授業料未納なら卒業証書渡さない
早いもので、2009年も6分の1が経過した。振り返ってこの2カ月、どれだけ充実した生活をしてきたか少しばかりこそばゆい気がする。
毎日新聞(2/28)から、
島根県立高校44校のうち8校がこの5年間で、保護者に対し、授業料などの未納があった場合、卒業証書を渡さないと通知していた。同県の県立高校規程は、教育課程を終了した生徒に卒票証書を授与するよう定めているが、06年度には実際に卒業式で証書を渡さないケースがあった。県教委高校教育課は「卒業証書を人質にとったと言われても仕方のない対応。配慮に欠けていた」としている。
《規程で「教育課程を終了した生徒に卒業証書を授与する」よう定めていることを引用して、高校側を非難するのは屁理屈というものだ。この規程の根本には、文字化してはいなくても学問の教えを請うものの基本として、授業料を納めることは当然のことととする内容が含まれている。メディアがこういう考えだから、奨学金未納問題を取り上げても、未納者にではなく、請求する側を非難する論調になるのだ。そのために、「格差社会」「苦しい生活」を払えない理由の金科玉条に押し頂いて記事が作られる。かれら保護者の生活の中では、携帯の所持は、車などのローンはどうなっているのだろうか。生活背景も合わせたレポートでないと是非を論じるのは難しいが》。
《何度か触れてきたが、少年時代の我が家も貧乏人の子沢山を含めて常に10〜12人の大所帯だった。小学校しか出ていない明治生まれの父が全員の生活を支えていた。生活水準は推して知るべしだろう。父には事後告白(母を通してだが)で旧制中学を受験し、敗戦で新制高校へ進んだ。貧乏は百も承知だった。両親には黙って1人で担任や学校に相談して返済不要の奨学金て無事に卒業した。過保護に育てられた今の子には、自力で困難を切り開く考えも智恵もないのか。
今年1月、安来市の県立安来高校が3年生全員の保護者に通知。県教委が調べたところ、同校以外に7校で未能文があった保護者に限って同様の通知をしていた。
《一方、学校はいきなり卒業証書を授与しなかったのではない。前もって予告文書で保護者に知らせてもいる。納入できなければ猶予を願い出るなり、納入期日を学校に連絡するのが保護者の責任だろう。
安来高校などによると、2、3月分の授業料などに関する1月20日付けの通知に「期限までに全額納入がない場合は、卒業証書をお渡しできません」と記し、3年生約150人に配布した。同校は昨年度から「卒業後は連絡が取れなくなる場合もある」との理由で、この措置を始めた。同校では実際に卒業証書を渡さななかったケースはないという。栂瀬久男校長は「卒業証書と授業料を連動させたのはまずかったと反省している」と話した。
《学校はメソメソと反省することも弁明することも必要ない。教育者として間違ったことをしたのではないのだから。俗に言う「弱者」に必要以上に甘い同情を寄せる世の中になっているのが現在の日本だ。
県教委によると、08年度までの5年間に安来校以外の7校では、未納分があった65人の保護者に、口頭や文書で「納付しなければ卒業証書の授与を延期する」と伝えていた。県西部の1校は06年度、授業料を滞納した1人に卒業式で卒業証書を渡さなかった。
《奨学金を滞納し、督促にも答えず、挙げ句には逆切れで恐喝紛いの言辞を弄する、まともな人間とは考えられないような滞納者が、現実にいることを考えれば、けじめを教える意味でも授業料の納入がなければ卒業証書を授与しないことは当然のことと言える。
県教委高校教育課の川原一朗課長は「今回の文書は配慮に欠けており、適切でなかった」と話している。
《これでまた、決められたことを守らなくても、生活が苦しいと言えば、見逃してくれる世渡りの智恵を多くの生徒たちや大人たちに、広く知らしめる効果を生む結果となり、悪しき慣例が作られるのだ》。
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