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2009年2月15日 (日)

産科医療補償制度

 女が子どもを産む。病気ではない至って当たり前のことだが、現今の晩婚化に伴い、医療がいくら発達しても、出産に当たってはリスクが伴うこともあり、赤ちゃんが障害を持って生まれる可能性もある。そうしたケースの一部について、裁判などで争わなくても母親側に計3000万円の補償金が払われる「産科医療補償制度」が、1月からスタートした。ただ国の周知不足もあり、仕組みをよく知らずに登録している妊婦も少なくない。

毎日新聞(1/7)から、 要約。
 「脳性麻痺で重い障害を持つお子さまとご家族に役立つ制度です」。東京都町田市の「菜の花クリニック」は昨年8月から、待合室の掲示板をほぼ丸ごと、産科医療補償制度の説明コーナーにした。「手続きやお金の流れが複雑で、どう説明していいか産科医も悩んでいる」と町田利正院長も苦笑するほどのややこしい仕組みのようだ。

Dscf002_2 この制度の準備段階の名称は「産科無過失補償」。つまり、分娩施設側の落ち度の有る無しに関係なく、子どもの福祉の観点から長期的な生活支援をしようという新たな試みだ。

 原資は、妊婦が健康保険から受け取る出産一時金。1月から35万円が38万円に増額されたが、上乗せされた3万円が分娩料の加算分として病院側に渡り、これが掛け金になる。

子どもに重い脳性麻痺があると認定された場合、支払われるのは一時金で600万円。その後20年間、仮に子どもが途中で死亡しても、年120万円ずつ支給される。一括払いでないのは、確実に子どもの養育に使ってもらうことに加え、補償金目当ての虐待死などを防ぐ目的もある。

民間保険を使うため加入は任意だが、昨年12月16日現在で産科医院・診療所の95%が加入済み。施設名は運営組織の日本医療機能評価機構に問い合わせれば分かる。また妊婦側は、制度への登録を拒むことはできない。

制度が軌道に乗れば、妊婦側は補償を受けやすくなり、医師側も訴訟リスクが軽減される利点がある。一方で、混乱を懸念する声も根強い。最大の問題が補償範囲の狭さだ。

対象は身体障害1、2級相当の脳性麻痺だが、2000グラム以下の低体重児や先天性の異状は原則除外される。これは制度が分娩に伴う医療事故を前提としているからで、後世労働省は「事故がなければ正常に生まれたはずのケースに限定せざるを得ない。対象を広げれば1件当たりの補償額が低くなり、生活支援にならない」と説明する。

だが、厳しい認定要件は、新たな紛争を引き起こす原因にもなりかねない。年間最大800人程度とされる補償件数が想定より少ないと損保会社に多額の利益が転がり込む面もあり、助産師らで作るNPO法人「お産サポートJAPAN」は「民間保険ではなく、国が社会保障政策として幅広く保障するべきだ」と主張する。(後略)

《国にしろ民間にしろ、スタートしたばかりだ。懸念されることは反対に損保会社の大幅なマイナスになることだってあるだろう。事故がなければお産は正常に経過して元気な子が生まれるのが普通だ。事故を想定する裏には現在の産科医の不足に加えて激務、産院の減少、出産年齢の高齢化などがあるのだろうが、いずれにしても制度は始まったばかりだ。制度に不備が生じるようなら、早め早めの対処をすることこそ重要なことだ》。

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