「年金認めろ」と暴力
毎日新聞(6/22)から、
年金記録に誤りがあるとの申し立てを受け、記録を訂正すべきかを判断する総務省の「年金記録確認第三者委員会」に対し、申立人が職員を脅迫するなどの暴力的行為が発足後2年間で約270件起きていることが分かった。
《かく言う私も何度かこの訂正問題を取り上げてきた。上京直後の昭和31、32年からの数年がどうしても明らかにならず、調査を申し立てていた。1年と3カ月後の最初の回答で、全く「不明」の回答で戻ってきた。事業所は新宿区と品川区の所轄だった。納得がいかず、自力で捜査することにしてここ数日間、各所轄社会保険事務所を巡って担当と話し合った。品川事務所の担当(女性)はこちらの言い分にとことん付き合ってくれた。そして遂に勤務先であった事業所を突き止めることができた。
《しかし、顛末は驚くベき結果が待っていた。当時私が就職した事業所は、その数年前の昭和31年に、厚生年金保険から脱退していた。無保険の事業所に就職したことが判明した。それでも諦め切れず、当時の社長は死去、名前を代えて現在まで50年以上経営を続けている本社を探し出した。事情を説明し本社に面会を申し込んで調査を以来した。昭和29年から書類が保管されていた。昭和37年までの調査をしてくれた。後日書類が送られてきた。それでも私の名前がみつからなかったという。50年以上も前のことに、若い社員が協力してくれたことを謝して感謝した。この事業所では厚生年金は納入していなかったことが決定的となった。
《一方、新宿区の保険事務所。担当(男性)は私の現住所の保険事務所から以来を受けて調査した結果を送付したもので、これ以上の調査は不可能、とそっけない対応だ。内容は勤務していた事業所そのものの存在が把握不可能な状態だという。私の手元には、半世紀も前の証拠になるものを保存しているわけはない。私の過去の存在が消滅したような感慨だ。ただ、まだ諦めたわけではない。存命ならば職場で一緒だった人物を記憶している。すでに交流はなくなっているが、転居していなければ住まいも分かる。近々訪ねる予定だ。
【閑話休題】
中には暴力団を名乗り年金支給を強要する明らかな行政対象暴力もある。支給へのハードルの高さや審議の不透明さが、現場の職員を危険に曝している。
「今から社会保険庁と厚生労働省に殴り込み、暴れてきます」。関東地方の第三者委員会職員は昨年11月、申し立てを却下した男性に電話でこう告げられた。元厚生事務次官宅連続襲撃事件があった直後だった。予告された事件は起きなかったが、同様の暴言は京都などでもあった。
《私の例でもそうだが、調査範囲はあまりに広く、曖昧とした依頼もある。死活問題に近い該当者とは異なり、担当レベルの調査には限界もあるだろう。可能なら、役所任せにしないで自力で追及することも試してみればいいかもしれない。》
地方委員会などによると、暴力的行為は東京、大阪、愛知など都市部で多い。福岡県では申立人が「記録を訂正しないならここで自殺する」と半日間事務所に居座った。茨城県では申立人が事務所でナイフを出し年金支給を迫ったほか、職員の個人宅を突き止め「早く訂正しろ」と深夜に電話をかけ続けた申立人もいた。暴言の多くは職員を「殺す」といった内容で、年金が支給されるよう職員に不正を迫った例もある。
また、暴力団や右翼団体を名乗り支給を迫る行政対象暴力も相次ぎ、中央委員会は昨年1月、警視庁に支援を要請。東京や大阪の地方機関に警察官約10人が派遣されている。だが警察に通報されたのは一部とみられ、首都圏のある職員は「申立人と直接話し合う現場の職員が個人で抱え込んでいる場合も多く、氷山の一角」と話している。
同委員会は社保庁に記録がない人の救済のため、07年6月に発足。申立人の証言や証拠を基に、記録の訂正が妥当と判断すれば社保庁に年金を支給するよう斡旋する。だが物証なしで認められるのは困難で、今年6月現在、審議した計6万5461件のうち訂正が妥当とされたのは4割の計2万6311件。審査に時間がかかることへの不満も強い。暴力的行為の2割強は却下後に本人が説明や撤回を求めてきた例で、審議が非公開であることも一因とみられる。
《「殺す」などの文句は通常でも多く聞く脅し文句だが、社保庁の過去の杜撰な年金を取り巻く問題を知ってみれば、己の撒いた種が元でもある。その腹いせと思えば暴力まがいのことも耐えるより仕方ないのではないか。》
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