« 神奈川県の禁煙条例悪あがき、 ほか | トップページ | 続 救急受け入れ »

2009年3月20日 (金)

救急受け入れ

   水仙
Dscf03_6 メディアは苦しい医療現場のことは取材して理解している筈なのに、やはり現場の状況など全く考慮しない表現で「拒否」と書く。それも今回は『救急受け入れ 48回』と大書して。

毎日新聞(3/20)から、 《 》内は私見。
 重症患者の救急搬送にあたり、昨年、医療機関から48回受け入れを拒否されたケースがあったことが19日、総務省消防庁がまとめた08年の救急搬送に関する実態調査結果で分かった。東京都内で食道静脈瘤破裂を起こした40代男性で、49回目の照会でようやく受け入れ先が見つかった。救急受け入れ態勢の改善には、なお時間がかかりそうだ。

受け入れを10回以上拒否されたのは、重症以上の病気や怪我による患者が40万9190件中903件(0・2%)あった。妊婦や新生児は1万6298件中で47件、子どもは32万4149件中244件だった。妊婦では妊娠30週で切迫早産の30代女性(東京都)が25回、子どもでは左前腕骨折の10代男子(同)が29回断られた例が最多だった。

《同じテーマの時に書いたが、誰でもいいから融通することで受け入れられるようなサービス業なら何も断る必要はないだろう。救急の相手は一時を争う急患だ。専門医が必ずいるとは限らない。麻酔医は不足している。それでも次々に見込みで請け負って、処置を待つ間に急変でもされたら、メディアの格好の攻撃材料だ。『急患を待たせたままで○○時間、すでに手遅れ状態だった』『専門でない医師の手にかかって命を落とす』、或いは激務の勤務状態から、『疲労が重なり判断を誤ったか』など活字が踊ることになる。命を預かる職業だ。簡単に見込みで受け入れることはできないのは当たり前のことだ。「拒否」ではなく「受け入れ不可能』なのだ。》

救急車が到着してから搬送先の医療機関が見つかるまで、2時間以上その場で待たされた例は
 重症患者 160件
 妊婦    7件
 子ども   9件
受け入れ拒否の理由は、スタッフが不足しているなど「処置困難」が最多で、手術中や患者対応中のため対応できないとしたケースも多かった。

また、深刻な病気や怪我の患者を受け入れる救命救急センターや大学病院の救急部など全国264施設を都道府県別に調べたところ、患者の受け入れ率が最も低かったのは
 奈良(3施設)の52・8%。 次いで
 東京(26施設) 72・4%
 宮城(4施設)  76・4%
 大阪(15施設) 85・6%
   全国平均   93% だった。

07年には1人で62回受け入れを拒否された例があったが、消防庁救急企画室は「前年と比べて状況はそれほど変化はない」と分析している。

《基本的な国の医療政策、システムが変わらない限り、現在のようなことが常態化するだろう。そしてメディアは全国のデータを集めて発表するだけで、どこどこは拒否X件、○%、こちらは拒否X件、○%などと書くだけだろう。これは日本だけにとどまらないことのようだ。毎日新聞が今月7日に「世界の医療現場」としていくつかの海外の国にもある課題を取り上げている。

先ずは米国。
 世界最高水準の医療を誇りながらも、その恩恵を受けることができない実態があるようだ。映画「シッコ」(07年公開)でマイケル・ムーア監督が告発したように、多くの米国民は高額の医療費と、いびつな医療保険制度に悩んでいる。

 米国の公的医療保険制度は、▽65歳以上の高齢者、▽障害者、▽低所得者 が対象のものに限られ、一般の勤労世帯は民間の医療保険に頼らざるを得ないのが実態だ。だが、保険料は高く、また持病があると加入を拒否されやすいなどの理由で、全米で約4900万人が無保険だ。保険がなければ風邪の診察だけで100〜150ドル(約9500〜1万4000円)かかる。救急車も有料で、呼べば保健の有無、クレジットカード番号を尋ねられるという。

《旅行者は、アメリカ旅行中は、風邪も引けない、と言われる所以(ゆえん)だ。》

保険加入後も安心できない。保険料によって保険会社の医療機関への年間支払上限額が決まる。このため自己負担額が増える傾向があり、医療費支払い専用クレジットカード市場も発展。民間調査機関によると7900万人が医療費返済に窮しており、これが、自己破産の大きな要因ともなっている。

経済危機で、無保険者はさらに増えると予想されるほか、従業員向けの企業の医療保険も、コスト削減から保険の適用範囲が狭められる場合もある。「病気になっても医師に診てもらおうとしない」(医療専門家)という傾向が強まる恐れがあるという。オバマ大統領は、95年に癌で亡くなった母親(当時53歳)が、病状よりも医療費の支払いを心配していた、と明言。誰もが加入できる医療保険制度の確立を目指している。《日本に生まれたことを感謝しなければならないのだろうか。》

                 -- つづく --
 

|

« 神奈川県の禁煙条例悪あがき、 ほか | トップページ | 続 救急受け入れ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107998/44410391

この記事へのトラックバック一覧です: 救急受け入れ:

« 神奈川県の禁煙条例悪あがき、 ほか | トップページ | 続 救急受け入れ »