給食費未納問題
アネモネ つばき
つばきの方は、
開花すると直ぐに甘い蜜の部分がひよどりに食いちぎられていく。
2年ほど前には20億円だった給食費未納額が、現在は約22億円にまで脹らんでいる。問題が取り上げられてモラルを云々する声も上がったが、当人たちには寝耳に水のたわごとにしか聞こえないようだ。モラルは責任感のある人に呼びかけてこそ効果はあるが、現在発生している小中学校の給食費未納の保護者には、モラルを説いても耳には届かない。義務教育とは保護者が子に教育を受けさせる義務であることを理解しない親が、義務教育だから学校がすべてをするべきだと、何事も学校丸投げになっているのが原因だ。
未曾有の景気の悪化による生活の苦しさは実際に存在するが、そのことの言い訳はただの隠れ蓑に過ぎない。生活困窮家庭には補助もあり、月4000円程度の給食費の捻出に困る家庭はそんなにあるわけはない。「生活が苦しい」と言えば、すべてに同情が先に立ち、立派に錦の御旗の役目をしてくれる。
毎日新聞(3/15)から、
と鳥取市立の小中学校で05、06年度に未納になった給食費計780万円が校長や教員の個人負担や、PTA会費などで立て替えられたままになっている。市教委は「立て替えは今も全国的に行なわれているはずで、改善する」として、07年度以降の未納分を一般会計で補填することにしたが、05、06年度分は措置しない方針だという。景気悪化で経済的に苦しい家庭が増える中、校長らが不況のつけを押し付けられた格好だ。
《PTA会費からの立て替えとなると、給食費を払っている家庭がPTAに加入していればその会費からも、僅かであっても未納者分を立て替えることにもなるということだ。》
市教委によると、一人当りの年間給食費は小学校が約5万円、中学校が約5万7000円。文部科学省の全国調査(05年度)と市の06、07年度の調査によると、
同市の未納額は05年度447万円(06年11月時点)
06年度333万円(07年同)
07年度198万円(08年10月時点)。
07年度は小学校44校のうち12校で、
中学校18校のうち11校で未納があった。
市教委の担当者は「徴集のために家庭訪問すると、失業や離婚などによる経済的困窮を訴えられるケースが多い」と話す。ある校長は「未納額が十数万円にもなり、大半を負担している校長もいる」という。
このため改善を求める声が上がり、市教委は07年度分以降については、督促に応じない未納者に対し簡裁に督促を申し立てたり、悪質なケースでは債権差し押さえ命令を地裁に申し立てるなど、納付率アップに向け対応を厳しくした。
秋山光行・市教委体育課長は「全国でも学校側が負担しているところはあるはず。鳥取市は解決に向けて一歩進んだ」と話す。しかし市教委は05、06年度分については「学校任せ」の方針だという。
文科省の全国調査では05年度の未納額は約22億3000万円に上るが、学校や教委の対応は把握していない。と鳥取県内の他の3市は、校長らの個人負担にならないよう不足分を市が賄うなどしている。
[参考]
【学校給食法】昭和29年6月3日法律第160号 (最終改正までの未施行法令)平成二十年六月十八日法律第七十三
(この法律の目的)
第一条 この法律は、学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与するものであることにかんがみ、学校給食の実施に関し必要な事項を定め、もって学校給食の普及及び充実を図ることを目的とする。
(学校給食の目標)
第二条 学校給食については、義務教育諸学校における教育の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。
一 日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと。
二 学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。
三 食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること。
四 食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと。
《学校給食が教育の一環というのなら、給食費を払わないで食べる友だち、食い逃げ同様の友だちのことを、また、その保護者のことを何と教えるのか。ルールを守らない大人たちのことを何と教えるのか。そこに豊かな学校生活が生まれるのだろうか、友だち同士の明るい社交性が生まれるのだろうか。
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コメント
はじめまして。ブログに突然失礼します・
「最大65万円滞納・・田辺市・紀伊日報より」、「督促しても結局、話し合いというものが全くできないんですよ・島田市」支払い督促などの法的措置実施、群馬県宇都宮市・埼玉県八潮市・和歌山県田辺市・横浜市3000万円、大阪市4890万円などで実施。仮に公金〔税金で支給されている給食費=就学援助費・生活保護費で実費支給〕を騙し取るなどの違法行為が放置されているとしたら、法律や条例改正が必要だろう。この問題を、放置している等しい愚図の文部科学省の役人に、一度督促をやらしてみるのが一番だろう。
一方、教員の未納給食費の徴収・督促は、教育業務外だとして、藤沢の小学男性教諭が給食費の徴収督促業務を止めるように措置要求し、それを却下した神奈川県人事委員会を相手に、却下の取り消しと100万円の慰謝料を求める訴訟を提起。・朝日新聞より 全国各地では、教員や校長が督促や家庭訪問を繰り返し、まるで債権回収業。
いったい、学校給食制度のどこに問題があるのか。・・・まず、未納が起きないシステムの構築が先決。全国ほとんどの小中学校で、校長の私会計など、おかしい。ここには、多額の税金が投入されている。親が負担するのは、学校給食法によると、食材費とのことである。ところがこの食材費にも多額の税金が投入されている。例えば、生活保護、就学援助費受給保護者は、全て、この給食代が支給されている。その額は、不明だが、東京、大阪とか北海道では支給率が20%を越えているといわれている。全国平均でも16%前後か、これ以上に上昇している。
だとすれば、校長の私会計などありえない。公会計とは、税金の使途を明確にするもののはずで、当然、市町村並び議会が、地方自治法に基づき学校給食会計の管理監査・徴収に当たらなければならない。紀伊日報・毎日・朝日新聞等の記事からもわかるように、校長や教員が徴収や督促したところで所詮、気兼ねしてむりがある。それにこどもは、間に入ってかわいそうではないか。
支払いを拒む、他の親の給食費まで、真面目に支払っている親が負担させられるなど、信託した財産権の侵害行為にあたるから、絶対許してはならない違法行為だ。 これを放置してきた、役人の無能ぶりには、あきれるばかりだ。
仮に、学校給食を続けるなら、生保・就学援助等で支給される給食費=税金(市町村の住民税・固定資産税なと゜)は、高校(公立高校・私立高校とも学校もしくは、県に直接支払われる。故に先ず不正は、生じない。給食費を直接、会計にいれる。これで8割は解決だろう。それ以外は、支払い督促⇒仮執行宣言⇒差し押さえ、給料か車のタイヤロックが非常に有効。このような不正行為を容認する事は真面目に支払っている親の給食費をドロボウしていると同じ事になる。愚図の文部科学省といい、市町村並び議員は、真面目に働いてほしいよ。)それすら出来ないなら無能行政がやるのは、税金の無駄になるから、民営化したほうが、よほどすっきりする。未納など、2年以内にゼロにする可能性が高いとみている。
投稿: いいかげんにしろ 給食廃止しよう・・税金の無駄 | 2012年3月11日 (日) 13時00分
失礼します。普及奨励法である学校給食が、横浜地裁は「教育そのものである」と断言し、長期の未納や多額の未納金も教員の仕事であるとの判断をしましたが、これには、大いに疑義がありますので反論させて下さい。
教員の未納給食費徴収業務容認、東京高裁へ控訴・net-news.jp
深刻化している給食費未納問題を放置し続ける怠慢行政の裁量権を追認する安易な判決を批判するその1
・東京高裁へ控訴 控訴日 2014年2月12日 学校給食費未納・学校給食費値上げ
2014年1月31日朝日新聞より、研究のため引用
「藤沢市立小学校の男性教諭(60)が県と市を相手取り、「未払い給食費の徴収は教員の業務ではない」ことの確認などを求めた訴訟で、横浜地裁(阿部正幸裁判長)30日も教諭の訴えをいずれも却下、棄却する判決を言い渡した。
教諭は、2008年から校長の指示で給食費の徴収に従事したが、本来の徴収権者は、学校設置者の藤沢市で違法と主張していた。」
「判決は、自治体の裁量内で、違法ではないと認定。教諭の「本来の取り組むべき教育業務への時間が奪われている」との主張に対しては「給食は心身の発達に資するもので教育そのもの」とした。・以上朝日新聞より引用終了。
との判決であるが、「看過できないほど深刻化している未納問題を放置し続ける怠慢行政の裁量権を追認する安易な判決」であり、今後、この判決に対して厳しく批判を継続して行っていく。
具体的には、藤沢市のホームページによると、市内公立小学校35校の児童数は、平成25年5月1日時点で2万2913人。1校平均人数は、654人で全員が給食を受給していたと仮定すると神奈川新聞による、2012年度の未納は、3%超であるから
○2012年度の藤沢市公立小学校全体の未納額は、約2800万円前後と推定できる。
○2012年度の藤沢市公立小学校平均の未納額は、約 84万円前後と推定できる。
2014年1月31日付け神奈川新聞による藤沢市教育委員会発表の未納率に関する記事。
「藤沢市教育委員会によると、市立小35校の2012年度の未納者の割合は3%超で、文部科学省の抽出調査の0・9%を大きく上回る。
未納者には各校が電話や文書などで督促をしているという。
一方で、横浜市や海老名市のように、学校給食費を公会計化して行政が一括管理する自治体もある。
原告の男性は、不登校の児童への対応など教員の業務は増えており、徴収は行政が責任を持って行うべき」と主張、控訴を検討するとしている。」・・・引用終了
とあるから以下は、藤沢市ホームページから児童数、給食費を参照し未納額を推測したものです。
①2012年度の平均1校当たりの平均未納額は約84万円 (全員受給と仮定)
②2012年度の平均1校当たりの給食費徴収金額約2808万円 (全員受給と仮定)
同年度の市内公立小学校35校の給食費未納総額は2800万円に達すると思われる。いずれにしても驚愕すべき未納額であり、これは、校長・教員らによる学校単位の徴収が限界に来ており、かなり困難であることを示唆しているとも言える。
算出方法は以下のとおり。(あくまでもこの金額は推定金額です)
藤沢市ホームページによると1ヶ月の給食費は、市内一律1ヶ月3900円の年間11ヶ月であり一人平均年間4万2900円になり、1校平均児童数645人と仮定すると645人×4万2900円×0.03(未納率3%)=約2808万円×0.03で約84万円に達すると思われる。
恐らく、実際には、アレルギー、不登校等で給食を受給していない児童もいる可能性もあり上記金額より若干低くなると推測できる。
このような、現実を無視し場当たり的な怠慢行政を追認する判決を下した
裁判官は以下のとおり。横浜地方裁判所第7民事部 所属。
裁判長 阿部 正幸
裁判官 建石 直子
裁判官 柵井 啓 ら
一方、原告は、東京高等裁判所の控訴審をはじめ徹底的に争う。
控訴年月日2014年2月12日
未納は、地域により偏在しているため、未納が多い学校と少ない学校では、教員の負担が全く異なる。これは、即ち本来割くべき教育活動の時間が、日常的に圧迫を受ける、だけではなく、上記のような全国平均の3倍以上の未納が生じているとすれば、かなり深刻な事態ともいえる。こちらは、見てみぬの横浜地裁第7民事部。呆れます。
また、支払い拒否された場合、真面目に督促をすればするほど保護者との対決緊張関係が生じます。再三再四にわたる督促は、人間関係に深刻な影響を与えます。また、数年以上の未納給食費の取立ても「教育そのもの」だとの判断です。これも教育だと判事の阿部 正幸らは、認定しています。長期間にわたる債権の回収業務が教員の仕事である法的根拠を示すのが裁判所の仕事でしょう。
投稿: 多額・長期の未納給食費徴収は、教員の業務を批判する | 2014年2月24日 (月) 16時53分