不景気でも虚栄心だけは
女心の美味しいところにうまく目をつけたものだ。人よりいいものを、自慢できるものを、今まで憧れだけで持てなかったけれど、羨望のブランド品が今ならわたしでもと、賃貸業が華やかなようだ。お上品に言えば節約ビジネスだって。
毎日新聞(3/6)から、
景気悪化で賃金・雇用の先行き不安が高まり、消費者の財布の紐がどんどん堅くなってなる中、ブランド品の賃貸しや衣料品の「直し」、格安の飲食店など節約志向に対応したビジネスが好調だ。家計のやりくりに苦労する主婦やサラリーマンたちの心強い味方になっているようで、節約ビジネスは今後も拡大しそうだ。
《本当に生活が苦しいのなら、自己満足だけのおしゃれなブランド品を借りることなど無理な話だ。借りる金があるのなら、無印品やカジュアルでおしゃれな物がいくらでもある。友達とあって、ブランド物を高々とこれ見よがしに「このヴィトン、○○円で借りてきたの」と会話が弾むのだろうか。それとも自己資金をつぎ込んだように見せるのだろうか。》
高級ブランドのレンタルサイト「Kariru」(かりる)は、エルメスやルイ・ヴィトンなどのバッグ、アクセサリー約200点を扱う。ネットで注文受け、宅配便で自宅に届けられる仕組みで、1000〜3万9800円。購入するより断然安い。主婦を中心に昨秋から利用が急増している。会員はこの半年で20倍超の約800人になった。
Cariruを運営する「ニューウエル」(東京都港区)の岩田光枝社長(34)は「景気悪化が利用増につながっている」と指摘。月1回バッグを借りる兵庫県の主婦(58)は「家計に買う余裕はないが、おしゃれはしたい」と話す。
《レストランに続いて今度は観光地、「ミシュランのお名指し」というだけで有り難がる日本人。如何にも権威に弱い国民性が如実に出てくるようだ。個性を身につけることができず、外国人の目には異常なまでの風物詩でブランドの名前に弱く、猫も杓子も烏合の衆になってお揃いのお仕着せになる。ルイ・ヴィトン、プラダ、エルメス、車ならベンツ、そして時計はロレックス、などなどと。せいぜい不況につけ込む賃貸業者を儲けさせてやることだ。》
【追記】3/7。
ブランド好き、権威好きをバカにされ、餌食にされるニュース。
財務省は6日、偽ブランド品など知的財産侵害物品の08年度の輸入差し止め件数が、前年比16・6%増の2万6415件の達したと発表した。8年連続で過去最多を更新した。8割以上の約2万1500件が中国からの輸入品だったという。
《中国の偽物作りを攻撃するよりも、ブランドに溺れる日本人の情けない生活を恥じるがよい。疾うに中流から脱落している生活を、いつまでも中流と思い込み、精神的には下流の生き様をしているのが日本人だ。ブランドにしがみつく卑しい心根が恥ずかしい。》
点数は9・2%減の約94万点。シャネルやルイ・ヴィトン(そう言えば、銀座、数寄屋橋に出店を予定していたヴィトンは売行き低迷で撤退とか。早く日本から出て行けばいいのに。)など高級バッグ類の不正コピー製品が最も多く約14万点(全体の14・9%)にのぼった。
《瀟酒(しょうしゃ)に身繕い、ヴィトンを下げていても、偽物、借り物を疑う詮索の目で見られるだけだ。》
差し止め物品を正規品価格で換算した不正輸入額(被害額に相当)は約206億円と、前年(約385億)からは減少した。メーカーの不正防止策強化でバッグ類の偽ブランド品が前年より少なくなったため。
《水際で止めたのだから実際には被害は生じていない。損害は中国を筆頭に輸出国に発生しただけ。いずれにしても、どれだけ飾り立ててもブランド頼りでは、ちっとも人間は上がらない。》
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