宇宙ゴミ(スペースデブリ)
高度2000km以下の軌道を周回する宇宙ゴミの概念図(Wikipediaから)
宇宙ステーションやロケットに興味はないが、先日のあの広い筈の宇宙空間で、衛星同士が衝突し大騒ぎになったのには魂消た。ステーションの便器の修理に巨額の資金を投じてまで空遠く出掛けて何の益があるのか知らないが、その度に、宇宙にまき散らす宇宙ゴミ(スペースデブリ)は増え続けているようだ。
稼働中の米国の通信衛星と機能停止したロシアの通信衛星が、シベリアの上空約790キロで衝突した。1957年に人類が初めて人工衛星を打ち上げて以来、世界各国で4000回を越え、都度宇宙ゴミは発生し、多くは大気圏へ再突入し燃え尽きたが、中には大気圏に突入しても燃え尽きることなく地上へ落下したものもあるのだ。そして宇宙には現在でもなお4500トンを超えるゴミが残されたままだ。今回の衛星同士の衝突事故は、打ち上げが行なわれて以来初めてのことだそうだ。
毎日新聞(3/4)『なるほドリ』から、
Q どうしてぶつかってしまったの?
A 詳しい原因はよく分かっていません。専門家によると、事故が起きた高度800キロ付近は地球観測に好都合なため、人工衛星の軌道の中でも混雑している領域だそうです。米航空宇宙局(NASA)によると、地球の周辺を人工衛星やロケットの一部、宇宙飛行士が落とした工具など、地上から観測できる10センチ以上のものだけで約1万7000個の物体が廻っている。宇宙ゴミ(スペースデブリ)と呼ばれている。
Q ゴミだらけなんだ。
A そうです。しかも、角度によっては秒速10キロもの高速でぶつかることがあり、1センチ程度の大きさでも人工衛星に致命的な損傷を与える可能性があります。衝突によって新たな破片ができ、それが別の衛星へ衝突する可能性を飛躍的に高める「ケスラー・シンドローム」という現象を引き起こす危険も指摘されている。
《宇宙ゴミは、耐用年数を過ぎ機能を停止した(された)、または事故や故障などにより制禦不能となった人工衛星から、衛星などの打ち上げに使われたロケット本体や、その一部の部品、多段ロケットの切り離しなどによって生じた破片、宇宙ゴミ同士の衝突で生まれたより微細な宇宙ゴミ、更には宇宙飛行士が落とした「手袋・工具・部品」なども含まれる。
Q 避けられないの?
A 地球周辺の非行物体については、米国とカナダが共同で運営する北米航空宇宙防衛司令部などが、地上から望遠鏡やレーダーを浸かった24時間体制で監視しています。人間が乗り組むスペースシャトルや国際宇宙ステーションに衝突する危険があると分かれば、司令部が警告し、シャトルやステーションの軌道を変更して避けることになっています。しかし、観測できない小さな宇宙ゴミまですべてを避けることはできません。
Q 事故を防ぐにはどうすればいいの?
A すでにあるゴミを減らすことは難しいので、これ以上ゴミを増やさないことだす。国連の宇宙空間平和利用委員会は07年、宇宙ゴミに関するガイドラインを作りました。活動を終えた人工衛星は速やかに軌道から離れることや、用済のロケットが爆発して新たな宇宙ゴミを生み出さないよう、燃料を排出してから放棄することなどが推奨されています。
《役目を終えた液体燃料ロケットの推進剤が残っていると、タンクの隔壁に亀裂が入って燃料と酸化剤が接触・反応したり、太陽熱によってタンクの内圧が上がったりして爆発することがる。タンク内の推進剤をすべて放出してしまえば防ぐことができるが、対処が取られるようになるまでに打ち上げられた以前のロケットが10年以上経ってから爆発した例もあるという。また、衛星に搭載されている二次電池が回路のショートによって加熱、爆発することもあるという。地球環境は問題になっているCO2だけではない。愚かな人間の智恵によって遥かな大空の果てまで汚され続けているようだ。》
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