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2009年8月16日 (日)

国立追悼施設は必要か

 毎日新聞(8/16)に二編の社説が載っている。一つは「新型インフル死者」他の一つは「国立追悼施設」。
どうも気になることだが、一つ目の新型「インフル」という省略だか短縮だかわからないカナ文字のことだ。数日前に同紙が「イチ」と書いて野球選手のイチローが「ポチ」か「タマ」になったような紙面がつくられたことを取り上げたが、今日の「インフル」も同じように違和感を持って目を通した。

 世界的に発生している新型インフルエンザにより、日本で初の犠牲者が発生したことを取り上げたものだが、せめて社説で取り上げる表現として、正確にインフルエンザと書けないものか。記事中繰り返し使用しても、社説のスペースにカナ文字3字分の追加の余裕が無いわけではないだろう。流行かぶれか言葉の乱れに麻痺しての濫用だろうか。

【閑話休題】要約と 《 》内は私見。
 民主党の鳩山由紀夫代表が仮に今度の衆院選で同党が政権を獲得し、首相になった場合には自身だけでなく閣僚にも参拝自粛を求める一方、靖国神社に代わる国立の追悼施設建を検討する考えを示した。

《この考えには私は反対だ。その理由はすでに小泉首相時代に参拝を強硬したころから述べてきて変わらないから繰り返さない。》

 参照 分祀でなく、出てもらえばよい 06/08
    
 これは決して新しい考えではない。01年8月13日、靖国に参拝した当時の小泉首相は直後の談話で自ら問題提起し、官房長官の私的懇談会を作って追悼施設建設を検討したことがある。

 報告書は結論として「日本が平和を積極的に求め行動する主体であることを世界に示すため、国を挙げて追悼・平和祈年を行う国立の無宗教の恒久的施設が必要」と提言するものだった。ところが当の小泉が、たとえ新施設を建設しても靖国神社に代わるものではないと言い出して靖国参拝を継続した結果、構想は急速にしぼみ、一時検討された予算への調査費計上も見送られた。小泉時代、中国や韓国との関係が険悪になったことは指摘するまでもない。

 首相の参拝に反対してきたのはアジア諸国への配慮だけではない。靖国問題の本質は極東軍事裁判《東京裁判》でA級戦犯となった人々が合祀されている点だ。昭和天皇がA級戦犯合祀に不快感を示していたことも近年判明した。国民の間にも先の大戦の正当化につながりかねない靖国神社のあり方に疑問を持っている人は多いだろう。

 靖国神社側はいったん合祀されたA級戦犯の分祀は神道の教義上、困難だという。一方、麻生首相はかつて靖国神社を今の宗教法人から特殊法人に変える案を示したが、政界で支持が広がっているわけではない。自民・民主両党の議員の中にはさまざまな意見があるのも事実だ。

 しかし、国民や外国の人々がわだかまりなく訪れ、追悼できる場をどう作るかは、いずれ結論を出さなくてはならない問題だ。衆院選の結果がどうあろうと、今の千鳥ケ淵戦没者墓苑の拡充案も含め、やはり新たな追悼施設の検討を政界全体で再び始める時期ではないか。今度は議論を途切らせないことだ。

《ほかにはA級戦犯を東郷神社へ移せばどうかとの意見もあった。いずれにしても追悼施設の数を増やすことには反対だ。》

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