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2009年4月30日 (木)

毎度、毎度のアンケート

毎日新聞(4/30)から、要約と《 》内は私見。
 《いい加減保護者も賢くなれ、と言いたいところだが、「百害あって一利ない」子どもの携帯電話のことでまたまた新聞紙面を飾り立てている。》

 進学や進級を機に「携帯電話を持ちたい」と訴える子どもも多く、保護者にとっては「いつから持たせるか」「どこまで使わせるか」が新たな悩みになった。文部科学省からは学校への持ち込みを禁止する指針が示され、有害サイト規制法の施行(今年4月)でフィルタリング(閲覧制限)サービス提供が義務付けられた。

 携帯電話を持ち始める年齢は急激に下がってきている。仙台市が今年3月にまとめた調査によると、既に所持している児童生徒に「初めて携帯電話を持った時期」を尋ねたところ、「小学校入学前」と答えた割合は中3が0%。小6が1・9%だったのに対し、小1は55・7%と半数以上を占めた。

 東京都消費生活センターの統計では、携帯電話に関する相談は03年度からの6年間で8486件(速報値)あった。このうち、「子どもが使っている携帯電話に数万円の請求が来た。問いただすと『メールに使う絵文字をダウンロードした』と話している」「中学生の息子が携帯電話で音楽をダウンロード購入したところ総額10万円近く請求された。本人はパケット通信し放題で無量だと思っていたらしい」など、意図しない料金が請求されたトラブルが計1382件あった。

 《親が子どものご機嫌取りだけで買い与える携帯電話、こんなリスクは当然受け止めることだ。支払い能力もない子どもに持たせる親は、持たせるに当たっては当然のことだが使用上の留意点などは、親の教育責任として細かく教えて置くのが当たり前のことだろう。それもしないで相談したところで後の祭というものだろう。いくら高額な使用料金だろうとトラブルではない。阿呆な親としては、喜んで払ってやればいいことだ。》

 「着メロ」「着うた」のダウンロードなど、有害サイト規制法の対象にならない「健全サイト」利用のトラブルが相当数ある。同センターは「手軽に無自覚なままサイトにアクセスできてしまう携帯電話は、年齢に無関係に消費者トラブルにつながるケースが多く、特に子ども自身が契約の当事者となるトラブルが増えている」と指摘する。

 《子ども自身が当事者となるのは契約した以上当然のことでトラブルとは言えないし、知らなかったで済むことではない。その責任は本人にあるものだ。》

 携帯電話の活用法に詳しいITライターの村元正剛によると、携帯電話を持ち始めたばかりの時期が最もトラブルに遭いやすい傾向があるという。「着うたやゲームなど子どもにとって魅力的なサービスが山のようにあり、料金やシステムを熟知する前に夢中になってしまう。特に中学生のケースが目立つ。高校生になると金銭感覚もシビアになり、無料サービスだけを利用するなど、したたかに携帯電話と付き合うようです」と。

 フィルタリング技術開発企業「ネットスター」(東京)が今年3月、小学〜高校生の子どもを持つ保護者を対象に実施したインターネット調査では、学校への携帯電話持ち込み禁止について「賛成」が62・3%に上る一方で、80・9%が「(持ち込み禁止施策では)トラブルは解決しない」と回答している。

 《学校への持ち込み禁止をしたところで、学校以外の時間、場所で使用することの方が圧倒的に多い。解決しないのは当然だし、それが分かっていて子どもに好きなように使わせている保護者とは一体どこまで阿呆なんだろう。危ない玩具を与えておいて使い方を教えなければ怪我するのは当たり前のことだ。》

 上の仙台市のアンケートでは、携帯電話を所持している中学生の45・7%が「プロフ」などのサイトを閲覧する一方、それを把握している保護者は22・8%にとどまった。アンケートは昨年9〜12月、児童生徒3019人と、その保護者2658人を対象に実施。

                小学生 中学生 高校生 
 自分用の携帯電話を持っている 23・6 47・6 98・8

 利用法(複数回答) 通話   77・2 85・1 85・6 
          メール   58・4 96・1 93・0

 危険性が指摘されるブログやプロフ、掲示板などの閲覧経験を尋ねると、小学生では70・5%が「ない」と答えたのに対し、中学生は「よく見る」(17・8%)「たまに見る」(27・9%)、高校生は「よく見る」(54・1%)「たまに見る」(30%)と利用頻度が上がった。

 これに対し「(子どもの)プロフ利用やブログ閲覧を知っている」と答えた保護者は中学生22・8%、高校生は43・4%にとどまった。

 携帯電話で困ったことはあるかという質問(複数回答)で「特にない」と回答したのは小学生62・8%、中学生37・5%、高校生50%。困った内容は、小学生は「知らない人からのメール」(16・5%)、中学、高校では「チェーンメール」(中学生48%、高校生30・9%)が多かった。一方、「子どもが(携帯電話の利用で)困っていたことを知っている」と回答した保護者は、中学生17・5%、高校9%で、ここでも子どもとの認識のずれがうかがえた。 

 《子どもが玩具で遊んでいてくれれば親は手が離れて大助かり、遊びの内容など構ってはおられない。親には親の生活があるんだ、とばかりに放任だ。トラブルが発生しなければ子どもの為すがままだ。そして、事が起こると一転して訳の分からないモンスターになり、イチャモン保護者に豹変する。いくらアンケートを繰り返してみたところで、阿呆な保護者が利口にならない限り、子どもの携帯電話を取り巻く問題に解決はないだろう。》

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2009年4月29日 (水)

消防組合に賠償命令

毎日新聞(4/28)から、要約と 《 》内は私見。
 《該当記事が載っている数紙に目を通してみたが、該者が保護された時点の様子には不明な点がある。毎日紙では酔って歩いてるところを、とあり、他紙では血を流して歩いているところを、とある。ただ、どれにも共通している背景は、暴力を含む事件性の有無には全く触れていない。想像するところ、深酒で酔っ払って転んだか、何度も転んだ拍子の打ちどころが悪く、意識不明の朦朧状態でどこを歩いているかも分からず、警察の敷地内にまで転がり込んでいたのだろう。》

《記事の見出しは「搬送拒否」とある。今回もそうだが、奈良県というところ何かと救急搬送にまつわる話題の多いところだ。》

 橿原市の中和広域消防組合の救急隊員が、同県大淀町の男性(44)が頭に怪我をしていたのに病院に搬送しなかったため、意識不明の状態になったとして、男性と家族が同組合に治療費や慰謝料など計2億5230万円の損害賠償を求めた訴訟で、奈良地裁(坂倉充信裁判長)は27日、同組合に計約1億3860万円の支払いを命じる判決を言い渡した。坂倉裁判長は「救急隊員は判断を誤り、搬送すべき義務に違反した。搬送していれば、(意識不明状態よいう)結果を避けることができた」と、男性側の主張を全面的に認めた。

《人1人、2年4カ月近い間意識が回復しない状態が続いていることが過大な重みとなった判決のようだが、発見された06年11月15日の深夜も深夜、午前2時10分ごろの時点では、すでに手遅れの状態であったことも考えられるのではないか。病院に運んでいたところで現在と同じ意識不明に陥っていたとも思える。すなわち、要はそこまで深酒を喰らった本人の自業自得とも言える。こんな酔っ払いに係わることになった消防こそいい迷惑だ。》

 中和広域消防組合の橋本雅勇消防長は「主張が認められなかったことは誠に遺憾。今後の対応を慎重に検討したい」とのコメントを発表した。

《今回の記事では、このコメントの内容は全く報道されていない。酒の上のことについて、先日の酔っ払いタレントも然りだが、大方のことは許され、同情的に扱われる余りに甘い日本の風潮には、常々腹立たしい思いが募るばかりだ。》

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2009年4月28日 (火)

良識を示した最高裁

イチャモン保護者 07/03/22
懲戒・体罰に関する考え方 07/02/10

毎日新聞(4/28)から、 要約 と 《 》内は私見
 《親が親らしくわが子の教育や躾けもせず、女の子を蹴飛ばしたり、それを注意した教員のあとを追いかけて行って尻を蹴飛ばすなど、これこそ「親の顔が見てみたい」悪ガキだ。こんな悪ガキは懲らしめる立場の人間が必要になる。本当なら同じように尻を蹴っ飛ばしてやるか、頰っぺたを張り飛ばすのが手っ取り早いのだが、教員の立場ではそれは我慢するより仕方なかっただろう。我慢して胸ぐら掴んで短い時間壁に押し当てて訓示した。》

《これに対し親は、躾けすらしていなかったことを棚に上げて逆に教員にイチャモンをつけた。「訴えてやる」、なまじっかな知識を楯に「体罰」だと息巻いた。また、これを弁護する職業も惨めな職業だが・・・、》

 話は以下のようなものだった。熊本県本渡市(現天草市)で02年、同市立小2年の男児(当時8歳)が、男性臨時教員から体罰を受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、市に約350万円の賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は28日、教員の行為を体罰と認め賠償を命じた1、2審判決を破棄し、原告側の請求を棄却する逆転判決を言い渡した。小法廷は「許される教育的指導の範囲を逸脱するものではなく、体罰に当たらない」と述べた。

 教育の行為が、学校教育法で禁じる体罰に当たるかどうかが争われた民事訴訟で初めての最高裁判決となった。「目的、態様、継続時間等から判断する」と一定の基準を示しており、教育現場に影響を与えそうだ。

 判決などによると、教員は02年11月26日、休み時間に自分のお尻付近を2度蹴って逃げようとした男児の洋服の胸元を未後手で掴んで身体を壁に押し当て、大声で「もう、すんなよ」と怒った。

《新聞記事では、男児が教員の尻を蹴るまでの間に起った一連の出来事を故意にか文字にすることをしていない。テレビの報道によると、休み時間、数人の女生徒が廊下を歩いて来るのとすれ違いざま、男児2人が女生徒を蹴るのを見た教員が注意した。1人の男児はその場から去ったが事件の男児は去って行く教員を追いかけて、新聞の報道のような行為になったものだ。》

 1,2審判決はいずれも「教育的指導の範囲を逸脱している」と認定したが、小法廷は「悪ふざけしないよう指導するためで、罰として肉体的苦痛を与えるためではない」と目的の妥当性を指摘した。

 さらに時間にして数秒の出来事だったことも踏まえ「やや穏当を欠くが、違法とは言えない」と結論づけた。5人の裁判官全員一致の判決だった。

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2009年4月26日 (日)

眉を描く

女の化粧 05/05/20

 上は、ブログを開いた初期の頃、「女の化粧」で眉を取り上げた最初の記事だ。それ以来すれ違う日本中の女たちは老いも若きも、吊り上がった眉のオンパレードになり、自身似合っていようがいまいが、眦(まなじり)決した形相に近い化粧で町中を歩くことが当たり前になった。

 眉が細いか太いか、薄いか濃いかは別にして、一様に眉間にまで眉尻を吊り上げ、日に日に目と眉の間隔が広がっていく。瞼と眉との異様に開いた間には、剃ったか抜いたか分からないが、男の髭剃り跡のような青青と痕跡が見えて気味が悪い。どうしてこんな昆虫まがいの容貌にしたがるのか不思議だ。確かに顔の印象が眉毛によって変わるのは本当だろう。しかし、化粧して町中を歩く若い女から老婆まで、優しく丸い下がり眉の女性がいなくなったのは寂しい限りだ。

 2、3日前の新聞のファッション記事欄で眉を取り上げている。カネボウ化粧品の商品開発を手がけるメーキャップアーティスト、吉川康雄が眉の描き方を語っている。

 眉毛は自分の顔立ちにあった形を見つけ出せば、流行に左右される必要はないという。

《それができれば日本中の女の眉が同じにはならないですむはずだ。とにかく没個性が特徴の化粧が流行している。記事に添えられている写真も眉と目だけで、顔全体ではない。そして一様にいかめしく吊り上がった眉を描いている。その眉がどのように顔立ちに合っているのかさっぱり分からない。》

 整える道具は毛抜きと眉毛専用の鋏を。毛の黒い日本人は剃ると毛穴が目立つ。毛の流れに沿って抜けば痛みはないという。いつも化粧をしいている場所に毛抜きを置いて、伸びた無駄毛を毎日抜く習慣をつけて下さい、とは吉川の言だ。

《ところが、何もしない方がよほど自然で良いのに、このような毛穴の目立つ女性がワンサといるのだ。いつも電車の中で化粧する女たち、電車の中でも毛抜き作業をやるだろうか。》

 アイブローにはパウダーとペンシルがあるが、初心者にはパウダーがおすすめだとか。色はブラウンやグレーなどのソフトなものを。自分の髪や目の色に合わせて選ぶこと。

 《病人のように疲れて見えるブルー系で塗ったまぶたをよく見る。ライトとの相性で舞台化粧としては映えるのだろうが、太陽光下では疲れ切ってどす黒く、陰気な病人にしか見えない。》

 「自分で似合う眉毛が見つけられない」「うまく整えられない」という人は、一度眉毛サロンや美容院で整えてもらうことを吉川は勧める。髪を美容院で切ってもらうように、眉毛も専門家の手を借りてみるのもいいでしょう、と。

 《問題は、その専門家と呼ばれる人間が、個性のない流行を追いかけるだけのレベルではどうにもならないことだけれど。》

 

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2009年4月25日 (土)

英語 小学5、6年生必修化に向けて

 まともな日本語も喋れない大人が多い中、英語コンプレックスの政府は、2011年度から小学5、6年生で年間35時間(週1時間)の英語が必修となるが、一部の学校は移行期間が始まる今年度から前倒しでスタートするという。

教員の研修シーズンである昨年の夏休み、『小学英語「教え方」伝授』の教員向けセミナーが各地で続々と開かれた。カリキュラム作り、英語を使ったゲームや歌などを、楽しむだけで終わらせないために取り入れる方法などが講議の内容だった。

毎日新聞(4/25)から、
 初めまして(英語)、私は○○です、(英語)。外国語指導助手の挨拶に子どもたちが英語で続く。のどかな農作地帯が広がる茨城県南東部の町、行方市の小貫小学校。今月16日、5年生の教室で新学習指導に基づく初めての英語の授業が行なわれていた。

 全校児童66人。1学年1クラス、一部は複式学級の小さな学校だ。都会のように日常的に外国人に接しているわけではない。「外国では相手の目を見て挨拶するよ」。恥ずかしそうにしている子どもたちに担任の高須智子教諭(42)が声をかける。

 授業は文部科学省が今年度から全国の小学校に配布した新教材「英語ノート」に沿って行なわれた。ノートの第1回は「自己紹介」。助手のデービッドさんが、指導資料に従って「私の好きな動物はパンダ。君は?」と英語で聞くと、「ドッグ」「ラビット」と答えが返ってくる。うまく答えられずに、もじもじしている子どもには高須教諭が横について「何が好きだっけ?」と助け舟を出した。

 文科省は11年度まで3年間かけて段階的に英語の「必修化」を進めることにしている。この間の授業時間は確小学校長の裁量に委ねられているが、茨城県では今年度から県下一斉に年間35時間の授業が始まる。県教育庁は「11年度に自信を持って英語の授業ができる状態にするには、移行期間の初年度から35時間で行なう必要がある」と説明する。

《小学校長の裁量の件では、教育現場の組織化が問題になっている。東京都の場合、6年前に都教委の人事異動の実施要綱が変り、校長は自らの学校経営方針に基づき、異動を決められるようになったのだ。校長の方針に異議を唱えることは、異動を示唆されたり、最後通告を受ける覚悟が必要なのだ。締め付けは年々厳しくなる。》

 ◇同紙21日の記事に、次のような例が出ている。東京都目黒区教育委員会の職員は新聞記事に仰天し、ある区立中学校の校長に電話をかけた。「早急に事情を確認して、説明に来てほしい」。絶句する校長にたたみかけた。

 ◇問題とされたのは、同紙2月23日朝刊(東京本社発行版)の「小学校英語に否定的、授業受けた中学生多数『役に立たず』」という記事。広島市で開かれた日本教職員組合の研究集会で、この中学の教諭が発表したアンケート結果を報じた。昨秋調査した中学生168人のうち108人は小学校英語が「役に立っていない」と回答。半数以上は「楽しくなかった」と答えた。

 ◇小学校英語は、2年後に全面実施される新学習指導要領の目玉だ。文部科学省も今春から全国の小学校に約260万部の補助教材を配り、力を入れる。その矢先の否定的な報道に、区教委は慌てた。校長は「調査は知っていたが、発表するとは知らなかった」と釈明したという。

 ◇教委の職員は「小学校でも授業改善を進めているのに『楽しくない』などというデータを出せば、(小中の)地域連携に影響する。中身を確認してから(発表を)進めてほしい」と厳しく叱責した。

 ◇区教委は「授業で取ったデータを外に出す際、校長に了承を得るのは当然。そんなものがどんどん出れば保護者が不安になる。発表の内容を問題にしたわけではない」と説明する。

 茨城県内のほぼすべての小学校は既に、「総合的な学習の時間」を活用して何らかの英語教育を行なっており、県平均では年間18時間(07年度)に上る。ところが取り組みには差があり、国の「英語特区」に指定された水戸市が年間55時間に上るのに対し、小貫小など多くの学校は10時間以下だ。

 全国連合小学校長会が昨夏行なったアンケート(861校の校長が回答)では97%が英語教育を導入済みで、授業時間が「年間35時間以上」も17・5%に上った反面、「15時間以下」が過半数を占めるなど、学校による取り組みの差は大きい。

、また、文科省の07年度調査では、英語教育のための校内研修を「実施した」と答えた学校は、「実施していない」学校の6分の1程度でしかない。こうした現状を踏まえ、同校長会のアンケートでは、87・9%が「担任等の指導力向上を図る研修の充実が必要」と回答。「指導補助や英語が堪能な地域人材の確保」を課題に挙げた学校長も4割以上に上った。

 他のアジア諸国の現状を見れば、韓国や中国、台湾、タイなど多くの国・地域が小学低学年で英語を必修化している。政府の教育再生懇談会は昨年5月、必修化時期を小学3年まで引き下げるよう提言した。その一方で、日本語教育が疎かになるという批判の声もある。

《若者文化とはいえ、町に氾濫する歌や会話の日本語らしからぬ日本語の飛び交う現状で、他の国が英語教育をやっているからといって日本でもやるのか。教育の現場の実情を知る限りでは、教える側の付焼き刃さえまだ整ってもいない様子が見えてくる。》

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2009年4月24日 (金)

酒、女の性(さが)

毎日新聞(4/224)から、 要約
 ▼夜の公園で1人酒を喰らった酔っ払いが裸になって咆哮し、近所迷惑な行為をしているのを通報され、公然猥褻罪で逮捕された。男は日本の芸能界でも屈指の人気を誇るスマップのメンバーの1人で、放送界も出版物も映画も彼ら5人の名声で廻っているようなところもあった。速報は彼を「容疑者」と呼んだが、一夜明けた今日になると、テレビ局は彼は「○○さん」に変り、俄(にわか)コメンテーターが出てきて警察をやり過ぎと批判し、口々に擁護のコメントが並び始めた。

 本人も取調べで「覚えていない」と供述したようだが、記憶を失うほど危険な飲み物であることの認識はなく、日本の酒の上の出来事に甘い風潮は、早くも同情論となって街の声にもなって上がったようだ。鳩山総務相は23日、その彼に対し「最低の人間」と発言したことばを撤回した。誰かの横槍か、ファンの声か知らないが、撤回の必要は全くない。間違いなく最低の人間だ。その彼の名は『草なぎ剛』という。

 ▼夫と分かれ、見つけた愛人と住み始めた女が、邪魔になったわが娘を殺した。今は死語になったが、30女は立たないと言われた見本のような話だ。

 大阪市西淀川区千舟2の市立佃西小4年、松本聖香ちゃん(9)が行方不明になった事件で、大阪府警は23日、聖香ちゃんの遺体を捨てたとして、母親の美奈(34)、内縁の夫の小林康浩(38)、2人の知人の杉本充弘(41)の3容疑者を死体遺棄容疑で逮捕した。

 《我が家の意見では、多くは語らないが大いなる偏見の結果、早くからこの母親の殺人を間違いないと見ていた。また、上のような男女の関係を現在では恋愛と呼び、事実婚と呼ぶ。》

 小林容疑者の「遺体は奈良県に埋めた」との供述に基づき、府警は奈良市内の山中を捜索、聖香ちゃんとみられる遺体を発見した。遺体に目立った外傷はなく、腐敗も進んでいないことから、死後間を置かずに埋められたとみている。府警は、聖香ちゃんが持病の薬を与えられなかったなど虐待を窺わせる証言も得ており、死亡のいきさつについても3人を追及する。3人とも容疑を認めているという。

 美奈容疑者の捜索願い提出を受け、府警が公開捜査した事件は、家族の関与が明らかになり、公開約2週間で最悪の結末を迎えた。

 府警によると、聖香ちゃんは美奈容疑者、小林容疑者とその小学1年の長男との4人暮し。3月11日以降、「体調不良」を理由に学校を欠席しており、始業式前日の7日夜、美奈容疑者が府警西淀川署に捜索願いを出していた。

 逮捕容疑は、3人は4月6日ごろ、聖香ちゃんの遺体を奈良市北東部の墓地(奈良市柳生下町)の深さ約70センチの土中に埋めた。着衣はなかった。小林容疑者は「6日朝、ベランダに放り出していた聖香を見ると動かず、死んでいるのが分かった。杉本容疑者の車に乗せ、夜に2人で運んだ」と供述。

 一方、美奈容疑者は「5日に部屋で死んでいたのを確認した。2人が運んで捨てたのは間違いない」と一部食い違う供述をしているという。

 《それにしても、6日に死んでいることを確認し、遺体を山中に捨てる犯行を犯していながら、翌日の7日になって警察に捜索願いを出すとはどんな神経をしているのだろう。男に狂った女の性とだけでは言い切れないものがあるのだろうか。》

 

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2009年4月23日 (木)

新聞拾い読み

毎日新聞(4/23)から、
 ▼成人になってから体重が5キロ以上減った人は、増えた人や変化の少ない人よりも、死亡率が高くなることが23日、厚生労働省研究班が実施した国内9万人を対象とした調査で分かった。日本人の体重変化と死亡率の関係が明らかになったのは初めて。

 研究班は、90年と93年に、癌や循環器疾患になっていない40〜69歳の男女計9万人を05年まで追跡調査した。20歳以降に体重が5キロ以上減った群、5キロ以上増えた群、変化が5キロ未満の群の3グループに分け、死亡率を比べた。その結果、男性は、体重減少群の死亡率が変化の少ない群の1・44倍、女性は1・33倍と高かった。一方、男性の体重増加群の死亡率は、変化の少ない群の0・89倍、女性は0・98倍と逆に低かった。調査開始時40〜49歳だった男性は、体重減少群の死亡率が変化の少ない群の1・61倍に達した。癌や循環器疾患による死亡率でも、男女とも体重減少群が変化の少ない群を上回った。

 また、調査開始時の肥満度のほか、喫煙や高血圧・糖尿病など生活習慣病の有無とも関係なく、いずれも体重減少群の死亡率が高かった。ダイエットによる影響は調べなかった。

 研究班の斎藤功・愛媛大准教授(公衆衛生学)は「死亡率を上げている原因は不明だが、成人以降の自然な体重減少は、健康傷害が起きているシグナルの可能性がある」と話している。

《体重の自然な減少って加齢によるものか、食の好みの変化による体質の変化か、運動のし過ぎか、健康傷害が起きているのかは可能性だけで未解明、ダイエットとの関係は調べなかった。一体、今このデータを発表する意味は何なんだ。

 ▼「世襲制限」を政権公約に
 《前総理と書くのも恥ずかしい安倍晋三が、ワシントンへのこのこ出掛けていた。何でも海洋政策をテーマにしたシンポジウムに出席するほか、米シンクタンクで講議をしたらしい。さぞかし、「責任を途中で投げ出す方法」とでも題した話でもしたのだろう。それにしても自民党という党、このような屑男を外遊させるほど落ちぶれているのだろうか。送りだした浅生もそうだが、これも世襲議員の成れの果てだ。》

 民主党は23日午前、党本部で政治改革推進本部(岡田克也本部長)の総会を開き、同党国会議員の世襲制限を次期衆院選のマニフェスト(政権公約)に盛り込む方針を決めた。小沢一郎が指示した企業・団体献金の全面禁止も5年以内に実施する方向を確認した。自民党との差別化を図り、衆院選の争点に位置づける狙いがある。

 世襲制限については「現職の3親等以内の親族が同一選挙区から引き続いて立候補すること」を党として禁止する原案が示された。出席者からは世襲の定義などを巡る意見は出たが、世襲制限自体に異論は出なかった。

 企業・団体献金の全面禁止を巡っては、党所属の全国会議員に対するアンケートで「1年」「3年」「5年」以内に禁止すべきだとの回答が多く、これらを軸に実施時期を今後詰めることになった。また、死亡、引退した政治家の資金管理団体を解散させ、相続を禁止する法案の今国会提出も目指す。

《ジバン、カンバン、カバンの三つ揃いを着てぬくぬく議員におさまった連中たちに、国政を任せるのはそろそろやめにしては如何だろうか。》

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2009年4月22日 (水)

臓器移植法改正案 本格審議に

毎日新聞(4/21、22)から、要約と《 》内は私見。
 議員立法で国会に提出されている三つの臓器移植法改正案について審議する衆院厚生労働委員会の小委員会が21日開かれ、専門家ら6人が参考人として意見を述べ、質疑応答を行なった。現行法では認められていない14歳以下の子どもの心臓移植など脳死移植の増加を求める一方、脳死判定の難しさや死生観を尊重する立場からの反論が出された。
 Dscf0067 
【脳死】
  脳の全機能が失われ、二度と回復しない状態。臓器移植法は臓器提供をする場合に限り、脳死を「人の死」とする。法的脳死判定基準(対象6歳以上)は、
 1、深い昏睡
 2、瞳孔が開いたまま
 3、脳幹反射の消失
 4、平坦能波
 5、自発呼吸の消失
の5項目について、6時間以上の間隔で2回判定することを求める。6歳未満は旧厚生省研究班が2回の判定間隔を24時間以上とする基準をまとめている。一方、脳死判定後も1カ月以上心臓が停止しない患者もみられ、判定の難しさを指摘する声が出ている。

 改正案は 1)、脳死を一律に人の死とし家族の同意があれば年齢を問わず臓器提供を容認(A案)
      2)、提供年齢を現在の15歳以上から12歳以上へ引き下げる(B案)
      3)、脳死の定義を厳格化(C案)

雨宮浩名誉センター長(国立小児医療研究センター)はA案を指示する立場から「(内閣府調査では)6割を超える人が本人の意思表示がなくても提供していいと考えている。家族の同意だけで提供できるのがグローバルスタンダード。国際事情で小児の提供は極めて困難になる」と述べた。

《何がグローバルスタンダードだ。何時、何処で行われた世界的国際会議でスタンダードとして一致して決められたものなのだ。医師として、小児の命を救いたい気持ちは理解できるが、内閣府調査だのグローバルだの、自分の信念、意見はないのか。権威を借りてしかものが言えないようじゃ、意見じゃない。》

 一方、三石忠敬特別委嘱委員(日本弁護士連合会人権擁護委員会)は、「A案は多くのレシピエント(臓器を受ける患者)の利益のために少数のドナー(臓器提供者)の犠牲はやむを得ないという考え方に基づいている。日弁連はC案を支持する」と反論した。

《真っ当な考え方だ、「何歳でもいい、誰でもいい、早く死んでくれ。頼む、死人が沢山必要なんだ」では死者も浮かばれない。》

 田中英高准教授(大阪医大・小児科学)は小児科医の立場から、脳死判定後も脳波が戻った長期脳死の例を紹介。「脳死判定をしても、100%脳機能が戻らないとは断言できない。意見表明ができない子どもの人権が損なわれる恐れがあり、A案には賛成できない」「小児科医は脳死判定を不安に思っている。判定には限界があることを国民に知ってもらった上で改正議論を進めてほしい」と訴えた。

 斉藤謙次幹事(日本宗教連盟)は宗教界の立場でから、脳死移植は個々人の死生観にかかわる重要な問題。医療現場の状況だけでなく、宗教、文化などを総合して検討すべきだ。脳死を人の死としてはならない。脳死では心臓が動き、暖かい血液が流れている。日本人は心臓や呼吸が停止し、瞳孔が開くことを人の死として受容してきた。脳死を一律に人の死とする改正案は、将来に禍根を残す、と訴えた。

《これまでに何度も記事になった。世界保健機関も5月の総会で海外での移植を原則禁止にするガイドラインを示す可能性が高まっている。今まで頼ってきた海外での移植ができなくなれば、臓器移植が最大で年間13例の国内では、レシピエントたちの運命は自ずと見えてくる。辛かろうと現時点ではその運命に従うより道はない。》

 一方、国会議員に法改正を働きかけてきた患者団体には、衆院解散・総選挙で議員の顔ぶれが変わることへの不安が根強い。今国会中の採決を強く求めるのもこのためだという。

 自民党の笹川総務会長は21日の記者会見で「単に困っている人が移植できるから(法改正を)やれというのではなく、片方では尊い命が失われる現実をかみしめないといけない。投票で手が震えるぐらいの法案だ」と難しさを認めた。

《最も支持者が多いとみられているA案派は、「現行法は自己決定の思想が前提。それを捨てれば別の法案で、改正とはいえない」との三石氏の言葉をどう聞くのか。》

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2009年4月21日 (火)

大麻 なぜ種子なら許される

 自己責任が取れるのなら、大麻の使用は条件付きで許されていい、と私は書いた。発癌物質が含まれ、依存性は大麻よりも遥かに大きい酒が許されるのならということで。そして、これはその結果がアル中などと同じ廃人同様になっても己の勝手ということで。
 参照 大麻汚染というが 08/11/15
    コーヒーショップ(大麻販売・喫茶店)09/01/16

毎日新聞(4/21)から、
 広がる大麻汚染の一因とされる「観賞用」名目の種子販売を巡り国立精神・神経センター(東京都小平市)が、薬物依存性の民間リハビリ施設の利用者にアンケートをしたところ、鑑賞名目で種子を購入した人は殆どいないことが分かった。栽培して吸うために種子を買った人が大半で、販売側の名目と購入実態がかけ離れていることが初めて裏づけられた。現状は、種子の所持は大麻取締法の規制対象外となっている。販売は事実上野放しとなっており、国は新たな対応を迫られそうだ。

 調査は、同センター薬物依存研究部が08年11〜12月、薬物依存症の患者が入・通所する「ダルク」など全国49施設を対象に無記名で実施した。42施設の計408人から回答があった。

 大麻種子の入手経験があると答えたのは159人(39・0%)。このうち95人(59・7%)が入手目的を「大麻の栽培」とし、さらにそのうち87人(91・6%)が栽培の動機を「大麻を吸うため」と回答した。入手経験者に入手方法(複数回答)を尋ねたところインターネットや専門店で買った人が71人(44・7%)、知人などからもらった人が86人(54・1%)だった。

 種子の購入者71人に限定すると買った目的(複数回答)は「栽培」が53人(74・6%)で最も多く、「鑑賞」は2人(2・8%)。このほか「食材にする」12人(16・9%)、「人に上げる」6人(8・5%)、「人に売る」5人(7・0%)。「鑑賞」と答えた人2人はいずれも栽培と食材の目的もあったと回答しており、鑑賞目的だけで種子を購入した人はいないことになる。

 警察庁によると、08年に大麻取締法違反で検挙されたのは前年比507人増の2778人で、統計を始めた56年以降で最多であった。同法は種子段階の所持は規制していないが、都道府県の免許を受けた業者以外が栽培すると違法となる。栽培による検挙も210人(前年比83人増)と大幅に増えた。

 インターネット上には鑑賞目的で種子を売る業者のサイトが相次いで開設されているが「業者数など正確な実態はつかめない」(厚生労働省監視指導・麻薬対策課)のが現状だ。販売業者を同法違反の幇助容疑で摘発するケースも出てきているが、種子は七味唐辛子の原料などに使われるため、厚労省も「法改正で所持自体を処罰対象にするのは難しい」としている。

 調査を担当した薬物依存研究部の嶋根卓也研究員は「鑑賞名目に実体がないことが判明したことで、捜査機関などはあらゆる法律を駆使して業者に対応すべきだ」と話している。

《網の目にかかったものの調査だけで、嶋根がいうように、鑑賞目的で購入する人間は皆無、と判断し大麻汚染の実態とするには余りに乱暴な解釈だ。また、掌(てのひら)の上で種を転がして、或いはガラス瓶の中に入れて、じっくりと眺めることを「観賞用」の大麻とは言わないだろう。一般的に鑑賞用植物とは、種子を土壌に蒔き、その土の中から芽を出して成長していく姿を眺めることが、鑑賞と言う言葉に値すると言えるのではないのか。大麻だけは種子を眺めていろ、とでもいうのだろうか。》

《それが甘いお菓子と知っている子どもの目の前に、硝子ケースに入れて「見るだけよ」「食べるとお仕置きよ」と言うのと同じことだ。お仕置きが恐くない子は手を出すだろう。幼稚で甘やかされて、モラルなど関係ない若者には、大麻は子どものケーキと同じものにしか見えていないのだ。》

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2009年4月19日 (日)

有害サイト規制法施行

 有害サイト規制法
 18歳未満の青少年が利用する携帯電話を販売する際、保護者が反対しない限り、携帯電話会社などの事業者にフィルタリングサービス*の提供を義務付けた。罰則はないが、保護者が買い与える場合には携帯電話会社側に子どもが使うことを伝えなければならない。

 * フィルタリングには4つの方法がある。
 1、 レイティング方式(略)
 2、 ブラックリスト方式 ・・ 有害な(アダルト、暴力、出会いなど)ホームページのリストを作り、これらのホームページを見せないようにする方式。通常、ブラックリストはフィルタリングソフトを提供するソフトウェア会社が作成している。
 3、 ホワイトリスト方式 ・・ 子どもにとって安全で有益と思われるホームページのリストを作り、これらのホームページ以外のページを見せないようにする方式。有害なサイトを確実に遮断できる反面、文科省や教育委員会「お墨付き」のようなページ以外は見られなくなることで、インターネットの活用幅を狭くするデメリットが生じる。
 4、 キーワード/フレーズ方式/全文検索方式(略)

毎日新聞(4/19)「なるほドリ」欄から、
 携帯電話の交流サイトに異性との出会いを求める書き込みがあるとっして、警視庁がサイト運営者に削除を求めたと報じられたが、どういうこと?

 交流サイト大手「ミクシィ」や同業者「グリー」、ゲームサイト「モバゲータウン」で知られる「ディー・エヌ・エー」、同じくゲームサイト「大集合NEO」を運営する「オープンドア」など6社のサイトに「中学生。彼氏募集」などと異性との交際を望む書き込みがあった。昨年12月施行の改正出会い系サイト規制法は出会い系サイト運営者に警察への届け出を義務づけ、警視庁は6社のサイト内容を「実態として出会い系」と判断したが、6社からは出会い系としての届け出がなかった。このため警視庁は、届け出るか、書き込みを削除するよう6社に求めた。

Q いずれもかなり知られた一般の交流サイトだけれど、出会い系の書き込みがあるんだね。
A 6社の会員数は計約4000万人で、ミクシィなど名前を挙げた四つは第三者機関が「健全なサイト」と認定していた。でも、警視庁によると、6社の書き込みから児童買春に発展したケースもあった。

Q どうしてそんなことに?
A 改正出会い系サイト規制法は児童(18歳未満)の犯罪被害防止のため、届け出のほか、利用者に運転免許証の画像を送信させるなど18歳以上であることの証明を求めることを業者に義務づけ、違反車には6月以下の懲役や100万円以下の罰金を定めている。しかし、こうした規制を免れようと、舞台が一般の交流サイトに移ってきている。08年のネットに絡む児童の犯罪被害者は出会い系が724人、非出会い系が792人と、出会い系を上回っっていた。

Q どんな対策を取ればいのだろか。
A 有害サイト規制法が今月施行され、18歳未満が使う携帯を販売する時は、携帯電話の有害サイトの閲覧を制限する「フィルタリング」の提供が携帯電話会社に義務付けられた。警視庁は、上の制限方式のうち、安全なサイトにだけ接続する「ホワイトリスト方式」を選択するよう勧めている。

《何にしてもう遅い、手遅れだ。ここまで無軌道に広がった出会い系、非出会い系インターネットの世界だ。まして携帯電話を売る方は、金になることに自ら手枷足枷をはめることになる規制に、大賛成で乗るわけがない。どう言い逃れができるかで必死だ。フィルタリングにしても、対策としては生温いものだ。売る側も使う側も、幾らでも逃れる道はある。》

《現在携帯電話の所有率は小6が25%、中2が46%、高2が96%に及ぶ。規制、規制と叫ぶよりも、「利用者の教育が先決」という意見もあるが、やはり、今になってはどんな先決としての教育手段があるのか。また、保護者は「子どもの安全のため連絡用に持たせたい」というが、結局は、「親の育児責任」という肩の荷を下ろすための責任逃れでしかない。携帯電話が人の身の安全を保障するものなら、子どもに限らず現在数多く発生してる犯罪で携帯がどれだけ役立っているのかを考えてみれば分かることだ。それとも子どもには役立つ、と本当に思っているのだろうか。》

《親や保護者が子どもの携帯の管理ができないから、援助交際、売買春、いじめや詐欺、不法請求などが発生し、被害者になり、加害者になるまで携帯の恐ろしさが理解できないのだ。学校への持ち込み禁止など規制してみても、生徒たちは学校での生活よりは学校を離れてからの時間の方が余程たっぷりある。親の目の届かない寝床の中が携帯に取り組める格好の場所であり、時間になる。》

《対策を取るのに遅すぎる今となっては、せめて中3以下の低学年には、インターネット仕様のない電話機能だけののシンプルな機種にするべきだ。》

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2009年4月18日 (土)

イタリア大地震、石造りの家が招いた惨劇

 6日の未明、イタリア中部で発生した地震は、震源地に近いアブルッツォ州ラクイラなどで死者が出た。当初確認できた死者25名から、全容が分かるにつれて犠牲者の数は7日中に92名、100、150、179、235そして、260人を超す数にまで増えていった。震央から約3キロ離れたオンナ村も砕け散った石の山と化した。この村は第二次大戦中にドイツ軍の侵攻で焼き尽くされ、再建されたのは良質な材料に不足していた大戦直後のことだ。

今回の地震エネルギーは阪神・淡路大震災の約8分の1に過ぎない〈マグニチュード(M)6・3〉が、約8万人が家を失ってしまったという。オンナ村の潰滅状態の家は材料不足のため、強度の不足した石ばかりが散乱していて、まともな鉄筋は見当たらないという。

ニュースを聞いた途端に急に遠く半世紀も遡った時代(私の20歳代)に見たイタリア映画(1956年作、『屋根』 ヴィットリオ・デ・シーカ監督)を思い出していた。話もちょうど今回の地震で壊れた村々の出来事と重なる時代、戦後の荒れ果てたローマ郊外で撮られたものだ。

子沢山の実家での窮屈な生活に絶えられず、他に住む家を探している若い新婚夫婦の話。ローマ郊外の市有地に、一夜で屋根さえある小屋を建て上げれば、警察官が見回りに来ても完成したものとみなし、立ち退かせることは居住権侵害になるので、罰金で済ませることができた、という時代。建てかけて資金難で途中諦めた他人の後を引き取り、喧嘩別れしてきた実家の兄妹たちの応援を受けて壁になる煉瓦を積み上げる。窓を作り、夜も白々とあける頃、ほんの少しを残して屋根が上がるところまで来るが間に合わないと見ると、急遽ベッドを持込み、子どもを寝かせる。見回りに来た警察官は、若い夫婦のトッサに仕組んだことを見抜くが、見ぬ振りで立ち退き命令を出さずに立ち去る。

今回の地震の惨状でまっ先に『屋根』を思い浮かべたいきさつは、日本のように凄まじいばかりの復活を遂げた国と違い、イタリアの疲弊は貧しい時代の産物のままの家を、日本と同じ地震国でありなら『屋根』時代のまま建て替えることもできないでいたためと感じたからだ。

しかし、ここに来てイタリアも耐震化を進める動きが出てきたという。イタリアのメディアは次々に指摘し始めた。「日本に学べ」と。

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2009年4月17日 (金)

またまた300日問題か

 毎日新聞(4/17)から、要約と《 》内は私見。
 民法722条及び773条により、戸籍がない状態を経験した子どもの親たちで作る「無戸籍児家族の会」が20日、結成1年を迎える。当初国内外の38家族123人だった会員はその後賛同者が増え、80家族250人を超えた。無戸籍状態を解消できた家族がいる一方、今も解決できず悩む人もいる。現状と課題について事務局長の井戸正枝(43)=神戸市=に聞いた。

《現在の日本の世代別構成では、4人に3人が敗戦後の生まれであるそうだ。戦前の、男尊女卑や封建的な習慣、家族制度など、厳しいが規律の取れたしきたりを覚えている人間は愈々数少なくなってきた。敗戦をきっかけに、旧い価値基準は恐ろしい勢いで崩壊し、アメリカからお下がりの、慣れない民主主義を後生大事に育てて今に至った。一家の中心にいた父親は、現在では見るも無惨な淋しい存在に変わり果て、家族を統べる力は疾うに失った。家と家の結びつきであった婚姻は、自由恋愛がもてはやされ、人工中絶は花盛り、婚前懐妊は当たり前のようになり、性倫理はもろくも崩れ去った。姦通罪がなくなり、婚姻における貞操の義務は無いに等しく、その結果、300日問題は生まれるべくして生まれたようなものだ。まあ、井戸の話を聞いてみよう。》

▽1年を振り返って思うことは。
 離婚や再婚という一般的に声を上げにくいテーマだが、家族が力を合わせて思いを訴え続けたことで昨年5月に鳩山法相(当時)との面会が実現した。2代にわたり無戸籍が続く恐れがあった神戸市の親子に関しては国が無戸籍のまま結婚を認める救済策を示し、子どもが救済された。無戸籍でも結婚でき、旅券も取れ、閉ざされていた人生の選択肢が広がった。総務省が無戸籍児も住民票に記載する基準を示したり、最高裁も前夫の関与なしに実父の子にできる「認知調停」を周知し始めた。

《井戸は非常に楽観的な解釈をしているが、神戸市の親子の問題は、娘の無戸籍は娘が結婚し書類を提出して始めて当の娘が知ったために分かったケースで、事実を20年以上も放置したままの娘の親の無責任極まる処置によるものだった。誰が考えても娘の救済は当然とも考えられる特殊なものだ。これが会の影響ででもあるような思い上がりでは、この会の活動はたかが知れたものだろう。》

▽要望は実現したと言えるか。
 それは違う。運用面で進展があった1年だったが相変わらず法改正には至っていない。付焼き刃的な今の対応では(根本的には)解決できないと感じる。国際結婚や離婚も増え、相談が相次いでいる。現状のままでは子どもの国籍も不安定になる恐れがある。

《運用面の取り扱いで十分だ。民法の離婚後300日以内の女性の結婚禁止を変える必要は無い。現在持ち上がっている問題は、法律上の婚姻解消を経ずに、夫以外の異性と性関係を持った結果のことだ(最後尾の記事参照)。法律が悪いのではない。》

▽具体的な活動は。
 昨年7月に全国の家裁で一斉に認知を求める調停をした。その後も増え、50件を超えた。把握した限りでは9割が「現夫の子」とされたが、1割は調停不成立となり、その子は今も戸籍に記載されていない。「別居の時期を証明する資料が不十分」などが不成立の理由だが、家庭内暴力などで住民票を移せずに身を隠していた場合などは証明が難しい。調停不成立は、その子の無戸籍状態の長期固定化が懸念され家族も途方に暮れている。

《夫の暴力が異性との不倫の理由として正当化されることがそもそも正常ではない。無戸籍児をこしらえてから精力を尽くすぐらいなら、それ以前の対策として、暴力夫からの婚姻関係の解消にこそ精力を尽くすことだ。井戸もはっきり言うように、問題を抱えている9割が、「不倫の子」なのだ。途方に暮れるのは突き放した言い方をすれば自業自得、自分で招いたものだ。》

▽前夫を巻き込まない認知調停は実際に周知されたか。
 周知されても、訴える人や内容がほぼ同じなのに家裁によって審判に差がでるのは問題だ。東京家裁八王子支部で取り下げを迫られた人が隣の横浜家裁相模原支部で調停をしたら「現夫の子」と認められた。戸籍は厳格なものなのに、家庭裁判所で当事者たちが経験しているこうした「格差」は受入れ難い。DNA鑑定の要否の判断が分かれることもある。

《DNA鑑定で「現夫の子」とは、「不倫の子」と実証されただけで従来の言い方をすれば、「愛人の子」となるだけだ。》

▽どうすればいいのか。
 「裁判官の独立」は尊重するが、裁判所の対応が場所によってあまりに違えば、司法への不信につながりかねない。認知調停の例がまだ少ないため、裁判所側も戸惑っているのだと思う。当面は裁判所側で可能な限り審判の情報を全国的に共有すべきだ。ケースを比較した勉強会などを開いて事例の蓄積や把握を進めていきたい。

今日、最高裁から一つの判決が出た。
 無戸籍児の住民票不記載に対する記載を求めた公訴問題だ。
次女の出生届に「非嫡出子」(婚外子)の記入を拒否したため受理されず、戸籍がないことを理由に住民票に記載されないのは違法として、事実婚の夫婦らが、居住先の東京都世田谷区に住民票への記載などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(今井功裁判長)は17日、住民票不記載は適法と、夫婦ら敗訴の判決を言い渡した。

共同通信から、
 裁判長は、出生届を受理されず、戸籍が無い子の住民票を自治体が作成すべきかどうかについて初めて判断を下した。「届け出ないことに合理的な理由や、子どもに看過し難い不利益が生じるなどの特段の事情がある場合は、市長村長は記載を義務付けられることがある」と指摘した。

その上で、今回のケースは、親が親の信条を理由に届けでいないことや、子の年齢から選挙権などの不利益が現実化していない点から「特段の事情」に当たらないと結論づけた。判決は自治体の実務に影響を与えそうだ。

《300日問題がメディアに初めて取り上げられたのは07年の正月明け早々のことだった。以来、非嫡出子の届出がなされない場合、無戸籍児になることは広く知られることになった。にも拘らず、未だに無戸籍児は生まれている。男女とも性衝動は本能とはいえ、法律を無視して子をなした場合、生まれた子に、いかなる運命が待ち受けているかはそろそろ分かってもいいころだ。いつまでも、生まれた子が可哀そう、の同情論に頼っていては問題は解決しないことを悟るべきだ。》

参照 300日問題、前夫の子半数以下 08/12/29
   またもや300日問題 08/12/01
   又もや離婚後300規程日問題 07/08/09

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2009年4月16日 (木)

肥満でなくても死亡の危険性は高まる

Dscf0046_4 ラナンキュラス

 咲き終われば根は腐る、ということだったが、生来の無精者、そのままにしておいたが今年、ちゃんと芽吹いて見事に花を咲かせた。



 大騒ぎで始まったメタボ健診、日本の基準値が全く信用ならないことは折りに触れ書いてきた。
痩せよりも太めが長生き」09/01/30
メタボと血圧に新指針」09/01/18

毎日新聞(4/16)から、
 厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がんセンター部長)が全国の40〜69歳の男女約3万人を対象に実施した大規模調査で、肥満でなくても血圧や血糖値など血液検査値に異常があれば、死亡の危険性が高まることが明らかになり、日本循環器学会誌などに発表した。

国は昨年度からメタボリックシンドローム(内蔵脂肪症候群)対策を目的に肥満に重点を置いた特定健診を始めたが、研究班は「メタボ健診だけでは、太っていなくても病気を発症する危険性がある多くの人を見逃す危険性がある」と指摘。特定健診は導入後3年で見直しされる予定で、今後の議論の大きな根拠になる可能性が高い。

〖特定健診〗
 メタボ対策による医療費削減を目的に、08年度から始まった。会社や国民健康保険などの医療保険者に実施が義務づけられている。健康悪化は腹部肥満が原因との学説に基づき、腹囲や、身長と体重で計算する体格指数(BMI)が基準値を超えたうえ、血圧、血糖値、血中脂質の血液検査値が基準値を超えた場合、特定保健指導を受けることになる。原則として40〜74歳の被保険者と被扶養者が対象。

メタボと死亡率の関係について、10都府県の3万4000人を約13年追跡した。日本人を対象にした同様の調査では、最大規模という。心筋梗塞など虚血性心疾患は、メタボの場合、男性で約3倍、女性で約2倍、死亡する危険性が高かったが、肥満ではない人でも血圧や血糖値などが診断基準を超えた場合、死亡の危険性はメタボの人と同様に高かった。病気の種類を問わない男性全体の死亡率もメタボの有無による違いはなかった。

《反動のように若い女性たちは、無闇に痩せることに神経質になり、世界でもただ一カ国、肥満度の減少を見せた。若い女性の「痩せ」は、摂食障害や鬱傾向、骨密度の低下を引き起こし、低体重兒を産む確立が高くなる。結婚する気がないのなら、子どもを持つ気がないのなら、気が済むまで痩せればいいだろう。》

また、8県の2万3000人を対象に実施した分析では、虚血性心疾患の患者のうち、高血圧が原因で発症したと推測されるのは全体の5割近くに上った。一方、メタボによって発症した割合は2割未満に過ぎず、メタボ対策の効果は限定的とみられる。日本人の死因の第1位である癌の発症にもメタボの有無は関係なかった。

津金部長は「肥満重点の対策で期待できる効果は小さく、禁煙や血圧の管理など効果が期待できる対策を推進すべきだ。今回のデータを健診制度を見直す際に役立ててもらいたい」と話した。

《まだまだ言いたいことを言う学説が生まれるだろう。まだデータの数も、こちらの方が多いぞ、と数で裏付けようとする説も出てくるだろう。いずれにしてもメタボ、メタボと騒ぎ過ぎだ。》

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2009年4月15日 (水)

痴漢冤罪事件 - 2 -

 痴漢冤罪事件 08/03/14

 女から、「この人痴漢です」と言われれば、逃がれることもできなかった痴漢事件、女が弱かったのは遠い昔の話だ。今は、満員電車内では男の方が自己防衛本能で戦々恐々の体たらくになっていると言った方がいい。女の身体から遠ざかるために、両手を猿公(エテコウ)よろしくつり革に伸ばし、最初から身の潔白を回りに知らしめる努力をする男の話は時として耳にする。それほどに男は弱くなっているようだ。

 毎日新聞(4/15)から、要約と 《 》内は私見。
 《無防備が故に思いもかけず痴漢呼ばわりされた初老の男性が、最高裁まで場を移してようやく無罪判決を受けるような悲劇は、繰り返してほしくないものだ。》

 東京都世田谷区を走行中の満員電車で06年、女子高生に痴漢をしたとして強制わいせつ罪に問われた防衛医科大教授、名倉正博被告(63)=休職中=の上告審判決で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は14日、懲役1年10月の実刑とした1、2審判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。小法廷は「被告女性の証言の信用性を疑う余地がある。犯罪の証明が不十分」と述べた。名倉さんの無罪が確定する。

 《これまでは「この人が」という女性側の証言さえあれば、証言内容の実証は2の次にされ、「か弱い女」が優先されてきた。》

 最高裁が痴漢事件で2審の有罪判決を覆したのは初めてのことだ。小法廷は満員電車の痴漢事件の審理について「特に慎重な判断が求められる」と初判断を示し、理由として「客観証拠が得られにくく被害者の証言が唯一の証拠である場合も多い。被害者の思い込みなどで犯人とされた場合、有効な防御は容易でない」と述べた。被害証言を補強する他の証拠を求める内容と言え、捜査や公判に大きな影響を与えそうだ。

 名倉さんは06年4月18日、通勤途中に小田原線成城学園前-下北沢間を走行中の準急内で、女性(当時17歳)の下着の中に左手を入れ下半身を触ったとして起訴された。

 捜査段階から無罪を主張したが、1、2審は「スカートのすそに腕が入っており、肘、肩、顔と順番に見て、名倉さんに左手で触られていることが分かった」とする女性の証言の信用性を認め有罪とした。

《「満員電車」がどの程度の混雑ぶりなのか解らないが、身動きも取れない窮屈さの中で、男性が腕を女性の下着の中にまで入れようとすれば、女性以外に、周囲の人間にどれだけの迷惑な行為を及ぼすか。私の現役時代の混雑ぶりは、呼吸も困難になるほどのすし詰め状態で、周りの人間に挟まれれば腕も抜けない程だった。軽い女子なら、足が電車の床から浮いたまま、1駅2駅我慢しなければならないような酷さだった。「わたし、降りるんです」「すみません、降ろして下さい」叫びながらも1駅2駅過ぎて乗り換えの人ごみに押されてやっと泣きながら降りる姿を何度も見ている。勿論身体を支える手で割れる窓ガラスも何度も目撃した。そんな中で、必死になって身体の前で腕を組み、カバンを守るのは女性だけではない、男性も同様に網棚まで伸ばせないで胸に抱えたカバンを守っていた。男の肘や拳が背中に当たると激痛が走るが我慢するよりなかった。私が想像する満員電車とはそのような状況だ。身動き取れない状態の中で男でも女でも、お互いの身体が位置がどこであろうと触れないようにするのは不可能なほどだった。》

 小法廷は、鑑定で指から下着の繊維が検出されていないなど客観証拠がなく、起訴内容を支える証拠は女性の証言だけと指摘。そのうえで、
 ▽女性が積極的に痴漢行為を回避していない
 ▽起訴内容の行為の前に痴漢被害を受けて下車しながら、再び被告のそばに乗車した経緯は不自然
などの点から「信用性を全面的に認めた1、2審の判断は慎重さを欠く」と結論づけた。
 
 判決は5人の裁判官のうち3人の多数意見。田原裁判長と堀籠裁判官は「1、2審の認定に不合理はない」と反対意見をの述べた。最高裁が2審の判決を覆す場合、通常、憲法違反や判例違反、法令解釈の誤りを理由とするが、今回は「重大な事実誤認がある」としており、事実誤認だけを理由としたのは異例なことだ。

 裁判を3年がかりで勝ち取った最高裁の逆転無罪判決を名倉さんは「胸のすく思いです」と表現した。しかし、約1時間に及ぶ記者会見で笑顔は殆どなかった。「ほかにも犯罪者の汚名を着せられている人がいる。有頂天にはなれない」と語った。

 名倉さんは、06年4月18日、通勤中に突然逮捕された。「やっていない」と言う名倉さんの言い分に耳をかす警察官はいなかったという。「DNA鑑定をやる」と告げられたとき「無実と分かる」と喜んだが、しかし、何故か鑑定は行われなかった。拘置期間は30日に及び、研究室や自宅に捜査が入った。

 逆転判決を聞いた瞬間「急に全身の力が抜けた」という。閉廷後、東京・霞が関の司法記者クラブで開かれた記者会見で「今日、最高裁に来るまで収監を覚悟していた。当たり前のことをなぜ分かっていただけないのか。司法に対する不信感が渦巻いていた。判決が(証拠の)不合理な点を認めた点は胸がすく」と言葉を選んだ。

「きちんとした初動捜査なり、証拠の検討がなされたのか、人の一生をどう考えているのか」と捜査・司法への怒りの言葉が並んだ。被害女性に対しては「悪意があったなら憎むが対立した場面もない。何も申し上げられない」とだけ述べた。

 冤罪事件では06年に「お父さんはやっていない」(太田出版)を出版した東京都内の会社員、谷田部孝司さん(45)は「信じられない」と驚く。当時弁護士から「最高裁では変わらない」と言われたからだ。この事件がヒントになって映画「それでもボクはやっていない」が作られた。他の痴漢冤罪事件にも携わった経験から、谷田部さんは「こうした積み重ねで流れが変わったのでは」と語った。

 最高裁判決は痴漢事件の審理に「特に慎重な判断」を求めて、捜査に警鐘を鳴らした。弁護団によると、過去10年で30件以上の無罪が出ており、判決は冤罪防止を重視したと言える。

 警察庁は05年、目撃者の確保や容疑者の指についた衣服の繊維鑑定など科学的捜査の推進を都道府県警本部に通達した。だが、実際には目撃者探しや物証の確保は困難で、「ほとんど被害者の証言だけで起訴している」(検察幹部)のが実態という。

 今回の事件は通達の翌年に起きたが、鑑定で下着の繊維が検出されず、結局被害者証言の信用性だけが争点になっていた。

 結果、当然の判決とも言えるが、3対2とい際どい判断だった点に問題解決の困難さが投影されている。補足意見で那須裁判官は「被害証言を補強する証拠がない場合、格別に厳しい点検が不可欠」と強調するが、反対意見の堀籠裁判官は「被害証言の信用性否定は実情無視」と指摘する。ある検察幹部も「(多数意見のように)被害証言以外の証拠が必要となれば、痴漢は起訴できない」と反対意見に同調する。

 警視庁が08年に把握した電車内の痴漢件数は1845件。泣き寝入りするケースも多い。強い姿勢を望む声と、証拠収集の難しさの中で、捜査現場の苦労は続くことになる。

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2009年4月13日 (月)

差し押さえ、二題

  すいせん     花海棠      パンジー
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一、給付金を差し押さえ
 毎日新聞(4/2)から、 《》内は私見。
長崎県対馬市は定額給付金の支給を始めた3月30日から、市税滞納者の預金差し押さえを始めた。同市は、「給付金のタイミングは念頭にあったが、通常業務の範囲内」と放すが、総務省は「定額給付金は消費刺激や家計支援を目的としており、政策の趣旨にそぐわない」と事前に市町村に釘を刺していたため、論議を呼びそうだ。

同市税務課によると市は30日、申請のあった約2160人の預金口座に定額給付金を振り込んだ。市税や国民健康保険などの滞納者の中から約100人を抽出し、同日中に約50人分の滞納分を差し押さえた。合計額について同課は「把握していない」という。

同課によると08年度末の市税、国保税などの滞納者は約3500人で、累積額は約19億2700万円。うち回収率は8・6%にとどまる。同市は毎年3〜5月を滞納徴収強化月間に定めており、08年8月から預金差し押さえを始めた。同課は「定額給付金が口座に入れば、他の預金との区別はつかなくなる。法的に滞納を許すわけにいかず、今後も差し押さえは続ける」と話す。対馬市税務課によると、差し押さえられた滞納者から31日までに苦情約20件が市役所にあったという。

鳩山総務相は1日、記者団に対し長崎県対馬市が定額給付金の支給に合わせ、市税滞納者の預金差し押さえを始めたことについて「正直言って困る。全所帯で喜んで受け取ってもらう給付金の趣旨として、やってほしくなかった。残念だ」と市の対応に懸念を示した。滞納者への給付金を巡っては、福島県川内村が滞納者に給付金での村税納付を求める文書を送付し、撤回したケースがある。

《鳩山もよく言えたものだ。もともと麻生太郎の“さもしい”根性から生まれた金が減資となったものだ。また、選挙対策でもあったろう。それを国民の全所帯で喜んで・・・などとはよくも言えたものだ。当初、「金持ちは辞退するだろう」とまで高言していたものだ。一方、差し押さえを喰らったものたちの苦情とは聞いて呆れるばかりだ。己は税金を滞納していて他人の収めた税金からの分け前を手にしようとは、ほんと、くたばってしまえ!だ。》

二、給与差し押さえ
 同紙(4/7)から、
学校給食費を長期滞納している2世帯の勤務先に対し、八潮市(埼玉県)がさいたま地裁越谷支部に給与の差し押さえを求める申し立てをしたことが分かった。県によると、給食費未納にかかわる給与差し押さえの申し立ては県内の自治体では初めてという。

市によると、申し立ては今月2日。市は昨年10月、この2世帯を含む滞納者7世帯に給食費の支払い督促を越谷簡裁に申し立て、今年2月には差し押さえの仮執行も申し立てた。3世帯は一括や分割払いに応じたが、残り4世帯は応答がなく、勤務先が判明した2世帯分について今回の申し立てを行ったという。2世帯の滞納額はともに約38万円。今後、勤務先に異議がなければ、給与から滞納額分を市に支払ってもらうという。残る2世帯についても、勤務先や差し押さえ対象が分かり次第、申し立てる方針という。

市内には10小学校(児童数4632人)、5中学校(生徒数2180人)があり、給食費は月額で小学校3700円、中学校4350円。給食費の滞納は93年度から増え、昨年10月には滞納者数693世帯、滞納総額は約6700万円に達した。

市は昨年夏から、負担の公平性を維持するためとして、滞納期間が5カ月以上で支払い能力がある世帯の家庭を訪問し、支払いを求めていたという。

《滞納問題は給食費に限らない。保育料、授業料に奨学金、税金に家賃。世の中は、生活が苦しい、と言えばすべて許されるような風潮が蔓延している。その一方で、老いも若きも贅沢な携帯の通信費は湯水のように消費する。私の若い頃には先輩たちは、「給料に見合った生活をしろ!」と諌めてくれたものだが、中流にのし上がって生活を続けてきた現今の先輩は、自身、つましい生活には戻れず、ただ苦しい、苦しいで世の中を恨んでいるだけだ。

《一体、親たちは学校給食をどのように考えているのだろうか。いつまでも滞納してごねていれば、そのうち学校が諦め、子どもに食い逃げさせることができるとでも考えているのだろうか。

【学校給食法】
 (唱和29年6月3日、最終改正:平成20年6月18日)
 (この法律の目的)
第一条 この法律は、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活に寄与するものであることにかんがみ、学校給食の実施に関し必要な事項を定め、もって学校給食の普及充実を図ることを目的とする。

 (学校給食の目標)
第二条 学校給食については、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に務めなければならない。
 一 日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと
 二 学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと
 三 食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること
 四 食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと

 (経費の負担)
第六条 学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるものは、義務教育諸学校の設置者の負担とする。
 2 前項に規定する経費以外の学校給食に要する経費は、学校給食を受ける児童又は生徒の学校給食法第16条に規定する保護者の負担とする。

《明確に給食費の保護者負担が規定されている。義務教育だからといって、学校が食費を負担するものではない。ということは、給食費滞納の子どもたちは、友達が、友達の保護者が払った給食費で賄われた給食を横取りして食べていることになる。学校給食法に謳われている心身の健全性、社交性、生産と配分や消費について、教育の一環としての給食の意味は失われている。

《働かざるもの食うべからず、ではないが、親の給料の差し押さえよりも、支払わざるもの食うべからずの徹底こそ道理を弁えた望ましい教育と言えるのではないか。その結果、いじめのようなことが発生しても、自業自得に因果応報、自己責任というやつだ。それこそ身をもって知る常識となる。》

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2009年4月12日 (日)

色弱

毎日新聞(4/12)から、
 全国で約300万人に上るとされる色弱者。特定の色同士を識別しにくい色弱者に配慮し、色調やデザインを工夫する「カラーユニバーサルデザイン」(CUD)が電化製品や教育現場、交通機関など各方面に広がっている。

《何故今頃になって色弱の問題がクローズアップされることになったのか。私の小学生時代、定期的に色盲検査を受けていた。これが敗戦を切っかけにして、検査することが差別問題、人権侵害問題につながるとされるに至って、特に色彩を取り扱う専門職以外では色弱は表立って取り上げられなくなっていた。そのことが色弱者に対する研究、開発の後れとなって今に至ったようなものだ。差別は隠すほどに現れるもの、というのが私の持論だが、この色盲のことでも隠したがために今、対策は半世紀の後れとなって問題視されることになった。》

精密機器のメーカーのオリンパスは08年2月、業界初のCUD対応コンパクトカメラを発売した。今年3月には一眼レフにもCUDを導入。きっかけは1通のメールだったという。

同社製カメラを購入した色弱の男性会社員(34)から07年、充電器の「充電中」と「完了」の区別がつかないとメールが届いた。充電中は「赤」、完了は「黄緑」にランプが点灯するが、男性にはどちらも黄色っぽく見えていた。

色弱者は赤と緑、緑と茶、赤と黒など特定の色同士を見分けにくい。同社はNPO法人「カラーユニバーサデザイン機構」(東京都杉並区)のチェックを受け、色の調整を繰り返した。充電中の点灯は橙色系とし、完了は消灯したり、青色になるよう改良。カメラ本体のボタン表示も見やすくした。同NPOによると、プリンターなどの複合機でも、ボタンや画面の色を識別しやすくしたCUD対応品が市販されているという。

小学1年の算数の教科書には「ながさくらべ」として、赤や青など色の異なる紐を並べたカラー写真が載っている。東京書籍と学校図書の2社は04年の検定本から、紐に「あ」「い」などの符号を添え、色以外でも答えられるようにした。文部科学省教科書課は「児童の学習に支障がないよう、次回検定から発効者に編集上の配慮を求めたい」と話す。

また日本理化学工業は、緑の黒板でも識別しやすい色チョークを販売。従来の「赤」よりも橙色に近い「朱赤」などを取り揃える。

横浜市営地下鉄は昨年3月のグリーンライン(中山-日吉、約13キロ)開業を機に、路線図などの案内表示をすべてCUD対応にした。従来の路線図は背景が茶、路線が緑などだったが、背景を白に統一し、色が似ている路線は線種を変えた。路線や駅名が重なる場合は白く縁取りした。

東京メトロも民営化に伴う案内表示見直しで、色丸で示したり乗り換え案内にアルファベットと数字を付けたり、時刻表の青字を斜体にし、昨年6月に全駅で完了したという。

《自動車運転免許証取得のための色盲検査では、教習所によって検査法法が異なり、A所で異常なしが出ても、B所では異状と判断され、通らなかたりすることもあるようだ。その結果は信号機の確認ミス(日本人に多い赤と緑の)が起る懸念もあるだろう、個人情報保護の行き過ぎも問題だが、こちらの対策も必要だ。》

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2009年4月11日 (土)

韓流人気

毎日新聞(4/11)から、 要約
 円高・ウォン安を背景に韓国を訪れる日本人が急増しているという。韓国観光公社の調べでは、今年3月に韓国を訪れた日本人は、「冬のソナタ」に沸いた04年10月の約26万人を抜き、過去最高の30万人台に上る。空前の韓国旅行ブームを支えているのは数年前と同様、6割を占める女性たちだが、今回はちょっと事情が違うようだ。

ソウル・明洞(ミョンドン)のファッションビル10階の皮膚科・形成外科病院「アルムダウンナラ」にも、日本人女性の姿が引きも切らない。

「日本も含めて今までで一番丁寧。通訳もいるし、また来たい」と東京在住の女性(25)は話す。約3時間かけた「治療」は角質除去の各種エステや、にきび対策の顔面注射など。皮膚科専門医の処方に基づく「メディカル・スキンケア」である。

昨年の外国人来院患者は前年より300人多い1300人。うち9割近くは日本人で、大半がメディカル・スキンケアの患者という。

韓国では日本より美容整形への抵抗感が少なく、若返りの注射を含む「プチ整形」も浸透している。二重瞼にする程度なら、整形したと公言する女性も多い。

アルムダウンナラの李相浚院長は「ボトックス注射を受ける日本人も多い」と明かす。ボトックスは米国で斜視や瞼の痙攣の治療剤として開発されたが、皺の改善効果も確認されている。同院の場合、治療費は約40万ウオン(約3万円)ですむ。「日本での治療より、半額ほどで済む」という。

《整形にしろ形成にしろ、元々ある姿態を変えることで、肉体の擬装工作だ。親から授かった身体を傷つけないことが孝行の始まりだ、との教えは現在では笑い話と化し、その親こそが娘と一緒になっての擬装工作に走ってるいるのが実態のようだ。》
 美容整形 05/07/19
 流行(整形・形成) 06/01/18

李院長によると、最近は自分の血液から抽出した多血小板血しょう(PRP)を使う「PRP皮膚再生療法」も流行している。さまざまな成長因子を含むPRPを注射すると、肌が若返るという。

一方、ソウル・江南区にある芸人皮膚科の金維真院長は「サーメージ治療を受ける日本人も多い」と言う。高周波のラジオ波を利用し、たるんだ皮膚を引き締めたりする治療だ。最近は,重要なプレゼンテーションを控えた韓国人ビジネスマンら男性の受診が増えているという。

これを後押ししているのが韓国政府による「医療観光」の推進政策だ。今年1月の医療法改正(5月施行)に伴い、病院は外国で広告を出したり、外国人向けに治療費を割り引いたりできるようになる。08年に韓国を訪れた医療観光客は約2万5000人だったが、政府は12月に10万人の受け入れを目指す。

一方、「皮膚に炎症が起きた」などのトラブルも増えている。06年に韓国消費者院に寄せられた、美容整形などに伴う被害救済申請は71件。04年の約1・9倍に当たる。病院を選ぶ際は、専門医かどうかの確認や施術前の写真撮影のほか、「過度な期待はしない」ことも大切だという。

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2009年4月10日 (金)

臓器移植法改正案

 毎日新聞(4/10)から、要約
 臓器移植法改正案を今国会で採択する機運がにわかに盛り上がってきた。党派を超えた議員の死生観の違いから議論が進んでいなかったが、世界保健機関(WHO)が海外での移植の原則禁止を検討していることや、法改正を求める国内世論に押され、ようやく与野党が重い腰を上げた。ただ、現時点では確実に成立する保証はないのが実情だ。

臓器移植法は97年10月に施行された。施行後3年をめどに見直すという付則があるが、これまで実質的な審議はなかった。今回の改正論議本格化の背景には、臓器提供者の不足だけでなく国際的な動向がある。

WHOは1月、理事会で海外での移植を規制する方針を総会議案に盛り込んだ。現在小児の心臓移植は国内ではできず、海外での移植に頼っている。日本移植学会は「5月のWHO総会後は小児の心臓移植の道が閉ざされる」と移植法の早期改正を訴えている。

  後を絶たない海外での臓器移植 08/11/12
  脳死移植10年で81件 09/03/27

一方、法施行後10年以上経つが脳死移植は米国の100分の1以下。臓器提供者の増加を目指し、06年にAB両案、07年にC案が国会に提出された。現時点で、3案とも継続審議となっている。

家族の同意で提供可能なA案(中山太郎氏=自民=ら提出)は「脳死は人の死」と一律に規定するうえ、虐待を受けた子どもが親の同意で提供者となる恐れも否定できない。B案(斉藤鉄夫氏=公明=ら提出)は本人の同意が必要など、現行法の原則を変えないため、臓器提供者がそれほど増えない、との見方がある。脳死の範囲を現行法より狭く定義するC案(阿部知子氏=社民=ら民主、社民両党議員提出)。9日には心臓移植を受けられずに亡くなった子どもの親たちが、A案への改正を求める約3万8000人の署名を国会に提出した。

《何度も述べてきたが、日本の臓器提供者が少ないことを米国と比較してみても、何の説得力もない。日本人が金を積んで海外へ出かけ、当該国の移植が必要な人がいるのに適応を受けてきたことが、WHOの諸外国の世論に配慮した海外移植を原則禁止の検討につながったものだ。法を改正したところで米国の100分の1以下が、10分の1になることなど、不可能事だ。将来、移植に利用できる諸器官が人工で作られる時代がくるまで,運命は受け入れるよりないだろう。》

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2009年4月 9日 (木)

続・「命」の授業 - 下 -

 牛を牽いてトラックから降りて来る男性、牛がいなくなった係留場を掃除する職人、水の中に肘までつけて内臓を洗う女性たち……。大阪府中部に位置する松原市の屠場を撮影した写真家で映画監督の本橋成一さん(69)のモノクロプリントだ。本橋さんは、80年代と現在の屠場で働く人々を収めた写真集を今年出版する予定。屠場の撮影はいわばライフワークになっている。

本橋さんは東京で公開中の映画「バオバブの記憶」など、世界各地で自然や動植物と深く係わる人々の暮らしを記録してきた。松原とのつながりは、86年公開のドキュメンタリー映画「人間の街」の制作時にスチール・カメラマンとして、松原市立屠畜場(当時。現在は南大阪食肉市場に再編)の人たちを撮影したのが始まりという。

国内の屠場は現在、衛生上の理由や作業の効率化のために、オンライン方式で牛や豚を解体する。牛の場合、失神させた後、放血しながら、天井から吊り下げられたレールに後ろ脚を引っかけ、一度も肉を床に触れさせることなく皮を剥ぎ、内臓を出して枝肉にする。職人が各工程を分担して作業に当たる。

本橋さんが撮影した80年代半ばは、牛を床に寝かせた状態で皮を剥いでいた。「当時は自分でハンマーみたいなもんで牛の眉間を叩き、自分で剥いた。今より苛酷な仕事だった」と南大阪食肉市場の村上幸春社長(62)は振り返る。「入った当初、なんぼ叩いても牛が倒れず、周りから『牛の耳を噛んだら倒れる』って(冗談を)言われて本当に噛んだ。必死やったから」と話す一方、「5、6分あれば1人で1頭の皮を剥けた」と職人時代の自負も覗かせる。

本橋さんの目にも、80年代の解体の現場は「人間と牛の真剣勝負」に映っていた。「肉を作る過程で今以上に機械化が進めば、外部から関心を持たれる機会がますます減って、一層いのちが見えなくなる」と危ぶむ。

《私は絶対に口にすることができないのだが、鉄板の上のじゅーじゅーと血がしたたるような肉を頬張る人間が、食通と呼ばれてご満悦だ。「牛や豚は人間に食べられるために生まれてきたんだ」と。おそらく、自分で捕獲し、殺し、解体しなければ食べることができなかった時代の人間たちは、動物たちが、人間に食べられるために生まれてきたものだとは思わなかっただろう。それほどまでに人間が傲慢ではなかった筈だ。むしろ命を食することへの感謝の念を抱いたであろうことは容易に察しられる。何時の頃か生き物に優劣をつけ、高等、下等の分類を始め、その頂点に勝手に人間を置いた。生き物への差別化の感情が生まれた。》

本橋さんが人間と動物のかかわり方を考える原点は、終戦直後の少年時代の体験だ。東京都内の焼け野原にバラックを建て生活を始めた一家は、常時十数羽の鶏を飼っていた。

「月に1、2回鶏を絞める時、父親は必ず僕を立ち会わせ、解体の手伝いをさせた」。餌やリは本橋さんの仕事で、名前を付けて可愛がっていた鶏を鶏を可哀相に思うと同時に、久し振りに食べられる鶏肉は本当に嬉しかった。本橋さんは「現代はいのちを学ぶことが難しい時代。柔軟性のある子どもうちに殺している現実を見せる荒療治も必要ではないか」と提案する。

《本橋氏の家庭に限らない。敗戦後のちょっとした庭のある家庭では、鶏や兎を飼っていた。勿論愛玩としてではない。食糧難の時代の栄養補給が目的だ。自分で絞めたり放血のできない人は肉屋さんに持っていけば捌いてくれた。我が家では鶏や兎は母か祖母が捌いた。いのちを戴く思いは子どもの頃から身についていた。》

「食と環境問題」というテーマの中に、牛肉が食卓に届くまでの過程を描いた本が3月に出版された。食糧自給率や温暖化と食の関係性などを解説した「たべものがたり」(ダイヤモンド社)。トラックで屠場に運ばれた牛を休ませる場面や、解体、競りを経て店頭に並ぶまでを詳細なイラストと文章で説明する。

本を作製したNPO法人「Think the Earth プロジェクト」(事務局・東京】は、環境破壊や富の偏在など地球規模の問題を見据え、これまで「いきものがたり」「みずものがたり」を出版。上田壮一プロデユーサー(43)は「食と地球環境を考える時、農業の情報は多いが肉の情報は少ない。見えにくいからこそ、メッセージ性を強調せずにありのままを伝えたかった」という。

長年、食育の重要性を唱えてきた料理研究科の服部幸應さん(63)は「食べると言う行為の根幹は、いのちを繋いでいくためにいのちを戴くということ。他の動物の親が子に餌の取り方を教えるように、人間も自分たちの食べるものの成り立ちを子どもたちに伝えることが重要だ」と語る。

《食卓に並ぶ魚の切り身を食べても、元の姿を知らなかったり、野菜がどのようにどこで成長するのか(もっとも最近ではバイオ技術も取り入れられ、必ずしも土を必要としない育て方もあるが)を知らなかったり、動物園以外では牛や馬も見たことがない子もいる。言葉だけの「食物連鎖」を勉強しても、いのちの授業には程遠い。》


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2009年4月 8日 (水)

「米国は行動する道義的責任がある」

毎日新聞(4/7)社説から、 要約と《 》内は私見。
 オバマ大統領が5日発表した核廃絶に向けた包括的な戦略は、米核政策の大転換につながるとして世界的に関心を集めた。日本政府も6日、歓迎する意向を表明した。

社説は嬉しそうに『「道義的責任」よくぞ明言』と持ち上げた。チェコの首都プラハで「核兵器のない平和で安全な世界」の建設を訴え、「核兵器を使った唯一の核兵器保有国として米国は行動する道義的責任がある」と言い切ったことに対してだ。

《しかし、漫画に描けば、演壇のオバマの後ろ手には、いまだ捨てきれないクラスター爆弾がしっかりと握られ、その又後ろの倉庫内には、作られ続けた原水爆がうずたかく積み上げられているのが見える、という絵になる。マイクに向かって口先で、言いたいことなら誰でも言える。そのような世界最大の核保有国のボスの言葉に、メディアがそう易々と礼讃の社説を書いていいものか。》

社説は続ける、画期的な演説と言えよう。「道義的責任」といっても広島・長崎に原子爆弾を落とした責任を直接認めたものではまい。だが、そうではあっても米大統領が自国を「核兵器を使った唯一の国」と規定し、だからこそ核廃絶の先頭に立つと主張する論理は、少なくとも近年の政権には見られなかったものだ。オバマ大統領の率直な姿勢を高く評価したい。

ブッシュ政権下の07年、当時の久間防衛相原爆投下を「あれで戦争が終わったという頭の整理で、しょうがない」と発言して物議をかもした時、米政府高官らは「広島、長崎に原爆を投下したから米兵100万人が死ななくてすんだ」という論理を展開した。是非はともあれ、これが米国で支配的な考え方だ。

《この辺りの見解については、お互いに、食うか食われるかの殺し合いをしていた戦争を、敗戦後60年以上経過した現時点での価値観で、当時を評価することの意味をブログで取り上げ、私は久間の見解を支持し、辞任などする必要のなかったとする意見を書いた。参照(久間「しょうがない」辞任 07/07/04、世論『輿論』 07/07/08、久間前防衛相「しょうがない」の釈明について 07/08/03)。》

《それに、もともと国家間の戦争に、正義などと呼べるものが存在する、と言える人間がいるだろうか。弓矢、火縄銃の時代から、敵を殺すのに人道的な兵器が存在したであろうか。

フセイン・イラク政権を「化学兵器で自国民を殺した」などと非難する米国も、自国がプルトニウム型とウラン型の2発の原爆を日本に落とした事実には言及したがらない。一般市民への大量破壊兵器使用を正当化しきれなければ、米国は歴史的に大きな責任を負うからだろう。

しかし、難しい責任論などはさておき、私たちは素朴な願いを口にしたい。オバマ大統領はぜひ、広島や長崎の原爆忌に列席してほしい。「核なき世界」をめざす旅は、その恐ろしい兵器によって命を奪われた人々への鎮魂から始まると信じるからだ。「100万人救済説」は米国のイメージを歪めるだけだろう。

《浪花節的論調は、戦争を知らない世代の代表的な意見なのだろう。》

オバマ大統領は核実験全面禁止条約(CTBT)の批准を米議会に働きかけ、核の安全をめぐる国際サミット開催にも務める意向を表明した。CTBTは同じ民主党のクリントン政権が支持したが、共和党主導の上院が99年に批准を否決した。

また核兵器保有を5カ国に限定する核拡散防止条約(NPT)の体制強化と、兵器用核分裂性物質の生産禁止に関する「カットオフ条約」の交渉開始もめざすという。いずれの政策も歓迎したい。

《‘’言うは易し、行うは難し”だろう。世界のリーダーシップの地位を著しく貶めたアメリカだ。黒人大統領が生まれただけで、夢見るのは愚かしいことだ。》

NPTの枠外で核兵器を保有したインドやパキスタンや、大量の核弾頭を持つとされるイスラエルの非核化を図るのは容易ではない。しかし、米国が率先して世界の核軍縮を進めることは、北朝鮮やイランの核兵器保有を阻む国際的な動きにもつながるだろう。

「脱核兵器」は複数の元米政府高官も提唱している。「世界は変えられる」というオバマ大統領の呼びかけに、「イエス・ウイ・キャン」の唱和が広がることを期待する。

《随分と甘い期待と希望の社説を書いたものだ。》

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2009年4月 7日 (火)

続・「命」の授業 - 中 -

 消費者が知る機会の少ない食肉の世界だが、近年、映画や書籍で話題作が続いている。
07年秋から順次公開された映画「いのちの食べ方」(05年、ドイツ・オーストリア合作)は、工業化された職の現場を淡々と描写する。ドキュメンタリーとしては異例のヒットを記録した。イラストルポラーター、内澤旬子さんの「世界屠畜紀行」(解放出版社)は、モンゴル、イスラム圏などの食肉文化の豊かさや、屠畜に対する認識を描いた。昨年公開の邦画「ブタがいた教室」、エッセー「ぼくは猟師になった」(千葉信也著、リトルモア)など食といのちを考える作品も注目された。

 真っ黒な牛が柵の中から顔を出す。画面が切り替わり、放血が終わって片足を吊るされた牛は解体ラインに乗り列になって流れ始め、職人たちは大きな牛の皮を剥いでいく。

ドキュメンタリー映画「にくのひと」冒頭の一コマだ。07年にこの映画を製作したのは、当時、大阪芸術大3年生だった満若勇咲さん(22)=東京在住。作品は学内上映会で最高の賞を受賞し、その後アムネスティ映画祭(09年1月、東京)や人権学習会などさまざまな場所で上映されている。

撮影のきっかけは、牛丼チェーン店で3年間アルバイトをしたことだった。カットされた肉を連日、目にする中で芽生えた疑問だった。「この肉はどうやってできたんだろう」と。

牛などを解体する屠場を撮影しようと、首都圏や関西の数カ所に接触したが、どこも人権問題や衛生上の理由で断わられたという。そこで「ホルモン奉行」などの著書があるフリーライターで食肉産業に詳しい亀岡伸彦さん(45)を頼り、連れていかれたのが兵庫県加古川市食肉センターだった。ガラス越しに牛の解体工程を見られるブースがあり、学校や農協が主催する消費者グループの見学も受入れている。

センターを運営する加古川食肉産業協同組合の中尾政国理事長(56)は「こんなにオープンなところは全国的にも珍しいでしょう」と話す。公開するのは「ショックを受け忌避する人がいるかもという不安はある。でも自分で見て感じてもらった方が理解が深まる」と考えるからだ。満若さんは週1回センターに通って下調べや取材を重ね、約半年間で撮影した約35時間の映像を55分に編集した。「肉のことを知りたい」という興味から生まれた企画だが、完成した作品は、牛の屠畜・解体方法に関する部分が約半分。残りは屠場に対する差別、偏見や被差別部落についての中尾理事長や職人たちへのインタビューで、多様な価値観を浮かび上がらせた。

撮影前、映画の構想を話すと、周囲の反応は世代によって異なった。「同級生は『なかなか見られない場所だから見たい』などと興味を持ってくれたが、40代以上は『部落差別の問題は大丈夫か』『それはタブーじゃないのか』という反応が多かった」と振り返る。

「映画が評判になったのは、肉ができる過程を見たい人がいるから。そういう人たちが自分の目で見られるようになればいい」と満若さん。ただ、観客からの「いのちの大切さ」をめぐる問いかけには困惑を隠さない。「牛がどうやって肉になるかは理解できたが、半年間撮影したくらいで『いのちの大切さ』なんて分からない」というのが実感だからだ。「生き物の死をどうとらえるかは人によって違う。簡単に答えは出せない」と語る。

《半年も屠場にいて、いのちの大切さが分からないようでは、10年いても理解することなど到底不可能だ。ただ目の前の肉の塊を頬張り、旨い、旨いの連中にもいのちなんて何の関わりもないことだろう。》

《たしかに産院には毎年30万件からの人工妊娠中絶(報告されない数を合わせれば100万件近いともいわれている)をする女性が訪れる。心に罪悪感がないとは言わないが、処置を済ませた後は、自分の手で葬ることもせず、まるで置き土産のように弔いは病院まかせで知らぬ顔だ。カトリックほどの厳しい戒律は知らないにしても、鼓動を始めた幼い命を廃棄物同様に扱って後ろめたさを感じない。当の彼女や相手の男には、牛や豚など動物のいのちなんてただのカケラにしか写っていないだろう。》

2月下旬、NPO法人「シブヤ大学」(東京都渋谷区)の授業コーディネーター、加藤丈晴さん(43)ら4人は埼玉県和光市んお食肉解体・加工業「アグリス・ワン」もミートセンターを訪れた。

シブヤ大学は、環境問題などさまざまな分野の講師を招き授業を行なっている。加藤さんの関心は食といのち。山形県での1年間の農業体験を通して、「どこから来たか分からないものを食べる生活は、生きる力を失う」との思いを強め、自分も含めて都会で暮らす人たちの食のあり方への疑問が深まった。理想は、いざとなったら自分の食べ物は自分で調達できるという確信を持てる暮らしだ。

センターを訪れたのは、家畜が肉になる現場について学ぶことで、いのちを食べて生きていることを実感したいという思いをセンターに伝え、学びの方法について意見を聞くためだ。加藤さんは「自分たちの生が他の生き物の上に成り立っていることを理解するには、体感するしかない」と考える。

一方、吉田安夫センター長(58)は「食肉生産の現場はまだ学びの場として外部に開く心構えができていない」と戸惑う。「牛や豚が、生き物から食べ物に切り替わるところを消費者が普通のこととして受け止められるか。そうなるまでには相当の準備が必要だろう」と指摘する。

加藤さんたちは、講座参加者たちと一緒に屠場を見学したいと思うが、先ずは講演や映像を使って段階的に学習しようと経過中だという。肉についてどう学び、参加者とどう理解し合うか模索が続いている。

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2009年4月 6日 (月)

続・「命」の授業

毎日新聞(4/4)から、 要約 と 《 》内は私見。
 《命を粗末にする輩が年々ふえている。不景気が要因とも考えられているが、その数は昨年一年間で3万人を超える数をかぞえた。社説は「救える命を助けよう」とある。しかし、助けてその後の人生が恵まれるのかどうか、死ぬより苦しく辛い人生が待っているかも知れないのだ。自殺は社会的病理であり、個人の問題として片づけず、社会的要因を探って除去すべきだ、と書く。》

《しかし、死ぬことは生きることと同じ本人の自由(責任)でもあり権利でもある。好きに選ばせればいい。助けることはいらない。ただ、多勢の人間が乗っている電車や地下鉄に飛び込んだり、自動車に乗り込んで一酸化炭素中毒や、海や河川に飛び込んで、税金の無駄遣いになる警察や消防の手を煩わせるような迷惑がかからないように、姿形が残らないよう、死に場所を選んで消えてくれればいい。》

【閑話休題】
 《3年前、「命」の授業 を書いて、鹿児島県の小学校でアイガモを使った無農薬栽培で、役目を終えたカモを子どもたちが保護者や農家の人とさばいて食べる活動、生き物の「命」を学んでいることを書いた。》

今日(4/4)から3回に亙り「殺して食べる」と題して毎日新聞が「いのち」と向き合うことで生きることを考えようと1回目、“肉はどこから”を取り上げた。

「おっちゃんらは牛や豚を殺して品物にしています」。大阪府内の食肉市場の屠場*で働く岩本俊二さん(51)は1月下旬、大阪市西成区の市立松之宮小5年の総合学習の時間に講師として招かれた。黒板には「肉ができるまでのことをしっかり知ろう 働く人の思いを知ろう」と書かれている。

 * 屠(畜)場、私たち世代には屠(と)殺場として知られていた。現在全国には160カ所近い屠場がある。その多くは、地方自治体が設置し第3セクターなどが運営している。屠畜場法は「牛、馬、豚、緬(めん)羊、及び山羊(やぎ)」については原則として、都道府県知事(保健所を設置する市の市長)の許可を受けて設置された屠場内でしか食用に屠畜・解体することはできないと定めている。
 現在、日本の屠場では牛や豚を気絶させ、放血してから枝肉として出荷するまで一度も床に触れることがない「オンレール方式」を採用。01年に国内でBSE(牛海綿状脳症)が発生後、屠場に入ってくる全牛の検査を実施しており、結果が出るまでは肉も内蔵も外部に出せない。

岩本さんは、市場内の写真や牛の皮を剥ぐ道具を見せ、牛を枝肉にしていく工程を説明した。肉と皮を傷つけずに皮を剥ぐには技術が要ること、差別を恐れて結婚相手の両親や自分の子どもにも職業を言えない同僚がいることなども。児童の質問に岩本さんは次々と答えた。

ここ10年近く、「食育」の大切さが盛んに言われ、総合的な学習の時間などに農業体験や魚の解体を取り入れる学校が増えた。しかし、肉を切り口にした食育はあまり進んでいない。社会科の授業では5年生は職業について学ぶ。主な出版社の教科書は農業、水産業に20ページ前後を割き、酪農や畜産に1、2ページを充てていても、牛が食卓に上がるまでの課程には触れていない。消費者の目から屠場を遠ざけてきた背景には、動物を殺すことへの忌避(きひ)意識や、動物の解体に従事する人たちへの差別の歴史《4日のブログで少し触れた》がある。

松之宮小は人権学習の一環で「牛」の学習を約20年続け、学区内のホルモン店や牛革を使う太鼓店を見学している。05年度の5年生は、牛を肉にする仕事を学ぶことにした。

《鹿児島県の小学校では、逆さに吊るされたカモの首を切り、放血させるのを直に見せるのだが、暴れる牛(或いは電気ショック後でも)の放血も、きちんと見せるのだろうか。》

岩本さんを招いた授業の前、授業を担当した中井久子教諭(51)らが児童に屠場のイメージを尋ねると、「暗い」「残酷」などの言葉が並んだ。そこで、食べ物がどこから来るのか考える教材として絵本「いただきます!」(二宮由紀子文・荒井良二絵、解放出版社)の読み聞かせから始めた。絵本は、人間も食物連鎖の中で生きていること、おいしそうなハンバーグが食卓に上がるまでには多くの人たちの仕事があることを伝え、皿の上にのった牛や鳥や野菜たちが「かわいそう」かどうかを問いかける。

さらに、日々食べている肉が実際にどのように作られるのかを知るために、牛の眉間を特殊な銃で撃ち失神させる「ノッキング」と、「放血」の映像を見せた。

《やはり、目の前で、実像でないと効果は半減する。》

衝撃を受けるかもしれない映像を児童に見せるかどうか、事前に教員同士で話合った。「肉を取り上げる時に、直接『命』にかかわる部分が普段隠されている。なぜ隠されているかも含めて子どもたちに考えてほしかった」と中井教諭。結局、映像を直視できなかった児童は1人で、多くの児童は教師たちが以外に感じるほど淡々としていた。

岩本さんの授業中、児童が質問した。「ノッキングや放血の時、どう思っているんですか」。岩本さんは「失敗しないように、喉を切る時にまっすぐ切れているか、ちゃんと血が抜けているかを注意しながら仕事しています」と応じた。あくまで肉を作る工程の一つという意識だ。

授業後の感想文で、児童の1人は「まだ(牛が)かわいそうやなという気はするけど、その仕事をしないと自分も食べることができない」と綴った。中井教諭は「食に関する学びも、屠場差別を知ることも、命をめぐる問題の本質を直視すること。屠場から学ぶことは多い」と語る。

国内最大規模の東京都中央卸売市場食肉市場の芝浦屠場(東京都港区)では、毎日平均牛380頭、豚850頭が解体されている。JR品川駅に近い市場の中心に「お肉の情報館」ができたのは02年12月。家畜の飼育から出荷、解体の工程を一般向けに紹介する数少ない施設だ。枝肉や内蔵の実物大の模型、毛皮にも触れることができ、年間2000〜5000人が見学する。

市場で働く栃木裕さん(52)らも小学校などに出向き授業を重ねてきた。「以前は、殺しているけど『活(い)かしている』と説明してきた。今は殺していることを否定してはいけないと思う。すべての人間は他の生き物の命をもらってしか生きられないんだから」と語る。

多くの家庭で毎日のように食卓に並ぶ肉。しかし生きた牛や豚が肉になる過程が顧みられる機会は少ない。そんな中、食肉を知ることを通じて生きることを考えようという動きも出てきている。

《日本には何の関係もないことで大騒ぎする、北朝鮮の話題ばかりの新聞に目を通すのがいやになっていたところだ。久しぶりに骨のあるテーマが取り上げられた。後に続く回に期待する。》

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2009年4月 5日 (日)

子どもの入学と携帯電話

 北朝鮮が打ち上げる、日本に落ちるはずもないミサイル騒動に、あたふたと動き回り鳥の羽音に驚いたように、誤報を垂れ流して国際信用を失った。恐らく当の北朝鮮はしてやったりと、手拍子打ってはしゃいだであろう。もともと騒ぐ必要のないことは 北朝鮮「衛星発射」通告 で書いておいた。

一転して今日は、北のミサイルは一夜あけると「飛翔物体」と名を替え、日本の遥か上空を悠々と飛び去った。報道は、打ち上げ時刻でさえ、11時ごろ、或いは11時半ごろ、といかにも自信なげな口調で終始している。街の声は「えっ、撃ったんですか、いつ?」「怖いですね」「日本に落ちなくてよかったです」など、政府の思うつぼのような北朝鮮敵視感情の盛り上がりに成功したようだ。

大山鳴動して鼠の一匹も出ないドタバタ騒ぎはもういい。日本政府も振り上げた拳の持って行く先は、核兵器を山ほど溜め込んでいる大国が顔を揃える、役にも立たない国連だろう。

【閑話休題】毎日新聞(4/4)から、要約 と 《 》内は私見。
 入学シーズンを迎え、子に携帯電話を持たせる家庭が増えるという。ネットを利用した児童買春やいじめ、ケータイ依存が問題化する中、「青少年インターネット環境整備法」が1日、施行された。企業に子どもが安心して使えるネット環境作りを義務付けるとともに、親にも“ネットのしつけ”の責務が課された。何をすればいいのか。

《入学とは小、中のいずれを指しているのだろうか。まさか小学校への入学を祝って、支払い能力もない子に携帯電話を持たせるバカ親はいまいと思うのだが。記者(女性)も「児童」を18栽未満と仮定しての記事のようだ。それにしても児童売買春を買春とだけしか書かないのは片手落ちの表現だろう。》

青少年インターネット環境整備法は、18栽未満が使う携帯電話やPHSに有害サイトを閲覧できなくするフィルタリング機能を付けるよう、企業に義務づけている。子どもが使う携帯やPHSには購入時に店頭で無料提供し、成長に応じ解除できる。

また、親に対しては
 1)ネットの有害情報による犯罪やいじめの発生状況を知る
 2)携帯電話購入時には「子どもが使う」と店に申し出る
 3)ネットの適切な使い方を子に教える
などが課された。

フィルタリングにより、出会い系など有害サイトへのアクセスはできなくなるが、掲示板に安易に個人情報を書き込んだり、メール依存になるのを防ぐには、家庭内でのルール作りが必要になる。

《この程度のことは、すでに言い古されてきたことだ。にも拘らず事件や事故が起こるのは、親は子に携帯電話を与えるが、その使い方については子の方が遥かに上達が速く、親は子についていくことさえできなくなる。そして、親は子がどのように使っているかを全く気にしなくなる。育児教育の放棄だ。》

「インターネット先進ユーザーの会」(東京都)の小寺信良代表理事はまず、購入時の親が機種や料金コースを選択し、コンテンツ代の上限設定をするよう推奨する。教えるべきマナーとして
 a、食事中はメールをしない
 b、人と話している時は操作しない
 c、利用時間を決める
などを挙げている。ただし、「マナーだけでは不十分。自分で問題に対処できるよう、早くからネットの仕組みを教えるべきだ」という。簡単な仕組みは10歳程度で分かるという。

《一桁世代には信じられないことだが、代表理事が取り上げて禁止を呼びかけるということは、それらのことが日常的にどこの家庭でも行なわれていると見なければならない。戦前の家庭では、食事中にペラペラとおしゃべりをすることや中座をすることなどは行儀の悪いこととして、親は子に注意した「黙って食べなさい」と。テレビが茶の間に置かれて箸が進まない子が増えた時代もあった。今では子を囲んで食事する一家団欒の風景さえ少なくなった。子は勝手にテレビを眺め、片手に携帯電話を握って食事する。そのような子に、マナーを身につけさせることなど不可能だ。》

特にメールの特徴を理解させることが重要だ。電話はお互いが伝えたいことを確認し合って話を進めるが、メールでは言いたいことを一方的に送りつけることが可能だ。「子どもにはその違いが分かりにくい。メールの交換で誤解が生じたらすぐに電話するか、会って話すよう教えることです」と。

同会は冊子「“ネットと上手く付き合うために”をウェブ上で公開中だ。総務省などは親の啓発の無料出前講座「eーネットキャラバン」を主催している。

《親への啓発は、「18歳未満の子には携帯電話を持たせないように」と呼び掛ける以外、現在発生している携帯電話に絡む問題を防ぐ手立てはない。もたせたからといって決して子どもの身の安全を保障する道具ではない。それでも子どもに携帯電話を与えるような親は、わが子の身に携帯に絡む問題(依存、いじめ、売買春など)が起きても、「己の播いた種」「自業自得」と受け止め、他人を責めることのないよう、悟らせることだ。》

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2009年4月 4日 (土)

最下層被差別調理人の作る給食を拒否

毎日新聞(4/4)から、 《 》内は私見。
 ややこしいタイトルになったが、インドに残る身分制度(カースト*)の最下層に置かれ、不可触民(ダリッド)と差別されている人たちのことだ。

 * カースト 南アジアの因習的な身分制度。高位順にバラモン、クシャトリ、バイシャ、シュードラ の4区分がある。ダリッドはさらにその下に置かれ、人々が嫌がる仕事になうなど露骨な差別を受けてきた。政府は、低位の人々に医療補助や大学の入学枠などを定めたが、今度は中高位の人々が「逆差別だ」と訴える問題も起きている。

《日本でも過去には、屠殺をなりわいとする人たちを集団で住まわせたことから特殊な部落を形成して生活する人たちがいた。比較的都会では少なくなったとはいえ、今でも全国的に部落民とささやかれ、進学や就職、結婚などで差別を受ける人たちがいる。》

インド北部の小学校で、ダリッドと差別されている人々が作る給食をボイコットする騒ぎが起き、波紋を広げているという。経済成長や国際化が進むインドだが、数千年続いてきた悪しき慣習はなかなか消えない。

騒動が起きたのはウッタルプラデシュ州東部アンベドカル地区にある小学校。同州は人口約1億6000万人のうち約6割が低位のカーストに属している。07年5月の州議会選挙で、ダリッドが支持母体の「大衆社会党」が大勝し政権を掌握した。こうした情勢を背景に同地区の評議会が昨年12月、ダリッドの女性2人を小学校の調理人として初めて採用した。ニルマラ評議会議長(35)は「いい料理人を探していたら2人を見つけた」と“能力主義”を強調する。

ところが、全校児童129人のうち半数に当たる中高位カースト65人の親が採用撤回を要求してきた。聞き入れられなかったことから、自分の子どもに給食を食べさせるのを拒否する事態に発展した。父親の1人は「これは差別ではなく、我々の伝統文化なのだ」と言い切った。

《自分よりもまだ低い下がいて、上位意識が持てることで安心できることが、差別がなくならない要因でもある。》

これに対し、ダリッドの調理人、マダヌラさん(28)は、「仕事に生き甲斐と誇りを感じている」と言った。勤務時間が短いため給料は1日わずか20ルピー(約41円)だが、「公職に就けたこと自体が嬉しい」と笑顔を見せた。もう1人のプラワティさん(50)も、衛生面には細心の注意を払っている。「食中毒が起きればダリッドから二度と雇ってもらえなくなる」との危機感からだ。

学校では昼時になると、給食を食べる児童と、それを後ろで見守る児童に分かれる。ボイコット組は自宅に帰って昼食を食べている。ただ、両親から給食を食べてはいけないと言われているラジャン君(12)は「1度内緒で食べたけど、おいしい。それに友だちと一緒に食べる方が楽しい」と。その言葉に周りの子どももうなずいてみせた。

同地区は、身分差別を禁じたインド憲法(50年制定)の草案責任者で、ダリッド出身のアンベドカル元法相の名と同じだ。そのため給食拒否問題は全国に議論を巻き起こす事態となった。

3月下旬に問題を最初に報じた地元の「サハラ・テレビ」のハヌマン・シン記者(30)は、「カーストは人間の可能性を奪う。インドのジャーナリストも高位カーストの特権職業だったが、今はカースト間に能力差などないことが証明されている」と語り、カースト全廃の必要性を訴えた。

《とはいいながら、「カースト全廃」にはカーストの言葉が付きまとう。日本の部落民問題の「解放」も同じだ、何からの解放? 差別からの解放、で差別の字がついてまわる。知らなければ何と言うこともないカーストや部落民について中途半端な興味を持つ。そして、ああ、まだ下に人がいるんだな、俺は、わたしは、まだましだな、自分はいま以上には悪くなるまいと考える。カーストがあることで1ランクでも上位の人間は逆に住みやすくなるのだ。その悪しき慣習の安住の地が脅かされると感じたことが今回の騒ぎを大きくしているのだ。》

《私の愛聴盤に当時人気のグループ「赤い鳥」が歌った45回転のシングル『竹田の子守唄」がある。売れるほどに一体この竹田の地はどこだろう、土地探しが始まった。そして、被差別部落が突き止められ、その途端にメディアはこの名曲を電波に乗せなくなった。私に言わせれば逆差別とでも言える扱いだ。このように却って差別意識を煽るようなことになるのだ。》

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2009年4月 3日 (金)

時効見直し、4案提起

 17日の報道では法務省は4月から、服役が30年を超えたで無期懲役刑の受刑者に対し、仮釈放の審理を一斉に始めることを決めた。30年で許可されなかった場合も、その後10年おきに定期的に実施する。同省保護局長が通達を出し、制度化した。被害者・被害者家族或いは遺族抜きで犯罪者に対して人道に名を借りた温情施策が打たれようとしている。日本にはない終身刑は一生出所できないが、もともと無期懲役とは無期限の懲役ということではなく、決められた期間がない、ということで必ず出所することが可能な刑だ。服役中、大人しくしていれば模範囚とも呼ばれ、14、5年も我慢していれば出所可能。傷ついた人、亡くなった人たちはどうにも浮かばれないことではないだろうか。同じように殺人事件など凶悪犯罪でも逃げおおせば刑事罰が消滅して2度と起訴されない凶悪犯について、時効の見直しが検討されている。

毎日新聞(4/3)から、 要約。
 森英介法相は3日の閣議後会見で、殺人事件など凶悪・重大事件の公訴時効を見直す勉強会の検討結果を発表した。法改正する場合の方策として、時効の廃止や期間の延長など4案を挙げたが、結論は出さなかった。法改正した場合、改正前に発生した事件への遡っての適用『遡及(そきゅう)適用』が可能かどうかも含めて検討し、夏ごろまでに新たな方向性を打ち出す。

勉強会は、法相、副法相、政務間と刑事局長ら法務省幹部で構成する。今年1月から早川忠孝政務官を座長とする省内のワーキンググループを中心に検討してきた。

 【公訴時効】
 犯罪から一定期間が経過した場合に刑事罰が消滅する制度。その後は起訴(公訴提起)されない。時間の経過とともに証拠が散逸することや、処罰感情の低下などが根拠とされる。刑事訴訟法の改正で05年以降、殺人罪は15年から25年に延長された。
 98年〜07年(10年間)の時効成立は、
  殺人 489件
  放火 303件
  強盗 680件
  強姦 306件。

制度見直しの必要性については、昨年以降、殺人事件の被害者遺族が廃止などを訴えている点を挙げ「被害者の声や国民の正義観念を十分に踏まえた検討が必要」と指摘。一方で、05年施行の刑事訴訟法改正で時効期間が延長されていることから、「現時点で再び改正する必要があるかも検討する」とした。

新たな方策として、
 1)時効の廃止 2)時効期間の延長 3)容疑者が分からなくてもDNA型情報を被告として起訴する制度
4)検察官の請求で停止(延長)する制度、 の4案を提示。それぞれに賛否両論を記載した。

▽「廃止」については「犯人が時効成立後明らかになったのに処罰できない事態は生じなくなる」と利点を挙げる一方で、捜査機関が人員や証拠を長期間維持できるかなどの問題があるとした。
▽「延長」については「現行制度との違いは比較的少ない」と評価したが、一定の罪だけを延長した場合、他の時効の長さとのバランスがとれない、とした。
▽「DNA起訴」は米国などに制度があるが、対象となる事件の範囲が極めて限られると否定的にとらえた。
▽「検察官による停止」は、DNA起訴と同様にDNA情報など確実な証拠がある場合に処罰が可能になるという利点があるが、法定刑に応じて一律に時効期間を定める現制度の考え方と整合しない理論上の問題を指摘した。

制度見直しの対象犯罪となるのは、1)殺人、2)放火などを加えた最高刑が死刑の罪、3)傷害致死や危険運転致死を加えた故意の犯罪で人を死亡させた罪、4)自動車運転過失致死なども含め人を死亡させた罪、を挙げた。

犯罪被害者団体からは国が制度見直しに取り組み始めたことを積極的に評価する声がある一方で、日本弁護士連合会には、時効廃止や長期の延長は容疑者・被告の人権を損なう可能性があるとして反対意見が根強い。刑事裁判への参加など被害者の権利保護が進む中、容疑者が判明していない未解決事件の遺族たちにも光が当たるのか注目が集まる。

解説(石川淳一)では憲法との関わりに触れているが、憲法は、違法行為の実行時の後に定められた厳しい罰を科すことを禁止する「遡及処罰の禁止」を掲げている。時効の遡及適用は違憲とする学説もあり、前回公訴時効を延長した05年の刑事訴訟法改正の際も、ほとんど議論されなかった。

これに対し、省内には「当時、遡及を適用していれば、たった4年で議論は再燃しなかった」と当時の議論不足を指摘する声もあるという。法改正につながっても遡及適用がなければ、いま声を挙げている遺族たちは救われない。この点を踏まえて勉強会は、検討は避けて通れないと判断した。

今回の議論は、刑事裁判への被害者参加制度(昨年12月施行)などを実現した被害者施策の一環と位置づけられる。再び問題が浮上しないよう、あらゆる角度から、拙速にならない議論が求められる。

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2009年4月 2日 (木)

首都圏のJR全面禁煙

毎日新聞(3/30、4/2)から、 要約と《 》内は私見
 先に、全国で初めて民間施設を含み屋内喫煙を規制する神奈川県の「公共的施設受動喫煙防止条例」が24日、県議会で成立したが、当初の「全面禁煙」からは内容が後退し、国内での喫煙規制の難しさを印象づけた。

08年4月、松沢知事はWHO(世界保健機関)の「たばこ規制枠組み条約」を引き合いに出して全面禁煙を打ち上げた。彼は「県民を受動喫煙被害から守る」と大見得をを切ったが、約1年後成立した県条例では飲食店の7割以上、宿泊施設の約半数、パチンコ店全店を規制から外し、規制対象の「分煙」も容認することになった。飲食店への過料の適用は1年先送りした。

《彼の、喫煙者の権利無視の独りよがりは3/19日に取り上げた。》

後退理由の一つは業界団体やたばこメーカーの反発。パチンコ店などを視察した知事に「死活問題だ」と迫り、県は議会提案前の条例骨子案(昨年9月)の段階で分煙容認に転じざるを得なかった。

県議会の過半数を占める自民など県政野党会派との対立も大きい。知事の選挙公約でもある条例に対し、内容を検討する前に「制定ありきのパフォーマンス」などの批判が渦巻いた。

ただ、県幹部は当初から「落としどころを探る」と漏らしていたし、知事自身も「全面禁止が通るとは思わなかった。まず注目を集めることが必要だった」と今になって明かした。

《目立つ旗を振るだけの選挙公約だったわけだ。》

一方、国の対策も全面禁煙を巡り揺れている。神奈川県の条例成立と同じ24日、厚労省の検討会も、飲食店などを含む公共的施設について「原則全面禁止」とする報告書をまとめたが、1年前の発足当初の議論からは後退し、分煙を「一つの方策」と容認した。

《一方で、国が税をかけ、国家の収入源として販売を認めている嗜好品だ。しかし、全面禁止にしなければならない程、或いは人目につかず、隠れて吸わなければならない、それほど健康に悪いものを売るのを許しているのは一種の国家犯罪とも言えよう。》

また、法令で禁煙を促すことは「国内たばこ産業の発展を目的にした『たばこ事業法』との整合性が問われることになる」(厚労省幹部)などの事情もあり、容易ではない。神奈川県に続く条例化の動きはなく、昨年8月から飲食店の受動喫煙防止の検討会を設けている東京都の福祉保健局も「業界と協力して『禁煙店』ステッカーの普及など、できる範囲から対策を進める」とするだけだ。

♢国内外の主な受動喫煙防止策(神奈川県の調査などを基に作成)
 
 国・地域    規制内容の特徴     罰金・加療最高額
 (施行時期)
  韓 国  150平方メートル以上の    個人3万ウオン(約2300円)
 (95年1月) 飲食店は半分以上を禁煙 管理者300万(約23万円)
       区域にする

 米ニューヨーク市 規制により売上げが減った  管理者400ドル
 (03年1月) 飲食店は規制対象外に    (約8万円)

 スペイン  100平方メートル以下の飲食店  約597ユーロ
 (06年7月) は全席喫煙・禁煙を店が選  (約8万円)
       ぶ。

  香 港  大小飲食店などに加え今年  個人5000香港ドル
  (06年)  7月からバー、マージャン店など  (約6万5750円)
        も禁煙

  英 国  パブ、クラブなど大小飲食店  個人50ポンド
  (07年7月) を含め公共の場は殆ど    (約7340円)
        全面禁煙        管理者2500ポンド
                    (約36万7000円)

  神奈川県 調理場を除き100平方    個人2000円
 (10年4月) メートル以下の飲食店と、    管理者2万円
       700平方メートル以下の
       宿泊施設は対象外

 ニューヨーク市のように、規制で売上げが減った飲食店は規制の対象外とする、など厳しい規制の影響を受けることは最初から想定しているところもある。前置きが長くなり過ぎた、そろそろ本論に移ろう。
【閑話休題】
 首都圏のJR東日本各駅で1日、全面禁煙が始まった。都心から30〜50キロ圏内の1都4県の駅が対象で、禁煙となる。昨年1月のタクシーに続く禁煙化の流れだが、喫煙者の中からも「こういう世の中だから」と理解(諦め)を示す声も多かった。

埼玉県浦和駅ではホームにあった喫煙スペースが撤去され、「終日禁煙」のポスターが掲示された。さいたま市の主婦(65)は「レストランも分煙でないと入りたくない。喫煙者にはストレスになるかも知れないが、長い目で見れば本人の健康のためにもいいこと」と。

《これこそ余計なお世話というものだろう。本人は好きで嗜んでいるものだ。病気になろうと自業自得というもの、65歳のばあさんから心配してもらうことなどない。ストレスの問題はいずれ発生するだろう。何でもかでも病気のもとをストレスに結び付ける流行が最近の医学だ。禁煙ストレス症候群なる病が遠からず続々と生まれるのは間違いないことだろう。また、次のように、単純に煙が嫌いなだけの人もいる。川口市の主婦(45)は「近くで吸われた時のにおいが気になっていた」と。臭いが理由になるのなら、たびたび言ってきたことだが、たばこ以上に酒臭い息も我慢ならないが・・・。》

一方、さいたま市南区の会社員男性(54)は「仕方がない。喫煙ルームを造ってくれるとありがたいのだけれDP」と残念そう。別の主婦(65)は「目の敵にされているみたい。ちょっと一服したいときにつらいわね」とため息を漏らした。

JR東日本大宮支社広報室は「苦情などの報告は特にない。お客さまにも理解していただけたのではないか」としている。大宮駅構内5カ所にある喫煙ルームは引き続き利用できる、という。


 

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