5万円引き上げた)。

 ▽部屋を借りる際の敷金や礼金などに充てる住宅入居費(40万円以内)、
 ▽多重債務を抱える人が債務整理をするため弁護士などに依頼する一時生活再建費(60万円以内)も用意された。

 Q でも、連帯保証人の確保は難しいが。

 A それも緩和された。連帯保証人が必要という原則は変わらないが、いない場合でも借りられるようになった。利息も従来の年利3%から連帯保証人がいれば無利子に、連帯保証人がいなくても年利年利1・5%に下げられた。

 Q 返済はどうする?

 A 返済は最後の貸し付けを受けた翌月から6カ月猶予される。その後20年以内に返済するすることになっている。

《バラまきとは言わないが、どんどん制約を緩くしたことで巨額(約2253億円)の奨学金返済の滞納が発生したように、失業者や派遣切りに遭った人たちが対象の今回の福祉資金、幸いにして就職できた人はいい、自分なりに返済可能額を読むことができる人はいい。ただ、1年以内に就職できなかった人には却って借金が嵩み、より苦境に陥ることになるのではないか。始まったばかりだが生活支援最長1年間、20年という返済期限が適正かどうかは見守る必要がありそうだ》。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月13日 (金)

続々・女子野球

 毎日新聞(11/13)「金曜カフェ」欄、スポーツライター・玉木正之の記事から。要約と 《 》内は私見。

 来年から女子のプロ野球リーグ(もちろん硬式の)が発足する。

《ちびっ子の男に混じって走り回る同じくちびっ子女の野球好きの姿をみることがある。しかし、如何せん、根本的に男と女とはスポーツに対応する肉体的な適合性が異なる。走ることにおいても、腕力、瞬発力やスピードにおいても、女性特有の思春期に入る頃からその体力差は歴然と現れてくる。それでも諦め切れない幾人かの女性が男の中で試合にならないプレーをする。これまで何度か第2次世界大戦中、アメリの大リーグからも出兵してスター選手がいなくなり、寂しくなった野球界のために女子リーグを結成して活躍した例を引いて、日本でも女子リーグを結成することを呼びかけた。》

 客寄せパンダで終わるのか 08/11
 続・女子野球 08/09

 約60人のプロ選手が(先に書いたが、女子の競技人口は軟式も含めておよそ3000人といわれる)2チームで年間30〜40試合を行う予定で、入場料金やスポンサーの援助も期待するが、当面は関西の野球好きのオーナーが年間約3億円の援助を行う。

 日本の女子野球は、昨年の第3回女子野球ワールドカップで、アメリカ、カナダ、オーストラリアらの強豪を抑えて世界一に輝いた。が、男性チームに混じってプレーする(それしかプレーする場がない)選手も多く、女子プロ野球の人気が出て、順調に発展してほしいと思う。

《プレーする場がないことを恨みがましく言う前に、場をつくる働きかけでもすればよかった。男がしているスポーツの殆どを、すでに女性は行ってきた。》

 そこで少々気になるのは日本の野球界(スポーツ界)がいつまでたってもバラバラで統一されないことだ。例えばイギリスでは、どんなスポーツで団体も、プロ・アマを問わず、男子だけでなく、女子も、そして身体障害者の競技団体も、あわせて運営することが義務づけられている。

《門外漢には、そこまで言い切るほどの知識はないが、外国がやっていることが全て優れてよいこととは思っていない。》

 同じ野球をやっているのに、プロと学校のクラブ活動が別の団体に所属している日本の球界は、やはり異常といえそうだ。さらに女子のスポーツ団体も、身障者のスポーツ団体も、それぞれ別団体ということが多い日本のスポーツ界は、その構造そのものを改めるべき時期に来ている。

《異常といえる正当性の根拠が分からない。長年やってきた歴史があることを改革するには、それなりに誰でも理解できる論拠を示して分からせてほいい。》

 かつて低迷したイングランドのラグビー界は、まず女子ラグビーの育成に力を入れ、そこからオーストラリアやニュージーランドに追いつき、追い越すようになったという。

《イングランドの女子ラグビーの育成の動機は当て馬のようなものだったのか。これを真似て日本でも成功するとは言い切れまい。》

 母親は子どもたちに必ずといっていいほど自分が経験したスポーツを教える。その子が育つまで、わずか、20〜30年。

《20年30年をわずかというが、とてつもなく長い。アメリカの女子プロ野球も兵士たちが引き上げて来るとすぐに廃れた。その後、一度再興したが、ぱっとしないまま数年で途絶えた。いかに20年、30年が長く遠い時間かが分かろうというものだ。》

 女子野球も日本野球を支える存在であることに、全野球関係者の男性たちが気づき、援助するようになってほしいものだ。

《折角できた女子プロ野球だ、応援するのにやぶさかではない。また、成功しなかったアメリカ女子プロ野球への刺激となって、再びチームを結成させるカンフル剤にでもなれば愉快ではないか。》

| | トラックバック (0)

2009年11月12日 (木)

携帯電話 冬春モデル発表

 毎日新聞(11/11)から、《 》内は私見。
 NTTドコモとソフトバンクモバイルは10日、年末から来春にかけて投入する新製品を発表した。他社から乗り換える契約者の争奪戦が厳しくなる中、両社とも低価格の量販機種からタッチパネル式の高機能タイプまで多彩な商品を揃えた。

 ドコモの新商品は20機種。富士通製「Fー04B」はディスプレーとキー部分を分離できる世界初の形状。通話しながらネット検索などができる。高性能カメラ付きで価格は2年契約で6万1320円。

《商品開発の技術、デザイン担当者のマスタベーションのような独りよがりの商品だ。二つに分離できて両手が塞がることで何が便利になるのだろう。何でもかんでも詰め込んで多機能を追いかけてみたが、やはり詰め込み過ぎて1台の中では無理だから仕方ない、分離しよう、となった。これでは本来の多機能を売りにするわけにはいかない。次にはもっと詰め込んで三つに分解して一つはポケットに入れ、取り替えながら操作するか、それとも足の指でも使うことにするか。》

 10機種にはGPS(全地球測位システム)で定期的に居場所を確認しながら、利用者がいる場所からの終電時刻や駐車場情報などを配信する「オートGPS」機能を搭載。剥がれにくい特殊な塗装やパネルが板チョコの形状など個性的なデザインも登場。2万円台の量販タイプもある。

 22機種を発表したソフトバンクも価格で勝負する「ゼロ円携帯」を投入する一方、高画質の動画などが見やすい無線LAN対応8機種を発売する。シャープ製「AQUOSケータイ 941SH」は4・0インチの大型タッチパネル搭載で価格は2年契約で5万円台前半。米グーグルの開発した基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載モデルも来春発売する(価格は未定)。

 一方、電子情報技術産業協会(JEITA)が11日発表した9月の携帯電話(PHSも含む)の国内出荷台数は前年同月比4・5%増の約242万2000台となった。08年6月以来、15カ月ぶりに増加に転じた。従来、携帯の端末価格が高かったこともあり、携帯電話の出荷台数は不振が続いてきたが、9月は新製品の投入などでようやく出荷が下げ止まった形。ただ、所得減少などで消費者が買い替えを控える傾向も根強く、携帯市場の本格回復は見えないままだ。

 内訳を見ると、携帯電話が前年同月比5・6%増の約235万9000台、PHSは同24・3%減の6万2000台。携帯出荷増加の背景には、07年秋に発売されてヒットした地上波デジタル放送が受信可能な「ワンセグ携帯」を2年契約で購入したユーザーが契約期限を迎え、新型端末への買い替えが進み始めたことも影響していると見られる。

 ただ、冬のボーナスなど賃金減少や雇用の不安で財布の紐が固くなる中、端末メーカーの期待通りに今後も買い替えが進むかどうかは分からない。シャープやパナソニックなど携帯端末メーカー各社は、太陽光発電で充電できる機種や、画面に指で触れて感覚的に捜査する「タッチパッド」携帯など機能向上をアピールして、買い替え需要の掘り起こしを狙っている。

 同時に発表した09年度上期(4〜9月)の携帯電話出荷台数は、前年同月比23・3%減の約1555万6000台と大幅に落ち込み、半期ベースでは過去10年間で最低の水準だった。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年11月11日 (水)

纒向(まきむく)遺跡で3世紀の大型建造物跡が見つかる

 毎日新聞(11/11)から、要約と《 》内は私見。
 邪馬台国の有力候補の一方の、候補地とされる纒向遺跡(奈良県桜井市)で、卑弥呼(248年ごろ没)と同時代の3世紀前半の大型建造物跡が見つかり、桜井市教委が10日、発表した。

 《奈良・3世紀とくれば、連想することは直ぐに卑弥呼・邪馬台国となる。確かに未だに確たる決定的な証拠も論拠もない遠い時代のことだけに、従来からの大和説、九州説に分かれてお互いに綱引きをしている学者たちは、どんなちっぽけな物事にも神経過敏な反応をみせ、自説の強力な証拠固めにしようとする。そのためには過去にあったように、証拠となる物件の埋め戻しすらする日本の歴史学者もいるのだ。》

 今回見つかった建造物跡のニュースと別に、質問欄『なるほドリ』で邪馬台国について書かれている。そもそも邪馬台国はどこにあったの、卑弥呼ってどんな人だったの?
 中国の歴史書「三国志」の中にある「魏志倭人伝」に、2世紀ごろ、倭国(古代日本の呼称)が乱れ、約30国が共に一人の女性を王に立てたと記されている。これが卑弥呼で、「鬼道」(きどう)という宗教(「能く衆を惑わす」ことからシャーマンのように見る向きもあった)を司った。独身で年を取っていたが「弟」が政治を補佐していた。卑弥呼が都としたのが邪馬台国だ。
 Q 邪馬台国の場所はなぜ分からないのですか?。

 A 日本の歴史書「古事記」や「日本書紀」には、卑弥呼や邪馬台国は出てきません。江戸時代の儒学者、新井白石が卑弥呼を神功皇后とし、大和(奈良)と九州の両方を邪馬台国の候補地と考えたのが論争の源流となった。国学者の本居宣長は、大和王権ではなく、九州の在地勢力が王を名乗ったとする九州説を唱えた。
 魏志倭人伝に朝鮮半島から邪馬台国への道のりが書いてあるが、記述通りに進むとフィリピン南方に行ってしまう。そのため、九州から先の「陸行一月」を「一日」の誤りとして九州北部をゴールにしたり、「南」を「東」の誤りとして大和をゴールにするなどの読み替えが行われた。

《白石の卑弥呼=神功皇后(201〜269年)説では、皇后が妊娠の身で朝鮮に攻め入り、新羅を攻めて降伏させて朝貢を誓わせ、高句麗、百済までも朝貢を約束させた(三韓征伐)など、国際的な出来事が日本書紀に記されていることからみても、国内の邪馬台国に関する記載がないこと、不明なままであることは極めて不自然なことだ。》

《しかし、もともと「邪馬台国」という国は存在しない。われわれが聞いている「やまたいこく」は魏志倭人伝には「邪馬壹国」(やまいちこく)と書かれているものを、壹と臺の間違いだろうと、勝手に「やまと」の発音に近いため邪馬台(臺)国にして大和を特定したり、上のように「南」は「東」の間違いだろうと、昔の人を無学者のバカ扱いすることで無理矢理自説に都合良く曲げてきて、一層諸説紛々の広がりがうまれた。参照:纒向(まきむく)遺跡から木製仮面出土 07/09  》
 
 1910(明治43)年、東大の白鳥庫吉教授が九州説、京大の内藤湖南が大和説の論文を発表して論争が本格化した。在野の研究者の説も含めると、西日本のほぼ全域が候補地になっているの。

 Q 他に手がかりはないの?

 A 魏志倭人伝に、卑弥呼が中国の魏から「銅鏡百枚」をもらったと記されている。卑弥呼が使いを送った「景初三年」(239年)と、翌年の「正始元年」の年号を刻んだ三角縁神獣鏡が有力候補とされるが、大和をはじめ日本各地で400枚以上出土しているのに中国では一枚も見つからないので、日本で造ったものとする説もある。

《魏から贈られたという銅鏡は100枚とはっきりしている。これまで国内で400枚以上出土していること自体全く関係のないものと考えるべきだ。中には中国では名乗られなかった景初四年銘のものまで混じっているのだ。これらは皆、日本で造られたものと考えてよい。》

 Q 決め手はないのだろうか?

 A 魏の皇帝は卑弥呼に「親魏倭王」の金印を贈っている。卑弥呼の墓(邪馬台国大和説)とも言われる箸墓古墳がある纒向古墳がある纒向遺跡で金印が見つかったとしても、九州にいた卑弥呼の後継者が、金印を持って大和に来たという東遷説の証拠とも考えることが可能だ。卑弥呼が受け取った金印や他の贈り物は、途中で誰かが開けないよう封がしてあったという。卑弥呼が開封するときに剥がして捨てた封印の粘土「封泥」(ふうでい)が見つからない限り、結論は出ないと言われている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 9日 (月)

下らない話二つ

 ▼最初は酒井法子のこと。
 前回10月26日の雨の日の初公判の時は、傍聴席20に対して6600人が群がった。そのうちテレビのためのお祭り騒ぎに集められた約1000人はアルバイト(外れは1000円、当たりが1万円とか)だったというが、あとの5600人はニートか欠勤か欠席か分からない、余程の暇人と見受けた。私にはそれ以上の関心事ではない。

 そして、今日の判決公判にはまたもや21席に3000人からの暇人が集まった。一番乗りしたファンで横浜市金沢区の公務員(21・男)は「反省が認められできるだけ軽い判決になってほしい。介護の道に進んでも芸能界に復帰しても、変わらず応援したい」と語ったという。

 これだけ世間を騒がせた女の芸能界復帰を願うファン心理はとても理解できるものではない。神妙に反省の姿を見せても、腹の底は夫婦ともに分かったものではない。2人とも、当初、常習者に多い「下半身の薬だ」と媚薬、興奮剤として使用していたことを仄めかしていた。今、離婚を口にしているようだが、腐れ縁を断ち切ることができるかどうか、見物だ。

 ▼次いでは酒の話
 国民の健康を考えて、喫煙量を減らしたいとの屁理屈から値上げが議論されようとしているさなか、たばこと同じかそれ以上に健康に悪い酒を取り上げてノンキな紙面を埋める記事を書いている(毎日新聞11/9)。それも『飲み方一つ』と銘打って。

 しかし、如何に飲み方を工夫しようと、世界保健機関(WHO)も認めているように、酒に含まれるエタノール(アルコール)が肝臓で代謝し、発癌物質(アセトアルデヒド)になり、適量といわれている量でも、アスベストやタバコと同レベルの発癌リスクの高い最高1(5段階)に分類されている飲み物なのだ。

 酒飲みの尺度に「適量」というのがあるが、これほどあやふやなものはない。この適量といわれている量を意識して飲んでいる飲んべえなどおるまい。それが惹いては食道癌や、大腸癌、肝臓癌に、また膵臓癌や乳癌にとつながり,自分の身体がくたばるだけでおさまらず、酔っぱらい運転の挙げ句他人の命まで奪う羽目になるのだ。ディオニソス(バッカス)の何千年の昔からの、酒飲みの無節操についてはブログで何編も取り上げてきた。これから年末、年始に向かって酒飲みたちのシーズンだが、酔っぱらい天国日本にはいい加減うんざりしているこの頃だ。

 

| | コメント (3) | トラックバック (1)

2009年11月 8日 (日)

底辺高校で「貧困」再生産

 毎日新聞(11/8)から、
 気になる記事が目についた。「底辺高校」とはゴミタメのような高校とでも聞こえる、差別的表現のようだが、何が底辺を形づくっているのだろうか。

 貧困でさまざまな保護を受けられない子ほど、高校中退率の高いいわゆる底辺校に多く在籍し、高校が貧困層の再生産の場になっている。「ドキュメント高校中退」の著者、青砥恭(61)がこんな実情を独自の調査で裏づけた。「家庭への経済支援の充実とともに、学校に福祉の専門職を」と訴える。

 埼玉県の元高校教諭で大学非常勤講師の青砥は08年夏、147ある埼玉の県立高を入試合格者の平均点で分類し、成績上位の進学校「G1」から下位校の「G5」まで5グループに分けた。04年度の新入生のうち卒業までに退学した生徒の割合は、G1=2%、G2=3%、G3=8%、G4=20%、G5=33%と、成績が下位になるほど高くなった。授業料減免を受ける生徒の割合も同じ傾向で、G5(19%)はG1(3%)の6倍以上に上った。

 同年12月には、各グループから地域・学力が偏らないように選んだ47校の3年生計1200人にアンケートを実施した。「親は自分に期待しているか」という質問に「そう思わない」と答えた割合は「まったく」と「あまり」を合わせると、G1が32%だったのに対し、G4、G5では53%だった。

 さらに、父親の職業に関する答えでも、高校の序列との関係がうかがえた。父親が会社員や公務員という生徒は上位校ほど多い一方、父親の職業を「知らない」と答えた生徒の割合は下位になるほど増え、親が失業や転職を繰り返し、子どもに分かりにくくなっているためとみられる。「持ち家」ではなく賃貸の住居に住む割合は、G1で1割未満だったが、G5では4割を超えた。

《親の子どもへの期待については、データの読み方に青砥氏とは異なる意味合いを読み取る。上位校の3人に1人と、下位校の2人に1人でたいして違いはない。これは親の側の現実社会の不景気の反映とみるべきで、子に期待したところで根本的には日本経済の問題とみる親を、微妙に子どもが察知していると考えられる。親の職業を「知らない」とは、たとえ親が転職を繰り返したり、失業したりしたとしても、通常あり得ないことだ。高校生にもなってG1だろうとG5だろうと、「失業中」「就職活動中」などの言葉も知らないわけはない。親と子の間のコミュニケーションの断絶を示すもので、G1ともG5の分類とも関係のないことだ。G4、G5の子どもたちを下層民の子、と貶めるような見方をするべきではない。歴史に名を残す偉人にも、貧乏人の家庭に生まれた人たちは枚挙にいとまがない。》

 青砥は全国的にみて中退率の高い大阪府でも元生徒への聞き取りを実施した。その結果、多くの子が中退後に希望する仕事や条件の良い職に就けず、高卒資格の必要性を感じていることが分かったという。簡単な計算に加え歯磨などの基本的な生活習慣も知らずに育った子や、シングルマザーになった子もいたが、その多くは親が生活苦に陥り、子どもを支える能力や意欲のない家庭で育っていた。

《何でも格差社会と結びつけるのが昨今の流行のようだが、歯を磨く習慣や学習意欲など、親の怠惰までを格差というのは行き過ぎではないか。》

 「教師も生活指導や事件対応などで急がし過ぎ、中退を防ぐ気力が萎えている」、「この10年間、毎年平均10万人が高校を中退している。鳩山政権が掲げる授業料の無料化だけでなく、専門職を学校に置くなど教育と福祉が連携した体制づくりや、教科書代・給食費の国庫負担化、返済不要の奨学金制度などを検討する時期だ」と青砥は提言する。

《国が税金を使って高校を無料化してくれればG4、G5の子どもたちも中退が減少するというのか。G4、G5というけれど、かれらの殆ど(約97%:2008/4 日経)が学生には全く不要な携帯を所持し、その電話代をおそらくは親が支払っている。そのような各家庭の生活を把握しないまま、金さえバラまけば対応が可能と考えるような教育施策では、なんら問題解決にはつながらない。

《納めなければならない国民年金、授業料や給食費、保育料や返済しなければならない奨学金など、払わぬが勝ちになるような現状を見過ごして、子ども救済の旗印で相殺するような施策だけは、納税者の立場からは絶対にしてほしくない。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 5日 (木)

試用教員の退職315人

 毎日新聞(11/5)から、要約
 1年の「試用期間」のうちに、教壇を去った公立学校の新人教員が08年度は過去最多の315人(前年度比14人増)に上ったことが、文部科学省の調査で分かった。うち約3割の88人は精神疾患を理由に退職していた。文科省は「イメージと現実とのギャップで自信を喪失し、鬱病などになるケースがある」とし、相談相手となるべき先輩教員らの支えや目配りを求めている。

 教員は、一般の地方公務員(半年)より長い1年の「条件付き採用期間」を経て正式採用が決まる。08年度は2万3920人が採用され、このうち1年後に正式採用に至らなかった315人は1・32%(前年度比0・06ポイント減)を占めた。10年前(98年度)は0・27%の37人で、8・5倍に達している。

 315人のうち依願退職者は304人(前年度比11人増)。病気が理由だったのは93人で前年度より10人減ったが、5年前の10人、10年前の5人と比べると急増ぶりが際立つ。文科省が今回始めて精神疾患の人数を調べたところ、「病気」の95%を占めた。このほか、猥褻行為や飲酒運転を理由に懲戒免職となったのが5人。不採用決定を受けたのは4人。死亡退職は2人だった。

 また、自ら望んで降任した教員も過去最多の179人(同73人増)に上った。主幹教諭からの降任が89人、副校長・教頭からの降任が84人。望んだ理由は、精神疾患を含む「健康上の問題」が95人と半数を超えた。

《精神疾患の内容が皆目不明だ。イメージと現実とのギャップというがその内容を把握してこそ教育現場での対応が可能なのではないか。単に文章で終わらせていては、毎年同じようなデータを採るだけの繰り返しだ。教諭個人の問題か、システムの問題か、授業を受ける側に問題はないのか、集計だけで終わらせない調査のあり方も検討する必要がありそうだ。》

 また、同紙は社説で「指導力不足教員」を取り上げ、どちらの調査にも言えることだが統計数字の曖昧さを指摘して、もっと実態に踏み込めとしている。指導力不足と認定された公立学校教員は306人で前年度より65人減り、ピーク時の04年度から260人減った。一旦「指導力不足」と認定され、研修後に現場復帰し、再度認定された教員の8人も含まれる。文科省の言う「取り組みの成果」もあるとしても、80万人以上いる教員の中で状況が抜本的に改善されているのか、現場に根ざした検証が必要だ、という。

「学習計画が立てられない」「子どもとコミュニケーションが取れない」「間違いが多い」など「指導力不足」が見られる教員は通例校長が教育委員会に報告し、認定は専門家や保護者らの判定委員会の意見を踏まえて委員会が行う。原則1年以内の研修を受け、職場復帰や他職種への転任、依願退職などに分かれることになる。

《校長からの報告を受け、その判定に専門家が加わることは理解できても、保護者が「指導力不足」教員の判定委員として加わるというのは理解できない。教員の教育現場をどの程度把握し、その適不適の判定基準に何を持ってしているのか。保護者が教員に不適格の引導を渡すことができるほど、教育の現場を知り、高邁な教養を備えているのか。単なるモンスターペアレントの意見で終わる危険性だってあり得る。》

 そこに至らなくとも「指導力に課題あり」と判断された教員は校内研修や授業支援などを受けたりすることになる。その人数などは分かっていない。指導力不足の認定可否を受ける前にこれを受け、改まらない教員につき判定へという手順が多いという。

 一方、管理的職責が大きくなる校長、副校長、主幹教諭などから自ら望んで降りる「希望降任務」は年々増え、今回179人。増加は制度導入の教委が増えてきたことも反映しているが、この数字を過小評価するべきではない。現実とのギャップなどから正式採用前に辞める新人がいる問題と同様に、職務の過重さからこうした傾向はこれからも強まる可能性があるだろう。

 文科省の教員勤務実態調査によると、1日の残業は約2時間で、教科指導だけでなく雑多な校内業務に追われる。また、いわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者らへの対応など、心身の負担は増えている。中央教育審議会の議論でも「諸外国では多くの専門的・補助的スタッフが配置されているが、日本では教員が授業以外に広範な業務を担っている」問題が指摘された。

 例えば、米国では進路指導や生徒指導なども教員以外のスタッフが一部担っており、すべてを背負うような日本の場合と異なる。

 また希望降任は、家族の介護など私生活上の必要や事情を理由にしたものもある。私生活を大切に維持し、かつ降任したりせずに働ける余地はないか。教育現場こそ、多様な生活体験や事情を生かして教えることができる人材が必要なはずだ。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 4日 (水)

公立高入試、推薦廃止が広がる

 毎日新聞(11/4)から、要約と 《 》内は私見。
 公立高校の入学試験で、学力検査がない推薦型の選考方法を見直す動きが広がっている。和歌山県と静岡県がすでに一般入試に一本化したほか、埼玉など3県が来年入学の10年度入試から、千葉など3県が13年度までに、全ての受験生が学力検査を受ける方式に改める。学力検査なしに入学できる高校の増加が、中学生の「学力低下」の一因という指摘が背景にある。

《本来「推薦」とは、優れている人や物を人に薦めること、だ。「優れている」ことが重要な条件であるはずのものだ。それが箍(たが)の緩んだ「自己推薦」や「特色選抜」で入学が可能になれば、学力低下を招くのは至って自然な成り行きというものだ。少子化という免罪符を背負って、幼少時からちやほやされ、携帯やゲームで日を送っていても、少々のことは大人の側は許してくれる世の中だ。

《これは高校入試に限らない、そのまま成長して大学の入試もその延長線上にあるのだ。中学生並み高校生並みの大学生が掃いて捨てるほど生産されているのが現在の入試システムの結果だ。》

 同紙が全国の都道府県教育委員会に確認したところ、大阪府は以前から推薦入試がなかった。和歌山県は07年度、静岡県は08年度から学力検査を課すようになっており、残る44都道府県で学力検査なしの推薦入試が行われていた。

 このうち、青森県、埼玉、高知の3県はこれまで一般入試の前に行っていた、学力検査のない入試を10年度から廃止する。一般入試後に行う後期試験でも3教科の学力検査を課す。また、千葉県と徳島県は11年度から、前後2回ある試験の両方で5教科の学力検査を行うことにした。

 推薦入試は80年ごろから農業や工業などの専門科で始まり、90年代には普通科にも拡大して行った。その後、自己推薦や特色選抜などに切り替える教委が相次いだため、学力検査を受けずに入学する生徒が一気に増えた。

 今春の入学者の4割が自己推薦組で、学校によっては8割に上る埼玉県教委は「『学力検査がないため学習習慣が定着しない』という声がある」と説明。79年度の推薦入試導入以来、約30年ぶりに全受験生が学力検査を受ける。高校側は「高校入学のレベルに達していない生徒が多すぎる。中学時代にもう少し勉強するようになるのでは」(県立高校校長)と期待する。

《五月蝿く「勉強しなさい」と言ってくれる親が、共稼ぎでいない家庭が多くなった。かといって、家庭の用をすることもなく、留守番をすることもできず、自習、予習もしないで学童保育という手厚い保護の囲いの中でしか過ごすことができない。自ら勉強しよう、という自立心が育つはずもない。》

 10月22日の東京都教委では「推薦の募集人数が多すぎる」という批判の声が上がり、募集枠が決まらない異例の事態となった。

《募集枠が多いから、多く推薦しなければならないというのもおかしな話だ。上に書いたように、「推薦」に値する人間に絞って推薦すれば問題ないはずだが、各中学校とも新入生を確保するためには、高校入学率を上げて学校の知名度を上げなければならない。少々出来が悪くても推薦して高校に送り込む悪循環が回り始める。》

 翌週の再協議で当初案通りとなったが、11年度以降の推薦入試のあり方について今後検討数することが決まった。また、栃木県教委が近く、推薦廃止も含めた入試改革の検討を行う有識者会議を発足させるなど、見直し論議は今後も広がりそうだ。高校の入試制度に詳しい聖学院大学の小川洋教授(教育学)は「私立高校の人気が高い地域ほど、早めに生徒を確保しようと推薦による合格者を増やしてきたが、今になって枠を拡大し過ぎたことに気付いたのでは」と指摘している。

《増え過ぎた大学が、門戸を広げ過ぎたことも原因する。経営の苦しさから、頭数を確保することに汲々とし、入学後に高校の補習授業をしなければならないほどのレベルを入学させる。これが段階的に中学校にまで波及することになったのだ。遅まきながら、やっと気がついたのなら、「推薦」本来の名に恥じない人間を学校長も選ぶことだ。》

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 3日 (火)

たばこ増税論議

 毎日新聞(11/3)から、要約と《 》内は私見。
 鳩山由紀夫首相や長妻昭厚生労働相が相次いで、たばこ税引き上げに言及し、たばこ税増税の議論が高まっている。自民党政権時代の税収確保を全面に出した増税ではなく、健康への影響を配慮した課税検討が新政権の特徴だ。だが、長妻厚労相が例示した「欧州並み価格」まで引き上げると、大幅増税となり、たばこ離れが加速して税収減につながる可能性が高く、財務省は大幅増税には慎重な姿勢だ。年末の10年度税制改正に向け、調整は曲折が予想される。

《「健康への影響を配慮」は単なる隠れ蓑に過ぎない。国民の健康を税収入との駆け引きで考えているようでは、はっきり税収入を全面に出した自民党政権の方が筋が通り、いさぎよい。「本当に健康に悪いのなら、日本からたばこは閉め出すべきだ」と前にも書いた。そのために値上げが喫煙者を減らす効果があるのなら、欧州並みなどとみみっちいことを言わないで、どん、と価格を上げればいい。それで国の収入が乏しくなる分、政治家は知恵を絞ればいい。そこまで考えた値上げ論を戦わせてほしい。》

 日本のたばこ税は現在、1本当り8・7円。日本で20本入り1箱300円のたばこは英国(813円)やフランス(613円)などと比べると半額以下だ。1箱600円に引き上げれば、1本当り増税額は10円と大幅になる。

 先月8日の政府税制調査会で鳩山首相は「健康に対する負荷を踏まえた課税へ」と健康面への影響を理由にした増税を示唆した。これに対し、政府税調は「引き上げの議論はしない」(峰崎直樹副財務相)と慎重な姿勢を示してきたが、厚労省が金額を明示せずにたばこ増税を要望した30日には、首相が「環境や身体の面から見て、増税あり得べしかなと思う」と増税に前向きな発言をして、風向きが変わってきた。

 首相発言などを追い風としたいのは厚労省だ。同省によると、癌など喫煙関連8疾患のうち喫煙者にかかった医療費が年1兆3000億円、労働力の損失が年3兆6000億円と試算し、たばこ税収を大きく上回る。同省は「健康面だけで増税できる環境になった」と語る。

 一方、財務省は「これまで健康面からたばこ税を議論したことはない」と言う。巨額の国債発行に頼る中、たばこ税は安定的な税収を確保できる貴重な財源だからだ。

 《また一方では、酒税の見直しも論議されている。こちらはビールの減税なるかと、業界は期待に胸膨らませている。同じ嗜好品でもたばこは敵役だが、どちらかといえばたばこ以上に酒も健康には害がある(発癌性物質、依存性など)ことや、医療費もたばこと同じや労働意欲の減退などが分かっているが、まるで意に介さない。》

 ただ、これまでのたばこ増税は小幅にとどまった。麻生前政権下では08年末にも1本3円程度の増税議論が出たが、葉タバコ農家への影響に配慮する自民党農林族らの抵抗にあって見送られた経過がある。

 07年度のたばこ税収は国と地方で計2兆2703億円。消費税収の約1%分に相当し、国や地方の安定財源となってきた。健康志向などで、販売量は10年連続で減少しており、増税によって税収を2兆円台に確保してきた形だが、07年からは税収減が続いている。

 10年度予算の財源確保のため、一定のたばこ増税が検討される余地はあるが、財務省は「たばこ税の大幅増税で税収をこれ以上減らす事態は招きたくない」というのが本音だ。

 財務省の古本伸一郎政務官は2日、たばこの大幅増税は、たばこ事業育成を目的とした「たばこ事業法」に反すると主張。「(財務省と厚労省の)立場の違いをきちんと整理した方がいい」と慎重議論を求めた。

《「たばこ事業法」の内容は知らなかったが、法の精神から反論が出てきては、根本の法改正から取りかかる必要がありそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 2日 (月)

小児の脳死臓器提供

 7月13日の参院で、脳死を一般的な人の死とする改正案が可決されてから3カ月余りが経過した。2010年から可能になる15歳未満の小児の脳死臓器の提供を行う医療機関の現場での準備は進んでいるのだろうか。

 毎日新聞(11/2)から、要約と《 》内は私見。
 全国の臓器提供を行う医療機関のうち「対応できる」と答えた施設が約4割しかなかったことが、同紙のアンケートで分かった。法改正で「脳死臓器提供数が増えると思う」と回答した施設も45%にとどまり、多くの医療現場が課題を抱え、移植の拡大を困難とみている現実が浮き彫りになった。

《初めから答えありきで碌な議論もなく、提供する側の「いのち」を軽く見、単に、死体数を増やしたいだけの医療機関、医師側の思惑はずれは最初から考えられることだった。》

 7月に改正臓器移植法が成立したのを受け、現制度の下、臓器提供を行う全国の医療機関378施設に調査用紙を郵送。9〜10月に196施設から回答があった(回答率51・9%)。

《この担当機関の関心の低さはどうなっているんだ。半分近い医療機関が回答を寄せていない。太鼓叩いて笛を吹いて「臓器が欲しい、欲しい」と叫んでいるのは一体誰だ。》

 小児の臓器提供への対応を尋ねると、「できる」が42%だった一方、「できない」「わからない」が計58%に達した。理由を複数回答で聞くと、「小児の脳死判定は難しい」は48%と最多。小児科の医師不足や、小児救急医療体制の未整備などを指摘する意見も多く、小児臓器提供の実施施設については厚生労働省などが検討している。

《脳死判定を前提にした移植法改正に、旗を振った側に現場の医師の意見や医療機関の反映がされていない実態が読み取れる。》

 親族が子どもの提供に同意するかについては、「ほとんど同意しない」が全体の62%と最も多かった。脳死の原因となる虐待の有無を見抜けるかは、ほとんど、もしくは一部見抜けない、との答えが計68%に上った。

《これも、法案成立前から医学界をはじめ指摘する声は多くあったが、拙速に可決の憂き目を見る結果になった。》

 また、今回の法改正に伴い、子どもを含む全体で「脳死からの臓器提供数が増えると思う」施設は45%。「思わない」24%、「分からない」31%だった。思わない理由(複数解答)は「脳死での臓器提供への理解が低い」が67%で最多。「『脳死は人の死』と考えない人が多い」「臓器提供に至る手続きが煩雑」がいずれも52%で続いた。

《手続きが煩雑、とはまだ本当に「死んだとは思いたくない」から、或いは「臓器提供をしたくない」ことをやんわりと言っただけで、単純に手続きだけのことではないと思うべきだろう。》

 法改正で「脳死を人の死」と定義したことへの印象を聞いたところ、「医学敵に妥当」が63%で最も多かったが、「割り切れなさを感じる」との回答も26%あった。

《医療機関にしても、小児脳死について確たる基準があるわけではない。泥棒見て縄ではないが、厚生労働省研究班が今になって小児の脳死判定基準を検討中だという。虐待対策も不十分だ。》

 また、脳死臓器提供の増加が「負担になる」と答えた施設も7割に達している。アンケートから浮かんだ多くの課題を着実に解決しなければ、たとえ提供条件を緩和しても、簡単には移植医療は広がらないだろう。改正法の全面施行まであと8カ月余り。移植医療の大前提である「国民の信頼と理解」を得る努力と、早急な体制整備の必要性が改めて示されたといえる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 1日 (日)

太陽光発電

 毎日新聞(11/1)から、要約と《 》内は私見。
 政府は、家庭の太陽光発電で余った電力を電力会社が現在の2倍の価格で買い取る制度を1日にスタートさせるという。太陽光発電の設備負担を軽減し、急速な普及を図る狙いだ。民主党政権は風力や水力などすべての再生可能エネルギーを買い取る新制度の創設を公約しており、2年以内の買い取り対象拡大を検討。温暖化対策の切り札にしたい構えだ。

 日本は当初、太陽光先進国だったが、05年、太陽光発電の全量買い取り制度を実施したドイツに「累積導入量世界一」の座を明け渡した。結果、08年の日本の太陽光の発電年間導入量はスペインややドイツ、韓国などを下回る6位に低迷している。世界一奪回と地球温暖化対策の両立に向け、政府は今年1月に補助制度を復活させ、2月に余剰電力の買い取り制度導入を決めた。

 補助制度の窓口の太陽光発電普及拡大センターによると、4月に3000件程度だった補助申請が10月には約1万4000件に急増したという。

《宣伝効果抜群のようで、先陣争いのような予約殺到の兆しを報道している。『志や良し』だが、8月に書いた「温室効果ガス80%削減なら」で危惧を表明したが、現在家庭用太陽光発電装置のトラブルがしばしば発生し、装置の修理には初期設置にかかった費用同等の出費を必要とする報告も上がっている。その投資効果については実例を隠さず発表し、供給側だけのうまい話だけではなく、不安、不信のない投資効果(1基当たりおよそ200万円前後する)が得られるように説明するべきだ。》

 電力会社は自主的に家庭の太陽光発電を1kW時当り24円前後で買い取っているが、新制度は同48円で10年間の買い取りを義務づける。価格を2倍にするのは、設置費用を回収する期間を短縮させ、普及を促すため。普及で設備価格が下落すれば、買い取り価格も引き下げる。

 電力会社は1年間の買い取り費用を、翌年度の電気料金に上乗せして回収。設備がない家庭も含め、すべての電気利用者に薄く広く負担してもらう。来年4月から前年分が電気料金に転嫁される。11年度以降は1世帯当り月30〜100円程度になる見通し。

《そんなバカな、200万円なんて夢のまた夢、逆立ちしても鼻血も出ない家庭に、他人の投資で発生する電気料金を負担させる肚なのか。投資のための資金援助も只でくれるカネではないだろう。いずれは返済しなければならない借金になるだけだ。それとも、未払い、不払いは年金、学校給食や、奨学金、授業料、保育費、授業料や家賃などのように払わない者が得して決着がつくのだろうか。》

 2倍の買い取り制度は、太陽光発電の関連産業を支援する狙いがある。20年の温室効果亜ガス排出量を90年比25%削減する目標を掲げる民主党は、2年以内に買い取り対象を太陽光以外の自然エネルギー全体に拡大する方針だ。ただ、買い取り対象を増やせば電気料金への転嫁も増えるため、温暖化対策と国民負担のバランスなど課題もある。

 民主党は太陽光の余剰電力だけを買い取る自公政権の制度を「不十分」と批判してきた。直嶋産業相は11月中に、風力、地熱などすべての再生可能エネルギーの全量買い取りを検討するプロジェクトチームを設置、2年後の導入に向け制度設計を急ぐ。

 ただ、太陽光の余剰分だけでも1世帯当り月最大100円の電気料金値上げが見込まれている。買い取り対象を再生可能エネルギー全量に拡大すれば「負担は数倍になる」(経産省幹部)可能性もある。集合住宅など発電設備の設置が難しい家庭などに電気料金の負担の理解を得られるかが課題だ。

《既に書いた。集合住宅だけではない。太陽光発電装置設置は義務化じゃあるまい。温暖化対策は言い訳の、世界一に返り咲きたいだけの無謀な夢では、無い袖の触れない生活困窮者には持てる者の電気料金の負担は重荷になるのだ。》

 直嶋経産相は「全量買い取りは温暖化対策や環境産業育成の観点から重要だ。有識者をまじえて精力的に検討したい」と強調する。だが、天候で発電量が変わる自然エネルギーを送電線に繋ぐ際の技術的問題など、乗り越えるべき課題も残されている。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年10月 | トップページ | 2009年12月 »