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2009年10月 7日 (水)

いま、論語がはやっている

 毎日新聞(10/7)から、要約と《 》内は私見。
 「論語」が、親子を中心に人気を集めている。先行き不透明な時代、“生き方指南”が求められているのだろうか、子ども向けの解説本がベストセラーになり、論語塾も盛況のようだ。

 【論語】
 孔子(前551〜前479年)の没後、孔子や高弟の言行録を編纂した書物。「学而」「為政」など20編約500章から成り、「仁」や「礼」など道徳論や政治論が記されている。「孟子」「大学」「中庸」と合わせ、儒教の四書の一つ。日本には4〜5世紀ごろに伝来したとみられ、聖徳太子ら多くの人の思想に影響を与えたとされる。

 「子曰く*、学びて時に之を習う、亦説ばし(また、よろこばし)からずや」。東京都文京区の伝通院で月1回開かれる「こども論語塾」。親子連れや3世代家族など2〜80歳の約100人の素読の声が響く。05年に参加者約30人で始まり、現在、宮城県塩竈市や宮崎県都城市など全国7カ所で開かれている。

《*「子曰く」は、し、のたまわく、または、し、いわくと読む。子(し)とは孔子をいい、孔子がおっしゃるには、言うにはの意。また、曰くの「曰」は「日」(ひ、にち、ではなく、2劃目の縦の線と3劃目の横線とは接しない。読みは、『エツ、のたまわ-く、いわ-く、ここ-に』。》

 論語は中国の春秋時代の思想家、孔子の言行や弟子たちとの問答などが記された書物。塾では約2500年受け継がれた孔子の生き方や考え方を学んでいる。

 講師の安岡定子さん(48)は、陽明学者で歴代首相の指南役といわれた故・安岡正篤の孫。この日は「之を愛して能(よ)く労すること勿(な)からんや」(人を愛するからには、その人を鍛えないでおられようか)を取り上げ、「勉強やお行儀など、みんなの両親は厳しく叱ったりするでしょう。難しいことも乗り越えられる人になってほしいからです」と、子どもたちに語りかけた。

《家庭の中のことは分からないが、乗物の中、スーパーなど目に触れるところでの親が子どもに厳しく接する姿など見たことはない。子どもが騒いでいようが、泣きわめいていようが、生もの商品に指を突き立てていようが、公共の場所での騒ぎや声高なおしゃべりは、親自身の方が叱れる状況にない。ここで学んで親の方こそ少しでも良くなることでもあれば喜ばしいことだが。》

 東京都目黒区の小学四年、島田君は「巧言令色、鮮(すくな)し仁」(言葉巧みでうわべばかりの人は思いやりの心が欠けている)の章が好きだという。母親(39)は「論語は味わい深い。将来、子どもの力になる」と目を細める。

 安岡さんは「昔は、善く生きる道を子どもに諭す親類や教師が身近にいた。今は誰も教えない。だからこそ、論語への関心が高まっているのではないか」と話す。

《安岡さんの近辺には諭すことのできる親類はいたのかもしれないが、何も親類でなくてもいい。少なくと私の世代の子どものころには親や兄弟も含め、遊び仲間でも、間違いを糾してくれる先輩、年長者が何人もいた。今でも懐かしい感情が湧いてくるが、遊び仲間と顔を合わせると、『友あり、遠方よりきたる、また楽しからずや」(論語)は合い言葉のように行き交ったものだ。論語は日常生活の中に入っていたのだ。また、明治生まれの両親たちは、堅苦しいほどに倫理観が強く、間違ったことには容赦なく厳しかった。》

 同塾の盛岡代表(70)は「いつも前から堰が埋まる。道徳心が失われ、凄惨な事件が起きる中、親が論語を子どもに伝えたいと願っているのでしょう」とみる。保護者からは「塾より学ぶものが大きい」「小さいうちに心の勉強をさせたい」との声も聞かれた。

《その親の自覚が失われないことを願うばかりだ。》

 論語への追い風は、学校現場にも吹いている。2011年度に全面実施される新学習指導要領には「伝統的な言語文化に関する指導の重視」が盛り込まれ、小学生が漢文や古典を学ぶようになる。

《転がるように口から出てくる論語の古文調の言葉は、とっても覚えやすく、年月を経ても次々に出てくる。》

 NHKは昨年10月から半年間、総合テレビで「カンゴロンゴ」を放映。「世直しバラエティー」と銘打ち、ドラマ仕立てで論語などを紹介した。番組を監修した明治大の加藤徹教授(中国文学)は「今の日本はどこに進むのか10年後の姿も描けず、階段の『踊り場』のような状況。論語には、人間らしい生き方や励ましの言葉が詰まっている。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの声をふと聞きたくなるように、心のよりどころとして論語が読まれているのではないか」と話している。

《「論語読みの論語知らず」という言葉もある。書いてあることを理解するだけで、実行が伴わなければ論語も役にはたたない。現在学んでいる子どもたちが大人や親になるまでには何十年もかかる。それよりも、一緒に学んでいるという親たちがすぐに実践すれば、今の世の乱れを軌道修正するのも、成果は早く現れることになるのだが。》

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