« タケノコ泥棒が横行 | トップページ | 続・不登校指導に睡眠指導 »

2009年5月 9日 (土)

不登校防止に睡眠指導

 昔、寝る子は育つと先達から教えられた世の母たちは、乳幼児の頃からとにかく睡眠をたっぷりと与えることを心掛けていた。うまれると直ぐの2、3カ月の子は、起きている時間がないほどよく寝ていた。少なくとも15〜17時間以上に始まり、1、2歳の頃には11〜12時間以上、4、5歳の頃までは10時間以上は寝かせていたものだった。

 両親の共稼ぎの家庭が普通になった現在、託児所から、保育園から受け取って我が家に帰り、一時預かりに預けていた時間、相手になり、遊んでやることのできなかったことで引け目の親たちは、子どもの大事な睡眠時間をお構いなしに削り、自分たち親の自己満足の溺愛心を満足させてから寝かせることになる。

 このような生活習慣は子どもの成長後にも幼児体験として摺り込まれており、寝つきが悪かったり、睡眠時間が不規則になったり、睡眠障害や最近では肥満の原因を睡眠不足に上げることもある。

【閑話休題】
毎日新聞(5/9)から、 《 》内は私見。
 京都府八幡氏教委が、児童生徒の睡眠パターンと不登校を調べたところ、睡眠不足でパターンが不規則な生徒に理由不明の欠席が目立った。「睡眠の改善が不登校防止につながる」と生活指導に役立てている同市教委の取り組みをみてみる。

 この取り組みは、「テレビの深夜放送をはじめ、受験勉強やインターネットなど睡眠不足になりやすい社会になっていることと、不登校が関係あるのではないか?」とい同市教委の山下信之・指導主事(45)の思いが出発点になっている。

《今まで不登校やいじめのデータは、ただ数を集めてグラフ化や表化するだけが多かったが、その原因を知ろうとする試みは無いに等しかった。普通に考えてみれば、幼児の不登校と睡眠との関係は、今に始まったことではなく、朝寝坊から学校に行き辛くなり、仮病を使ってずる休みのケースは幾らもあった。ただ、昔の母は、仮病を認めず、叩き起こして遅刻してでも学校に向かわせていた。期末に手にする通信簿には、欠席や遅刻回数は各学科の成績と同時に、誤魔化すことのできない証拠として親の目に触れた。今も同じだろうが、親たちは、欠席、遅刻など気にすることもないのだろうか。》

 山下指導主事は、子どもの睡眠時間に詳しい三池輝久・熊本大名誉教授(66)=神経小児科=に相談、「生活リズム向上プログラム」というソフトを開発した。市教委は、市立4中学校・9小学校全校で睡眠状況の調査を実施した。調査方法は、2週間に亙って児童生徒が1日を示す帯グラフに毎日の睡眠時間を事故記入する方法をとった。

 子の調査をもとに、各児童生徒の睡眠のうち次のような5つの「危険」パターンに当てはまるものをピックアップし、生活指導の対象にしている。
 1)不規則型=午前0時を過ぎて就寝し、かつ就寝時間、睡眠時間も不規則。
 2)帰宅後睡眠型=学校から帰宅後すぐに寝る。
 3)中途覚醒型=睡眠途中に起きる。
 4)短時間睡眠型=睡眠時間が5時間程度しかない。
 5)長時間睡眠型=睡眠時間が10時間を超える。

 ある中学校(生徒数約40人)では、昨年5月と11月に全生徒を対象に調査したところ、2度に亙って「危険」の睡眠パターンだった生徒は66人いて、これらの生徒の昨年4〜12月の理由不明欠席日数は平均4・8日だった。これは健全睡眠の生徒の約2・7倍。さらに問題睡眠の中でも、不規則型(20人)の生徒の欠席日数は同10・1日と群を抜いていた。

 山下指導主事は「教育現場では、不登校の原因について日々頭を悩ませているが、睡眠と欠席の関係が顕著に表われた」と実際の調査結果にあらためて驚いている。

《親がしっかりと子どもの日常生活を管理していれば、教委が調査して始めて「あらためて驚」くこともないだろうに。そのためにも不登校の原因を遡って調べることは、もっと早く気がつくべきだし、実施するべきだった。》

 また、こうした調査をもとにした生活指導について、「各自の睡眠調査から適正な睡眠時間を割り出し、午前0時より前に寝て睡眠リズムを固定させ、生活リズムを向上させることが大切だ。場合によっては医学的な治療も必要になってくる。指導の成果が今年度中に不登校の減少として表われることを期待したい」と話す。

《この問題はひとり教委、学校、生徒間だけで片づくものではない。保護者を抜きにしては何事も解決しない。子どもの家庭での生活指導は根本的には親がするものだ。ということは、親が何もして来なかった結果が生んだことが問われているのだが、果して教委の保護者指導はうまく行くものだろうか。》

 三池名誉教授も「不規則な就寝は、寝る時間を削って勉強を頑張り朝は定時に起床する真面目な子がなりやすい。睡眠不足により自律神経や生体リズムに変調をきたし、不登校になる」と分析する。

 こうした同市教委の取り組み似ついて、文部科学省児童生徒課も「他に聞いたことがない」と話している。

《三池教授も「真面目な子ほど不登校になる」、などとは今回の調査から導き出されたことを言っているのだろうか。また、文科省は不登校についても頭数だけのたデータは集めても、肝心な内容に関しては全く無関心だ。「他に聞いたことがない」とは恐れ入る。まっ先に分析の対象として問題の相関関係に目をつけるべきだったのだ。》
                -- つづく --

 

|

« タケノコ泥棒が横行 | トップページ | 続・不登校指導に睡眠指導 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 不登校防止に睡眠指導:

» 肥満と生活習慣の関係について [肥満と生活習慣の関係]
「肥満」とは、長年の間違った生活習慣によってひきおこされるものであるという考え方があります。そのような肥満を解消するためには、単に摂取カロリーを減らすダイエットをするだけではなく、自分が肥満状態に陥っ [続きを読む]

受信: 2009年5月20日 (水) 17時55分

« タケノコ泥棒が横行 | トップページ | 続・不登校指導に睡眠指導 »