「携帯利用」子と親、認識に溝
今頃、随分寝ぼけた調査だが、文科省が『携帯利用 初の大規模調査』と名づける調査をやったようだ。19日のブログでも触れたが、この程度の問題は早くから指摘され、そのためにフィルタリングや機能制約機種に関する話題も取り上げられ、携帯メーカーもリスクを避けるために、効果もない説明会を開いてお茶を濁しているのが実態だ。微力ながら私のブログでも、これほど害悪が広がっているのも、家族崩壊、家庭教育の欠落とも見られる親の無関心、監督責任の放棄が根本にあることは口を酸っぱくして記事にしてきた。特に格差社会が叫ばれ出してから、働くことだけが善であるかのような風潮が生まれ、子育ては後回しにされているのが現実だ。
状況はもう、データを集めてあれこれ云々している段階ではない。親と子の間に疎通などない。子どもは学校や世間が育てるもの、とでも思っているような大人、親、保護者たちには、子どもたちの手本となるようなモラルなどかけらもない。子どもたちだけに決められたことやしきたりを守れという方が無理だ。
参照 非出会い系サイトが深刻だ 09/2/19
毎日新聞(2/26)から、
文科省は25日、子どもの携帯電話利用について初めて実施した大規模調査の結果を公表した。事件やトラブルの舞台にもなっている自己紹介サイト(プロフ)の公開経験(パソコン含む)がある高校2年生は44・3%に達する一方、子どもに公開経験があると思う親は16・5%にとどまるなど、親と子の認識ギャップが浮かんだ。
調査は昨年11月〜12月、全国の小6、中2、高2の計約1万7000人と、その保護者を対象に実施。約1万人ずつから回答を得た。
プロフ公開経験は中2では13・9%」だが、経験があると思う親は7・3%で、約4割はプロフ自体を知らない。どの学年でも女子の方が経験割合が高く、高2女子は58・1%で男子より30ポイント高い。《9日のブログにグラフを入れてあるが、プロフの段階の生易しい話ではない。性体験者においても女子高生の方が男子よりも高く、10人に3人が性体験を終えている。それでも親は「私の子に限って」だ》。
個人日誌など「ブログ」の公開経験がある高2は41・6%に上るが、経験があると思う親は19・0%。携帯電話所有者のうち「家庭でルールを特に決めていない」と答えた高2は54・0%いたが、親では26・2%で、文科省は「親が言っていることを子どもはルールだと認識していない。コミュニケーション不足が表れている」と指摘している。
また、携帯電話で1日30件以上メールを送受信している割合は、小6が7・2%、中2が33・5%、高2が27・6%。午後11時までに就寝する割合(中2)は30件未満だと42・8%だったが、30件以上では25・3%に激減した。携帯電話の所有率は小6が24・7%、中2が45・9%、高2が95・9%だった。
《上下関係意識が薄れ、教師も友達感覚、親は「兄弟みたい」「姉妹みたい」とおだてられれば喜び、親子関係はなくなり、社会へ出すためのルールを教えることや躾けせず、叱ることなどもってのほかとなる。子どもが何をしようと自由を尊重、といいながらその実はただの放任のままだ。自由の本質が責任であることなど親自身が知らない。こんな親のいうことをルールの教えや躾と捉える子はいまい》。
メールを打つのは自分の部屋や寝室。有害サイトに接続できないようにするフィルタリングの普及はまだまだ、だ。文科省の調査で明らかになった子どものケータイ事情は、学校への持ち込み禁止やフィルタリングが抜本的な対策とはなっていないことを示す結果となった。一方、メールアドレスを複数使い分ける子どもたちがいることや、情報モラル教育の有効性も明らかになった。
《寝ぼけた感想だ。そんなことは疾うに分かりきっている事実だ。子ども部屋を与えることが自由主義の真似事で日本の家庭にも取り入れられてきたが、寝室にまで携帯を持ち込むことを許しているのは、育児責任の放棄でしかない。メーカーの責任逃れのようなフィルタリング機能を、子どもたちが横道に逸れることの防止策として多少でも期待していたとすれば、文科省の役人たちもよほどお人好しか世間知らずの木偶の坊だ》。
携帯電話を「よく使う」場面で最も多いのは、小中高とも「自分の部屋などで1人でいる時」。小6で約3割、中2は6割超、高2では約7割に上る。小中学校は大半が持ち込み禁止だが、学校外での対策こそ求められることが浮かんだ。
《「親は学校任せ」ということは誰からも指摘されてきたところだ。学校の責任は校門を出てしまえばない。学校が拘束している時間と家庭にある時間と比べれば、家庭内教育が如何に大切かは莫迦な文科省の役人以外は誰でも知っていた。そしてすぐに地域社会の協力を口にするのも常套句だが、地域社会には親に匹敵する子育ての責任などない》。
ただし高2では、授業中にも使う生徒が約2割いる。文科省は今年1月、高校内での使用を禁止すべきだとの通知を出したばかりで、「指導の徹底」が課題になりそうだ。
《頭をコツンで暴力と言われて何が指導できるのか。甘やかすことが子育ての現在の日本ではこのような生徒の矯正教育は不可能ではないか》。
フィルタリングがかかっているか、ネットに接続できない設定になっているのは小6で約6割、中2は約4割で、高2ではわずか15・6%。18歳未満が契約者の携帯電話は親から「不要」との申し出がない限りフィルタリングがかかるが、高2でも4分の3は親が契約者で、文科省は「親が認識を持つことが重要だ」としている。
《いまさらで、莫迦な親には最早言う言葉がない。高校を卒業するまでは、携帯は持たせないのが最良だが、持たせたものは仕方ない。親が契約者ということは、携帯は親が買い買い与えているということだ。何も注意せず、ルールも教えず、野放図な使い方をしても、電話代まで親が負担しているのだろうか。小遣いから子どもに支払いさせる自己責任を教えているのだろうか。また時には、使用状況をチェエックしているだろうか。子どもの教育とはそういう物との関わり方を教えることだということを知らないのだろうか》。
トラブルについては小6は約6割が「特に経験なし」だった。だが、中2と高2は7割近くが遭遇し、最も多いのは脅迫的文言で無意味なメール転送を迫る「チェ−ンメール」で、約6割が受け取ったことがあった。
また、複数のメールアドレスを持つ子が小中高とも6〜7%いた。「知らない人とはサブアドレスでメールし、仲良くなったら本アドレスに切り替える」(中2)などが理由。「メールマガジンは受け取りたいが、危ないことがあるので友達用と分けている」(同)との答えもあった。高2女子では、携帯を2台以上持つ生徒も6・8%いたる。
チェーンメールの転送を「いけない」と答えた小6の割合は、情報モラルの学習経験がある子は55・9%で、ない子より約20ポイント高い。小6の親のうち、情報モラルの学習経験がある人の85・3%は、子どもに携帯電話の危険性を説明していたが、経験がない場合は65・1%にとどまった。
《テレビで面白可笑しく幼稚園の子どもたちを取り上げるが、おむつがやっと取れたような男の子女の子たちが、お互いに好きだのチューだのを言ったり、して見せたりする。子どもの雑誌には早くから性描写が描かれる。性の目覚めが早まるのは当たり前の世間だ。また、思春期に男は女を,女は男を意識するのは健全でもある。そこに格好の便利なおもちゃを手にすれば、有害サイトの甘い誘惑に誘われることになるのも自然だ。そこに待ち受ける犯罪の罠に嵌り込むのに時間はかからないが、それもこれも親の子どもへの無関心から生まれるのだ》。
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