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2009年11月22日 (日)

ネットで店探し、貸しブランド品 会員20倍

 何ともさもしい人間もいるものだ。不景気で安さ命、とユニクロに行列は生活の知恵でいいけれど、何を好んでブランド品に借りてまで血道を上げるのだろうか。上っ面だけでも金持ちの見栄を張りたい心貧しい人間もいるものと哀れに思う。

 毎日新聞(11/22)から、要約と 《 》内は私見。
 21日、東京・銀座の歩行者天国は、低価格のカジュアル衣料、ユニクロの紙袋を手にした人がひときわ目立ったということだ。ユニクロを展開するファーストリテイリングの創業60周年記念セールに買い物客が殺到したためだ。

《知る人ぞ知る、だったのだろう。寡聞にも私はユニクロが60年も前に誕生していたとはツユ知らないことであった。》

 銀座店は早朝から約2000人が列をなし、特別価格で買える整理券を3回配布(計680枚)したが、忽ち」なくなった。整理券を手に入れた30代の女性会社員は通常990円のタイツを490円で買い、「景気も良くなる気配は見えないし、安いのが一番」と。ユニクロの盛況は節約志向が強まるデフレの象徴といえる。

 横浜市の主婦(41)は、会社員の夫(46)の給与カットで生活費が月1万円減った1月から、インターネットで少しでも安い商品を探すのが習慣となった。今月中旬に3000円の調味料収納ケースを買った時は店で商品を確かめてから2週間はネットを点検。当日限定で通常の5倍のポイント(120円の値引きに相当)がつく店を発見し、最も安いタイミングで購入した。

 レンタル業者にも追い風が吹いている。ネットで高級ブランド品を貸し出す「Cariru(カリル)」(東京都港区)は、10万円以上のバッグを4000円程度で借りられる手軽さが浮け、リーマンショック前の昨年夏ごろに120人程度だった会員が2800人に急拡大した。都内の主婦(31)は、夫のボーナスが約3割カットされ、今年出席した友人の結婚式3件はレンタルバッグで済ませた。

《ユニクロ派にくらべて何と見栄っ張りな女だろう。借り物のブランドを抱えたからって女の値打ちが上がるとでも思っているのだろうか。もしも私の妻になら、こんなに心貧しい女にだけはなって欲しくない。このような女心を知っているからこそ、同じ狢(むじな)のレンタル業者は聡く見抜くのだ。》

 だが、デフレを商機に行かせる企業は一部に過ぎない。10月の全国百貨店の売上高は前年同月比10・5%減と減少幅が3カ月ぶりに2桁に悪化した。百貨店業界では、例年なら年明けの冬物衣料バーゲンを年末に前倒しする動きも出ている。

 大丸と松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングは12月2日からバーゲンを実施し、そごう・西武も検討中だ。目先の売り上げを確保したい百貨店側の焦りが見えるが「値下げ競争で利益をすり減らす消耗戦」(大手百貨店幹部)から抜け出せないのが実態だ。

 スーパー大手のイオンは10月上旬、1ドル=90円を突破する円高になったのをとらえ、輸入食品などを最大5割引きする「円高還元緊急セール」を展開した。「円高での価額下落分は直ぐに値下げに廻さなければ売れない」といい、円高がデフレを加速しかねない。

《いよいよ、デフレスパイラルへの突入を覚悟しなければならないのだろうか。》

 川崎市に住む専業主婦(30)は、電機メーカーに勤める夫(30)の手取り給与が4月に1万円減ったが、倹約に努め、逆に貯金を月3万円から万円に増やした。家電の価格競争が電機会社の収益を圧迫し、夫からは「冬のボーナスも厳しい」と聞かされ、将来への不安が貯蓄に駆り立てる。2歳の長女がいるが、民主党が政権公約の目的に揚げた「子ども手当」をもらっても消費に回せそうにないという。

 明治安田生命の小玉祐一チーフエコノミストは「鳩山政権は明確な成長戦略を示し、将来不安を払拭する必要がある」と指摘する。デフレと認定した鳩山政権だが、消費者心理を上向かせる政策の構築が求められている。

 

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