サプリ人気、苦情も急増
日本人のサプリ人気は健康のためというよりも、流行に乗り遅れまいとする付和雷同の心理から高まったものと思える。
日本人がアメリカを旅行中に病気にかかったとする。医療保険制度が日本とは異なり、死を覚悟しなければならないほど高額な医療費のかかる国だ。そのため、日ごろからアメリカ人は健康維持には関心が高く、薬よりも安いものも多いサプリメントが幅広く普及している。
そもそも日本にサプリメントの考えが入って来たのは極く最近のことだ。1996年、アメリカの外圧により、市場解放問題苦情処理体制*でサプリメントが販売できるように規制緩和が決定された。サプリメント、俗に日本では健康補助食品と言われており、法的には食品の区分に入れられている。
* 市場解放問題苦情処理体制(Office of Trade and investment Ombudsman、略称:OTO)は、日本への市場アクセスの改善を図るために、市場解放問題等に関する苦情を日本国内外の企業などから受け付け、処理する国の体制。
毎日新聞(1/31)から、 要約と 《 》内は私見
今や年商7000億円を超えるサプリメント市場。急成長に伴いクレームなども増えており、健康食品業界などは第三者認証機関の設置に向けて動きだした。果してそのサプリの効能はどうなのだろうか。
調査会社「シード・プランニング」によると、サプリ市場は調査を始めた02年の4850億円から、05年6400億円、08年は7446億円(推定値)と右肩上がりの成長が続き、6年間で約1・5倍に拡大した格好だ。「健康志向の高まりと、手軽に摂取できることが人気の要因とみられる。
《加えて、特に日本女性にみられる病的なまでの痩せへの願望が重なった。毎日の食生活に偏りがあり、朝食を抜いたり、過食、嘔吐を繰り返して健康管理ができず、便利なサプリメントへ一気に流れて行ったと見る方が分かりやすい》。
一方で、サプリを含む健康食品など「薬効をうたう」商品に絡む国民生活センターへの相談件数は、04年度の3332件から07年度は4839件へ増えた。今年度は昨年12月18日までに2700件あった。
《周りからの刺激に左右される流行とは恐ろしいものだ。情報を素早くキャッチするためにはり巡らすアンテナを広げ、些細なことにも過剰に反応する。あれが良いと聞けば左に走り、こっちの方がもっと良い、と聞けばそそくさと右に走る。その右往左往の繰り返しが流行となる》。
《人が口にする商品は食品と医薬品(医薬部外品を含む)。サプリメントは法的に食品に分類され、食品は3種類に大別される。
▼特定保健用食品(特保:トクホ):厚生労働省から認可を得ることで特定の保健用途における効能を表示することが可能。ただし、錠剤や粉末状のものは認可されないため、これに分類されるサプリメントは今のところない。
▼栄養機能食品:12種類のビタミンと5種類のミネラルのいずれかが一定量含まれ、その栄養素の機能を厚労省に届出や申請なしに表示できる食品。(平成13年4月創設の保健機能食品制度によって制定された),
▼一般食品:トクホと栄養機能食品以外の「いわゆる健康食品」で、効果や効能を書くと薬事法違反となる》。
サプリメントは、従来は使われることが少なかった原材料を使い、特定の成分を濃縮や抽出するケースも多い。食品衛生法は安全性に疑いがあるものは販売を禁止することができ、原材料の仕入れから製品出荷までの製造工程では、管理基準書の作成など安全性の確保を事業者に求めている。ただ、原材料では安全だったものの、濃縮など加工する過程で特定成分が過剰に高濃度になったり、成分が変質する可能性もあり、現在の取り組みでは不十分との声もある。
また、表示方法等について、サプリメントは医薬品と違って効果効能を宣伝することはできない。しかし、厚労省が表示許可をしたトクホや、民間団体が品質保証を承認などした商品以外では、効果効能を前面に出したい業者もおり、医薬品のような表示を使っている商品も少なくない。
厚労省は昨年7月にまとめた報告書で、製品の安全性を保証するため、認証機関の設置を提案。1月15日には認証機関を監督する認証協議会を設置する準備会が開かれた。準備会には全日本健康自然食品協会など8団体が参加。今後は学識者、製造者、消費者らで認証基準などを策定する方針だ。認証基準に合致した商品には、認証機関が認証マークを付与する。
今回設置する認証機関は、商品の安全性を審査する。来年度中には認証制度をスタートさせたい考えだが、今後はどれだけ普及させていくかが課題となりそうだ。
サプリメントなどに詳しい日本薬科大学の丁宗鉄教授(漢方治療学)は「『いわゆる健康食品』の分野には効能効果が科学的に検証されていない商品も野放しになっている。一般の人が接することが多く、効果効能が検証されていない商品の品質を引き上げることが重要だ」と話す。
《随分のんびりした話だ。害悪があるかも知れない出廻っている商品の被害が出てからでは遅いのではないか。疑わしいものが出回り、手遅れになる前に発売をストップさせるだけの行政指導はできないのか。
《私のようなサプリメントどころか医者にも行かず、健康飲料やミネラルウオーターを飲んだこともなく、殆ど健康に無関心な生活を送っているものでも、毎日の十分な睡眠と規則正しい食事の習慣さえ身につけておれば、風邪も知らず、何も改めて医薬品や健康食品の名のついた食べ物に世話になる必要などさらさらない。
《サプリメントといえば、
ビタミン-ではA、B、C、D、E、H、K、P、Uなど、
ミネラル-の亜鉛、鉄、銅、クロム、ナトリウム、コバルト、コバラミン、モブデン、ヨウ素、リンや、
アミノ酸-スレオニン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパラギン、セリン、プロリン、グルタミン、チロシン、DNAなど、
必須脂肪酸-αリノレン酸、EPA、DHA、アラキドン酸、ガンマリノレン酸などを含んでその数は150種類以上はある。
《その中には日本人の家庭なら日常食卓に乗る納豆や卵黄、キャベツにトマト、舞茸に人参、大蒜(にんにく)にゴマ、或いはブルーベリーなどが名を連ねている。食事の後の緑茶も立派なサプリメントなのだ。何を好んで野放しになっている科学的検証もされていない「いわゆる健康食品」と呼ばれているものを取り入れる必要があるのか。要は各人の日常の何気ない健康管理さえしっかりしておけば、流行に流されることもない》。
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コメント
DHCのロイヤルゼリサプリについて
始めて3日程飲んだだけですが副作用のような
胃潰瘍や胃炎になります。ほかの人もなりま
した。大変苦しく毒でも飲んだように何時ま
でも回復しません。これは市場での販売は中
止すべきです。酷いものです。。初めてです。
投稿: KK | 2014年9月25日 (木) 14時08分
私ではないのですが、口臭サプリメントをお試しで購入しました。殆ど薬等は飲まないのにこれを始めて2日目で咳が出るようになり、お医者様に見て頂いたらすぐ中止するようにと言われ因果関係は分かりませんが、驚きました。やはり、試すのは大事ですね。
投稿: | 2019年1月26日 (土) 12時15分