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2009年7月29日 (水)

離岸流

 折角の夏休みが長梅雨のため、海へ行く機会を失った子どもたちはやきもきしていることだろう。例年ならもう何度も水浴びをし、紫外線など気にもせず身体は小麦色に日焼けして過ごしている頃だ。ところが、今年の異常天気は土用を過ぎても晴れる気配がなく、海が荒れて遊泳禁止になる頃まで残すところ精々2週間だ。

 メディアはしきりに海水浴で毎年起っている波にさらわれる事故の注意を呼びかけているが、現在の日本列島の天候状態では余計な心配事で終わりそうだ。

 私は、軍国少年のころ海洋少年団に入り、日本海で泳ぎ慣れていた自信もあって、上京後の30代のころだった。千葉県の九十九里浜でその日の午後、泳ぐ機会があった。ひとしきり泳いだ後、波打ち際にぼんやり立って午後の波を観察していた時だった。日本海とは違った大きなうねりの高波が繰り返し続いていた。その波の一つが引く瞬間、足の下の砂が一気にえぐられるような気がしたとき、身体はひっくり返り、波に巻き込まれるようになって沖に持って行かれた。慌てない訓練はできていた。ゆっくりと岸に沿って横切るように泳いで浜に戻った。その後、何度か波を受け、九十九里の浜辺の砂は、粒が粗くて引き波の影響を受けやすいことを確認した。

 「離岸流」は私が体験したものとは異なるが、巻き込まれた後の対処法は同じだ。波打ち際を泳いでいるつもりが、いつの間にか思った以上に浜辺から遠ざかっていることがあるが、それは主に離岸流が原因だ。離岸流は、岸に打ち寄せた波が沖合に戻る流れのことで、流速は最大で秒速2メートル程度にもなる。海上保安庁によると、昨年7月に和歌山県印南町で20代男性が沖に流されて戻れなくなり、漁船に救助されるなど、離岸流による事故は各地で相次いでいる。

 同庁によると、08年に海のレジャーで事故に遭ったのは912人で、うち死者・行方不明者が302人に上る。事故時の主な行動は
 釣り     332人
 遊泳     302人
 サーフィン  78人
 磯遊び    52人
 スキューバ
  ダイビング 51人。

 事故の内容は
 漂流     25%
 深みに嵌る  16%
 波に巻かれる 12% などで、漂流の多くは離岸流が原因だという。

 離岸流に巻き込まれてしまった場合、まっすぐ岸へ泳ごうとしても、流れが速いためなかなか進まない。同庁救助課は「離岸流」は幅が10〜30メートル程度で、岸と並行に泳げば、比較的抜け出しやすい。落ち着いて対処してほしい」とアドバイスする。

 日本ライフセービング協会(東京都港区)の中山総務部長は「離岸流は見分けにくいこともあり、巻き込まれると重大事故につながる可能性がある。自分の泳力を過信せず、ライフセーバーが監視する遊泳区域を守って泳いでほしい」と話す。

 子どもたちは海水浴を楽しみにしていたことだろうが、梅雨前線はまだ停滞している地域もある。ひょっとすると、今年の夏休みに海で泳げなかった子がたくさん出る可能性がありそうだ。

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