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2009年7月30日 (木)

「成人 18歳に」

 ゲンペイソウ  ツメキリソウ
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 毎日新聞(7/30)から、要約と《 》内は私見。
 成人の年齢を20歳から引き下げる民法改正の是非を検討してきた法制審議会の民法成年年齢部会は29日、18歳に引き下げるのが適当とする最終報告書を取りまとめた。公職選挙法改正により選挙年齢も引き下げて成人年齢と一致させるのが望ましいとし、拡大の懸念がある消費者被害の対策充実など一定の環境整備も必要と指摘した。その上で、法改正の時期は「国会の判断に委ねるべきだ」として明示を避けた。

《改正時期を国会に委ねようというのは、審議会では手に余る大命題とした及び腰の決着だ。そもそも法制審議会が検討することになったいきさつは、北朝鮮を仮想敵として、憲法で定める戦争放棄の条文を、軍備を持っていつでも北朝鮮と戦争ができる国にしたい、そのためには憲法を変える必要があるとして、07年に成立した国民投票法で、投票年齢を原則18歳以上と定めたことがきっかけだ。》

 民法が改正されれば、公選法や少年法など条文で年齢要件を定めた191の法律に影響が及び、国民生活が大きく変わる可能性がある。「大人」の定義が変われば、「元服」の慣習を改めた明治期以来の大改正となる。

〖成人年齢〗
 民法規定では20歳。未成年者は父母の親権に服する親権規定がある。また、クレジット契約などで親の同意がなければ無効だが成人年齢が18歳になると消費者被害拡大が懸念されている。
 
 報告書は、成人年齢の引き下げを「社会への参加時期を早め、若者の大人としての自覚を高めることにつながる」と指摘。自らの判断で金銭を使うことが法律上可能となるなどの点で有意義とした。公選法が改正され、選挙年齢が18歳に引き下げられる場合、政治面だけでなく、経済活動でも大人として処遇することで、若者や社会に大きな活力をもたらすと期待感を示した。

 一方、クレジットカードによる高額契約や、マルチ商法などの諸費者被害の拡大や、自立困難な若者の困窮化などの恐れもあるとして、自立を促す施策の実現が必要と判断した。消費者庁の設置や、消費者教育を盛り込んだ学習指導要領の改定、ニート引きこもり支援策を柱とする子ども・若者育成支援推進法の今月の成立などを挙げ、施策が国民に浸透した段階で民法改正が行われるべきだと提言。さらに最終t系には「適切に判断できるのは国会」とした。

 また、男子18歳、女子16歳と定められている婚姻年齢は「男女とも18歳とすべきだ」とまとめた。養子を取れる年齢は20歳の現状維持とした。

 07年に成立した国民投票法で原則18歳とした投票年齢、併せて付則で民法と公選法の年齢条文引き下げを10年の施行までに検討すると規定し、法制上の措置が講じられるまでは投票年齢を20歳以上とした。

《メディアはお得意のよその国ではどうなっているのか、を取り上げる。下はネパールの16歳から21歳のアラブ首長国連邦、アルゼンチンなど5カ国をはじめ、英国やドイツ、フランスなど主要先進国の大半は18歳で、米国は州によって異なるが大半は18歳だ、と書く。「主要先進国」がどうやら殺し文句のようだ。先進国を任じる日本がこれでいいのか、と。よその国のことを並べ立てるのもいいが、今回法制審議会が問題視する幾つかの懸念項目について、それぞれよその国ではどのようになっているのか、問題はないのか、どのように若者たちに受け入れられ、引き下げが浸透していったのか、記事にできなかったのだろうか。》

 毎日新聞が各地で10代後半の男女に成人年齢の引き下げについて感想を尋ねたところ、時節柄でもあるか「早く選挙に行きたい」「クレジットカード契約ができると助かる」などと期待する声もあった。しかし、「高卒後、2年くらいは時間がほしい」「自分の生活に関係ない」との消極的な意見の方が多かった。

 立教大教授で精神科医の香山リカは、成人年齢引き下げに賛成だ。「今の20歳が成熟しているかといえば決してそうでない。20歳になっても学生であるため、成年になったことを自覚しづらいようだ」と指摘、。「18歳に引き下げられると、高校を卒業すれば大人として扱われる、という分かりやすい線引きができ、本人の自立も促される」と語る。

 「夜回り先生」で知られる元高校教諭の水谷修は「今回は民法改正で成人年齢を引き下げようとしているが、民法だけにとどまらず『年金を18歳から払え』という議論になる恐れが高く、絶対反対だ」と批判する。さらに、少年法の対象年齢も20歳未満から18歳未満に引き下げようという議論につながりかねないとして、「親から見れば19歳まではまだ子ども。今回の議論は拙速すぎる」と指摘する。
 一方、フリーターなど若者の実態に詳しい作家の雨宮処凛は「若者の間で、成人年齢を引き下げてほしいという運動が高まっているわけではなく『上から目線』の議論。結婚年齢など全世代にかかわる問題にも拘わらず、大人からも『引き下げて』という運動は広がっていない」と疑問を投げかける。

《過保護な親の下、甘えられるだけ甘えて育ってきた現代の日本の若者たち、数の中には早く18歳の大人になりたい者もいようが、大方の若者の自覚を促すには自立のための教育も含め、まだまだ長い道のりが必要だろう。》

 《また一方で、大人の側も現在の衆院選の与野党の言い分のように、相手を貶すことでしか己を主張できない小学生レベルの見苦しい罵り合いをしているようでは、成人年齢は引き下げどころか、逆に10も20も高い年齢に設定しなければならない、とも思える。》

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